1.病名 急性心筋梗塞

2.入院期間 H29('17)2.6~16(11日間)

3.病院 荻窪病院 杉並区今川3丁目(自宅からタクシー15分、バス20分)

4.予兆
H29.2.3(金) 午前4時起床、一番電車で埼玉県・川島町へ白鳥撮影へ、帰途8時ごろ左胸にチョッ トした苦しさと鈍痛を感ずるも、暫らくの休憩で解消。
2.4(土) 小石川植物園ウメ撮影。帰途11時ごろ左胸の苦しさと鈍痛、暫らくの休憩で回復。
2.5(日) 早朝4時30分ごろ、肩から胸部への痛みで覚醒。7時30分起床、洗面後急激に肩から胸部への痛み発生、冷や汗を感ずる。食欲なし、軽いムカツキ感あり。慌てて区役所内の休日診療所へ行くも、ここには検査機械類なく治療も不可のため、何とか我慢して明日病院へ行くよう指示あり。

5.緊急入院
H29.2.6(月) かかりつけの森クリニック受診。前述の予兆説明の結果「急性心筋梗塞」との見立て。専門病院への入院、検査が必要とのことで、最寄りの「順天堂病院」、「練馬光ヶ丘病院」へ照会するもいずれも満杯で受け入れ不可とのこと。ついで「杉並区・荻窪病院」へ、受け入れOKとなり救急車手配、即入院となった。

6.カテーテル手術(カルテ上の病名 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの)
a.緊急処置室でカテーテル手術を行う。その場で衣服すべてを剥ぎ取られスッポンポンの状態、急ぎ陰毛の除毛が始まる。バリカンでガリガリ刈りその後カミソリで整えた。なぜこれを行うのかと聞くと、カテーテルの挿入は右手首から行うが、途中万一の時は鼠蹊部から挿入するため、念のための措置とのこと。とに角、救命のため時間最優先となり些か手荒い。後日聞いたが、下着類の取り外しに時間を要する時はハサミで切り取るとの事だった。
b.バルーン挿入(尿誘導管)尿道から一気に膀胱まで管挿入。手術中の排尿に対応するもの。昔直腸ガン手術の際も行ったが、この時は全身麻酔のため、術後に知った。今回は意識下で行いスムースに終了したが、前立腺肥大などあれば些か痛いとのことだった。
c.カテーテルを挿入する右手首に麻酔注射、手首奥部の動脈への挿入。所要時間を尋ねると約1.5時間程度との医師の返事。かなり寒いため毛布を要求。まず心臓冠動脈の血栓を探すため造影剤を入れる。心臓を包むように大きな冠動脈が左右2本ずつあるが、奥の方の末端に血栓があったらしい。薬品を注入溶解させるとのこと。約20分後溶解成功、ステントを挿入血管拡張、補強終了。麻酔なしだから医師の会話も全て分かり会話も可能、本当に重大な手術中なのか・・・不思議な感覚だ。手術中のモニター画像が見られないのは残念。母親が65歳でこの心筋梗塞で死亡していることを思い出したりして、当時この技術があれば命を失うことも無かったのでは・・・など、頭を駆け巡る。

7.術後のケアー
H29.2.6(月) ICU(集中治療室)へ移送される。比較的新しい病室で気持ち良い。部屋も広い。ポーターブル心電計を胸に設置、常時ナースセンターで監視するらしい。

H29.2.7(火) 術後は安定している。身体の変化なし。ただし、風邪気味となりいま流行っているインフルの検査を受ける。鼻の粘膜をとりウィルスの有無をチェックするも、現時点では問題なし。
各種薬品の服用開始、朝食後1回。風邪薬も加わり7種類の多種となる。
タケキャブ錠 胃酸の分泌を抑え、胃・十二指腸・食道の炎症など改善
エフイエント錠 血栓を抑え血流を良くする
バイアスピリン錠  同 上
アトルバスタチン錠 血液中のコレストロールの量を下げる
カルベジロール錠 心臓の働きを助ける
コバシル錠 末梢の血管を拡張し血圧を下げる
イグザレルト錠 血を固まりにくくし血栓の発生を抑える 注.この薬は2/11から追加された

定期測定 血圧、体温、体重いずれも正常、病院食(減塩、1日6g)の効果大なり。
看護師から自宅・女房あて電話あり「譫妄」が少しみられるとかで、すぐに女房が駆けつけてきた。自分としてはそんな感覚は皆無なのだが、他人から見れば少しそんな気配があったのかも・・・。
ICUの室内が、白と薄い緑色だけのため、一瞬感覚が狂い病室を間違っている錯覚に陥ったことは確かだ。注.「譫妄」-センモウ- 錯覚や幻覚、脳の疾患、高熱状態、衰弱、老齢などに見られる現象
夕刻になり個室が空いたため移動。ただし希望していたトイレ付き個室ではないため、それが空き次第再度移動することを前提に仮移動。
状態は安定してきた。バルーン(尿誘導管)外す、自らの意志で排尿可能となり気持ち良い。

H29.2.8(水) 昨夜は熟睡できた。早朝からレントゲン、心電図撮影、点滴開始。術後初ウンチあり次第に正常化してきた。
血圧95-53 脈拍63 夕方の測定 血圧107-76

H29.2.9(木) 主治医・片岡先生朝、夕2回往診あり。朝食初めて完食する。減塩食のためどうしても主食のゴハンが残っていた。今朝はちょうど良かった。
血圧107-50 点滴本日で終了。リハビリのため療養士と一緒に館内2周歩くも足が重い。
午後トイレ付個室へ移動。ベットのままの移動で実に簡単。
16.40片岡先生往診、順調に回復している。来週の退院も可能。これまでの諸検査からみて要注意の不整脈があり脳梗塞への懸念あり。引き続き薬での治療を続けるが、今後場合によってはカテーテル→ステント挿入も検討する。

H29.2.10(金) 朝の測定 血圧96-64 体重70.2㎏ 入院時より少し増加している。
8.40片岡先生往診 明け方心電図に乱れが発生している。昨日話したように脳梗塞への危険もあり引き続き要注意。
9.40 リハビリのため館内5周
10.00 採血
14.00 心・心電図撮影 心臓を下に横向きとなり超音波撮影。その後両手・両足に圧力をかけ血圧測定(この方式による測定は初体験、血圧、血管の硬さと詰まりから血管の状態をチェックし動脈の硬さを見る、結果いずれも標準以内とのこと。
15.00 血圧104-49 体温36.2度
17.50 片岡先生往診 昨日の話の続き。現時点では脳梗塞の発生率は4%、今後の薬治療で日本人の平均1%へ減少可能。明日から薬を1種類増やし7種類とする。血栓防止薬のため出血防止がやや緩くなる懸念あり、出血には十分注意すること。
夕刻、看護師の電子カルテ拝見。血圧などの測定データーがリアルタイムでインプットされ、他のデーターも一括表示されている。内容によってはグラフ化され視覚的にも瞬間的に判断可能となっている。病院全体で私個人のデーターをチェック可能なのだ。キャスター付きの台の上に約15インチ程度のディスプレーが乗っており、看護師が来室の時は必ず携行していた。

H29.2.11(土) 10.50 測定 血圧106-67 体温 36.7度
14.20 退院後の日常生活についてレクチャー 管理栄養士から妻が別室で聴く。
17.40 娘夫妻見舞 CD ドヴォルザーク「ヴァイオリンとピアノのための作品集」持参あり。
お馴染みのチェコ民謡を織り込んだ懐かしい旋律も多く心地良い。入院後、気分転換のため明るく元気が出るモーツァルトとシューマンのCD4枚持ち込み、たびたび聴いていた。新しいレパートリーが加わり嬉しい。
19.25 血圧125-80 体温 36.9度

H29.2.12(日) 風邪気味で咳あり。主治医休日のため風邪薬の取り寄せ困難、現在7種類の薬服用中のため、これ以外の薬となると医師の判断が必要なため。
6.20 血圧112-75 体温 37.6度 やや高い
15.10 血圧 133-87 体温 37.6度 高い
19.30 血圧 142-82 体温 37.6度 熱もあり絶不調

H29.2.13(月) 血圧 148-83 体温 37.9度高い
インフル検査の結果A型に感染が判明、今後5日間薬・タミフル服用。院内感染か・・・。周辺の病室でも患者多く、面会謝絶となる。
11.25 血圧 126-74 体温 36.8度 少し下がってきた。今日の病院食を記しておきたい。
朝食 食パン60g  ハチミツ15g マカロニーサラダ グレープゼリー 牛乳
昼食 ごはん150g 春雨スープ1/2 ナルム リンゴ
夕食 ごはん150g 大根味噌汁1/2 カニの卵よせ 小松菜とチクワのひたし リンゴ
何分にも減塩食で、1日の塩分は6gに抑えられている。この薄味には閉口したが、次第に慣れてきた。
18.00 片岡先生往診 熱が下がれば今週中に退院可能、とのこと。
20.00 血圧140-77 体温 37.7度 少し高い

H29.2.14(火) 血圧 140-79 体温 37.0 体重 68.6㎏ 少し痩せてきた。
8.45 片岡先生往診 風邪を除き順調に回復
午後 レントゲン撮影

H29.2.15(木) 血圧 121-87 体温 36.2度 体重 67.5㎏
9.00 片岡先生往診 退院、明日にでもOKとのことで明日に即決。第1回外来、3/24(金)9.30に決定。今後半年間病院通い必要。
16.00 頸部超音波(首周辺の血流チェック)異常ナシ
21.00 血圧 119-66 体温 36.4度

H29.2.16(木) 8.45 別室で片岡先生と懇談。心臓の画像を見ながらこれまでの治療経緯の説明あり。ステント挿入前後の対象画像を見ると、血流は明らかに違う。術後は良好で上手く機能している。ただし、不整脈については以前説明の通り脳梗塞への引き金となる恐れあり、暫らく薬で様子を見るが、状況によってはステント挿入など検討する。そのため、外来は最低月1回、半年間必要。

[心筋梗塞再発防止のポイント]
1.禁煙 40年前から禁煙、この点は問題なし。
2.食事 基本的には和食、食物繊維、茎野菜を多くとる。塩分は1日6g以下に抑える。大豆製品(納豆、豆腐、豆乳など) 牛乳は良い。パン類は塩分多くホドホドに。
3.適度の運動 週3~4回30分程度歩く。出来れば毎日30分程度がベスト。
4.ストレスを避ける 「焦らず、怒らず、明日で良いことは今日はしない」というノンビリ精神で生活のリズムをつくる。

10.00 支払
健保負担後の個人負担
医療費(30%負担)  91,620 (内、カテーテル手術-税込-82,698)
食事費・個人負担  10,080
健保適用外個人負担
差額ベット料(税込) 194,400  ①本日の支払い合計296,100円

アメニティセット ②14,680円(3/3支払)
 パジャマ、洗面用具一式、タオル、紙パンツなど
 病院指定の民間業者へ支払

支払合計 ①+②310,780円

純粋の個人負担
イ.高額治療費の給付
  3割負担の場合 自己負担限度額(月額)
  80,100+(医療費-267,000)×1% で今回は殆どナシ
  因みに1、2割負担の場合は自己負担限度44,400円で給付額はかなり多い。
ロ.民間生保の手術給付金、入院給付金
個人負担額-(イ+ロ)=純粋の個人負担となる
 
11.00 無事退院

[後日談]
多くの方々からメール、電話でお見舞いをいただいたが、本人及びその友人で心臓疾患の治療を受けた人が実に多かった。まさにこれは「三大成人病」なのだ。
Ssさん・・十数年前に急激な胸、腹部の激痛に襲われ救急車で搬送、心筋梗塞。カテーテル手術の後回復するも、未だに血液サラサラの薬を服用中、生涯薬とは別れられない。
Djさん・・過去2回失神で救急車の世話になった。心房細動(不整脈)で血液の循環が滞り、失神状態が発生するらしい。20数年来血液サラサラの薬服用中。彼の友人Myさんも数年前、心筋梗塞になり手術に6時間を要したらしい。初動が遅れ血栓が薬品では溶解せず、胸部切開の上取り出しステント処理を施した。
Yhさん・・狭心症発症、現在は収まっているが万一に備え特効薬となる「ニトログリセリン」を常時携帯している由。
Ymさん・・7年前、心筋梗塞発症。ステント3本挿入。現在も血液サラサラの薬服用中。


退院後の経過観察
H29('17)3.24 .初回外来
胸部レントゲン、心電図、血液検査実施。いずれも異常なく順調に回復している。今後2ケ月毎検査に変更となる。次回5月19日(金)10.30 今回同様の検査実施。以降定期的に行い9ケ月後(11月)にカテーテル挿入検査でステントなどのチェック。異常なければ服用中の薬の減少を検討する。
主治医・片岡先生が4月より「都立多摩病院」へ移籍(杏林大学医局内の移動)、後任に渡会(ワタライ)先生が担当となる、との事。
 [本日の薬代]
これまでの薬7種類の内1種類コバジル2㎎→ペリンドプリル2㎎(ジェネリック)に変更。(末梢血管を拡張して血圧を下げる薬)
57日分(次回検査5/19まで)15,930円支払う(30%負担)結構高い。昔大腸ガンで抗ガン剤点滴のころ、毎週15,000円程度要したがこれに匹敵する。

H29('17)5.19  第2回外来
主治医交替、渡会先生の診察を受ける。前任者同様若くて気さくな医師。楽しく相談できた。
胸部レントゲン、心電図、血液検査実施。特に異常はないが血糖値が高い。142㎎/dl。これまではせいぜい117程度だったので驚いている。今後糖分の摂取について意識が必要。薬は前回通り。次回予約7/14(金)11.00

H29('17)7.14 第3回外来
前回同様、胸部レントゲン、心電図、採血。血糖値129mg/dlでやや高い(標準60~109)
今回予定している皮膚科・粉瘤手術に関連して、皮膚科主治医・布袋医師から連絡が入っており目下服用中の薬について、若干調整する旨話あり。即ち、血液サラサラ薬3種の内一つは中止するが、手術前後も平常通り服用可。残り2種の内「イグザレルト」は手術の前後は服用中止とのこと。その結果次のようになった。
血液サラサラ・・バイアスピリン錠100㎎ イグザレルト錠10㎎
コレストロール抑制・・アトルバスタチン錠5㎎
心不全治療・・カルベジロール錠2.5㎎
血圧降下・・ペリンドプリル錠2㎎
胃の改善・・タケキャブ錠10㎎
次回予約9/8(金)11.00

H29('17)9.8 第4回外来
胸部レントゲン、心電図撮影。結果異常なし。10/20(金)次のチェックを行い、問題なければ翌月11月中にカテーテル手術で現状のチェックを行う。1泊2日の日程で、日時は10/20決めるとの事。それにより以降の治療、投薬の再検討をする予定。
採血、心電図、胸部レントゲン、心臓超音波

H29('17)10.20 第5回外来
胸部レントゲン、心臓超音波、心電図、異常なし。採血(血糖値138やや高い)
術後9ケ月経過のチェック・・カテーテル検査11/10(金) 10時当日泊、状況によっては数日。
本日の見立てでは、ステント挿入済みの出口付近に少し血流の悪い部分があり、場合によってはこの部分の治療が必要となるかも知れない。

H29('17)11.10~11 病名(診断書) 急性後側部心筋梗塞検査
今年2月、心筋梗塞手術により冠動脈狭窄部拡張のためステントを設置済みだが、経過9ケ月目にあたり異常の有無の検査入院を行った。前回同様、右手首動脈からカテーテル挿入、ステント留置部までの検査。結果、異常なく機能している。ただし、その先端部分が心筋梗塞発症時の軽い後遺症により血流がやや鈍い。主治医の説明によればステントの再狭窄(一度拡張した冠動脈が再び狭くなること)は一般的には10-30%発生する。しかし、最近の新しいタイプのものは再狭窄は5-10%で従来の1/4~1/3まで改善されている。一先ずは安心だが心臓の動き自体が通常の人の80%程度で、あまり無理をしてはいけない、とのご託宣。今回の検査は1泊2日で終わったため大部屋に入る。8人の大所帯で夜はいびき、トイレ、再々の夜間治療などでとても眠れたものではなかった。ただし、費用は僅少。
支払費用(3割負担) 55,900円+食費720円

H29('17)12.8 第6回外来
胸部レントゲン、心電図、採血(血糖値152高い)
異常なし。当院での治療はこれで一旦打ち切り、以降の投薬は自宅近くの森クリニックで行うようにする、との事。(先日妻が森クリニック受診時、山内先生から「荻窪病院より連絡があった旨聞いている)今後問題が生じた場合、森クリニックの紹介状で優先的に診察する、との事で安心。

H30('18)2.13
森クリニック受診。荻窪病院からの引継ぎを確認。以降毎月受診、1ケ月分ずつの薬を受け取ることとなった。
        

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