週刊ベースボール 2003年12月15日号
週ベ オーロラビジョン”悔しかったあの試合”
 忘れられない屈辱だった。今期の開幕ロースターに名を連ねた竜太郎は わずか1試合で二軍落ちした。開幕戦では 代打で1打席打席に立ち 近鉄三沢の前に三振に倒れた。非情な通告は、その翌日 開幕2試合目の試合前、大阪ドームでビジターのユニフォームに着替えた後だった。
「さぁっ てときでしたからね、本当に悔しかった。言葉にできない悔しさでした。絶対にすぐに上がってやると思いましたけどね」と苦笑いで振り返る。
今季 竜太郎はキャンプイン当初から精力的に打ち込んでいた。1年目の昨年は34試合に出場して 打率.214 0本塁打 2打点と不満足な物。控えの外野手という立場から、もう一段階上のレベルをめざした。外野の定位置は すでに谷・ブラウンが占めており、残る椅子は1つ。それを葛城 副島 塩谷らと争う厳しい状況だったが オープン戦で結果をだし開幕一軍の座を手に入れた。その矢先の電撃降格はハンマーで頭を殴られたような衝撃だった。
 だが竜太郎は この屈辱をプラスに転化させた。サーパスでも1打席 1打席に集中。ローボールヒッターの本領を発揮し、要所で相手の致命傷となる一発を放つようになった。5月6日に一軍昇格。今期初スタメンとなった同13日の西武戦では石井貴から2安打を放った。同23日の近鉄戦では エース岩隈から一軍初アーチ。その後スタメンに名を連ねる試合あ増え 徐々に存在感を増してきた。
 79試合出場で 打率.253 7本塁打 18打点。とりあえず一年目を上回る成績を残したがまだ満足はしていない。
「開幕の悔しさはわすれませんよ」来シーズンはさらなる上を目指している。