*5
癌疼痛治療は薬物療法から開始するのを原則とすべきであるが、腹部内臓癌、とくに膵臓癌に起因する上腹部・背部の痛みには、早期に腹腔神経叢ブロックを行うことを考慮すべきである。
,緩和医療,1,2,65
*5
局在した部位の痛みで、しかも、@入浴(温暖)によって軽減、寒冷によって増悪する痛み、A体動時(排便時痛など新たに加わる刺激によって起こる痛みを含む)が主たる場合には、@に対しては交感神経ブロック、Aに対しては知覚神経ブロックの適応を考慮する。ただし知覚神経ブロックは知覚障害のみならず運動神経の障害を伴う場合もあるので、その利点と弊害について十分に検討する。
,緩和医療,1,2,65
癌疼痛治療における神経ブロックの利点。
1.患者の全身状態や意識、精神活動に直接的な影響を与えない。
2.適応を守って行えば完全な無痛が得られる。
3.一度の処置で、週もしくは月単位の長く続く鎮痛が得られる。
4.神経そのものの遮断なので鎮痛の程度が高い。
5.鎮痛薬の定期的使用から解放されることが少なくない。
,終末期医療,,0,32
癌疼痛治療において神経ブロックを行うに当たり、基本的な適応条件は以下の4点である。
1.患者の訴える痛みが癌自体による物理的、器質的な痛みであること。
2.試験的ブロックが有効であること。
3.消炎鎮痛薬の常用量で制御できなくなった時期に行うこと。
4.全身状態がブロックに耐えられること。
,終末期医療,,0,31
*4
緩和的神経ブロックの適応
1.モルヒネ、鎮痛消炎剤無効の疼痛:(骨転移痛、神経原性疼痛、帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛、肩関節周囲炎、筋・筋膜性疼痛、骨粗鬆症による圧迫骨折など)
2.モルヒネ大量投与しても満足すべき疼痛管理が行えない場合(モルヒネ経口投与量に換算して100mg/日以上)
3.WHO方式癌疼痛治療による疼痛管理中に疼痛が増強し、睡眠障害や日常生活に支障をきたした場合
4.モルヒネなどの副作用により疼痛管理の質的低下が問題になったとき
,緩和医療学,,,82
*4
従来、癌性疼痛に対する神経ブロックは知覚神経ブロックが主流だったが、モルヒネを使用している場合には、交感神経ブロックの鎮痛効果が著しい。それは必要モルヒネ投与量の減少、あるいはブロック後のモルヒネの過量投与によると思われる副作用がみられるので、今後は交感神経ブロックが主流となると考えられる。
,痛みの臨床,,,115
*5
消化器がんの増大・腹腔内転移痛への対処として、ある程度強い痛みがあり、あるいはさらに増大する恐れがある場合、腹腔神経節ブロックが第一選択である。このブロックが奏功すると、多くの患者が死亡まで痛みから解放され、在宅移行も容易になる。
,臨床と薬物治療,18,3,14
*5
脳循環改善剤や、血栓溶解剤など抗凝固作用のある薬物治療中には、ブロックによる血腫形成の危険がある。出血・凝固時間が延長している場合には神経ブロックは禁忌となる。
,臨床と薬物治療,16,10,14
*5
神経ブロックによっては血圧低下(硬膜外ブロック、腹腔神経叢ブロック)、心拍数変動、筋力低下(硬膜外ブロック、腰神経根ブロック)を来すものがある。高齢者や合併症(とくに虚血性心疾患)のある患者では注意が必要。
,臨床と薬物治療,16,10,14
骨転移を直接または間接の原因とする痛み、または神経圧迫による痛みには放射線治療を考慮するとよい。放射線治療による骨転移痛の軽減や消失は90%以上の患者で、再石灰化は80%で認められる。ただし、一般に予測生存期間が短い場合(2週間以内)には、放射線治療の実施が適切でないことが多い。
,末期癌患者の診療マニュアル,,30
放射線治療等により癌の痛みがなくなった場合、続けてモルヒネを服用するとそれまでなかった眠気が出現するので、減量の目安となる。
,癌疼痛治療におけるモルヒネの使い方,,266
*5
骨転移の疼痛の特徴である体動などによって急激な一過性の増悪を示す突発痛の抑制を鎮痛薬で行うのは大変困難である。放射線治療はこの突発痛の軽減にも有用である。一般的に放射線治療による除痛効果は、照射開始4〜8週後に最大になると報告されている。脊椎の骨転移に対しては除痛効果が四肢骨に比べて得られにくいという報告がある。これは脊椎が荷重部位であると同時に神経症状を伴うことが多いためと考えられる。
,ターミナルケア,9,2,149
*5
骨転移痛に対する放射線療法は90%の患者に痛みの軽減、消失がみられる。奏功率は線量によってあまり変わらない。20Gy/1W、30Gy/2W、50Gy/5Wなど、いずれも有効である。余命が長そうなときはゆっくり、状態の悪いときには早くすむ方法で治療するとよい。病的骨折が起こりそうなときは、固定をしてから照射する。広範囲な転移に、半身照射を勧める人もいる。乳癌、前立腺癌などではホルモン療法が有効なことがあるので、広範な転移ではその使用をまず検討する。脊髄損傷の危険がある部位では、1回2Gyなら50Gyを越さないこと。1回3Gyなら40Gy程度にとどめること。
,ターミナルケア医学,,,104
*5
骨転移痛に対し放射線療法は非常に効果的な治療手段で、全体では、反応率が70〜80%におよぶ。骨転移は、その疼痛症状よりゆっくり縮小する傾向があり、疼痛は1回照射後24時間以内に消失しうる。すなわち、骨転移痛の緩和と骨の腫瘍縮小には相関が見られない。一方、神経や軟部組織の腫瘍浸潤による疼痛も放射線療法により治療されるが、高い線量を必要とする場合が多く、疼痛緩和と腫瘍縮小が相関する傾向がある。
,MGHペインマネジメントの手引き,,,354
*4
骨転移に対する放射線治療
一般に疼痛寛解は通常分割法で30Gy/3週の放射線治療で得られる。米国のRTOGの報告によると、照射法による疼痛寛解率に差はなかったが、15〜20Gy/1週の照射法が疼痛寛解までの期間が短く、少量短期照射法がより効果的であると述べている。
一方、疼痛寛解率は総線量によって異なるという報告も認められ、Arcangeliらは40Gy以上の照射例に完全寛解率が高く寛解期間も長かったと報告し、他臓器転移がなく骨転移も軽度な症例にはより根治的な照射が望ましいと述べている。さらにRTOGの報告でも多分割大量照射法の方が寛解期間の分析からは有用であると分析している。したがって予後が短く早期の疼痛寛解を目的とした場合は、1回線量を増やした短期照射法が有用であり、予後が1年以上であり疼痛寛解期間が長期にわたることが期待される場合は40〜50Gyの多分割照射が望ましい。
,緩和医療学,,,155
*5
有痛性骨転移の放射線治療を行うと半数以上の患者が1〜2週以内に疼痛の軽減を認め、4〜8週後までは週を追うごとに緩和効果が進む。半身照射では24〜48時間で効果が出現し、早期に疼痛の軽減が得られる。鎮痛効果の持続期間は半年程度であるが、効果と予後は相関するというデータがある。1年以上生存した患者の半数以上が1年間は疼痛緩和が持続する。照射後に疼痛緩和された部位に再度疼痛が再燃した場合には、再照射に反応することが多い。
,ターミナルケア6月増刊号,9,,16
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