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フィレンツェ その1
西欧のあらゆる近代芸術は、フィレンツェにその源をもつ、と言ってもほぼ間違いない。ルネッサンスと呼ばれる、大きな芸術のうねりは、13世紀にこの町に発し、約300年という長い年月をかけて、ゆっくりと大輪の花を咲かせていった。フィレンツェの旧市街は今日でも「都市博物館」と呼ばれており、町全体が博物館・美術館のようになっていて見どころも非常に多い。町の中心部をアルノ川が東から西に流れ、赤い瓦屋根の古い街並みがひときわ印象的だ。
左よりサンジョバンニ礼拝堂、ドゥオモ、ジョットの鐘楼。ここは3つの建物が一望できるベストポジション→
ドゥオモの西側に聳える塔。白、ピンク、グリーンの大理石が使われていて、色の調和が美しい。画家ジョットの設計で14世紀末に完成。内部には414段の階段があって、地上80mほどの頂上からフィレンツェ全域が見渡せる。
サンジョバンニ礼拝堂はドゥオモに面して立つ八角形の建物。11世紀の建物で、フィレンツェで最古の建物の1つ。中世ロマネスク様式の代表的な建物である。この礼拝堂には南、東、北と3カ所の扉にギベルティ作のブロンズの彫刻があり、特に東側の扉については、旧約聖書から題材をとったアダムとイブの彫刻がはめ込まれており、ミケランジェロが「これこそ天国の門」と叫んだことで知られている。さらに、洗礼堂内部のビザンチン風の壮麗なモザイクも見事である。
ヴェッキオ宮殿は14世紀にフィレンツェの政庁舎として建てられ、16世紀にはメディチ家のコジモ1世の住居として使われたレンガ造りの建物。現在はデラ・シニョーリアとも呼ばれ、フィレンツェ市庁舎になっている。外部は力強い印象のゴチック建築だが、
内部はルネッサンス様式。宮殿の入り口左にはミケランジェロの「ダヴィデ」があるが、これは模作で、オリジナルはアカデミア美術館にある。宮殿内部の大会議場「五百人広場」には、ミケランジェロの「勝利者」のオリジナルをはじめ、フィレンツェ派の画家にによる多数の作品が残されている。
シニョーリア広場はカフェテラスなどが並び、観光客の休憩場所になって
いる。広場に面して、ヴェッキオ宮殿、ウフィツィ美術館などがある。→
シニョーリア広場
ヴェッキオ宮殿
ジョットの鐘楼
天国の門
サンジョバンニ礼拝堂
ジョットの塔より見たドゥオモ
ドゥオモ
ドゥオモは正式には「花の聖マリア」サンタ・マリア・デル・フィオーレといい、その名の通り花の都フィレンツェのシンボルとなっている聖堂。本体部分は1471年に完成した。
聖堂を覆う巨大なドームは天才建築家ブルネレスキの設計になるもので、芸術と技術がみごとに融合している。ドームの頂上107mからの眺望も素晴らしい。内部の見どころは、ミケランジェロの傑作「ピエタ」をはじめとする数々の美術品。
ウフィツィ美術館
イタリア・ルネッサンスの至宝を集めた美術館。16世紀にメディチ家の事務所として使われた建物で、美術館の核となっているのもメディチ家のコレクションである。とにかくここにある作品を並べるだけで、イタリア・ルネッサンス美術のほぼ完全なガイドブックが完成するとまで言われており、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」、「春=ブリマヴェーラ」、ダ・ヴィンチの「受胎告知」、ミケランジェロの「聖家族」など、フィレンツェのみならず、人類全体の財産ともいえる作品が集まっている。
美術館入り口
ポッティチェリ:春、美術全集より
これが本物の「春=プリマヴェーラ」
これも本物の「ヴィーナスの誕生」

ドゥオモ周辺
ポッティチェリ:ヴィーナスの誕生、美術全集より