クラシック サロン

classic salon  NO.2

  別 館
  作曲家年表
                 classic  salon (本館)  
    1     2     3    4     5   6
     H27('15)1.8
 
    私のLPジャケット
  ブルックナー 交響曲第7番

ハイドン ピアノ・ソナタ 第60番ハ長調(Hob.XV1:50)
      ピアノ・ソナタ 第61番二長調(Hob.XV1:51)
      ピアノ・ソナタ 第62番変ホ長調(Hob.XV1:52)
      Pf.グレン・グールド
Hob・・ホーボーケン番号、オランダの音楽学者ホーボーケンによる番号。ハイドンの作品には作品番号が付いていない曲も多く、現在では一般に 作品番号の代わりにこのHobが使われる。楽曲により記号があり、XV1はピアノ・ソナタを表わしている。第60番-第62番の表示はウィーン原典版の記号。
交響曲の父と称せられるハイドン(1732-1809年・オーストリア)は、穏やかな人柄で皆に慕われ“パパ・ハイドン”と呼ばれた。24歳年下のモーツアルトとも親交を深め、影響を与え合った、と言われており、ベートーヴェンの師匠でもあった。77歳の生涯で118の交響曲、83の四重奏曲、5つの聖譚曲、19の歌劇その他あらゆる楽曲に亘って数多くの傑作を残した。

今回の試聴で初めてハイドンを聴いた。もっとも、皆勤ではないので欠席の時に機会があったのかは定かでない。ハイドンと言えば副題の付いた交響曲が多く、92番「オックスフォード」、94番「驚愕」、96番「奇跡」、100番「軍隊」、101番「時計」と言う具合で小学生時代から馴染んだ曲もある。総体的にハイドンの曲には何物をも包容しつくす大らかさと人生を楽しみ喜ぶ心が感じられ、親しみやすい旋律が多い。「驚愕」にしても「時計」にしても聴いていると交響曲という大きな楽曲の中に身を任せ、安らかに憩う自分に気づく。
本日のピアノ・ソナタ3曲は初めて聴いた。1794-1795年イギリスを訪れた時の作曲で「イギリス・ソナタ」と呼ばれている。第60番は比較的規模が大きい作品。第61番は反対に全2楽章の小振りな作品。第62番はピアノ・ソナタの中で最後期の作品で、華やかさ、盛り上がりに富んだ充実した作品だ。時期的にも傑作が多く生まれたころで、主題がハッキリと位置づけられた明確な形式で、華々しさ、落ち着いた繊細さなど楽章ごとに表情が異なっている。実に心地よい、楽しい作品だった。

ブルックナー 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」
         クラウス・テンシュテット指揮
         ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
この試聴会では初登場のブルックナー(1824-1896年・オーストリア)。音楽史上では後期ロマン派の特にドイツ精神に徹した代表的作曲家としてマーラーとともに有名。ベートーヴェンの構想を骨格とし、シューベルトの旋律とワーグナーの和声を血肉とし完成された音楽、特に9つの交響曲は高く評価されている。然しながら、世間に認められるまでにはかなりの時間が必要で、本日聴いた第4番も彼が50歳から6年余の年月をかけ作曲、57歳の時に初演されている。それは、彼の曲があまりにも長大で渋く親しみにくかったからであろう。現にこの曲も1時間を超す長編である。第1楽章の開始からヴァイオリンのトレモノによるささやくような音に始まり、ホルンの響きとともに深い霧の中から何か得体の知れない怪物が次第に姿を現してくるような特色がある。この曲の「ロマンティック」と言う副題は、彼自身が付けたもので、ドイツの奥深い森で味わう神秘的な感情を表し、いわばブルックナーの「田園交響曲」とも言うべき作品となっている。
私のLP・・この第4番はナシ。彼の出世作、第7番ホ長調
      ゲオルグ・ショルティ指揮 ウィーン・フィル
    H27('15)1.15
 
       私のCD
フォーレピアノ四重奏曲第2番
     
フォーレ ピアノ四重奏曲第2番 ト短調 作品45 
      フェスティバル・カルテット
      Pf.ヴィクター・ベイピン   Vn.シモン・ゴールドベルグ
       Va.ウイリアム・プリムローズ Vc.ニコライ・グローダン
ガブリエル・フォーレ(1845-1924年・フランス)はフランスの近代大音楽家の一人として有名。ピアニスト、オルガニスト、作曲家として幅広く活動し、1905年にはパリ音楽院の院長となった。生涯55曲のピアノ独奏曲やソナタ、19曲の室内音楽、さらに宗教音楽の名曲「レクイエム」など残したが、一生を通じて書き残したのが歌曲で約100曲にも及んでいる。9歳から12年間サン・サーンスに師事、また同時代にドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキーなどがいる。総体に叙情に富み聴いていて心地良い。BGMとかヒーリング・ミュージックに最適かも・・・。
私のCD・・Pf.ジャン・ユボー   Vn.レイモン・ガロワ=モンブラン
       Va.コレット・ルキアン Vc.アンドレ・ナヴァラ

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 作品57「熱情」
            ピアノ・ソナタ第22番 へ長調 作品54
           32の変奏曲 ハ短調 作品191番追加
           Pf.クラウディオ・アラウ
俗にピアノ・ソナタ第8番「悲愴」、第14番「月光」、第21番「ワルトシュタイン」、第23番「熱情」を四大ソナタと呼んでおり、本日聴いた第22番は殆ど聴く機会がない。私もLP、CDを持っていない。コンサートなどでも余り演奏されていない感じ。今回聴いて第1楽章の始まり部分の主旋律が、第23番に似ている。いや、23番が22番に似ていると言うべきか・・・。
32の変奏曲はかって聴いたことが無かった。学校関係の発表会などで弾かれている模様。さっと聞き流してしまい感想が湧かない。
6/12 第23番試聴済み。Pf.グレン・グールド
9/ 9 第23番、第22番試聴済み。今回聴いたものと同じ
私のCD・・第23番 Pf.ウラディーミル・アシュケナージ
   CD・・第23番 Pf.仲道郁代
     H27('15)1.20
       私のLPジャケット
    ムソルグスキー
    組曲「展覧会の絵」


ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」
           Pf.アレクシス・ワイセンベルグ
ムソルグスキー(1839-1881年・ロシア)は大きな地主貴族の生まれで、少年時代に母親からピアノを習っており、順風満帆な人生を歩んでいたが奴隷解放により大きく社会が変化すると生活のダメージをもろに受け、晩年は酒に溺れ貧困に陥った。そこに病に侵され42歳という若さでこの世を去っている。彼の親しかった友人ハルトマンという建築家が僅か39歳で亡くなっているが、ムソルグスキーの打撃は大きく悲嘆に暮れていた。月日が経ち友人を偲ぶためその遺作による展覧会が催されたが、それを見て創られたのがこの組曲「展覧会の絵」なのだ。組曲は10の区分からなり「古い城」、「ビィドロ」、「キエフの大きな門」などが特に有名。これらは夫々の絵画からの印象を基に作曲されている。もともとこの組曲はピアノ独奏曲として作曲されたが、不幸なことに彼の生前には一度も演奏されることなく、死後管弦楽用に編曲されてから広く知られるようになった。現在オーケストラで演奏されるのはラヴェルの編曲のものが有名。変化に富んだ物語性の高い曲で、想像を巡らせながら聴け飽きの来ない楽しい曲だ。
私のLP・・Pf.ウラディーミル・アシュケナージ

シューベルト 交響曲第9番 ハ長調 D.944
         クラウス・テンシュテット指揮
         ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 
10/9 試聴済み。ベーム指揮 ウィーン・フィル
第1楽章は重くて明瞭さを欠くが第2楽章、第3楽章はゆったりと気持ちが落ち着く。最終章の盛り上がりはベートーヴェン並みに盛り上がる感じ。以下10/9記載の通り。

ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調作品125「合唱」から第4楽章
            
S.キリ・テ・カナワ      A.ユリア・ハマリ
          T.スチュアート・バロウズ   Bs.ロバート・ホル
            
オイゲン・ヨッフム指揮 
          ロンドン交響楽団、合唱団
7/26 試聴済み。ベーム指揮、ウィーン・フィル、ウィーン国立歌劇場合唱連盟
8/11 試聴済み。フルトヴェングラー指揮、バイロイト祝祭管弦楽団、合唱団
合唱が入る第4楽章はいつ、何度聴いても気持ちが昂る。以下7/26,8/11記載の通り。
私のLP・・カラヤン指揮、ベルリン・フィル ウィーン楽友協会合唱団
     H27('15)1.27
 
        私のCD
      ベートーヴェン
   ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」
          ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調作品27-2「月光」
          ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調作品57「熱情」
          Pf.ウイルヘルム・ケンプ
H26.6.12 試聴済み。Pf.グレン・グールド
H26.9.9  第23番試聴済み。Pf.クラウディオ・アラウ
H27.1.15 第23番試聴済み。Pf.クラウディオ・アラウ
Pf.ケンプの盤を本日初めて聴いた。これまで聴いたのはグールド、アラウ、アシュケナージなど錚々たるピアニストばかりだが、私のレベルではそれぞれの違い、特徴などは分からない。3曲ともあまりにも有名なソナタで親しんでおり、聴きながらメロディを口ずさんでいるが何度聴いても大きな感動を覚える。
私のLP・・第8番、第14番 Pf.ワルター・ギーゼキング
   〃   第14番 Pf.フィリップ・アントルモン
私のCD・・第8番、第14番、第23番 Pf.ウラディーミル・アシュケナージ
   〃   第23番 Pf.仲道郁代

マーラー 交響曲第2番ハ短調「復活」
       S エリザベート・シュワルツコップ
      Ms ヒルデ・レッスルマイダン
      オットー・クレンペラー指揮
      フィルハーモニア管弦楽団・合唱団
死後の世界に永遠の理想郷を見ていたマーラーの作品には、死の後に来る理想郷への切ない憧れを歌い上げたものが多いが、この第2番はその最も代表的なものと言われている。第5楽章からなり全体で80分を超える大曲。Wikipediaを見ると演奏時間にはその時々で大きな開きがある。速い演奏だとオットー・クレンペラー指揮の1950年のシドニー交響楽団のライブ録音で68分、遅い演奏だと同指揮者のニュー・フィルハーモニア管弦楽団の録音で99分と言うのが有名。
「葬送の儀式」の標題が付いた第1楽章の劇的な展開も素晴らしいが、アルトとソプラノ(ソプラノとメゾソプラノの場合もある)合唱の入る第5楽章も「復活」の名に相応しい崇高な響きでスケールの大きい音楽となっている。私が知っている通常の交響曲の編成と異なり、第5楽章まであり然もその第5楽章の演奏時間が全体の4割以上を占める。また、第3楽章から第4楽章さらに第5楽章まで切れ目なく演奏され、事前に心得ておかないと大いに戸惑うことになる。とにかくマーラーは“長い”という印象が強いが、じっくり聴くと結構面白く、他の作曲家にない独創的な面に気づく。
    
 .   H27('15)2.10
  
    私のLPジャケット
   ベートーヴェン交響曲
        第7番
シューマン クライスレリアーナ 作品16
        子供の情景 作品15
        Pf.アルフレッド・ブレンデル
クライスレリアーナ
この曲は初めて聴いた。1838年4月復活祭の前に完成し、後の恋人クララに献呈されている。当時、思い遂げられぬ恋に悩んでいたシューマンが日頃愛読していたホフマンの小説「クライスレリアーナ」の主人公に自分の姿を見いだし題名とし、思いのままに幻想的な一曲としたのだ。8曲からなるピアノ曲で、ロマンティックな幻想世界を描いている。

子供の情景
13の小曲からなる名高いピアノ曲で、この中の「トロイメライ」は特に有名。子供の頃から馴染んだ名曲だ。このピアノ曲集は別名「幼き日の思い出」とも言われる。これは子供のための曲集と言うよりも、大人が過ぎ去った子供時代を回想し、子供の目線から見た映像に浸る大人のための曲集なのだ。「トロイメライ」は様々な楽器用にアレンジされ親しまれている。全体にまどろむ様なゆったりとしたメロディは聴いていると夢の中へ誘い込まれる。
私のCD・・トロイメライ ピアノ小品集 Pf.ピーター・デゲンハート

ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調 作品92
          序曲「レオノーレ」第3番 作品第72a
          ハンス・シュミット・イッセルシュテット指揮
          ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
26.5.13 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル
26.7.31 試聴済み アバド指揮 ウィーン・フィル
私のLP・・ブルーノー・ワルター指揮 コロンビア交響楽団
私のCD・・ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィル
         H27('15)2.19
 
       私のCD
   ラヴェル、ドビュッシー
     弦楽四重奏曲
   
ラヴェル   弦楽四重奏曲ヘ長調
ドビュッシー 弦楽四重奏曲ト短調 作品10番
        ブタベスト弦楽四重奏団
モーリス・ラヴェル(1875-1937年・フランス)はこの試聴会初登場。後年、ストラヴィンスキーはラヴェルを評して「スイスの時計商人」と言った、といわれているが、これはラヴェルの精密な作曲法とともに、父がスイス出身で精密機器の技師だったことにひっかけているからだろう。ラヴェル=ボレロとなるが、この弦楽四重奏曲も彼の作曲家としての地位を確立した重要な作品とされている。作曲した時は27歳でパリ音楽院に在学中であった。今日、ラヴェルに続いて聴いたドビュッシーの弦楽四重奏曲ト短調の場合と共通点が多い。あくまで偶然だろうが二人とも弦楽四重奏曲は一曲だけで二度と手をつけなかった。またラヴェルは大先輩のドビュッシーの作品を下敷きにしてこの曲を書いたため構成も似かよっている。そのためか多くのLP、CDも二人の弦楽四重奏曲が組み合わせで録音されている。
第2楽章の始まりはチェロのピッチカートで印象に残った。第3楽章の典雅な雰囲気は後のラヴェルの作風を感じさせる繊細な美しさを持っている。
私のCD・・アルバン・ベルク四重奏団


クロード・ドビュッシー(1862-1918年・フランス)はパリ音楽院在学中から様々な賞を受賞している。ドイツロマン主義に反発し印象主義と呼ばれる独自の様式を開拓し世界の音楽界に大きな影響を与えた。当時活躍していた印象派の画家たちセザンヌ、ルノワール、モネなどの表現方法に共鳴するところがあり、音楽による印象主義を確立していった。印象派の画家たちが当初酷評されたように、ドビュッシーの場合も例外ではなかった。それでも、自分が信ずる道を歩みこの曲が出発点の一つとなった、と言われている。31歳(1893年)の時の作品で、彼の唯一の弦楽四重奏曲だがこの作品によりフランス音楽界に確固たる地位を築くことになった。本日聴き比べてラヴェルに対し些か無骨感あり、第1楽章の出足が力強く最終第4楽章も威力あり一層そうゆう風に感じたのかも知れない。でも、平素よく耳にする「亜麻色の髪の乙女」とか「月の光」などは優雅で透明感がある。私の記憶では4~5年前に観た日本映画「東京ソナタ」で「月の光」が使われており、ピアノの旋律が今に残っている

ベルリオーズ 幻想交響曲作品14
          ピェール・モントー指揮 ウィーン・フィル 
26.6.10 試聴済み アバド指揮 ウィーン・フィル
26.6.24 試聴済み アバド指揮 シカゴ交響楽団

この試聴会で3回目。第1回目は今回と同じウィーン・フィルで指揮者はアバドだった。ベルリオーズの失恋を背景に描いた幻想(妄想?)の世界は何度聴いてもドラマチックで物悲しい。ここにその曲想を記しておく。
第1楽章(夢・情熱)は若い芸術家が愛する人に出会うまで
第2楽章(舞踏会)は華やかな舞踏会で恋人を見かけたところ
第3楽章(野辺の風景)では牧童が吹いている笛を聞きながら不安に駆られる
第4楽章(断頭台への行進)恋人を殺した罪で断頭台で斬首されるまで
第5章(魔女の夜宴の夢)では埋葬に集まった魔女の踊り
狂気に満ちたフィナーレは大音響で終わり妄想の極致へ・・・

私のLP・・ジョルジュ・プレースト指揮 シカゴ交響楽団
     H27('15)2.24 
 
     私のLPジャケット
  モーツアルト交響曲第40番
 シューマン ピアノ五重奏曲変ホ長調 作品44
         ピアノ五重奏曲変ホ長調 作品47
         Pf.イエルグ・デムス
         バリリ弦楽四重奏団
シューマン(1810-1856年・ドイツ)の曲は先々週2月10日に聴いているが、本日のピアノ五重奏曲は珍しい曲で初めて耳にした。平素のコンサートなどでもあまり聴く機会がない。LP、CD類も少なく私の持っている本には本日聴いたPf.デムス、バリリ弦楽四重奏団のCDのみ載っていた。この曲はシューマンの充実した人生期の作品らしい。二曲ともよく似た曲想だったが、作品47の方が明るく活気に満ちた内容だった。

ハイドン     交響曲第94番ト長調「驚愕」
モーツアルト 交響曲第40番ト短調K.550
         ウイルヘルム・フルトヴェングラー指揮
         ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ハイドン「驚愕」
ハイドン(1732-1809年・オーストリア)は77歳の生涯で118もの交響曲を大量生産しているが、この曲はその中の一つ。副題の付いたものが多く92番「オックスフォード」、96番「奇跡」、100番「軍隊」、101番「時計」がある。94番「驚愕」が作曲された1792年ごろハイドンはイギリスに渡り、各地の演奏会で成功を収めていた。その絶大な人気の中で不満があった。それは会場で交響曲の静かな楽章に入ると居眠りをする貴婦人たちの態度であった。そこで彼はこの交響曲の第2楽章の変奏曲でチョットした悪戯を施した。最初に親しみやすい主題が表れ繰り返し静かに終わると思った瞬間、全合奏で大音響が鳴る、居眠りしていた貴婦人たちの目を覚めさせようとの魂胆である。果たして効果のほどは・・・。そこからこの曲は「驚愕」と呼ばれるようになった次第。予備知識があればさほどのことはことはないが、予断なしで聴いたときは一瞬ドキッとするかも知れない。
私のCD・・83番「牝鳥」、101番「時計」、104番「ロンドン」
       カラヤン指揮、ベルリン・フィル  本日聴いた94番「驚愕」収録なし

モーツアルト交響曲第40番
26.6.19 試聴済み ワルター指揮 ウィーン・フィル
26.8.28 試聴済み ケルテス指揮 ウィーンフィル
私のLP・・ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
   CD・・ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮 チェコ・フィル
   CD・・フィリップ・ギブソン指揮 ロンドン交響楽団
     H27('15)3.3
 
       私のCD
  ストラヴィンスキー「火の鳥」
ストラヴィンスキー バレー音楽「火の鳥」 BBC交響楽団
            「ペトルーシュカ」 ニューヨーク・フィル
               
「春の祭典」 クリーヴラント管弦楽団
               
ピェール・ブーレーズ 指揮
H26.8.26 「火の鳥」試聴済み。小沢征爾指揮 ボストン交響楽団
“現代のアポロ”とまで言われたストラヴィンスキー(1882-1971年・ロシア)は89年の生涯の間にその作風を大きく変貌させたことで有名。28歳で「火の鳥」を発表し、続けて「ペトルーシュカ」「春の祭典」と言った作品でその名を天下に轟かせた。今日はその豪華3本建ての試聴会となり贅沢なことこの上なし。昨年8/26、小沢征爾指揮ボストン交響楽団の「火の鳥」を聴いているが、その時に記したようにロシアの伝説的おとぎ話を題材としたものである。「ペトルーシュカ」は、ペトルーシュカ、踊り子、ムーア人の三つの人形を主人公としたもので、舞台は謝肉祭の日の見世物小屋。人形使いに魂を吹き込まれた人形たちがお互いに恋をし、最後はペトルーシュカが恋敵のムーア人に殺される。そこへ人形使いが出てきて、ペトルーシュカはただの人形だと観客に説明するのだが、人形にも魂があるのだ、と言うことを示した寓意的なバレーだ。「春の祭典」は「火の鳥」の作曲中、不思議な場面の幻想を見て、その幻想にもとずいて作曲された、と言われている。
原始的で強烈なリズム、耳をつんざく様な金管が叫び連続する不協和音、これまでの伝統を完全に破壊したこの音楽は当時の聴衆の理解を超え、劇場は狂乱のルツボと化したらしい。確かに、この一曲だけでも疲れるのに三作品の競演を聴くと完全にグロッキー。お口直しにモーツアルト或いはベートーヴェンのピアノソナタなどゆったりと聴きたい気持ちに駆られる。ストラヴィンスキーは1959(昭和34)年春77歳で来日、自作を指揮し音楽ファンに絶賛されている。音楽史からみると身近な現代の音楽家なのだ。

私のCD・・クラウディオ・アバド指揮 ロンドン交響楽団
     H27('15)3.10
 
     私のLPジャケット
   リムスキー・コルサコフ
     「シェエラザード」
シューマン ピアノ協奏曲イ短調 作品54
グリーグ   ピアノ協奏曲イ短調 作品16
        Pf.ゲザ・アンダ
        ラファエル・クーベリック指揮 
        ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
シューマンの音楽を考えるとき、その愛妻で優れたピアニストであったクララの存在が大きい。シューマンは大ピアニストを夢見て、名高いピアノ教授フリードリヒ・ヴィークの弟子となったが、無理な練習がたたって右手の薬指を痛めてしまいピアニストの道を断念した。そんな彼を励ましいたわったのがヴィークの娘クララであった。その後結婚し翌年(1841年)自分のためのピアノ協奏曲を書いてほしいと言うクララの願いに応えて作曲を始め4年後に完成したのがこの曲なのだ。全体に幻想的な気分に溢れ、独奏のピアノも華やかな効果を狙わずにオーケストラと渾然一体となり、素晴らしい曲となっている。冒頭のオーボエがこの曲の幻想味を上手く再現している。

エドヴァール・グリーグ(1843-1907年・ノルウエー)は、この試聴会初登場。
彼と仲の良かったチャイコフスキーは「グリーグの音楽は、ノルウエーのあの美しい風景をそのまま反映しているようだ」と言っている。そうしたグリーグの音楽が持つノルウエー的情緒が最もよく表れているのがこのピアノ協奏曲だ、と言われている。グリーグは1867年(24歳)従妹のソプラノ歌手ニーナ・ハーゲルップと結婚した。彼女は大変魅力的な女性で、シューマンの妻クララのように終生夫のよき協力者となった。この曲は二人の新婚生活の中から生み出されたもので、青春の夢と希望、新婚の喜びにあふれた甘く清澄な旋律が大きな魅力となっている。また、グリーグは北欧のショパンと呼ばれていただけに、特に第2楽章などはショパンの夜想曲を思わせる美しさだ。
私のLP・・シューマン Pf.リリー・クラウス
               ヴィクトル・デサルツアンス指揮 
               ウィーン国立歌劇場管弦楽団
私のCD・・グリーグ    Pf.クラウディオ・アラウ 
               コリン・ディヴィス指揮 ボストン交響楽団

リムスキー・コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」 作品35
               ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
               ベルリン・フイルハーモニー交響楽団
リムスキー・コルサコフ(1844-1908年・ロシア)もこの試聴会初登場。前述のグリーグと言い初登場の二人に出会え、寒風とあられ混じりの小雨の中、出向いてきた甲斐があった。彼のプロフィールを見ると、12歳から6年間を海軍兵学校で過ごし、海軍軍楽隊の監督を経てペテルブルグ音楽院の教授についている。34年の在職中にストラヴィンスキーやプロコフィエフなど多くの弟子を養成しているから、指導者としてもすぐれた音楽家だったのだろう。「シェエラザード」と言うのは「アラビアン・ナイト」(千一夜物語)の中に登場する才色兼備の妃の名前だ。この物語は「アリババと40人の盗賊」など面白い短編物語を含む冒険談あり、お色気話ありの長大な物語で、王妃シェエラザードが暴君シャリアール王に千一夜にわたって語り聞かせるというもの。私も小学生時代、布団の中に寝転がってわくわくしながら読み耽ったものだ。スリルと期待に満ちた楽しい物語だった。本題に戻ろう。この曲は「アラビアン・ナイト」の持つ雰囲気を音楽としたもので、全四楽章からできている。“近代オーケストレーションの大御所”と言われた彼の多彩な管弦楽法の特色が表れているが、特に全楽章に繰り返し現れるヴァイオリンの奏でるシェエラザードの美しい主題は素晴らしい。高音質の大型スピーカーから流れる音響は臨場感タップリで満足この上なし。
私のLP・・本日聴いたものと同じ
     H27('15)3.17
 
       私のCD
シューマン 交響曲第1番「春」
シューマン 交響曲第1番変ロ長調 作品38「春」
        ラファエル・クーベリック指揮
        バイエルン放送交響楽団
シューマンはその生涯で4つの交響曲を書いている。この第1番は、交響曲第4番と同じ1841年(31歳)に作曲された。ロマン派の詩人ベットガーの「春の詩」に影響をうけて書かれた、と言われていることから、俗に「春」と呼ばれている。「春の目覚め」と名付けていた第1楽章冒頭のホルンとトランペットの高らかな響きがこの曲の「春」のイメージにぴったりだし終楽章に向かってなだれ込んで行くような熱ぽさもシューマンらしい。第2楽章-夕暮れ、第3楽章-幸福な友だち、第4楽章-春の盛り、と標題を考えていたらしいが結局これは取りやめた。然しこれを知った上で聴くとイメージが盛り上がる。
私のCD・・レナード・バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル

ベートーヴェン 交響曲第4番変ロ長調 作品60
           交響曲第7番イ長調 作品92
           小沢征爾 指揮 水戸室内管弦楽団
          2014年1月17日及び5月25日 水戸芸術館ライブ
第4番 26.8.5試聴済み クライバー指揮 バイエルン国立管弦楽団
     26.10.23試聴済み スロヴァチェフスキー指揮 読売日本交響楽団
第7番 26.5.13試聴済み フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル
     26.7.31試聴済み アバド指揮 ウィーン・フィル
     27.2.10試聴済み イッセルシュテット指揮 ウィーン・フィル

第4番はこれまで2回聴いており、その都度記しているが、この曲を聴くと彼のイメージが大きく異なってくる。とかく荘厳、重厚なイメージから歓喜、純情が感じられ伸び伸びとした曲調で幸福感が漲っている。実に軽快で大平原の中を一気に駆け抜けるような爽快感に満足する。第7番は私のお気に入りの曲だ。このシリーズで過去3回聴いているが、今回の小沢征爾指揮が一番秀逸だった。直前の第4番もそうだったが最終場面に至る盛り上げが素晴らしい。スタジオ録音と異なりホールでのライブと言うことも大いに作用し、聴衆の耳目を背後にし入魂の指揮をしている“気配”が感じられる。
自慢に聴こえると申し訳ないが、昨春からの試聴会で少しは私の耳も肥えてきたのだろうか・・・。

私のLP・・第7番 ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団
私のCD・・第4番、第7番 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィル
     H27('15)3.24
 
    私のLPジャケット
     シューベルト
   ピアノ五重奏曲「ます」
シューベルト ピアノ五重奏曲イ長調 作品114 D.667「ます」
         Pf.アルフレッド・ブレンデル
         クリーヴランド弦楽四重奏団員
シューベルト(1797-1828年・オーストリア)は、貧しい牧師の家庭に生まれたが、音楽好きの父と姉に導かれ殆んど独学で音楽を学んだ。18歳の時に作品第一番の「魔王」を作曲している。その天才をベートーヴェンに認められたのは死の直前であった。ベートーヴェンは、なぜもっと早くシューベルトを知ることができなかったのか、と嘆じている。彼はモーツアルトより短い生涯だった。貧乏はモーツアルト以上で殆んど餓死状態の死の床には僅かな金しかなかったという。31年の短い生涯であったが歌曲は650に余りその美しい曲は世界の人々に愛唱されている。本日聴いた「ます」は彼が20台の頃、友人に誘われてオーストリアのシュタイアという町に滞在した時、町の鉱山長官パウムガルトナーから室内楽の作曲を頼まれた。パウムガルトナーはアマチュア・チェリストで、自宅でコンサートを開くほどの腕前でもあったから、チェロの活躍が光る変則的なピアノ五重奏を依頼したらしい。そのため、この五重奏は第2ヴァイオリンの代わりにコントラバスを用いた編成となっており、低音部の効果を強める異色の五重奏曲となっている。第4楽章に歌曲「ます」の旋律を用いていることから「ます」という副題がついたもの。本日聴いたLPは実に息の合ったアンサンブルで、録音も抜群に良く1978年度レコード・アカデミー賞を受賞している。
私のLP・・Pf.パウル・バドゥラ・スコダ 
      ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団員

チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調 作品64
           エシリクェ・バディス指揮
           ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
26.7.1及び9.9試聴済み。 ムラヴィンスキー指揮 レニングラード・フィル
それぞれに記載済みにつき今回は省略。
私のLP・・ワルター・ゲール指揮 ローマ・フィルハーモニー管弦楽団
   CD・・クルト・ザンデルリンク指揮 ベルリン交響楽団
     H27('15)3.26
 
       私のCD
      プロコフィエフ
   「ロミオとジュリエット」
モーツァルト 3台のピアノのための協奏曲ヘ長調 K.242
バッハ     3台のピアノのための協奏曲ニ短調
         イタリアン・コンチェルトへ長調(ロベール)
         Pf.ロベール・キャビィー、ジーン・カサドシュ
         ユージン・オーマンディ指揮
         フィラデルフィア管弦楽団
モーツァルト 初めて耳にした曲。楽器編成はピアノ3台、オーボエ2、ホルン2、ヴァイオリン2、ヴィオラ1。3楽章からなり演奏時間は約22分。モーツァルトの作品としてはピアノ協奏曲第7番として整理されている。非常に明るく軽快な旋律でモーツァルトのイメージにピッタリ。私の手元には何らの資料も無いため、以下ウィキペディアの内容を転記しておく。
[1776年2月にザルツブルクで作曲され、同地の名門貴族ロドロン家の伯爵夫人アントニーナとその令嬢に作曲されたもの。独奏ピアノのパートは、彼女らの演奏能力に合わせて書かれており、2つのパートはそれなりの技巧を必要とするが、第3パートは簡素で比較的易しく書かれている。なお、モーツァルトはこの作品を2台のピアノと管弦楽の版に編曲しており、成立時期は1779年と推測されている。近年はむしろ2台のピアノの版で演奏されることが多くなっている。]

バッハ 手元には一切資料が無い。もちろん初めて聴いた曲で、実に規則正しい旋律が繰り返され、バッハのほかのオルガン曲に通ずるものがある。ピアノの前身ハープシコード(チェンバロ)による演奏で宗教的な香りの高い曲だった。

プロコフィエフ バレー音楽「ロミオとジュリエット」
          エーリッヒ・ラインスドルフ指揮
          ロスアンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団
プロコフィエフ(1891-1953年・ロシア)は、今でこそ著名な世界的作曲家の一人だが、1918年アメリカへの途中日本に立ち寄り演奏会を行った時は聴衆も少なく淋しいものだったらしい。その後ロシアに帰りパリへ出て交響曲、協奏曲など作曲に励み、ヨーロッパ、アメリカなどでピアノ演奏者及び指揮者として活躍している。一時、ソ連時代にブルジョア的音楽だとの批判が起こり方向転換を強いられている。本日聴いた舞踊組曲「ロミオとジュリエット」は、あの有名なシェークスピアの大ロマン。グノーの同名歌劇とかチャイコフスキーの幻想的序曲が有名だが、このプロコフィエフの曲も盛んに上演されている。彼独特の音楽は抒情的な詩趣を加え香り高くロマンティックな情感が溢れている。今日のレコードは録音も素晴らしく臨場感タップリの満足のゆくものだった。
私のCD・・エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮 レニングラード・フィル
    H27('15)4.16
 
       私のCD
 ウイリアム・テル/ロッシーニ
 序曲集

 
ロッシーニ 歌劇序曲集
       「どろぼうかささぎ」序曲 「絹のはしご」序曲
       「ウイリアム・テル」序曲 「セヴィリアの理髪師」序曲 
       「セヴィリアの理髪師」から「嵐の音楽」
       「セミラーミデ」序曲
       トゥリオ・セラフィン指揮 ローマ歌劇場管弦楽団
ロッシーニ(1792-1868年)はこの試聴会で本日初めて聴いた。彼の生誕200年に当る1992年「ロッシーニ」序曲集のCDが当時のポリドールから記念レコーディングされ私も購入している。生涯に40曲ほどオペラを作曲しているが、ほんのいくつかの作品を除いては「序曲」だけが演奏それているに過ぎないが、ロッシーニはイタリア古典オペラの最後を飾る大作曲家なのだ。彼の全盛期には、イタリア楽壇はもちろんのことウィーン楽壇までロッシーニ一色に塗りつぶされ、さすがのベートーヴェンすらロッシーニ人気の陰に隠れてしまったという。彼の楽壇生活は短く、37歳という若さで活動を停止している。それまでに得た莫大な収入と、自作のオペラが演奏されるたびに入る収入で残りの人生約40年間を悠々自適に過ごす羨ましい生涯だった。最高傑作と言われるオペラ「セヴィリアの理髪師」は彼の24歳の時の作品。それと、子供の頭上に乗せたリンゴを見事に弓矢で射抜く「ウイリアム・テル」は有名だ。トランペットの威勢のいいファンファーレで始まるこの曲は、運動会やTVのBGによく使われておりお馴染みのものだ。何となく勇気が湧き力づけられる名曲だと思う。本日聴いた6曲はそれぞれ変化に富んでおり楽しく聴けた。音楽の楽しみをじっくり味わった至福の時だった。
私のLP・・「ウイリアム・テル」序曲 ピェール・ミッシェル・ル・コント指揮
                      フランクフルト放送管弦楽団
   CD・・ウイリアム・テル/ロッシーニ序曲集 
              シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団

ベートーヴェン 交響曲第4番変ロ長調 作品60
          オトマール・スィートナー指揮
          シュターツカペレ・ベルリン
26.8.5試聴済み  クライバー指揮 バイエルン国立管弦楽団
26.10.23試聴済み スロヴァチェフスキー指揮 読売日本交響楽団
27.3.17試聴済み  小沢征爾指揮 水戸室内管弦楽団
私のCD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル
  
       H27('15)4.21
 
          私のLPジャケット
             ベートーヴェン
          交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第12番変ホ長調 作品127
           弦楽四重奏曲第16番ヘ長調 作品135
           ラサール弦楽四重奏団
第12番 
第11番作曲後、14年間も弦楽四重奏曲に着手しなかったが、この12番はその長いブランクの後に最初に作曲した曲で、これ以降の弦楽四重奏曲はベートーヴェン後期の作品とされる。ロシアのニコライ・ガリツィン侯爵から依頼を受けこの曲を作曲したため第13番、第15番と合わせたこの3曲は「ガリツィン・セット」と呼ばれている。
初演は1825年3月6日、練習不足のため評判は良くなかったらしいが、同月の23日の2回目の演奏会は好評を博した由。初めて聴いたが、全体的に明るい雰囲気を持った曲だった。
第16番
1826年の作曲でベートーヴェンの最後の弦楽四重奏曲。ベートーヴェンのまとまった作品としても生涯最後の作品。専門家によれば、晩年の楽聖の衰えが窺え寂寥を覚えるとの見解もあるが、自分にはそのような微妙な差異は皆目感じられない。

ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」
          オトマール・スィートナー指揮
          シュターツカペレ・ベルリン
26.8.7  試聴済み マゼール指揮 クリーヴランド管弦楽団
26.8.11  試聴済み フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
26.9.4    試聴済み  小沢征爾指揮 ボストン交響楽団
26.10.23 試聴済み スクロヴァチェフスキー指揮 読売日本交響楽団
26.12.2   試聴済み フルトヴェングラー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
私のLP・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
   LP・・ジョセフォヴィッツ指揮 ハンブルグ交響楽団
   CD・・ギブソン指揮 ロンドン交響楽団 
     H27('15)4.30
 
       私のCD
     ベートーヴェン
    交響曲第7番、第8番
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第15番イ短調 作品132
          ラサール弦楽四重奏団
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は4/21試聴会で、第12番と第16番を本日と同じラサール弦楽四重奏団で聴いた。ロシアのニコライ・ガリツィン侯爵から依頼を受け作曲した曲の一つ(第12番、第13番、第15番)で、着手してから完成までに2年半以上経過して完成。当時ベートーヴェンは悪性の下腹部の炎症に罹り悩んでおり、ウィーン近くの温泉場で療養した結果病気も癒えた。その頃この作品が完成したので「快復した者の上帝に対する感謝の歌」と注記している。晩年のベートーヴェンのタッチの荒い作品と評されているが、私の耳では分からない。ただ、チェロの奏でる音色は非常に心地良い。先日聴いた第12番、第16番と変わらず、バッハのオルガン曲のように全て同じように聞こえる曲だった。

ベートーヴェン 交響曲第1番ハ長調 作品21
           交響曲第8番ヘ長調 作品93
           オトマール・スウィトナ指揮
           シュターツカペレ・ベルリン
交響曲第1番 26.7.10試聴済み カラヤン指揮 ベルリン・フィル
ベートーヴェンは慎重そのものの人であった。そうした彼の慎重さは、初めての交響曲を完成するまでのいきさつにもよく表れている。たとえば、ハイドンはその生涯に番号の付けられているだけでも104曲の交響曲を書いているし、モーツアルトは僅か8歳の頃「交響曲1番」を書いている。このように当時比較的手軽に創作されていた交響曲に大河小説のような重みと壮大なスケールを持たせたのがベートーヴェンだったのだ。彼の9つの交響曲が「不滅の9曲」と言われているわけが良く分かる。満を持して書かれたのがこの1番(1800年、30歳)なのだ。一般に田園詩的であると言われているが、そこに若々しいベートーヴェンの姿を感じる。特に第3楽章は魅力的でユーモア、陽気さに満ちた雰囲気十分。

交響曲第8番 26.7.31試聴済み アバド指揮 ウィーン・フィル
健康回復のためウィーン近郊に転地療養中に完成したのがこの第8番交響曲。別名「ヘ長調小交響曲」と言われているが、これは同時代に作られたイ長調の第7交響曲(私の最もお気に入りの曲)と区別するためで、決して小さいものではない。しかし、9つの交響曲の中では最も短く、内容は明るく幸福に満ちている。だから第5のような迫力や情熱はないし、第7のような偉大性は少ない。名著「ベートーヴェン」の中でサリヴァンは述べている。「英雄」や「運命」と言った勇壮で情熱的な作品よりも、随所に上機嫌なベートーヴェンが顔を出しているような無邪気な明るさのある、この穏やかな作品の方が普段のベートーヴェンの気分に近いものだ、と。私が平素思い描いているイメージとは余りにも異質なのだが・・・。
私のCD・・ヘルベルト・プロムシュテット指揮 シュターツカペレ・ドレスデン
 
     H27('15)5.14
 
     私のLPジャケット
     フランク 交響詩集
R.シュトラウス 交響詩「ツアラトゥストラはかく語りき」 作品30
          小沢征爾指揮 ボストン交響楽団
映画に使われ有名になったクラシック曲は多いが、この曲もその一つ。SF映画の古典と言われている「2001年宇宙の旅」である。曲の冒頭部分のオルガンの重低音とトランペットの響きは宇宙を描いた映画の内容にピッタリ。曲の題名は、ドイツの哲学者ニーチェの本から取られたものだが、本の内容を標題的に描いたものではなく、詩的な感情を醸す音楽となっている。かのロマン・ローランはシュトラウスを「彼は詩人にして音楽家である」と言っているが、納得。
私のLP・・ショルティ指揮 シカゴ交響楽団
      このLPはショルティの手腕と相まって、当時の録音も卓越、1977年
      度レコード・アカデミ賞を受賞した優れもの。

サン・サーンス 交響詩「オンファールの糸車」
フランク     交響曲ニ短調
          レーナード・バーンスタイン指揮
          フランス国立管弦楽団
「オンファールの糸車」 組曲「動物の謝肉祭」の中の「白鳥」は有名な曲で何回も聴いている。特に、私のお気に入りのチェロで奏でられるだけになおさらだ。世界的に有名バレリーナ、パプロワが「瀕死の白鳥」として舞踊化してから一躍有名になっている。本日の交響詩「オンファールの糸車」は初めて聴く曲だった。本によれば、ギリシァ神話の怪人ヘラクレスの物語からピアノ曲として完成、好評を得たので後ほど管弦楽用に編曲されたもの。弱音の弦から始まり、静かなフルートと弦が交互に美しいメロディを奏でる。曲は比較的短いが、豊かで典雅な美しさに満ちている。

交響曲ニ短調 「近代フランス音楽の父」と言われているフランク(1822-1891年ベルギ
ー)は“大器晩成”型の人だった。清貧に甘んじながら自分でなければ書けないような音楽をこつこつと創っていた。死ぬ3年前に作曲されたこの曲が彼の唯一の交響曲なのだ。初めて耳にしたが、オルガンのような重厚な響きが魅力的だった。リストから「バッハの再来」と言われたのも頷ける。
私のLP・・フランクの交響詩集 
アンドレ・クリュイタンス指揮 ベルギー国立管弦楽団
     H27('15)5.21
 
    私のLPジャケット
 ピアノ名曲集 ベートーヴェン
    エリゼーのために
ベートーヴェン 大・フーガ変ロ長調 作品133
            F.V.ワインガルトナー編曲 
            1999.1.27サントリーホール収録
          交響曲第5番「運命」ハ短調 作品67
            1999.2.5NHKホール収録 
          スタニスラフ・スクロヴァチェフスキー指揮 
          NHK交響楽団
大・フーガ 今回のシリーズで初めて聴いた。もともとこの曲は弦楽四重奏曲第13番、作品130番の最終章を独立させ、1825年楽聖が死につく前年に完成したもの。この時彼の耳は既に聾していたから作品の演奏を聴くことはできなかった。ベートーヴェン晩年の一大労作で、狂騒的な内容を盛り上げている。
この大・フーガは、長い間失敗作と見做されていた。ある人は「わけの分からない取り返しのつかない失敗作」、「中国語のように不可解」などと酷評している。然し、20世紀初頭から次第に評価は好転し、現在ではベートーヴェンの偉大な業績の一つと見做されている。
注.フーガ(遁走曲)・・・楽曲形式のひとつ。同じ旋律が複数の声部に順次現れる。
交響曲第5番 過去5回試聴済み
26.8.7  マゼール指揮 クリーヴランド管弦楽団
26.8.11  フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
26.9.4   小沢征爾指揮 ボストン交響楽団
26.10.23 スクロヴァチェフスキー指揮 読売日本交響楽団
26.12.2  フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
27.4.21  スイートナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
私のLP・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
   LP・・ジョセフォヴィッツ指揮 ハンブルグ交響楽団
   CD・・ギブソン指揮 ロンドン交響楽団 


ベートーヴェン 「エロイカ」変奏曲変ホ長調 作品35
          エリーゼのために
          六つのバガテル 作品126
          六つのエコセーズ
          Pf.アルフレート・ブレンデル
「エロイカ」変奏曲
ピアノ独奏のための変奏曲。この曲の主題は、ベートーヴェンが特にお気に入りで、4度にわたり他の曲で使用されているらしい。最後に流用されたのが交響曲第3番「英雄」の終楽章。この事により一般に「エロイカ変奏曲」として知られている。私は初めて聴いた曲だった。良く分からなかったが、最初の部分で半音階を多用したジャズ風の響きが快活な音として印象に残っている。
エリーゼのために
正式にはバガテルイ短調エリーゼのために、と表されている。私たちには子供たちのピアノ練習曲としてなじみ深い。バガテルとは、簡単な小品、短い文学的なピアノ小品曲のこと。軽く快い親しみの深い曲で、いかにも子供向きの美しい歌曲調だ。一般にはエリーゼという可愛い子供のために書いたものと思われているが、実はそうではないらしい。ではエリーゼ(Elise)とは一体誰なのか。ベートーヴェンの記録のどこにも登場しない名前であるため、長い間研究者を悩ませてきたタイトルだった。1923年にある研究者がテレーゼ(Therese)を読み間違ったのではないか、と推定してからはその説が今では一般的になっている。テレーゼとはかつてベートーヴェンが恋した女性であったが、哀しいかな独り相撲、テレーゼの両親の反対もあり、僅か1ケ月で失意の結果に終わったらしい。楽聖ベートーヴェンは多くの女性遍歴があるが、一つとして実を結ぶ事は無く結婚運は無かったようだ。
私のLO・・Pf.フィリップ・アントルモン
   CD・・ホームクラシック名曲集 Pf.ピーター・デゲンハート
     H27('15)5.26
 
     私のCD フォーレ
  ヴァイオリン・ソナタ1番、2番
フォーレ ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調 作品13
      ヴァイオリン・ソナタ第2番ホ短調 作品108
      子守歌 作品16
      Vn.ジャン・ジャック・カントロフ
      Pf.アラン・ブラーネス
フォーレについては今年1/15、ピアノ四重奏曲第2番を聴き触れているが、近代フランス音楽の父として尊敬されている。80年近い生涯を終えて90年以上も経つのに、その作品の瑞瑞しい新鮮さは素晴らしい。
ソナタ第1番
フォーレのヴァイオリン曲の主なるものは本日聴いた2曲のソナタである。ヴァイオリン協奏曲も1曲試作されたが、不完全な形でしか残らなかった。この2曲の作曲時代は実に40年以上も離れており、それぞれの個性が明白に異なる。一般的には若々しい抒情を乗せて甘美なしなやかさに満ちた第1番が優れている。1875年に完成したこの曲の初演は1877年1月、フォーレ自身がピアノを受け持ち発表された。然し保守的なパリ楽壇ではあまり良い批評がなかった中で、サン・サーンスのみが賛辞を与えたという。出足がピアノで始まり、一瞬ピアノソナタかと勘違いしそうだが、やがてヴァイオリンの音が奏でられフランス人らしい気品に満ちた心安らぐ名曲だった。
ソナタ第2番
前述の通りこの第2番は、第1番から40年余の歳月を経た1917年フォーレがパリ音楽院院長を辞する3年前に書かれ、ベルギーのエリザベート王妃に献呈された。第1番の4楽章からこの第2番は3楽章に纏められており、虚飾を排した清澄な筆致で感覚的な面白さを超えて、精神の深みを覗かせる趣を感ずる。
子守歌
月の光、ロマンス、夢のあとになどヴァイオリンの小品で、心地よいヒーリング・ミュージックとして人気がある。
私のCD・・Vn.小林美恵 Pf.アラン・ロジェ
演奏者について
Vn. 小林美恵・・東京芸大首席卒業、在学中から数多くの賞を受賞。NHK交響楽団を始め世界の主要オーケストラとの共演あり。有名なロン・ティボー国際コンクール・ヴァイオリン部門で、日本人初の優勝。
Pf. パスカル・ロジェ・・パリ生まれ、パリ音楽院を首席卒業。パリ管弦楽団ほか世界の有名楽団と共演。ロン・ティボー国際コンクール優勝、ドビュッシー、ラヴェルなどフランス作品で絶対的な評価を受けている。このCDは、同コンクール優勝コンビのアルバムとして人気あり、私も満足している。

グリーグ  ピアノ協奏曲イ短調 作品16
シューマン ピアノ協奏曲イ短調 作品54
        Pf.クリスティアン・ツィマーマン
       ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィル
グリーグ、ピアノ協奏曲
今回2ケ月振りに聴き音の強弱の激しさに、前回とは全く異なる驚きを感じた。民族音楽をバックボーンとしただけあって、第3楽章の狂気した乱舞と不協和音には大いに疲れた。
シューマン、ピアノ協奏曲 前回記載の通り。
27.3.10試聴済み Pf.ゲザ・アンダ クーベリック指揮 ベルリン・フィル
私のCD・・グリーグ Pf.クラウディオ・アラウ
             コリン・ディヴィス指揮 ボストン交響楽団
   LP.・・シューマン Pf.リリー・クラウス
              ヴィクトル・デサルツアンス指揮 
              ウィーン国立歌劇場管弦楽団
     H27('15)6.2
 
     私のLPジャケット
     チャイコフスキー
  ヴァイオリン協奏曲 作品35
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35
シベリウス      ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47
            Vn.チョン・キョン・ファ
            アンドレ・ブレヴィン指揮 ロンドン交響楽団
チャイコフスキー 26.6.12 試聴済み 
Va.前橋汀子 エッシェンバッハ指揮 チューリッヒ・トーハレ・オーケストラ
チャイコフスキーほど初演につまずいた人も少ない。「白鳥の湖」や「交響曲第6番-悲愴」、そしてこの曲など。今日傑作とされる作品の初演時の評判は惨憺たるものだった。彼はそれだけ当時の聴衆の感覚よりも50年先、100年先を先取りした作曲家だった、という事か。この曲は、ウィーンで初演された時、ある評論家に「安物のウォッカの臭いがする」とさんざんけなされている。しかし、この曲からそうした強烈なロシア的な臭いを除いたら一体何が残るだろうか。これこそがこの曲の最大の魅力なのだ。それほどロシアを感じさせる民族的色彩が濃い。第1楽章の出足が素晴らしい。瞑想的な序奏の後に歌謡風な魅力ある主題がヴァイオリンによってうたわれ出す。情緒のあふれた旋律の美しさが第一歩から私を魅了する。
私のLP・・Vn.オイストラウ ロジェストヴェンスキー指揮 モスクワ・フィル
   LP・・Vn.フランチェスカッティ シッパーズ指揮 ニューヨーク・フィル

シベリウス
直前に聴いたチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が、明るい陽気なイメージに満ちた曲だっただけに、このシベリウスの曲は重い。空全体に暗雲が立ち込め地上を圧迫する息苦しさを感ずるような出足だ。全体に北欧的なムードにあふれ、幻想的で美しい旋律が随所に使われている。自分の頭の中には彼の代表作「フィンランディア」が住み着いており、そのイメージから脱却できない。

ベートーヴェン ピアノソナタ「ワルトシュタイン」
シューベルト  6つの楽興の時
          Pf.バックハウス 
          1969.6.26 オーストリア、カリンティアン音楽祭録音
             その後1週間後に死去、これが彼の最後の録音となった。
ベートーヴェン ピアノソナタ
  
26.7.26 試聴済み Pf.バックハウス
本日聴いたのもこのLPだった。以下省略。  私のCD・・Pf.アシュケナージ
シューベルト 6つの楽興の時

初めて聴いた曲。題名通り6つのピアノ小曲だ。別に定められた形式もなく、心に浮かんだままの楽想を軽く作曲されたものらしい。シューベルトの如き楽想の豊かな天才にして初めて創られたものと言うべきか。第3番が印象に残った。一見、民謡風な面もあり優雅な曲だ。最後の第6番も良い。神秘的で哀愁的な感情が呼び起こされる。
      H27('15)6.16
 
       私のCD     
  ベートーヴェン/リスト編曲
    交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン/リスト編曲
         交響曲第5番「運命」ハ短調 作品67
         Pf.グレン・グールド
モーツアルトの再来とかピアノの魔術師などとも呼ばれたフランツ・リスト、彼は19世紀を代表するピアニストであり作曲家でもあった。編曲が得意で過去のオーケストラ作品の多くをピアノ演奏用に編曲し、神がかり的な技巧をもってピアノ一台でオーケストラを表現している。ベートーヴェンの交響曲9曲すべてをピアノ用に編曲して演奏している。しかも、本日聴いた第5番はピアノがあのグールドだから堪らない。これは将にピアノによるアカペラに他ならない(私の独断的な発想)。当然のことながら他の一切の楽器を排除、ピアノだけで「運命」を見事に再現している。旋律がストレートに耳に入り、交響曲では聴き取れない微細なメロディーが頭に残る。私にとっては新しい第5を心から味わった。素晴らしい一日となった。
Pf.グレン・グールドについてはH26.8.14に詳細記載済み。若干追記すると、20世紀で最も偉大なピアニストとして名を挙げられ、今なお熱烈な支持を受け続けている不出世のピアニストなのだ。1982年カナダ・トロントで急逝、満50歳だった。
私のCD・・Pf.グレン・グールド
このCDは先月20日、ソニークラシカル名盤コレクション1000として、発売されたもの。原盤は1967.11~68.1にかけNYのスタジオで録音。今回のCD化 に伴い原盤のジャケットを使用した懐かしいものとなっている。 

サン・サーンス 交響曲第3番ハ短調 作品78「オルガン付き」
          Org.ピーター・ハーフォード
          モントリオール交響楽団 
          シャルル・デュトワ指揮
サン・サーンスは、若いころオルガニストとして最高の地位と言われるパリのマドレーヌ寺院のオルガニストを務めていた。この交響曲に壮麗なオルガンを加えたのも彼自身がオルガンの名手だったからだ。この曲は51歳の時(1886年)に完成、尊敬したリストに捧げられている。彼は16歳の時にリストにその才能を認められて以来生涯リストに心酔していた。曲は二つの楽章からできている。、その各楽章が二部に分かれており、結局は普通の交響曲の形式に準じているが、初めて聴いて些か戸惑った。こんな形式もあるのだと・・・。最初から弦の響きが素晴らしい。特に第2楽章後半の逞しい旋律にオルガンを加えた部分は美しく、強く印象に残った。 
     H27('15)6.18
 
         私のCD
ブラームス ヴァイオリン協奏曲
ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品77
       Vn.ジノ・フランチェスカッティ
       レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
私達は小学校時代からドイツ三大B(バッハ、ベートーヴェン、ブラームス)として習ってきた。その後の知識では、彼は哲学者であり、神学者であり、自然の愛好者で、民族音楽の熱心な研究者でもあったらしい。昨年5/27彼の交響曲第1番を聴いたとき記しているが、この1番を完成するため実に21年の歳月をかけている。そのこともあってかある指揮者は「この曲はベートーヴェンの第10番交響曲だ」と語っている。第1番の作品にしては円熟し完成度が高いと言う事だろうか。本日聴いたヴァイオリン協奏曲も、従来の域から超越して、むしろ交響曲的な性格を帯びているとされ、あらゆる協奏曲の最高に位している、と言われている。このところの蒸し暑さで睡眠が十分取れず、ブラームスに誘われてついうとうと眠ってしまい、半分以上聴き洩らしてしまった。
私のLP・・Vn.リカルド・オドノポゾフ 
      カール・バンベルガー指揮 フランクフルト・オペラ座管弦楽団
       CD・・Vn.ナージャ・サレルノ・ソネンバーグ
      エド・デ・ワールト指揮 ミネソタ管弦楽団

ワーグナー 楽劇「神々の黄昏」から
        第三幕 第二場の終わりから第三場
        ウォルフガング・ウィントガッセン(ジークフリート)
        ビルギット・ニルソン(ブリュンヒルデ) ほか
        サー・ゲオルグ・ショルティ指揮 ウィーン・フィル
ワーグナーはベートーヴェンの作品に感動して音楽家を目指し、大学で音楽と哲学を勉強した。然しその大半は独学によって築かれた。ウェーバーのドイツ歌劇、ベートーヴェンの交響曲、シェークスピアの戯曲は彼のよき師匠だったのだ。本日聴いた「神々の黄昏」はオペラ「ワルキューレ」の一部。この作品は、四部作からなり全て上演すると約15時間を要するため、初演では一夜ずつ四日間もかけて行われた。序夜「ウィンの黄金」、第一夜「ワルキューレ」、第二夜「ジークフリート」、第三夜「神々の黄昏」からなっている。この物語は、ドイツの英雄叙事詩をもとにワーグナーが北欧の神々の王ヴォ―タンや英雄ジークフリートなどを“オレ流”にアレンジして作ったもの。事前にストーリーを承知しておかないと音楽について行けない。聴いていてマズ長い、強弱の変化が些か少なく大音響が続き、聴き終えて音からの解放感に安堵した。
    H27('15)6.25
 
    私のLPジャケット
The most beautiful music
         in the world
  ブラームス交響曲第1番
ベートーヴェン    レオノーレ序曲第3番 作品72a
ストラヴィンスキー バレエ組曲「火の鳥」
ブラームス      交響曲第1番ハ短調 作品68
j・シュトラウス     円舞曲「美しく青きドナウ」 作品314
             カール・ベーム指揮 ウィーン・フィル
             1975.3.17 NHKホール ライブ収録
この当時、著名な指揮者、交響楽団が来日公演の時、両国の国歌演奏が行われた。初演の16日、日本及びオーストリア国家が演奏された。
レオノーレ序曲第3番 27.2.10試聴済み イッセルシュテット指揮 ウィーン・フィル
ベートーヴェン唯一の歌劇「フィデリオ」、別名「レオノーレ」は1805年11月ウィーンで初演されたが、当時の人々に理解されず散々な失敗に終わった。しかし、彼はこれに屈せず3回の修正を加えついに成功するが、序曲はその都度書き下ろされ計4つの序曲ができた。本日聴いた第3番(作品72番)は第1番(作品138番)より前の作品。ベートーヴェンの序曲中の最大傑作で「フィデリオ」の上演には最後の場面の前にこの第3番が演奏される慣例になっている。管弦合奏から始まり二つの首題が現れやがてトランペットの演奏により裁断が告げられ、序曲は歓喜の中に終わる。歌劇の最終場面へと大いに期待が高まる旋律だ。

バレエ組曲「火の鳥」 26.8.26 試聴済み 小沢征爾指揮 ボストン交響楽団
              27.3.3 試聴済み ブーレーズ指揮 BBC交響楽団
              それぞれに記載済みにつき今回は省略。
私のCD・・アバド指揮 ロンドン交響楽団

ブラームス 交響曲第1番 26.5.27 試聴済み 
        フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル 前回記載、今回省略。
私のLP・・バンベルガー指揮 フランクフルト・オペラ座管弦楽団

「美しく青きドナウ」 26.1016 試聴済み ベーム指揮 ウィーン・フィル
ストラヴィンスキーの「火の鳥」、更にブラームスの交響曲第1番と連続して聴くと大いに疲れる。この「美しく青きドナウ」は回復に最適の曲だ。例年、正月にNHKが生放送する「ニューイヤーコンサート」の定番曲なのだ。「第2のオーストリア国歌」とも言われているが、ウィーンの美しい自然が目に浮かぶ。日常の雑事から解放され清きドナウの流れに心が浄化される気分だ。
私のLP・・スワロフスキー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 
     H27('15)7.2
 
        私のCD
 ベートーヴェン
交響曲第4番第7
ベートーヴェン 交響曲第4番変ロ長調 作品60番
          交響曲第7番イ長調 作品92
j.シュトラウス  円舞曲「美しく青きドナウ」
          カール・ベーム指揮 ウィーン・フィル
          1975.3.16 NHKホールライブ
6月26日試聴したベームとウィーン・フィルの来日演奏の初演を収録したもの。
交響曲第4番
26.8.5 試聴済み クライバー指揮 バイエルン国立管弦楽団
26.10.23 〃    スクロヴァチェフスキー指揮 読売日本交響楽団
27.3.17  〃    小沢征爾指揮 水戸室内管弦楽団
27.4.16  〃    スイートナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
交響曲第7番
26.5.13 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル
26.7.31  〃    アバド指揮 ウィーン・フィル
27.2.10  〃    イッセルシュテット指揮 ウィーン・フィル
27.3.17  〃    小沢征爾指揮 水戸室内管弦楽団
この第7番は私のお気に入りの曲なのだ。ベートーヴェン自身もこの交響曲を「私の最も優れた作品の一つである」と言っている。また、それを裏書きするように、オーストリアでは初演以来好評をもって迎えられている。1813年12月8日、ウィーン大学の講堂でベートーヴェン自身の指揮で初演が行われた。その時第2楽章がアンコールされている。この楽章は「結婚の祝典」とか「村の結婚式」(シューマン)とか言われており万人に愛されている。第3楽章は、一転して歓喜と活気に満ちた朗らかな曲想で「花嫁の行列」とも言われている。終楽章は「結婚の酒宴」とか「酒神の乱舞」などと称され強烈なアクセントをもった激しいリズムが続く。ベートーヴェンの雄々しい巨人的な性格が明瞭に浮彫されている感じ。終結部は巨人の叫びとでも言おうか管弦楽全体で狂奔するように最高潮に達し終わる。実に男性的な曲だ。それだけにいつまでも印象に残る。
私のLP・・ワルター指揮 ウィーン・フィル
    CD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル
「美しく青きドナウ」
26.10.16 試聴済み ベーム指揮 ウィーン・フィル
私のLP・・スワロフスキー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
     H27('15)7.7
 
       私のCD
   マーラー 交響曲第5番
マーラー 交響曲第10番嬰ハ長調「アダージョ」
       交響曲第5番嬰ハ短調
       クラウス・テンシュテット指揮 ロンドン・フィル
交響曲第5番、第10番
26.11.13 試聴済み 指揮、演奏今回に同じ
マーラーは第10番の第1楽章を作っただけで未完のまま世を去っている。そのため、第1楽章(アダージョ)のみ単独で演奏されることが多い。第2次大戦後、補筆によって数種の全曲完成版が作られているが、中でもイギリスの音楽学者リック・クックによるものが広く受け入れられており、この補筆完成版の演奏が多い。前回にも記しているが、映画「ベニスに死す」で有名になった交響曲第5番第4楽章アダージェットの旋律に近似しており心地よく聴き入った。
交響曲第5番
26.7.8 試聴済み インバル指揮 東京都交響楽団
両曲とも26.11.13試聴時に詳細記載済みだが、若干補筆しておきたい。最近読んだマーラーの本で、あのヴィスコンティの映画「ベニスに死す」の外に映画「マーラー」があるらしい。この作品の監督ケン・ラッセルは、ヴィスコンテイとは別の形でマーラーの核心を面白く表現した映画らしい。音楽は2番と8番を除く総ての交響曲を用いている。その彼がこの映画についてのコメントの中で交響曲5番について次のように言っているのだ。「第5番は葬送の音楽と結婚行進曲が混じりあった音楽で、別名は精神分裂症」。ずばりマーラーの核心をついた上手い表現だ。確かに、冒頭のトランペットを聴くとメンデルスゾーンの「結婚行進曲」が始まるかと思うが、暗い翳りを含んでいてやはり葬送行進曲なのだ、と気づく。この葬送が静まるといきなりめまぐるしい弦の動きと共にトランペットの悲愴にしてとぼけた旋律が叫ぶように奏でられる。まさに精神分裂症なのだ。同じ曲でも何回も聴き解説書を読むと、音楽の理解が広がって行く。だからクラシックは面白い。
私のCD・・小沢征爾指揮 ボストン交響楽団
 
     H27('15)7.14
 
       私のCD
      ベートーヴェン

   ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ベートーヴェン 「エグモント」序曲 作品84
          ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73「皇帝」
          交響曲第5番ハ短調 作品67
          Pf.ルドルフ・ゼルキン
          小沢征爾指揮 ボストン交響楽団
26.9.4 試聴済み。今回と同じ盤
作家五味康祐の寄贈レコードとオーディオ装置による試聴会に、昨年5/13初めて参加してから今回で56回となった。原則として、週2回開催されており、毎回参加しているわけではないので、実際の開催回数はもっと多い。この間ベートーヴェンが今日を含めて30回と圧倒的に多い。以下次の通り。
モーツアルト・・9回   シューマン・・7回   
バッハ、ワーグナー、チャイコフスキー・・6回   マーラー、シューマン・・5回
寄贈者・五味康祐のお気に入りというところか・・。特に、ピアノではグレーン・グールドが大のお気に入りだ。学芸員の話では奥様も同様だったらしい。
本日聴いた交響曲第5番「運命」は、マズその名を知らない人はいないぐらい超有名曲だ。「ジャジャジャジャーン」の単純なリズムは、だれでも一瞬で記憶に残る。また、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」も雄大で堂々たる曲で、まるで交響曲的な規模の大きい協奏曲だ。これらを何回も聴いていると些か大味な感じがし、少し飽き気味となって来る。そして、ブラームスとかマーラーの少々退屈だが落ち着いた曲風に魅かれるのだ。
今後の自分自身の変化にも興味が湧く。引き続き試聴会には参加しよう。
エグモント
26.9.4 試聴済み 小沢征爾指揮 ボストン交響楽団
私のLP・・ワルター・ゲール指揮 ロンドン交響楽団
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
26.7.10 試聴済み Pf.グールド ストコフスキー指揮 
アメリカン・シンフォニー
26.9.4   試聴済み Pf.ゼルキン 小沢征爾指揮 ボストン交響楽団
私のLP・・Pf.ベルミュテ ヴェッヒティンク指揮 ウィーン音楽祭管弦楽団
   LP・・Pf.ゼルキン バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
   CD・・Pf.アラウ ディヴィス指揮 ドレスデン・シュターツカペレ
   CD・・Pf.仲道郁代 ヤルヴィ指揮 
ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
注.パーヴォ・ヤルヴィは2015.16シーズンNHK交響楽団の首席指揮者に就任、今年 H27.10.3N響第1817回公演でマーラー交響曲第2番ハ短調「復活」で指揮をとる。
交響曲第5番「運命」 試聴済み以下の通り
26.8.7  マゼール指揮 クリーヴランド管弦楽団
26.8.11  フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
26.9.4  小沢征爾指揮 ボストン交響楽団
26.10.23 スクロヴァチェフスキー指揮 読売日本交響楽団
26.12.2  フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル
27.4.21 スイートナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
27.5.21 スクロヴァチェフスキー指揮 NHK交響楽団
27.6.16 リスト編曲 Pf.グールド
私のLP・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
   LP・・ジョセフォヴィッツ指揮 ハンブルグ交響楽団
   CD・・ギブソン指揮 ロンドン交響楽団
   CD・・リスト編曲 ピアノ・バージョン Pf.グールド 
     H27('15)7.23
 
       私のCD
    シベリウス 交響曲第2番
モーツアルト 弦楽三重奏のためのディヴェルティメント K563
         Vn.ジャン・ブーニエ Va.フレデリック・リドル
         Vc.アンソニー・ピーニ
この曲は初めて聴いた。ディヴェルティメントK136は、26.6.26に試聴している。日本では総称して「機会音楽」と呼ばれていて、主として貴族の食事時とか夕べのサロンなどでムードを醸すための楽曲らしい。本日の曲は、弦楽三重奏でヴァイオリン、ビオラ、チェロの編成で、前回のディヴェルティメントのオーケストラ形式とは異なり、より室内楽的で目的に適うものだ。モーツアルトの持つ明るさと爽快さが溢れ心地よい曲だった。

シベリウス 交響曲第2番ニ長調 作品43
        アンドレ・ブレヴィン指揮 ピッツバーグ交響楽団
イギリスの音楽評論家セシル・グレイは「シベリウスは、ベートーヴェン以降における最大の交響曲作曲家である」と絶賛している。客観的に見てもやはりシベリウスは20世紀最高の交響曲作曲家の一人に違いない。この試聴会では交響曲第4番を昨年8/19に聴いている。一般的に7つの交響曲の中で第1番、第5番、第7番の人気が高いが、最も親しまれているのはこの第2番らしい。本日聴いて納得。管楽器群をフルに活動させた第3、第4楽章は素晴らしい。また、北欧情緒がたっぷり織り込まれた第2楽章もよい。フィンランドの深い霧に包まれた湖の情景が目の前に浮かんでくるようだ。全曲を通じてフィンランドの民謡や舞曲を多く取り入れたため、田園的な感じが深くシベリウスの「田園交響曲」とも言われている。この曲は大変気に入ったので、早速CDを購入した。私のコレクションもこれで交響曲第2番及び第5番、第7番(この2つはカラヤン指揮、ベルリン・フィル)と揃うこととなり満足している。
私のCD・・ユッカ・ペッカ・サラステ指揮 フィンランド交響楽団
     H27('15)7.30 
  
     私のLPジャケット
      モーツアルト
   交響曲第41番「ジュピター」
モーツアルト 交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
J.シュトラウス 円舞曲「南国のバラ」 アンネン・ポルカ
         皇帝円舞曲 常道曲 ピツィカート・ポルカ
         喜歌劇「こうもり」序曲 「トリッチ・トラッチ」ポルカ
ワーグナー  「ニュルンベルクの名歌手」第1幕への前奏曲
         カール・ベーム指揮 ウィーン・フィル
         1975.3.25 NHKホールのライブ
交響曲第41番「ジュピター」 26.10.16試聴済み、今回と同じ盤
私のLP・・ジョセフォヴィッツ指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
   CD・・サヴァリッシュ指揮 チェコ・フィル

J.シュトラウス 円舞曲ほか 26.10.16試聴済み、今回と同じ盤
私のLP・・スワロフスキー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団

ワーグナー「ニュルンベルクの名歌手」 26.10.9.16試聴済み、今回と同じ盤
私のLP・・バンベルガー指揮 フランクフルト・オペラ座管弦楽団
   CD・・ベーム指揮 ウィーン・フィル(本日聴いたものと同じ音源)
いずれも各試聴時にコメント記入済みのため、今回は記載せず。
  別 館
  作曲家年表
                 classic  salon (本館)  
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