ピロリ菌の除菌治療について
平成15年(2003)3月の直腸ガン手術に際し、事前検査として胃の内視鏡検査を行いましたが、その際「ピロリ菌」が検出されました。ご承知のように「ピロリ菌」は胃炎や、胃・十二指腸潰瘍の病原菌として、特にその再発に深く関係していることが確認され、胃癌の発生原因であることも立証されております。私自身30才代前半に十二指腸潰瘍、同後半に胃潰瘍の体験(いずれも薬のみで治療)がありますが、65歳の現在遅ればせながらこの「ピロリ菌」の除菌治療を受けました。私自身の記録としてその状況を纏めました。
 ピロリ菌とは 従来、胃の中には強酸性の胃酸があるため、細菌が侵入しても死滅するとされてきた。だが「ヘリコバクスター・ピロリ菌」が発見され、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍患者のほとんどから検出されたため、胃病の発症に大きく関係していると判明した。この「ピロリ菌」の除菌治療することで、潰瘍の再発はほとんど起こらなくなった。さらに、癌の発生防止の可能性も考えられるようになった。ちなみに、この除菌治療は世界的に実施されており、現在(1999.2)66ケ国で行われている。
 ピロリ菌の感染率 感染率は若年層で低く、加齢で右肩上がりに高年層で高い。世界的にも先進国では低く、途上国で高いことから、感染率の高低には上下水道などの環境衛生状況が強く関係する。我が国の感染率は若年層では先進国並み、高年者では発展途上国並みの二層性である。
 治療方法 現在、胃潰瘍、十二指腸潰瘍におけるピロリ菌の除菌治療で最も効果的で、かつ副作用の少ない治療法は、3種類の薬剤の併用である。1剤の酸分泌抑制剤と2剤の抗生物質で、計3種類の薬剤を1週間服用する。
除菌により潰瘍の再発はほぼ抑えられる。その有効性が認められ、2000年11月から健康保険が適用されるようになった。
 副作用 主な副作用としては、軟便、下痢などの消化器障害、にが味、異味などの味覚障害、GOT、GPTの肝機能の上昇がまれに出る。したがって、副作用のため除菌治療を途中で中止することは滅多にない。
ただし、下血などの症状があれば必ず医師に連絡すること。
 その他 現在、この3剤1週間の除菌治療で、ピロリ菌は90%以上除菌されている。不成功に終わる場合は、その原因として
@薬剤の飲み忘れが多いとき
A感染したピロリ菌が前記2種の抗生物質に耐性であったとき
など。不成功の場合には、ピロリ菌の感受性を調べ、感受性のある薬剤で再度治療する。
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実際の私の除菌治療
 薬の服用 2003.8.7〜13(7日間)
薬3種類、朝、夕の食後に服用
酸分泌抑制剤 1剤(タケプロン30、1カプセル)
抗生物質 2剤(クラリス200、1錠)、(アモリン250、3カプセル)
服用中、後ともに副作用はなし。
 除菌判定 11.3 呼気テスト、胃内視鏡による採菌検査 
11.27結果判明、上記の検査いずれもマイナス反応で除菌成功

身辺有事 2