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軽井沢をもっと知る本あれこれ
江戸時代宿場として栄えた軽井沢。明治に入り異国情緒を持つ避暑地として、多くの文人たちが滞在し、作品の中に描き出した。町のあちこちに、文学碑などの足跡も数多く残っている。豊かな緑に包まれた自然環境、多くの花や野鳥のさえずり、そして、それらと融合した文化があるからだろうか。現在もなお、軽井沢の魅力に取り付かれた人々が、作品を世に送り続けている。ページをめくってみれば、軽井沢を愛しているという共感を得られるのに違いない。
軽井沢ものがたり
桐山秀樹、吉村祐美、宮下常雄/共著
前半は、軽井沢の四季の移り変わりや自然の美しさを写真で紹介。後半は、軽井沢の歴史、ゆかりの作家などを写真入で解説している。おすすめのサイクリングコースや散策コースはぜひ訪れてみたい。
新潮社/1500円
軽井沢ウォッチング
飯能次夫/著
軽井沢ゆかりの文人たちが愛した場所、小説の舞台となった場所などを、写真とともに紹介している。当時のエピソードなどもふんだんに盛り込まれており、興味深い。古い図版なども登場し歴史を振り返ることができる。
文京書房/2500円
軽井沢花だより
石川功一/著
軽井沢に魅せられた画家が描く草花のスケッチ集。散策ガイドもあり、作品集としても、ガイドブックとしても使える優れもの。自然の中で輝く草花の美しさを知ってほしいという著者の思いが感じられる。軽井沢の美術館・博物館一覧のページでも紹介していますが、新軽井沢に"小さな美術館ー軽井沢草花館"として個人美術館を開いている。
軽井沢物語 宮原安春/著
避暑地軽井沢の歴史を最初から学ぶのであれば、この本が教科書となる。文庫本で約500ページというボリューム、文字通り歴史の教科書のような膨大な文章。A・C・ショーとJ・ディクソンが明治19年に軽井沢に来訪した黎明期から戦後あたりまでたくさんの資料・写真・取材を基にした軽井沢の歴史が語られている。
講談社文庫/720円
軽井沢の法則 三善理沙子/著
これはグット実用的な内容で、著者は子供の頃から三笠の別荘に毎夏訪れたという別荘族。別荘族の生活、おすすめの店、いろいろな裏話など満載。作者の三善さんは、地元情報誌「軽井沢ヴィネット」にも寄稿中です。
マガジンハウス
私の軽井沢物語 朝吹登水子/著
幼少の頃から軽井沢に親しんできた著者。大正時代から始まった彼女の別荘生活と軽井沢を生き生きと語っている。当時のモノクロ写真も多く掲載しており、華やかだった時代を垣間見ることができる。
文化出版局/2100円
碓氷峠 石井尚顕/著
碓氷峠と列車を撮った写真集で、鉄道ファンには必携。急峻な地形である碓氷峠ならではの、鉄道設備なども撮影されている。碓氷峠の線路は、新幹線あさまの開通により廃止されたが、今も多くの人々の心に残っている。
BeeBooks/2000円
軽井沢夫人
山口洋子/著
軽井沢を舞台に「女」を描き出した小説。人妻の貞淑さと奔放な性という女の二面性を見ることができる。実存する店名があちこちに登場するほか、冬の軽井沢の魅力も語られる。軽井沢ファンなら必読もの。

小池真理子/著
軽井沢在住の著者による直木賞を受賞(1995年)した作品で、官能的なムードを感じるミステリー小説。連合赤軍の浅間山荘事件が起きた時代を舞台に、軽井沢の別荘生活や当時の町の雰囲気、別荘族の暮らしなどが描かれている。著者の夫、藤田宣永も彼女から遅れること6年目の2001年に「愛の領分」で直木賞に輝いたことは、記憶に新しい。
早川書房/1700円
軽井沢通信 内田康夫/著
名探偵・浅見光彦が登場する人気シリーズの番外編。軽井沢のセンセこと内田康夫と浅見光彦が執筆競演を繰り広げる。小説では見えなかった二人の関係に出会えるかも!? ファン必読の一冊。ちなみに著者は軽井沢在住。
角川書店/980円
軽井沢殺人事件 内田康夫/著
金の売買などのインチキ商法で世間を騒がせた「佐賀原商事」の幹部社員平山は、南青山で交通事故に遭い死亡した。後には
「ホトケノオデコ」という謎の言葉と「久条亜矢子」という名刺が残った。亜矢子は現在、政界に隠然たる影響力を及ぼすフィクサー・大原と結婚していた。一方、軽井沢大橋で警視庁公安部員が不審死を遂げた。事件の背景には四十数年前のある出来事が・・・。信濃のコロンボ・竹村警部と名探偵浅見光彦が始めて競演! 霧の軽井沢を舞台に、上流社会の絢爛たる世界を描くロマンティックス・ミステリー。
カドカワノベルス/714円
多重人格探偵サイコ 雨宮一彦の帰還
大塚英志/著
「ルーシー7の七人めを探して。そしてその者の左眼に見たことのない痣があったらためらうことなく殺して」1972年、軽井沢の山荘で暴発した「革命」運動の最後の生き残り、焔妖子が警視庁キャリア・笹山徹に遺した奇妙な遺言。十数人の犠牲の血を必要とした山岳アジトでの聖宴が、眼球にバーコードを穿たれた殺人者の原点なのか?笹山徹の、そして多重人格探偵・雨宮一彦の「終わらない夏」の物語が始まる。
講談社ノベルス/924円
異空間 軽井沢 堀井正子/著
軽井沢ゆかりの堀辰雄、芥川龍之介、立原道造などの作品を読みながら、軽井沢とのつながりを分析。巻頭に、文学ゆかりの場所マップが入っているので、散策のお供としても役に立つ。
みみずく書房/500円
軽井沢山人だより 塩川治子/著
浅間山を目前に暮す著者が、自然と人、そして文学について語る随筆集。軽井沢の今昔や自然の美しさなどが随所に盛り込まれている。この本の出版社である檪は佐久市にあり、軽井沢に関する書物を多く出版している。
檪/1800円
地元関係の本は地元の本屋さんが一番多く揃えている。軽井沢でも「平安堂軽井沢店」に行けば、長野県出身者や地元で執筆活動をする作家の本が充実している。軽井沢関連の書籍コーナが設けてあり、小説から写真集まで様々なジャンルが揃っている。また、観光客に軽井沢を知ってもらうためのコーナーもあり、チョットした観光案内所としても利用できる。軽井沢駅より西方向(中軽井沢方面)へ約800m、10分の所にある。