26.6.3、28.7.26 第4番~第6番 試聴済み 本日の盤に同じ
28.7.7 第1番~第3番 試聴済み 本日の盤に同じ
29.8.29 第1番~第6番 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・本日の盤に同じ

ベートーヴェン 三重協奏曲 OP.56
          Pf.ゲーザ・アンダ
          Vn.ウォルフガング・シュナイダー Vc.ピエール・フルニエ
          フェレンツ・フリッチャイ指揮 ベルリン放送交響楽団

コメントは下記試聴時に記載済み、今回省略。
26.6.10,30.3.27 試聴済み Pf.ゲーザ・アンダ Vn.シュナイダーハン Vc.フルニエ フレンツ・フリックロイ指揮

バッハ ヴァイオリンソナタ第1番~第6番
     BWV 1014~1019
     Vn.ハイメ・ラレード Pf.グレン・グールド

これまで第1番~第3番、第4番~第6番と2回に分けて聴いている。また、第1番~第6番の通しでも過去1回聴いている。本日、久しぶりに通しで聴いて感銘を新たにした。一般的に、ヴァイオリンソナタと言うとヴァイオリンを中心に展開してゆくものと考えるが、バッハのこの作品はヴァイオリンとチェンバロが対等に活躍していて、実に和やかな対話のような作品になっている。バッハの音楽を深く研究したピアノの名手グールドとPf.ハイメ・ラレードのコンビは絶妙でその織りなす音色には透明感があり素晴らしいものだ。名声を極めた孤高のグールドが最後の共演者であるラレードと更なる共演を望んでいたという逸話は興味深く、本日の名演奏も十分に理解できる。
予てより心に残っており本日早速CDを購入した。

     私のCD
ブラームス 交響曲第3番

最終章が素晴らしい。激烈な熱情の奔騰、天空からの雷鳴が轟き運命と格闘する彼の生涯の縮図のような曲なのだ。何回聴いても深く印象に残る曲だ。ある音楽愛好家は「ピアノソナタの頂点を極めた名曲」と言っている。
26.6.12、29.8.8 試聴済み Pf.グレン・グールド
26.9.9、27.1.15、30.11.29 試聴済み Pf.クラウディオ・アラウ
27.1.27、30.5.10 試聴済み Pf.ウィルヘルム・ケンプ
私のCD・・Pf.ウラディーミル・アシュケナージ
   CD・・Pf.仲道郁代

ピアノソナタ第29番
この試聴会初登場。ピアノソナタ第28番から第32番がベートーヴェン最後のソナタで、いずれも名曲と言われている。特にこの第29番は「交響楽的ソナタ」と呼ばれており、1795年3月(25才)ベートーヴェン自らピアノを弾き好評を博したという。この晩年の傑作は「ハンマークラヴィーア」呼ばれており、演奏時間も40分を超え余りの難曲に同時代のピアニストは誰も弾けなかったらしい。そのことを告げた友人にベートーヴェンが「50年もすれば弾けるようになるだろう」と答えた有名な逸話が残っている。

ピアノソナタ第30番
この試聴会では初登場だが、以前数回聴いた事がある。第3楽章が6つの変奏と主題の再現から構成されている。変奏形式によるフィナーレで「歌うように、心の底から感動を持って」と記された主題とその6つの変奏と主題の再現から構成されているのだ。長いこの楽章は、極めて重厚感に富んだ変奏曲で充実した内容になっている。

ピアノソナタ第31番
試聴会初登場。1821年(51歳)の暮れから翌年にかけ病気との苦しい戦いの中から生み出された曲で、大曲の第29番などと比べるとずっと規模は小さく、壮年時代のように構えたところが全くない。第1楽章は抒情的で美しいが彼自身が“嘆きの歌”と名付けた悲痛な旋律の第3楽章が素晴らしい。そこには病を持ったことがある者にしかわからない悲哀感が惻惻と胸を打つ。
私のCD・・第30番、第31番、第32番 Pf.ルドルフ・ゼルキン(1989年度レコードアカデミー賞受賞)

要する時間の長さにおいても、また交響曲に声楽を取り入れた形式も画期的だったのだ。長大と言えばブルックナーやマーラーがいるが、彼らが現れるのは第9から50年以上も経ってからだから、ベートーヴェンの偉大さが分かる。更に「巨大」さの中身は、ベートーヴェンの高い理想主義ではないだろうか。彼は音楽を使って人類の理想を謳い上げたのだ。シラーの詩「歓喜に寄す」に曲をつけたものだが、第4楽章の一部「おお!友よ。こんな調べは止めよう。もっと快い喜びに満ちた歌をうたおうではないか」と彼自身の言葉を加えている。そして、最後は「人類は兄弟となるのだ」とシラーの詩で謳い上げ、人類の平和を希求しているのだ。思い出すと1998年長野での冬季オリンピック閉会式で、小澤征爾がアフリカを含む五大陸の合唱団を結んで指揮をとり、この第9を謳い上げた。あれから20年、世界平和への歩みは遅々として進まない。それどころか最近の中国の台頭によりむしろ危険な、険悪な方向に転向しているのではないか。この年末、世界各地で第9の合唱が聴かれるが、単なるお祭りにしないでベートーヴェンの思いに気持ちを馳せたいものだ。
余談ながら第9の思い出を一つ。
以前、兵庫県・西宮市に住んでいた頃、阪神地区(西宮市、芦屋市、宝塚市)の第9を歌う合同イベントがあり、1979年12月宝塚大劇場で行われた。これに私の妻(アルト)、娘(ソプラノ)が参加、私は聴衆の一人として聴いた記憶がある。この時の指揮者があの有名な朝比奈隆でその後、外山雄三となった。恐れ入りました。1983年東京へ転勤するまで参加していたが、関西での良い思い出の一つとなっている。
26.7.26 試聴済み 本日の盤に同じ
26.8.11   〃    フルトヴェングラー指揮 バイロイト祝祭管弦楽団 注.歴史的名演奏として評価が高い
27.1.20   〃    ヨッフム指揮 ロンドン交響楽団
28.8.9    〃    スゥイトナー指揮 シュターツカペレ・ドレスデン
29.12.28   〃    ライナー指揮 シカゴ交響楽団
30.10.4   〃    トスカニーニ指揮 NBC交響楽団
私のLP・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル ウィーン楽友協会合唱団

 

           私のLPジャケット
ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」

H30('18)10.4

ピアノソナタ第22番
この曲は小規模で2楽章編成。内容的にも華やかなものとは言えず、数多くの大作が次々と生まれたこの時期になぜ本作のような風変りな作品が生まれたのか、詳しい作曲の動機も分かっていないらしい。前後を第21番「ワルトシュタイン」、第23番「熱情」という大作に挟まれていることもあって存在感が薄い。第23番を聴いた後でこの22番を聴くと出足の旋律がよく似ていて、作曲順から言って第23番は第22番のメロディを流用しているかのような錯覚を覚える。

32の変奏曲
作品番号がWoO.80となっているが、これは作品番号がなく死後の整理の際に附番されたもの。従ってこれらは作品番号外なのだが、日本では結構演奏されているらしい。学校関係の発表会などで取り上げるケースが多いらしい。ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」に類似した動機が多いと指摘されているが、私には余り理解できない。
ピアノソナタ第23番 
26.6.12、29.8.8 試聴済み Pf.グールド
26.9.9、27.1.15 試聴済み Pf.アラウ
27.1.27 試聴済み Pf.ケンプ
私のCD・・Pf.アシュケナージ
   CD・・Pf.仲道郁代
ピアノソナタ第22番
26.9.9、27.1.15 試聴済み Pf.アラウ
32の変奏曲
27.1.15 試聴済み Pf.アラウ

H30('18)12.4
ヘンデル 合奏協奏曲集第9.10.12.7番
       コレギウム・アウレウム合奏団

この試聴会初登場。合奏協奏曲というのは、バロック時代に盛んに演奏された形式の一つ。独奏協奏曲とは違って数人の独奏者が独奏部を受け持ちオーケストラと競演するもので、楽章形式も独奏協奏曲のように3楽章ではなく、4楽章以上で構成されているのが普通だ。このスタイルを完成させたのがイタリア・バロックの巨匠コレルリやヴィヴァルディだった。その後多くの合奏協奏曲が書かれたが、特に有名なのが本日聴いたヘンデルの曲集。彼は「作品3」と「作品6」の2つの合奏協奏曲を書いている。その内、全12曲からなる「作品6」の評価が高い。ヘンデル54才(1739年)、名作「メサイア」の作曲される3年前の最も脂ののった時代に書かれただけあって、彼の円熟した技法が発揮された傑作である。一般には第5曲と第6番が有名らしいが本日聴いたのは12曲の内の第9.10.12.7番の4曲。約60分通しで聴いたがバロック特有のシンプルな旋律が続き些か退屈だった。 

その彼が人生の最後に書いたのが弦楽四重奏曲の5曲(第12番~第16番)。それまでの音楽とは全く異なっている。いくつかの交響曲に見られるような勝利、闘争の雄たけび、歓喜がないからだ。人生の悟りを開き、ただただ平穏な世界に収まっている感じなのだ。この5曲の作曲順は第12番、15番、13番、14番、16番で後になるほど音楽は深くなってゆく感じ。
第12番は優しさに満ちた曲で、第2楽章は慈愛に満ちている。
第13番は全6楽章からなっており、本日聴いた中では最高の曲だった。最初この曲の終結章はフーガ(遁走曲)の形式をとっていたが「この曲の意味が分からない」と言われ、これを削除し別の曲を作り完成している。この部分は後で聴く「大フーガ」として独立した曲となっている。そのようないきさつのあったこの第13番は、当時の評判は悪く死の床にあったベートーヴェンに友人が告げると、彼は「世の人々がこの楽曲を迎える日がいつか来る」と断言したと言う。第4楽章はドイツ舞曲、第5楽章は「カヴァティーナ」という抒情的なアリアが美しい。
第14番は全7楽章からなり、それが切れ目なく演奏される。あたかも構成も形式も無視した未知の領域なのだ。こんな弦楽四重奏曲は誰も書いていない。第1楽章の不思議なメロディーは何なのか、ワーグナーはこの楽章を「音によって表わすことのできる最大の悲哀」と言っている。ある音楽好きの作家は「悲哀」さえも超越した「諦観」とも言っている。最終第7楽章は、それまでの雰囲気を切り裂くような悲痛な音楽が流れ、これほど切ない楽章はない。前述の作家は“ベートーヴェンが泣いている”と表現しているほどだ。
大フーガは、前述の通りのいきさつから生まれた曲。1825年、死の前年に完成。しかし、この時彼の耳は既に聾しており作品の演奏を聴くことはできなかった。少し前までは第13番の弦楽四重奏曲を演奏するときは、後から修正して作った楽章で演奏されていたが、現代ではオリジナルの「大フーガ」付きで演奏されている。本日の視聴会でもプログラムでは第14番の後に書いてあったが、実際には第13番に続いて演奏された。
弦楽四重奏曲第12番
27.4.21、30.2.6 試聴済み ラサール弦楽四重奏団
30.10.25 試聴済み アマデウス弦楽四重奏団
 
弦楽四重奏曲第13番
30.2.6 試聴済み ラサール弦楽四重奏団
弦楽四重奏曲第14番
27.11.10、28.3.10 試聴済み ラサール弦楽四重奏団
30.8.21 試聴済み ブタベスト弦楽四重奏団
大フーガ
27.5.21 試聴済み NHK交響楽団(ワインガルトナー編曲)
私のCD・・第14番、第16番 バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル(弦楽合奏版)
   CD・・第12番~第16番、大フーガ ラサール弦楽四重奏団


H30('18)11.29
バッハ パルティータ第2番ハ短調 BWV.826
     カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」変ロ長調 BWV.992
     幻想曲ハ短調 BWV.906
     チェンバロ(Cem) ワンダ・ランドフスカ

パルティータ
視聴会初登場。バッハが作曲したクラヴィーア(チェンバロなどの鍵盤楽器)のための曲集で、6つのパルティータ(クラヴィーア練習曲第1巻 BWV.825~830)から成っている。
第1番 変ロ長調 BWV.825  第2番ハ短調 BWV.826  第3番 イ短調 BWV.827  
第4番 ニ長調 BWV.828    第5番 ト長調 BWV.829   第6番 ホ短調 BWV.830
イギリス組曲、フランス組曲とあるバッハの一連のクラヴィーア組曲集の集大成にあたり、またバッハの数多くの作品の中で最初に出版された曲集。「平均律クラヴィーア曲集第2巻」や「ゴルトベルク変奏曲」などと並んでクラヴィーア組曲の最高峰と評価される。本日聴いた第2番は、2015年ショパンピアノコンクールのファイナリスト「小林愛美」が弾きCD化されている。その後彼女は多くのコンクールに入賞し、現在では国際的なピアニストとして活躍している。
カプリッチョ

初めて聴く曲だった。バッハの初期の作品としては特に有名な曲らしい。バッハの長兄で音楽家のヤーコプが、スエーデン王カール12世に随行するため旅立ったころ(1703年or1704年)の作品。ただし、異論もあり彼の友人や彼自身の別離を表しているとの説もあるらしい。6楽章の編成だが演奏時間は約11分と短い。各楽章には次のような標題がついている。
1.アリオーソ 旅を思いとどまらせようとする友人たちの優しい言葉
2.他国で起こるかも知れない様々な不幸の想像
3.友人一同の嘆き
4.友人たちは(どうしようもないと知って)集まり、別れを告げる
5.郵便馬車の御者のアリア
6.郵便ラッパを模したフーガ
幻想曲
バッハの楽曲一覧には確かにBWV.906として記載されている。手持ちの書籍、wikipediaなどで探すも詳細な資料なし。
チェンバロ奏者ワンダ・ランドスカフについて
ポーランド出身(1879.7~1959.8)チェンバロ奏者、ピアニスト。忘れられた楽器となっていたチェンバロを20世紀に復活させた立役者として有名。チェンバロはルネッサンス音楽や、バロック音楽で広く使用されていたが、18世紀後半からピアノの興隆と共に徐々に姿を消した。しかし20世紀に入り復興、現代音楽やポピュラー音楽でも用いられている。
注.鍵盤楽器 チェンバロ(独) ハープシコード(英) クラブサン(仏) 現代はピアノに代表される。
        
 

H30('18)11.20

H30('18)10.25

      私のCD
    ベートーヴェン
   弦楽四重奏曲第16番

やはり天才なのだ。全体に、ハイドン風のキビキビした歯切れの良さを感じたが、第3楽章のメヌエットはモーツァルトらしい気品と清楚な舞曲で、やはりこれは「モーツァルトの作品だ・・・」と聴き入った。
私のCD・・トレヴァー・ビノック指揮 ザ・イングリッシュ・コンサート

ベートーヴェン 交響曲第3番変ホ長調 OP.55「英雄」
           交響曲第5番ハ短調 OP.57「運命」
            フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

第3番「英雄」
多数回試聴済み、今回は省略。
26.5.27 試聴済み 本日の盤に同じ
26.10.23、27.12.15、28.12.8 試聴済み スクロヴァチェフスキ指揮 読売日本交響楽団
26.12.18、28.10.13 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
29.4.25 試聴済み マリナー指揮 アカデミー室内管弦楽団
29.8.24 試聴済み スゥイトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
29.10.17  〃    ブロムシュテット指揮 ドレスデン・シュターツカペレ
私のLP・・クリュイタンス指揮 ベルリン・フィル

第5番「運命」
既に数回記載済みにつき今回省略。この試聴会の素晴らしいところは、同じ名曲でも数多くの指揮者、オーケストラの曲が聴けることだ。コレクター「五味康祐」のおかげで、大いに感謝。
26.8.7 試聴済み マゼール指揮 クリーヴランド管弦楽団
26.8.11、28.4.19、29.10.31 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
26.9.4、27.7.14 試聴済み 小澤征爾指揮 ボストン交響楽団
26.10.23、27.12.15、28.12.8 試聴済み スクロヴァチェフスキ指揮 読売日本交響楽団
26.12.2 試聴済み 本日の盤に同じ
27.4.21   〃    スイトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
27.5.21   〃    スクロヴァチェフスキ指揮 NHK交響楽団
27.6.16、29.9.5 試聴済み リスト編曲 Pf.グレン・グールド
27.8.20 試聴済み バーンスタイン指揮 バイエルン放送交響楽団
28.9.6、30.5.24 試聴済み ブーレーズ指揮 ニューヨーク・フィル
私のLP・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
   LP.・・ジョセフォヴィッツ指揮 ハンブルグ管弦楽団
   CD・・リスト編曲 Pf.グレン・グールド

H30('18)11.13
ヴィヴァルディ 四っのヴァイオリンのための協奏曲ロ短調 OP.3-10
          ヴァイオリン協奏曲ト長調 OP.3-3
バッハ      四っのチェンバロのための協奏曲イ短調 BWV.1065
          チェンバロ協奏曲ヘ長調 BWV.978 チェンバロ独奏アバド
          アルベルト・ゼッダ指揮 ミラノ・アンジェリウム管弦楽団

ヴィヴァルディ クラブサン協奏曲第1番~第6番 バッハ編曲
          Cv.ルチアーノ・スグリッチ ルガーノ室内管弦楽団

ヴィヴァルディ 上記3曲とも初試聴。
私のレベルでは、クラシック音楽はヴィヴアルディから始まる。何といっても、バッハやヘンデルを生む基を築いた偉大な作曲家だ。私には、ヴィヴァルディ=「四季」で明るく親しみやすい。彼はその生涯に約650曲の作品を残している。その内450曲あまりが各種の独奏楽器のための協奏曲。彼自身がヴァイオリンの名手だっただけに、弦楽器のために書かれた協奏曲がその主流になっているが、まさに“協奏曲の王”と呼ばれるに相応しい数である。今日聴いた3曲は普段ほとんど聴くことのない曲だ。私の持っている音楽書にも全く記載がなく、続けて聴いているとあまり曲の違いが分からない。私にとっては、ヴィヴァルディは「四季」だけで十分だ。

バッハ 上記2曲とも初試聴。
バッハが残した協奏曲の形式、即ち2組の器楽群が相対しつつ合奏するものとして、あの有名なブランデンブルグ協奏曲がその代表作とされているが、本日聴いたこの協奏曲はそれに比肩する名曲なのだ。このBWV.1065の作品は、今日最初に聴いたヴィヴァルディの「四つのヴァイオリンのための協奏曲」をバッハが編曲したもの。ただし、バッハは大部分を創作同様作り変えているらしい。

 

スメタナは晩年ベートーヴェンと同じように聾となったが、多くの傑作
を残している。「モルダウ」は1883年発表された6年がかりの労作で、交響詩「わが祖国」全6曲の一つ。いずれもチェコの自然や風物・伝説などを題材としている。その中でも特に第2曲「モルダウ」や第4曲「ボヘミアの森と草原より」が有名だ。「モルダウ」は河の名でプラハの街を貫いてはるかに消える大河だ。音楽はこの河にちなんだ叙事詩で、美しい河畔、その歴史、伝説を織り悠々と流れる美しさを表現している。奥深いボヘミアの森から流れ出した水はやがて小川となり、次第に水かさを増し奔流となる。平野に入り川幅は広く流れも静かになり、古い名城跡の影を映す。大河モルダウはプラハの街中を過ぎて悠々海に下ってゆく。この間の様々に変化する水の姿を巧みに音楽で表現した親しみやすい名曲なのだ。
私のLP・・ノイマン指揮 チェコ・フィル
   LP・・ゲール指揮 ロンドン交響楽団
    CD・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル

ハイドン交響曲第88番
29.5.30、30.4.19 試聴済み ワルター指揮 コロンビア交響楽団

シューマン交響曲第4番
27.10.22、28.3.31、28.8.2 試聴済み テンシュテット指揮 ベルリン・フィル
28.1.21 試聴済み クーベリック指揮 バイエルン放送交響楽団
30.2.27   〃    ベーム指揮 ウィーン・フィル

ベートーヴェン ピアノ協奏曲
27.8.20 試聴済み Pf.アラウ バーンスタイン指揮 バイエルン放送交響楽団
30.4.17   〃    Pf.ギレリス セル指揮 クリーヴランド管弦楽団


ニュルンベルクのマイスタージンガー
次の試聴時にコメント済みにつき今回は省略。ただし、序曲と前奏曲について触れておきたい。
序曲(オヴァーチュア)・・2つの種類がある。オペラやオラトリオなどの一番初めに演奏されるものと、演奏会用として独立した曲として作られたものがある。
前奏曲(プレリュード)・・4つの種類がある。イ.17世紀ころの舞踊組曲の最初につけられた小曲。ロ.バッハのプレリュードのようにフーガの前に準備的に置かれた小形式。ハ.ワーグナーが彼の楽劇の各幕前において次に開かれる劇的効果を高めるために用いたもの。ニ.ショパンやドビュッシーによって自由な形式として取り上げられたもの。
26.10.9、26.10.16、27.7.30、29.8.1 試聴済み ベーム指揮 ウィーン・フィル
27.11.26、28.7.21、試聴済み ブーレーズ指揮 ニューヨーク・フィル
30.7.3 試聴済み Pf.グレン・グールド(ピアノ版)
私のLP・・バンベルガー指揮 フランクフルト・オペラ座管弦楽団
   CD・・ワーグナー序曲・前奏曲集 ベーム指揮 ウィーン・フィル

モーツァルト ピアノ協奏曲第27番
彼の最後のピアノ協奏曲で、死の直前35歳の作品。「白鳥の歌」として讃えられており、貧乏の苦しみと病苦の中にあって最後の力を振り絞り生み出した傑作。モーツァルトの生涯状況と合わせて聴いていると、驚くばかりの明るさに深い悲しみを覚える。
26.12.23、28.2.25 試聴済み Pf.ラローチャ ショルティ指揮 ロンドン交響楽団
29.10.31 試聴済み Pf.グルダ アバド指揮 ウィーン・フィル

モーツアルト 歌劇序曲集
モーツァルトの作った歌劇は全部で21あるが、これまでの視聴会では次の曲のみ聴いている。
30.8.28 「コシ・ファン・トゥッテ」 ディヴィス指揮 コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
一般に五大オペラとして、今日でもよく上演されているものは次の通り。
後宮からの誘拐、コジ・ファン・トゥッテ(女はこうしたもの)、ドン・ジョヴァンニ、フィガロの結婚、魔笛
私のCD・・「フィガロの結婚」序曲 サー・コリン・デイヴィス指揮 バイエルン放送交響楽団
       「ドン・ジョヴァンニ」序曲 ラファエル・クーベリック指揮 バイエルン放送交響楽団
       「魔笛」 ジェイムズ・レヴァイン指揮 ウイーン・フイル 
 

即興曲
試聴会初登場。
ショパンは自ら即興曲と名付けた作品を4曲書いている。そのうち遺作となった第4番は、ショパンの全作品中最もポピュラーなもの。彼が24歳の時(1834年)に作曲したものだが、どうしたわけか生前には発見されず死後判明し「自分の死後破棄してもらいたい」と遺言があったらしい。その後友人の手によって出版されその時「幻想」と名付けられている。前半と後半は嵐のような激しさがあるが、中間部は魅惑的なやるせなさと悲しさ、優しさで歌うような旋律は実に美しい。
私のCD・・第1番作品29、第4番作品66(幻想) Pf.スタニスラフ・ブーニン 

ピアノソナタ第2番
今ではショパンの代表的ピアノソナタと讃えられ、名曲として評価の高いものだが発表当時は散々の酷評だったらしい。彼はモーツァルトの音楽をこよなく愛した人で、葬儀の時にはモーツァルトの「レクイエム」を演奏してほしいと希望していた。1849年(39歳)パリのマドレーヌ寺院で葬儀が行われた際には希望通り「レクイエム」が演奏された。その時このピアノソナタ第2番第3楽章の有名な「葬送行進曲」も管弦楽の編曲で演奏されている。もっとも、この葬送行進曲はロシアに占領された不幸な祖国・ポーランドを哀悼する意味で書かれたものだが、重々しいリズムと暗い旋律は野辺の送りに相応しい音楽だ。
私のCD・・Pf.マウリツィオ・ポリーニ

練習曲
練習曲はあくまでも演奏技術を磨くためのものだが、ショパンの練習曲は単にそれだけのものではない。各曲には豊かな表情があり芸術的な深い内容を持っている。ショパンは作品10の「12の練習曲」と作品25の「12の練習曲」そのほかに作品番号のない練習曲3曲、計27曲を残している。特に有名なのが作品10の3「別れの曲」、10の12「革命」、25の11「木枯らし」と言った愛称のついた曲がある。特に「別れの曲」はショパンの伝記映画のタイトルにもなっており、子供のころからよく耳にしている曲だ。
28.8.23 試聴済み 第3番「別れの曲」 Pf.中村紘子
私のLP・・「別れの曲」 Pf.ルーシ・パルハム
   CD・・  同上    Pf.アシュケナージ

夜想曲 

ショパンはよく男性的な面と女性的な面を併せ持った作曲家だと言われているが、「夜想曲-ノクターン」はその女性的な面の表れた最もよい例だ。魅惑的で情緒があり陶酔させるものがある。反対に男性的なものが後記のバラードだろう。ノクターンは全部で20曲あるが最高作品と言われているのが第5番で有名。高雅な曲調の中に幻惑されるような美しさと情感が込められている。
28.8.23 試聴済み(第5番のみ) Pf.中村紘子
私のCD.・・(第2番) Pf.アシュケナージ

バラード
30.4.26 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・(第1番) Pf.ポルヘ・ポレット

第44番「悲しみ」 30.5.24 バレンボイム指揮 イギリス室内管弦楽団
第88番 29.5.30、30.4.19 ワルター指揮 コロンビア交響楽団
第94番「驚愕」 27.7.24 フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル
第95番 28.5.16 フリッツ・ライナー指揮の管弦楽団
第96番「奇跡」、第97番 30.8.14 ベイヌム指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 
第100番「軍隊」 29.5.30、30.4.19 ワルター指揮 コロンビア交響楽団
第101番「時計」 29.5.16 フリッツ・ライナー指揮の管弦楽団
29.5.16 試聴済み フリッツ・ライナー指揮の管弦樂団
私のCD・・交響曲第92番、第94番、第96番 ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団 第95番ナシ

マーラー 交響曲第9番ニ長調
      パウル・クレツキ指揮
      イスラエル・フィルハーモニー交響楽団

次の試聴時に記入済み、今回省略。
30.3.13 試聴済み レヴァイン指揮 フィラデルフィア管弦楽団

H30('18)8.28

ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
クラリネット協奏曲イ長調 K.622
Hn.フーベルト・クリッシュ  Cl.ハンス・ダインツァー  コレギウム・アウレム合奏団

ホルン協奏曲
2曲とも初試聴。モーツアルト29歳の1783年に作曲。4つのホルン協奏曲を友人のホルン奏者のために書いている。最終章には生き生きとした狩猟のホルンに混え楽しい狩猟の雰囲気を醸し出している。
クラリネット協奏曲
この曲はモーツァルトの死の2ケ月前、1791年10月に作曲されたが、この年は健康も衰え経済的にも行き詰まり、苦悩の年となりその辺りがこの協奏曲にも反映している、と言われている。第2楽章アダジオ、静かなクラリネットの旋律で始まり次第にクラリネットとヴァイオリンの対話が盛り上がり、抒情的な楽しい楽章となっている。第3楽章はモーツァルトらしい華やかな明るさがある反面このころの彼の憂鬱さが籠もっており魅惑的でもある。

モーツァルト 弦楽四重奏曲第18番イ長調 K.464
          弦楽四重奏曲第19番ハ長調 K.465「不協和音」
          イタリア弦楽四重奏団

2曲とも初試聴。 
弦楽四重奏曲第14番~第19番の6曲は、ハイドンの作品を手本にハイドンに捧げたもので俗に“ハイドンセット”と言われている。
モーツァルトとハイドンは24歳も年齢が違うがなぜこの曲が生まれたのか。年齢を超えて2人の友情は尊敬と理解によって強く結びついていたからだろう。素朴な中に崇高な追想と優しく魅惑的な曲で、モーツァルト特有の歌謡風の旋律も繰り返されている。第19番は冒頭に異常な不協和音が現れるので、そのような副題がついている。
私のCD・・ジュリアード弦楽四重奏団

      ピアノソナタ第2番変ロ短調 OP.35「葬送行進曲」  前奏曲嬰ハ短調 OP.45
      スケルツォ嬰ハ短調 OP.39  夜想曲変ホ長調 OP.55-2
      練習曲ヘ長調 OP.10-8     練習曲変イ長調 OP.10-10  練習曲ト短調
      Pf.イーヴォ・ボゴレリチ 
ワルツ
30.7.12 試聴済み(ワルツ全集) 今回コメント省略
私のCD・・Piano Forte「珠玉のピアノ名曲集」10枚の内「華麗なるショパン」 Pf.マルタ・ルイサダ
   CD・・ホームクラシック名曲集12枚の内「ショパン名曲集」 Pf..ルーシ・パルハム

ピアノソナタ第2番
ショパンはモーツァルトの音楽をこよなく愛した人で、自分が死んだらモーツァルトの「レクイエム」を演奏してほしいと希望していた。1849年、39歳の若さで亡くなり希望通り「レクイエム」が演奏された。その時このピアノソナタ第2番の第3楽章「葬送行進曲」も管弦楽の編曲で演奏された。本来この行進曲は、ロシアに占領された不幸な祖国ポーランドを哀悼する意味で書かれたものだが、重々しいリズムと淋しく暗い旋律は、野辺の送りに相応しい音楽だ。
前奏曲 OP.45
自由な形式に満ちた作品。ある学者は、ベートーヴェンの「月光ソナタ」との類似性を指摘している。
スケルツォ OP.39 
28.8.23 試聴済み(スケルツォ第2番、夜想曲第5番) Pf.中村紘子
私のCD・・スケルツォ第2番 Pf.ベンジャミン・オレン 夜想曲第5番 Pf.ルーシ・パルハム
夜想曲 OP.55-2 データなし
練習曲
練習曲とは演奏技術を磨くためのものだが、ショパンのそれは単に練習のためだけではなく、芸術的に深い内容を持ったものまでに高められている。曲はOP.10、OP.25の各12曲と嬰ハ短調OP.45、変イ長調(遺作)の計26曲ある。これらの中には彼の伝記映画のタイトルにもなったOP.10-3「別れの曲」があり、これは非常に有名な曲だ。そのほか「革命」、「木枯らし」、「黒鍵」、「蝶々」と言った愛称を持った曲もあり広く知られている。
ヘ長調 OP10-8 右手の激しい動きを求める練習曲。旋律が激しく躍動する。
変イ長調 OP.10-10 この曲を完全に弾きこなせる者はピアノ演奏者として、最高位に達した者と許される難易度の高い曲。
ト短調 データなし
 

バッハ ブランデンブルク協奏曲(全曲)
     第1番BWV.1046~第6番BWV.1051

     ベンジャミン・ブリテン指揮
     イギリス室内管弦楽団

バッハは信仰心が篤く生涯を通じて数多くの宗教曲を書いたが、ケーテンのレオポルト公に仕えていた1717年から23年にかけての6年間は教会音楽とは関係のない作品を多く生み出した。6曲からなるこの「ブランデンブルク協奏曲」もその一つで、1721年(36才)にブランデンブルク公クリスティアン・ルートヴィヒに捧げられたものである。この曲集は献呈されるために新たに作曲されたものではなくそれまでに書かれたものの中から特に優れた作品を集めたもので、6曲ともすべて異なった組み合わせ 

バルトーク 弦楽四重奏曲第1番 OP.7 Sz.40
         弦楽四重奏曲第2番 OP.17 Sz.67
        ヴェーグ弦楽四重奏団

2曲とも初登場。バルトークは弦楽四重奏曲を6曲書いている。この分野におけるベートーヴェン以降の最高傑作と称賛されている。この第1番は本日聴いたベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番と類似点が多いらしい。バルトーク独特の民謡情緒と強烈な響きが強く印象に残った。バルトークは農民の間に埋もれていた古い民謡を1万種も蒐集し内1000種を発表している。彼の民謡研究の成果は、民謡的旋律を確立し、一つの作曲手法を打ち立てている。20世紀のベートーヴェンに例える評論家もいるが、私には分からない。

彼はドイツ、オーストリアの伝統を受け継ぐピアニストでもあり、三つのピアノ協奏曲を残しているが、第3番がバルトークの「白鳥の歌」と言われている。「白鳥の歌」とは、白鳥は死ぬときに一番美しく鳴くという伝説から音楽家最後の傑作を指すらしい。因みに、シューベルトの最後の歌曲集も「白鳥の歌」と名付けられているし、モーツアルトの第39番交響曲もこう言われている。

中国の不思議な役人
本日聴いたこの曲は、1幕のパントマイムのための舞台音楽。悪党どもが少女を使い中国の役人を惑わし、宝石と金を奪い身ぐるみを剥ぎ挙句の果ては殺してしまう。憐れんだ少女は血まみれの役人を胸で受け留めその中で役人は苦悶ののち息絶える。なんともグロテスクで退廃的な台本だったらしい。曲はけたたましい不協和音に近い管楽器で始まる。中、高校生の吹奏楽などでよく演奏されるそうだが、トロンボーンが目立つ。これまで聴いてきたクラシック曲とは明らかに異なっている。これが20世紀にかけての新しい音楽を切り開いてきた曲なのだろうか。

カンタータ・プロファーナ
作品名はイタリア語で「世俗カンタータ」で「教会カンタータ」の対比語。ストーリは次の通り。
猟師の父は9人の息子に狩りを仕込む。ある日息子たちは魔法のかかった橋を渡り森深く行くと、みな鹿に変身していた。そこに父親が現れ息子たちに弓矢を向けるが、真相を知らされ息子たちに帰ってくるよう懇願するも、鹿たちの角が邪魔をして扉を通り抜けることができないことから、このまま森で新しい生活をする、と言うもの。民族性や政治情勢のため祖国を棄てることを余儀なくされた自分自身を、帰宅できなくなった息子たちに重ねて論じているものらしい。自分にとってはあまりにも現実離れした話であり理解しがたい。テノールとバリトンの独唱、混声合唱と管弦楽のための作品で、キリスト教信仰とはまるで関係ない、まさに「世俗カンタータ」だった。普段のコンサートではあまり聴く機会の無い曲ではないだろうか。
バルトーク 中国の不思議な役人 Sz.74
        カンタータ.プロファーナ Sz.94
        ヤーノシュ・フェレンチク指揮 他に歌手
         
ブタペスト・フィル
2曲とも試聴済み。

バルトーク(1881-1945年 ハンガリー)の曲は、これまで聴く機会がなかった。そのためか非常に新鮮な音楽だった。分類上近代、現代の比較的新しい作曲家なのだ。20世紀にかけて多くの作曲家が新しい音楽の方法を模索していた。シェーンベルクやドビュッシーのほかにこのバルトークもその一人だった。彼が見出したのは農民の音楽であった。
ハンガリーの民族音楽に目覚めつつあったのだ。彼はハンガリア、ルーマニア、スロヴァキアなどの民謡を一万種も蒐集研究に努め、内一千曲ほどを発表している。



ワルツ第1番 変ホ長調作品18「華麗なる大円舞曲」
ワルツ第2番 変イ長調作品34-1「華麗なる円舞曲」 
ワルツ第3番 イ短調作品34-2
ワルツ第4番 へ長調作品34-3「猫のワルツ」
ワルツ第5番 変イ長調作品42
ワルツ第6番 変ニ長調作品64-1「子犬のワルツ」
 
ショパンの恋人であったジョルジュ・サンドが飼っていた子犬がしっ ぽを振ってぐるぐる回る習慣をもっており、サンドがそれを音楽で描写して欲しいと頼んだことから即興的 に作られたものと言われている。英語では「1分間のワルツ Minute Waltz」と言う愛称で知られている。 NHK2チャンネルのアニメ「忍たま乱太郎5」のエンディングテーマで使われていた。昔のことだが、私の娘が小学生の時ピアノの発表会でこの曲を演奏したことが思い出される。
ワルツ第7番 嬰ハ短調作品64-2
ワルツ第8番 変イ長調作品64-3
ワルツ第9番 変イ長調作品69-1「別れのワルツ」
ワルツ第10番 ロ短調作品69-2
ワルツ第11番 変ト長調作品70-1
ワルツ第12番 ヘ短調作品70-2
ワルツ第13番 変ニ長調作品70-3
作品番号ナシで次の作品が残っている。
ワルツ第14番ホ短調 第15番ホ長調 第16番変イ長調 第17番変ホ長調 第18番変ホ長調「ソステヌート」
第19番イ短調
私のCD・・Piano Forte 珠玉のピアノ名曲集全10枚 華麗なるショパン Pf.ジャン=マルク・ルイサダ

余談だが、いろいろと文献を漁っている過程でピアニスト、ゲーザ・アンダについて次の記事が印象に残った。ピアニスト ゲーザ・アンダについての逸話
1967年9月30日上野の東京文化会館でNHK交響楽団の正指揮者外山雄三と競演、曲目はバルトークのピアノ協奏曲とチャイコフスキーのピアの協奏曲第1番。演奏会終了後、外山の自宅にアンダから電話が入り「バルトークの第1楽章の途中で私はミスを犯している。明日オケと外山の時間があれば是非もう一度録音をし直したい」との事。オケにもNHKそれに自分も時間が取れないから不可、と言うと相当に残念がっていたと言う。欧米の演奏家が演奏後に演奏の欠点や弱点など話すことは無いのに彼の誠実さには驚いた、と外山が述懐している。ゲーザ・アンダ(1921-1976年)ハンガリー出身、1943年スイスに亡命し定住。


ベートーヴェン ピアノソナタ第5番ハ短調 OP.10-1
          ピアノソナタ第6番ヘ長調 OP.10-2
          ピアノソナタ第7番ニ長調 OP.10-3
          Pf.グレン・グールド

初登場。ベートーヴェンは57歳の生涯に全部で32曲のピアノソナタを書いている。これらはバッハの「平均律クラヴィーア曲集」が“ピアノの旧約聖書”に例えられるのに対し“ピアノの新約聖書”とされており、その創作時期がベートーヴェンの全生涯に亘っていたため、そこに彼の人生の縮図を見ることができるから。
私が知っている有名な曲は次の通り。
第8番ハ短調 作品13「悲愴」
第14番嬰ハ短調 作品27-2「月光」
第21番ハ長調 作品53「ワルトシュタイン」
第23番ヘ短調 作品57「熱情」 以上4曲が俗に四大ソナタと言われている
第31番変イ長調 作品110
第32番 ハ短調 作品111
これらのほかに次の曲もしばしば演奏されている。
第11番変ロ長調 作品22「大ソナタ」
第15番ニ長調 作品28「田園」
第17番ニ短調 作品31-2「テンペスト」
第20番ト長調 作品49-2
第25番ト長調 作品79「かっこう」
第26番変ホ長調 作品81-a
   
 

 H30('18)7.10

      私のCD
 ベートーヴェン交響曲第1番

26.7.10 試聴済み 本日の盤に同じ
27.4.30、27.12.10 試聴済み スイートナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
私のCD・・ブリュッヘン指揮 18世紀オーケストラ

マーラー 交響曲第5番嬰ハ短調
      レナード・バーンスタイン指揮 ニュヨーク・フィル

今回コメント省略。
26.7.8 試聴済み インバル指揮 東京都交響楽団
26.11.13、27.7.7、28.1.5、28.5.24 テンシュテット指揮 ロンドン・フィル
28.2.9 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・小沢征爾指揮 ボストン交響楽団

その時演奏された序曲が「レオノーレ第2番」で、翌年の改訂上演の際書かれたのが「第3番」である。そして8年後の1814年に決定版として舞台に乗せられた時のものが現在のフィデリオ序曲で、彼の死後発見された第1番を含めた4曲はともに力のこもった傑作となっている。これらの中で「第3番」が最大の傑作で、芸術性の高いものなのだ。現代の上演では最後の場面の前に、この第3番が演奏される慣例になっている。
第1番、第2番 初試聴
第3番 試聴済み 27.2.10、27.9.17、28.3.24、30.3.29 イッセルシュテット指揮 ウィーン・フィル
             27.6.25、30.1.4 ベーム指揮 ウィーン・フィル
             28.10.13 フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル

ワーグナー グレン・グールド編曲
      楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 第1幕への前奏曲
      楽劇「神々の黄昏」より 
        夜明けとジークフリートのラインの旅
        ジークフリート牧歌 
      Pf.グレン・グールド

この楽劇をピアノの単音による演奏は初めての体験、以前ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」リスト編曲、Pf.グールドを聴きまた自分もそのCDを持っているが、それはそれで良かった。ただ、今回のワグナーは楽劇としての舞台の広がりが想像し難く自分としてはイマイチ感が拭えなかった。
ニュルンベルクのマイスタージンガー
26.10.9、26.10.16、27.7.30、29.8.1 試聴済み ベーム指揮 ウィーン・フィル
私のCD・・ベーム指揮 ウィーン・フィル
神々の黄昏
27.6.18 試聴済み ショルティ指揮 ウィーン・フィル
27.8.18、27.12.3 試聴済み クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団
私のLP・・ショルティ指揮 ウィーン・フィル

      私のCD
 ビゼー組曲「アルルの女」

 H30('18)6.28

グリーグ 「ペール・ギュント」 第1組曲OP.46 第2組曲OP.55
ビゼー  「アルルの女」 第1組曲 第2組曲
      ユージン・オーマンディ指揮
      フィラデルフィア管弦楽団

ペール・ギュント コメント省略
29.10.3 試聴済み バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団

アルルの女
今回初登場。ビゼーと聞けば「カルメン」となるが、個人的には「アルルの女」への思い出が強い。その昔、高校入学の秋、学校祭で先輩たちが「アルルの

ワーグナー 
楽劇「神々の黄昏」夜明けとジークフリートのラインの旅   
楽劇「神々の黄昏」ジークフリートの葬送行進曲
楽劇「トリスタンとイゾルデ」第一幕への前奏曲
楽劇「ワルキューレ」ヴォータンの告別と魔の炎の音楽
   (バス、バリトン:ジョージ・ロンドン)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ウィーン・フィル

ワーグナーは生涯にオペラ6曲、楽劇を4曲残している。その中の超大作「ニーベルゲンの指環」は26年の長きにわたって苦心惨憺完成したもので、上演には4夜を要する大長編なのだ。この大作を理想通り上演するための劇場がどうしても必要だと考え、大変な苦労の末1876年、ついにバイロイト祝祭劇場を作り上げている。
この作品は次の4部からなっている。
1.ラインの黄金 2.ワルキューレ 3.ジークフリート 4.神々の黄昏

       私のLP
      ブラームス
      交響曲第4番

私のCD・・Pf.エレーヌ・グリモー クルト・ザンデルリンク指揮 ベルリン・シュターツカペレ

    私のCD     
   モーツァルト
 クラリネット五重奏曲

       私のCD     
     モーツァルト
弦楽四重奏曲第18番、第19番
    

      私のCD
    ベートーヴェン
   弦楽四重奏曲第14番

しかしながら、彼はイタリア古典オペラの最後を飾る大作曲家で、全盛期にはあのベートーヴェンですらロッシーニ人気の陰に隠れてしまったという。本日3年ぶりに聴き軽快に疾駆する多彩な旋律に酔いしれた。オペラ開幕への興奮が高まり、当時の彼が絶大な人気を博したのも十分に納得できる。
27.4.16 試聴済み 本日の盤に同じ
私のLP・・歌劇「ウィリアム・テル」序曲 コント指揮 フランクフルト放送管弦楽団
   CD・・ウィリアム・テル序曲集 デュトワ指揮 モントリオール交響楽団


ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調 OP.125「合唱」
          カール・ベーム指揮
          ウィーン・フィル
          ウィーン国立歌劇場合唱団
          S.ギネス・ジョーンズ
           A.タティアーナ・トロヤノス
          T.ジェス・トーマス
          Bs.カール・リッダーブッシュ

この曲は何時、どこで、何度聴いても感動を覚える。ベートーヴェンの生涯の音楽と思想を凝縮した巨大な作品なのだ。 

    

 私のLPジャケット
バッハ ミサ曲ロ短調

H30('18)11.1

クラシック サロン (別館)

ベートーヴェン ピアノソナタ第23番ヘ短調 OP.57「熱情」
            ピアノソナタ第29番変ロ長調 OP.106
          ピアノソナタ第30番変ホ長調 OP.109
          ピアノソナタ第31番変イ長調 OP.110
          Pf.ウィルヘルム・ケンプ

ピアノソナタ第23番
このソナタ第23番「熱情」と第8番「悲愴」、第14番「月光」、第21番「ワルトシュタイン」が俗にベートーヴェンの“四大ソナタ”と呼ばれている。それらの中で最も内容が充実し、聴きごたえのあるのがこの「熱情」だ。「熱情」という題名はソナタ第15番「田園ソナタ」と同じく出版商クランツによって付けられたもので、いかにも曲の内容にピッタリだ。

歌曲集は、恋に破れた青年が生きる望みを失って、凍てつく冬の最中をさ迷い、その間に体験するさまざまなことを歌い上げたもので、どの曲にも恋を失った悲しみ、苦しみが切なく悲痛に表れていて心に沁みる。
そして全編に漂う厳しい絶望的な暗さはあたかもシューベルトが自らの死を予感したかのように思われる。この曲集の中でしばしば単独でも歌われ、私たちも中学時代の音楽で学んだ有名な「菩提樹」が含まれている。全体を聴いてこの「冬の旅」からは死を前にしたシューベルトの深いため息が聞こえてくる。それにしても、バリトンのディースカウの歌声はいつ聴いても素晴らしい。
自慢ではないが、私の持っているLPは名盤と言われている。それはバリトンのディースカウが名伴奏者のムーアと共に作り上げた芸術作品として評価されているからだ。特に「冬の旅」の伴奏は歌以上に難しいと言われており、主人公の心のひだの細やかな描写は歌詞よりもむしろ伴奏に表れているからだ。
曲の内容
第1部 1.おやすみ 2.風見の旗 3.凍った涙 4.氷結 5.菩提樹・・菩提樹の枝葉がそよぐ感じの前奏に続いて、旅人の思い出が歌われる。民謡風の旋律に遠く狩人の角笛が聞こえる。 6.溢れる涙 7.川の上で 8.回想 9.鬼火 10.休息 11.春の夢 12.孤独
第2部 13.郵便馬車 14.霜おく頭 15.鳥 16.最後の希望 17.村にて 18.嵐の朝 19.まぼろし 20.道しるべ 21.宿屋 22.勇気 23.三つの太陽 24.辻音楽師
具体的なストーリーは書かないが以上の項目により「失恋した青年が冬の最中をさ迷う旅」を想像して自分なりのストーリーを創作するのも楽しいと思う。
私のLP・・シューベルト歌曲集 Br.ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ Pf.ジェラルド・ムーア

    私のLP
 シューベルト 歌曲集

H30('18)12.6

      私のCD
     ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第12番~第16番

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第12番ホ長調 OP.127
            弦楽四重奏曲第16番ヘ長調 OP.135
           弦楽四重奏曲第15番イ短調 OP.132

          アマデウス弦楽四重奏団

第12番
27.4.21 試聴済み ラサール弦楽四重奏団
第16番
ベートーヴェンは一般には偉大な交響曲作家と思われている。確かに9つの交響曲は燦然と輝いている。彼によって交響曲はクラシック音楽を代表するものとなっているがそのほかにも16の弦楽四重奏曲、32のピアノソナタでも新しい世界を切り開いている。

 

ヴェルディ レクイエム
       Sp.シュワルツコップ  Ms.ルートヴィッヒ
       T.ゲッダ  B.ギャウロフ
       フィルハールモニア合唱団
       カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
       フィルハーモニア管弦楽団

この試聴会初登場。レクイエムとは、カソリック教会で死者の安息を神に願うミサのことで「安息を」という意味のこと。最も有名なのはモーツァルトが死の間際に書いたもので(未完)この曲は他の曲に見られる愉悦や優しさのようなものはなく、自分のためのレクイエムとして書かれたという伝説もあるほど、曲は暗く陰鬱である。 

  私のCD
ショパン 名曲集

H30('18)9.20

ショパン ワルツ
      第1番 OP.18「華麗なる大ワルツ」
      第12番 OP.70-2 第5番 OP.42「大ワルツ」
      第3番 OP.34-2 第7番 OP.64-2
      第6番 OP.64-1「子犬のワルツ」
      第10番 OP.69-2 第8番 OP.64-3 
      第4番 OP.34-3
      第9番 OP.69-1「別れのワルツ」
      第13番 OP.70-3 第2番 OP.3-1
      第11番 OP.70-1 第14番「遺作」
      Pf.クリスティアン・ツィメルマン

      
    

の独奏楽器のための協奏曲となっており、それぞれの曲が変化に富んでいるのが大きな魅力だ。協奏曲は普通、独奏楽器の華麗な技巧を示すための楽曲で、ピアノ協奏曲と言えばピアノに対して管弦楽が協奏し、ヴァイオリン協奏曲はヴァイオリンが管弦楽と協奏する。ところが、このブランデンブルク協奏曲はそれらとは全く趣を異にし、2組の器楽が対峙するので弦楽器の主体に対してトランペット、オーボエ、フルート及びヴァイオリンの四重奏が相対して合奏している。
第1番ヘ長調BWV.1046
ヴァイオリン、ピッコロ(小型の高音ヴァイオリン)がメイン楽器で、ホルン、オーボエ、ファゴットと一群の弦楽器が参加している。バッハの威厳に満ちた重々しい感じの深い曲だ。
第2番ヘ長調BWV.1047
トランペット、フリュート、オーボエの3管楽器とヴァイオリンを独奏楽器とする大協奏曲で贅沢極まりない。
第3番ト長調BWV.1048
ヴァイオリン、ヴィオラ、ヴィオローネとチェンバロと言った弦楽器群ばかりの構成が描き出す世界は緻密で複雑なレースの編み物を見るように精巧を極めている。
第4番ト長調BWV.1049
端的に言うとヴァイオリンと2つのフリュートのための協奏曲。然しながら、第1楽章と第3楽では最もヴァイオリンが活躍するからヴァイオリン協奏曲に近い。第2番と同様に親しみやすく輝かしく流れるような美しい曲。
第5番ニ長調BWV.1050
チェンバロが一番働いている。バッハの作ったチェンバロ曲中で最高の作品。技巧の極致を示した感あり。
第6番変ロ長調BWV.1051
ヴィオラ、チェロ、ダブルバスを使用した曲で奥深い曲趣。

一般に、第2番、第3番、第5番が人気があるようだ。私にとっては6曲とも変化に富み、いろいろな楽器の音色が楽しめ素晴らしい曲だった。音楽の楽しさを再確認させられた曲だった。
26.6.5
 試聴済み(但し第2番、第5番、第6番) コレギウム・アウレウム合奏団
私のLP(全曲)・・カール・ミュンヒンガー指揮 シュットゥットガルト室内管弦楽団
          注.第1番に日本人の宮本文昭(オーボエ)が参加している。
   LP(第3番)・・ワルター・ゲール指揮 ウィンタートゥル交響楽団   


ベートーヴェン 交響曲第1番ハ長調 OP.21
          ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
          ベルリン・フィル

初演は1800年(30歳)4月、ウィーンのブルク劇場で、彼自身の指揮で行われた。ベートーヴェンの最初の交響曲として注目されたが、若い作曲家の野心に溢れた大胆な手法に対し、いくらかの批評もあったらしい。しかし、全体的には好意的に迎えられた、と言われている。曲は一般に田園詩的であると言われるが、まだ若々しいベートーヴェンの姿が感じられる。そしてハイドンやモーツァルトから受けた感銘が随所に顔を出している感じ。後に続く壮大重厚な気配はあまり感じられない。    

27.8.11 試聴済み カラヤン指揮 ベルリン・フィル 
27.8.18、28.1.26 試聴済み ブーレーズ指揮 ニューヨーク・フィル 
私のLP・・アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団

ノクチュルヌ  注..「夜想曲」、「三つの夜想曲集」のタイトルで表わす事もある。ノクチュルヌ(仏)はノクターン。
試聴会初登場。この曲はドビュッシーが、大作歌劇「ぺリアスとメリザンド」を作曲中しばしば中断しながら書き上げた作品の一つで、少なくとも8年間に亘って書き換えしている。現存する最終版は管弦楽だけのものとなり、独立したヴァイオリンのパートがあった痕跡はない。彼はこの曲名を字義通りに解釈してはならないと言っている。即ち、月並みな夜の情景を想起させようとしたものではなく、むしろ光の効果、もっと厳密に言えば日暮れ時の雲、森、海に照り映える「光線の揺曳」を描き出そうとしたものである。即ち、雲や祭り、夜の海といったものから得た印象を音によって表現しようとしたものである。次の3楽章から構成されている。
第1曲「雲」 パリのコンコルド橋から見た風景に流される雷雲の光景。
第2曲「祭り」 ブローニュの森で行われた民衆の歓楽の風景を音楽化している。
第3曲「海の精」 音による風景画が「月光」を受けて銀白に輝く波浪を描写している。
私のLP・・アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団

ダフニスとクロエ
コメント省略。
27.8.11、28.5.10 試聴済み ミンシュ指揮 パリ管弦楽団   カラヤン指揮 ベルリン・フィル 同時に試聴
29.4.6 試聴済み アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
私のLP・・ラベル名演奏集 Pf.フランソワ

チャイコフスキー
ベートーヴェン、メンデルスゾーンと合わせ3大ヴァイオリン協奏曲。中でもこのチャイコフスキーの曲は人気が高く、ロシアを感じさせる民族的色彩が強い。第1楽章の雄大な曲風に比べ第2楽章の田園的な素朴さには心を癒される。
26.6.12 試聴済み Vn.前橋汀子 エッシェンバッハ指揮 チューリッヒ・トーハレ・オーケストラ
27.6.2   〃    本日の盤に同じ
27.8.4   〃    Vn.ハイフェッツ ライナ指揮 シカゴ交響楽団
27.10.6   〃    vn.クレメル マゼール指揮 ベルリン・フィル
私のLP・・Vn.オイストラフ ロジェストヴェンスキー指揮 モスクワ・フィル
   LP・・Vn.フランチェスカッティ ショパーズ指揮 ニューヨーク・フィル

シベリウス
直前に聴いたチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が明るい陽気な曲だけにシベリウスは重い。空全体に暗雲が立ち込め、地上を圧迫する息苦しさを感ずる。然しながら、全体に北欧的なムードに満ち幻想的で美しい旋律もある。あまりにも彼の代表作「フィンランディア」の印象が強すぎる。ついつい暗く重いイメージが先行するキライあり。
27.6.2 試聴済み 本日の盤に同じ
27.9.17 Vn.ハイフェッツ ヘルドン指揮 シカゴ交響楽団
28.6.30 Vn.フランチェスカッティ バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
私のCD・・Vn.五嶋みどり メータ指揮 イスラエル・フィル
 

ロッシーニ 歌劇 序曲集
       「どろぼうかささぎ」序曲  「絹のはしご」序曲
       「ウィリアム・テル」序曲  「セビリアの理髪師」序曲
       「セビリアの理髪師」から「嵐の音楽」
       「セミラーミデ」序曲 トゥリオ・セラフィン指揮
       ローマ歌劇場管弦楽団
私のCDは1992年ロッシーニ生誕200年記念としてレコーディングされたもので、N響の指揮者でもあるシャルル・デュトワとモントリオール交響楽団の作品。ロッシーニは生涯に40曲ほどのオペラを作曲しているが、いくつかの作品を除いては「序曲」だけが演奏されているに過ぎない。

29.8.24 試聴済み Pf.バックハウス イッセルシュテット指揮 ウィーン・フィル
私のLP・・Pf.バックハウス ベーム指揮 ウィーン・フィル

交響曲第4番 下記の試聴時に記載、今回コメント略
26.8.5、試聴済み クライバー指揮 バイエルン国立管弦楽団
26.10.23、27.12.15、28.12.8 試聴済み スクロヴァチェフスキ指揮 読売日本交響楽団
27.3.17 試聴済み 小澤征爾指揮 水戸室内管弦楽団
27.4.16、28.8.31 試聴済み スイートナー指揮 シュッターツカペレ・ベルリン
27.7.2 試聴済み ベーム指揮 ウィーン・フィル
28.1.14   〃   本日の盤に同じ
私のCD・・本日の盤に同じ

交響曲第7番
この試聴会10回目となった人気の曲。これまでフルトヴェングラー、アバド、ベーム、小沢征爾など超有名な指揮者、名門オケと多彩なLP試聴会だった。以前にも記しているが、この曲は私のお気に入りの曲で何回聴いても飽きることがない。ベートーヴェン自身もこの曲を「私の最も優れた作品の一つである」と言っている。耳は聾同様となり、恋愛にも敗れ人生のどん底にも近い状況の中で生まれた曲なのに、あらゆる点においてベートーヴェンの作品の中でも第1級のものと言われている。全体にリズミカルな作品で、特に第1楽章は一つのリズムで押し通すという新しい試みがされており、その他の楽章もそれぞれ特徴のあるリズムが展開されており、スムーズに記憶の中へと入って来る。リストはこの曲を「リズムの神化」と呼び、ワーグナーは「舞踏の神化」と表現し絶賛している。その一方で、ウェーバーは「ベートーヴェンは今や精神病院行きだ」と言い、ワインガルトナーは「他のいかなる曲よりも精神的に疲労を感じさせる」と評している。自分にとっては、執拗に反復されるテンポも気持ちよくアイルランド民謡から採られたという第一主題の旋律も心地よい。何よりも生命力に溢れる曲で聴き終えて満足感に満たされる曲なのだ。
26.5.13 試聴済み フルトヴェングラ指揮 ウィーン・フィル
26.7.31   〃    アバド指揮 ウィーン・フィル
27.2.10、27.9.17、30.3.29 試聴済み イッセルシュテット指揮 ウィーン・フィル
27.3.17 試聴済み 小澤征爾指揮 水戸室内管弦楽団
27.7.2    〃    ベーム指揮 ウィーン・フィル
27.9.8、27.11.17  〃  本日の盤に同じ
私のLP・・ワルター指揮 コロンビア交響楽団
    CD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル
    CD・・スゥイトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン  

classic salon (通算No.7)

なり5弦で合奏時の低音部を担当していたが、バッハはこの楽器に主役の座を与えたのである。この曲は技巧的にあまりにも難しくバッハの死後200年近くも埋もれたままであったが、今世紀最高のチェロ奏者パプロ・カザルスがスペイン・バルセロナの古本屋の片隅で埃をかぶった楽譜を発見し、世に出るきっかけを作ったのである。現在では「無伴奏バイオリンソナタとパルティータ」が“ヴァイオリンの聖書”に例えられるが“チェロの聖書”に当たるのがこの「無伴奏チェロソナタ組曲」なのだ。チェロがお気に入りの私は、葬儀の時ドヴォルザークのチェロ協奏曲・作品104番を流すよう終活メモに記しているが、無伴奏のチェロも心地よい。カザルス、ロストロポーヴィッチ、フルニエなどのLP、CDを持っているが本日聴いたシュタルケルの演奏も深淵で躍動感があり大いに気に入っている。
私のLP・・無伴奏チェロ組曲(第1番、第2番) Vc.イェルク・バウマン
   CD・・無伴奏チェロ組曲(第1番~第6番) Vc.ヤーノシュ・シュタルケル 
 

管弦楽組曲
バッハは管弦楽のための組曲を4曲書いている。その内本日聴いた第2番、第3番が有名。第2番では独奏フルートが活躍し「ポロネーズ」が愛奏され単独でもよく演奏されている。また、第3番ではヴァイオリニストのアウグスト・ウィルヘルミによってヴァイオリンパートをG線で演奏するように「G線上のアリア」として編曲され有名となり広く親しまれている。
30.5.29試聴済み(3番のみ) ベイヌム指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ・オーケストラ
私のCD・・第2番(CD全集) ホームクラシック全集12枚 ギブソン指揮 ロンドン交響楽団
       第3番(バロックフェスティバル) スイスバッハ管弦楽団

交響曲第97番
ザロモンメセット第1番に当たる。第96番と同じく1971年ロンドンで作曲、初演されている。際立った特徴はないが、柔らかい美しさがあり特に民謡風な魅力がある。本日聞いたこの盤は評価が高い。
これまで聴いた交響曲
30.5.24 第44番「悲しみ」 29.5.30、30.4.19 第88番、第100番「軍隊」
27.2.24 第94番「驚愕」
29.5.16 第95番、第101番「時計」

ハイドンは118の交響曲、83の四重奏曲、5つのオラトリオ、19の歌劇その他あらゆる楽曲に亘って数多くの傑作を残しており「交響曲の父」とも称せられている。背の低いずんぐりとした体つきでユーモアーに富み、当時の人々は「パパ」と愛称したらしい。今でも「パパ・ハイドン」として親しまれている。
私のCD・・交響曲第10番「ロンドン」 第83番「雌鶏」 第101番「時計」
      カラヤン指揮 ベルリン・フィル

ブラームス 交響曲第3番ヘ長調 OP.90
        大学祝典序曲 OP.80
        ハンガリー舞曲第17、1,3,10番
        ブルーノ・ワルター指揮 ニューヨーク・フィル

交響曲第3番
30.3.20 試聴済み ベーム指揮 ウィーンフィル
私のCD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル
大学祝典
29.4.27試聴済み バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル
ハンガリー舞曲
第1番、第3番はLPを持っており聴いている。それ以外は本日初めて聴いた。ブラームスは20歳のころハンガリー出身のヴァイオリニスト、レーメニーの伴奏者として演奏旅行し、彼から多くのハンガリー・ジプシーの音楽を教わっている。それから16年後の1869年2人用の連弾曲を出版した。それが予想外の人気となり楽譜は飛ぶように売れたらしい。現在では原曲のピアノ連弾曲よりも、オーケストラ用に編曲されたもののほうが人気が高い。特にハンガリー的な民謡情緒豊かな第1番、第6番が親しまれている。余談ながら、リストのハンガリー狂詩曲も情熱的で私の好きな曲だ。
私のLP・・第1、2,3,5番 スワロフスキー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団

       私のCD
Piano Forte 珠玉のピアノ名曲集
     華麗なるショパン

H30('18)7.12

ショパン ワルツ(全曲)
      Pf.ゲーザ・アンダ

初登場。ショパンの死後、遺品の中から古ぼけた封筒が発見された。中からはマリア・ヴォジンスカからの別れの手紙が出てきたのである。マリアはショパンとは幼馴染だったが、彼が祖国を離れて5年後の1835年(25歳)に再会したとき、二人は激しい恋に落ちた。しかし、マリアの父の強い反対で仲を裂かれ、届いたのが先のマリアからの手紙であった。「別れのワルツ」として知られている作品69-1はこのマリアに捧げられたものである。ショパンはワルツを全部で21曲書いているがヨハン・シュトラウスの作曲した実用的なワルツとは大きく趣を異にしている。大部分はワルツと言う形式を借りただけのものであって、ほとんどの曲はダンスには適さないものなのだ。円舞曲とはいえショパンの曲は彼自身の独特の感情を織り込んだもので、いわば“心で聴くワルツ”と言ったところ・・・。

      私のCD
  ベートーヴェン序曲集

H30('18)7.3

ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲
         ノクチュルヌ
ラベル    ダフニスとクロエ第2組曲
        ユージン・オーマンディ指揮
        フィラデルフィア管弦楽団

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調 OP.35
シベリウス      ヴァイオリン協奏曲ニ短調 OP.47
        Vn.チョン・キョンファ
        アンドレ・プレヴィン指揮 ロンドン交響楽団

牧神の午後への前奏曲
これまでの試聴会でコメント済、今回省略。
 

        


      私のCD
    ベートーヴェン
ピアノソナタ第30番~第32番

 H30('18)12.27

モーツァルトは台本ができるはしから曲をつけていったが、あの有名な序曲だけは初演の前日になっても出来上がらず、その晩僅か4時間ほどで書き上げたというエピソードが伝わっている。ストーリーは、好色なドン・ジョバンニ(スペイン語のドン・ファン)が様々な女性遍歴の果てに、悪行の報いから最後には自分の殺した騎士長の亡霊によって地獄に突き落とされるというもので、極めてドラマチックに書かれているのが大きな魅力なのだ。主役のドン・ジョバンニ以下、低声の男性歌手が重要な役を占めているという点も大きな特色となっている。フィッシャー・ディースカウはいつ聴いても素晴らしい。先日12月6日に聴いた彼の歌うシューベルト歌曲集「冬の旅」もいまだに耳の中に残っている。
30.10.18 試聴済み 歌劇序曲集として「序曲」のみ試聴
私のCD・・「ドン・ジョバンニ」序曲 クーベリック指揮 バイエルン放送交響楽団
   CD・・オペラガラコンサート 全12枚・代表的なオペラのアリア169曲 
       その中の「ドン・ジョバンニ」の二重唱「手に手を取って」 Br.ベルント・ヴァイクル S.ルチア・ポップ
                                         ショルティ指揮 ロンドン交響楽団  

モーツァルト 歌劇「ドン・ジョバンニ」
          第1幕及び第2幕 途中まで
         Br.フィッシャー・ディースカウ
         S.ユリナッチ S.シュターダ S.ゼーフリート
         T.ヘフリガ   Bs.コーン   Bs.サルディ
         Bs.クレッベル
         フリッチャイ指揮 ベルリン放送交響楽団
         RIAS室内合唱団 

モーツァルト・オペラの傑作「フィガロの結婚」がプラハで空前の大成功を収めた後、興行主から新しいオペラの作曲を依頼され1787年(31歳)に完成したのがこの「ドン・ジョバンニ」である。
    

     私のCD
オペラ ガラコンサート全集

H30('18)12.18

H30('18)12.11
ハイドン 交響曲第88番ト長調「V字」
      ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団

これ迄に3回聴いているがあまり記憶に残っていなかった。今日聴いて改めて解説書を見ると「ハイドンの最も有名な作品の一つとなっている」とあり驚いた。そのせいか、自宅に帰り再度聴きなおすと、さすがにハイドンの円熟期に入る頃1787年の作品らしく特有の美しい旋律が展開され、豊かな感情を感じさせる。特に第2楽章ラルゴーは牧歌的な旋律から始まり、荘重な感情を込めて終わり印象に残った。今日初めて知ったが、この曲には「V字」という愛称がついている。ただし、タイトルと交響曲自体の内容には全く関係がなく、ロンドンの出版社がハイドンの交響曲選集を出版する際に付けた整理番号らしい。ブラームスは第2楽章を聴いて「私の第9交響曲はこのように聴かせたい」と言ったと伝えられている。私の感想も前述の通りで強く印象に残った楽章だった。
29.5.30、30.4.19 試聴済み 本日の盤に同じ
30.10.23 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル

この際ハイドンの交響曲を整理しておきたい。
交響曲は全部で104曲+4曲ある。即ち第1番~第104番「ロンドン」
協奏交響曲変ロ長調(第105番)~交響曲B変ロ長調(第108番)の4曲。
その内表題及び愛称のある作品は次の通り。
第6番ニ長調「朝」  第7番ハ長調「昼」  第8番ト長調「夕」  第22番変ホ長調「哲学者」  
第26番ニ短調「ラメンタチオーネ」  第30番ハ長調「アレルヤ」  第31番ニ長調「ホルン信号」
第38番ハ長調「エコー」  第44番ホ短調「悲しみ」  第45番嬰ヘ短調「告別」 
第47番ト長調「パサンドローム」  第48番ハ長調「マリア・テレジア」  第49番ヘ短調「受難」 
第53番ニ長調「帝国」  第55番変ホ長調「校長先生」  第59番イ長調「火事」  
第60番ハ長調「うかつ者」  第63番ハ長調「ラ・ロクスラーヌ」  第64番イ長調「時の移ろい」
第69番ハ長調「ラウドン」  第73番ニ長調「狩」   第82番ハ長調「熊」    第83番ト短調「めんどり」
第85番変ロ長調「王妃」  第88番ト長調「「V字」  第89番ヘ長調「W字」  第90番八長調「R字」
第91番変ホ長調「T字」  第94番ト長調「驚愕」  第96番ニ長調「奇跡」   第100番ト長調「軍隊」
第101番ニ長調「時計」  第103番変ホ長調「太鼓連打」  第104番ニ長調「ロンドン」     

シューベルト 歌曲集「冬の旅」 D.911
         Br.ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ
         Pf.デムス

初試聴。
600を超える歌曲を残したドイツ・ロマン派の代表的作曲家の一人であるシューベルトは「歌曲の王」と呼ばれている。彼の3大歌曲集として「美しき水車小屋の娘」、「白鳥の歌」と本日聴いた「冬の旅」がある。ドイツの詩人ミュラーの詩集に曲をつけたもので2部24曲からなる。ベートーヴェンが世を去った翌年の1828年、シューベルトが死の床で行っていた最後の仕事がこの歌曲集「冬の旅」の校正であった。

ブラームス ピアノ協奏曲第1番ニ短調 OP.15
        Pf.クリスチャン・ツィメルマン
        レナード・バーンスタイン指揮
        ウィーン・フィル

下記の試聴時にも書いているが、開始時のオーケストラの部分が極めて交響楽的、しかも長くてピアノ独奏がなかなか始まらない。私の知っている「ピアノ協奏曲」とは異質のものだ。当時、世間では「独奏ピアノの助奏を伴った交響曲」と言われ悪評だった、との事。まさに同感。しかし、第3楽章はロンド形式でリズミック。実に心地よく記憶に残る。現在では名協奏曲の一つになっているのも頷ける。
26.7.1 試聴済み 本日の盤に同じ
30.4.12  〃    Pf.ゼルキン ドラティ指揮 ピッツバーグ交響楽団
   

               私のCD
      ブラームス

    ピアノ協奏曲第1番

ピアノソナタ第23番ヘ短調 OP.57「熱情」
ピアノソナタ第22番ヘ長調 OP.54
創作主題による32の変奏曲ハ短調 WoO.80
Pf.クラウディオ・アラウ

ピアノソナタ第23番
この23番「熱情」と第8番「悲愴」、第14番「月光」、第21番「ワルトシュタイン」がベートーヴェンの四大ソナタと呼ばれているが、特にこの23番「熱情」は格別なものがある。これまでも何度となく聴いているが、今日聴いたアラウは録音時高齢にも拘わらず実にダイナミックで、巨匠の風格が感じられる。困難に満ちた嵐のような一生だったベートーヴェンの縮図とも言える実に力強い情熱に溢れた曲だ。アラウの熱演によりそれが一層強調され、深い満足感に浸ることができた。

       私のCD
     ベートーヴェン
   ピアノソナタ第23番「熱情」

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第12番変ホ長調 OP.127
           ブタベスト弦楽四重奏団

          弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 OP.130
          弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 OP.131
          大フーガ変ロ長調 OP.133
          アマデウス弦楽四重奏団


ベートーヴェンは苦悩の人生を生きた人だ。音楽家として何よりも大事な聴力を失っているにも拘らず、これだけ多くの偉大な作品を残しているから神がかった人間なのだ。

モーツァルト 交響曲第36番ハ長調 K.425「リンツ」
         クーセヴィツキ指揮 ボストン交響楽団

この試聴会初登場。
天才モーツァルト、楽聖ベートーヴェンにしてもハイドンの影響は大きく、両者の初期の作品にはハイドンの面影が残りこの「リンツ」も例外ではない。1781年(25歳)、ウィーンに定住するようになったモーツァルトは、そこで知り合ったコンスタンツェと熱烈な恋に落ち、翌年父レオポルトの大反対を押し切って結婚した。然しながら彼女はモーツァルトが思っていたような有能な人物ではなかった。父レオポルトはそうした彼女の性格を見抜いていたのだろう。次の年モーツァルトが愛妻を伴って故郷ザルツブルクを訪れたが、父親の態度は極端に冷たかったと言う。この第36番は、モーツァルト夫妻が帰途立ち寄ったリンツの音楽愛好家の求めに応じ作曲したもので、僅か4日間で書かれたという。

バッハ ミサ曲ロ短調 BWV.232
        S.マーシャル  A.テッパー
     T.ビアーズ   Bs.ボルク
     ヨッフム指揮
     バイエルン放送交響楽団/合唱団

この試聴会初登場。
「ミサ」とはローマカトリック教会で神を讃え、罪のあがないと神の恵みを祈るための儀式で、その時に歌われるのが「ミサ曲」。
かつては日常的なミサで歌われていたが、18世紀ごろからは特別な祝祭の式典に用いられるための大規模なミサ曲が作られるようになり、それを区別するために「ミサ・ソレムニス」と呼ばれるようになった。

        私のCD
ショパン ピアノソナタ第2番(葬送)

H30('18)10.11

交響曲第9番
何回聴いても心に沁み感激する曲で、最後のクライマックスへの盛り上げは抜群なのだ。楽聖ベートーヴェンが生涯の音楽と思想を凝縮した作品だけのことはある。人類の理想をこの交響曲に託したのだ。その結果交響曲に合唱を導入するという画期的な音楽形式が実現したのだと思う。第4楽章「歓喜のうた」はだれでもが歌える単純な旋律で万人に伝わるものがある。個人的にもこの曲の思い出は尽きない。同僚のYさんが末期がんをおして地元の合唱団に入り、毎年末この曲を歌っていた。病気の克服には届かなかったが、最後の生きるよすがとして正面から取り組んでおり、その姿には大いに感銘を受けたものだ。今日もこの曲を聴きながら彼の舞台姿が頭の中を駆け巡り、ついつい感傷的になってしまった。改めてご冥福を祈りたい。
26.7.26 試聴済み ウィーン国立劇場合唱連盟 ベーム指揮 ウィーン・フィル
26.8.11   〃    バイロイト祝祭管弦楽団、合唱団 フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
27.1.20   〃    ヨッフム指揮 ロンドン交響楽団、合唱団
28.8.9    〃    ライプツィヒ放送合唱団 ドレスデン国立歌劇場合唱団 スウィトナー指揮 
             シュターツカペレ・ドレスデン
29.12.28   〃    シカゴ交響楽団、合唱団 ライナー指揮
私のLP.・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル ウィーン楽友協会合唱団

ベートーヴェン 交響曲第1番ハ長調 OP.21
            交響曲第9番ニ短調 OP.125「合唱付き」
          Sp.ファーレル Ms.メリマン T.ピアース
          Ba.スコット ロバート・ショウ合唱団
          アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
          NBC交響楽団

交響曲第1番
これまでの試聴会でコメント済みにつき今回は省略。
26.7.10、30.7.10 試聴済み カラヤン指揮 ベルリン・フィル
27.4.30、27.12.10   〃   スイトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
私のCD・・ブリュッヘン指揮 18世紀オーケストラ 

H30('18)8.2

クラリネット五重奏曲
クラリネットは現在では幅広く使われ大変なじみ深い存在だが、その歴史は比較的新しい。モーツァルトは若いころからこの楽器の音色に魅かれていたが、本当のすばらしさに開眼したのは晩年になってからであった。極度の貧困に悩まされながら作曲したとはとても思えないほど明快で優雅な気品に溢れた傑作だ。
私のCD・・Cl.フリードリヒ・フックス ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団

歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」 K.588(ハイライト) 
   S.カバリエ Ms.ベイカー T.ゲッダ Bs.ガッツァロッリ
   コリン・デイヴイス指揮 コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団

この試聴会で歌劇を聴く機会はあまり多くはない。あっても前奏曲、序曲が多く本日のようにハイライトではあっても4つのパートの音声が聴けたのは収穫だった。モーツァルトの歌劇では「ドン・ジョヴァンニ」、フィガロの結婚」、「魔笛」が有名だが、本日聴いた「コシ・ファン・トゥッテ」は、もっとも洒落た、同時に痛烈な皮肉を込めた作品なのだ。題名は「女はこうしたものよ」と言った意味らしい。3人の友人が女の貞操で賭けをする。2人は既に愛妻を持つ士官、1人は独身のドンファン。この若い士官が、2人の愛妻家をからかって、どう信じたって女心と言うものは変わるものだよ。嘘と思うなら賭けをしよう、ということでいろいろと芝居を演じ、2人の細君の心を試してみる。最初は鉄石の如く堅固であったが、ついに2人の細君は浮気をしてしまう。それ見たことかー、独身のアルフォンゾが高らかに勝利を歌う。モーツアルトの美しい旋律が縦横に交錯してそれをウイットとユーモアーが包む。息もつかせず引き込まれてしまう調べだった。ここのオーディオは大型で未だに真空管のアンプのためか、迫力に満ち臨場感たっぷり、弱音から高温までバッチリ再現しており、歌劇にピッタリの装置なのだ。満足のゆく試聴会だった。

モーツァルト ディベルティメントニ長調K.136(125a)
        イ・ムジチ合奏団

        クラリネット五重奏曲イ長調K.581
        Cl.ピーターソン Vn.グリュミオー
        Vn.豊田耕児    Va.ルズール
        Vc.シュルツ

ディベルティメント、コメント略
26.6.26 試聴済み 秋山和慶指揮 桐朋学園斎藤秀雄メモリアル・
            オーケストラ
私のCD・・トン・コープマン指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団
       Healing Classic 全13巻の内第3巻収録

 

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 OP.131
          ブタペスト弦楽四重奏団

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は次のものを聴いている。いずれもラサール弦楽四重奏団
27.4.21、30.2.6 第12番、第16番  27.4.30、28.1.28 第15番  27.11.10、28.3.10 第14番  30.2.6 第13番

ベートーヴェンは弦楽四重奏曲を16曲残している。この第14番は1826年7月に完成し彼自身会心の作と言っている。「ありがたいことに想像力は昔よりもそんなに衰えていない」と友人に話している。また、シューベルトはこの曲を聴いて「この後で我々に何ができるというのだ」と述べた、と伝えられている。定型より多い7楽章からなっているが、第3、第6楽章を楽章連結の経句とみると実質4楽章となる。全曲は休みなく連続して演奏される。交響曲などから連想されるベートーヴェンの印象とは異なりあまりにも穏やかなのだ。苦悩もなければ闘争もない。もはや運命と戦うことも無い、と肩の力を抜いている。ただし最終章はここまでの雰囲気とは異なり悲痛で切ない。ベートーヴェンの生涯をすべて吐露している感じなのだ。彼の作品ジャンルは交響曲、ピアノソナタ、弦楽四重奏曲の3つに分類できるが、その中で弦楽四重奏曲のレコード、CDは殆ど持っていない。本日聴いた第14番は心に残った。早速CDを購入した次第。
27.11.10、28.3.10 試聴済み ラサール弦楽四重奏団
私のCD・・バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル
通常の弦楽四重奏とは異なり弦楽合奏版、即ち4つのパートの人数が増え必要のあるところではチェロにコントラバスが重ねられ、量感と表現力が拡大する。弦の豊かな音色と柔らかい響きが生み出され、ベートーヴェンの音楽に豊かさと親近感を与えている。

 

      私のCD
 ベートーヴェン/リスト編曲
   交響曲第5番「運命

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」 作品73
           Pf.グレン・グールド
           レオポルド・ストコフスキー指揮 
          アメリカン・シンフォニー・オーケストラ

         
交響曲第5番ハ短調「運命」 作品67
          ピエール・ブーレーズ指揮
          ニューヨーク・フィル
「皇帝」 コメント省略    
26.7.10、28.9.13、29.12.21 試聴済み 本日の盤に同じ
26.9.4、27.7.14、30.1.30     〃   Pf.ゼルキン 小澤征爾指揮
                        ボストン交響楽団
   

  ベートーヴェン 序曲集
     レオノーレ序曲 第2番OP.72
     レオノーレ序曲 第3番OP.72a
     レオノーレ序曲 第1番OP.138
     フィデリオ序曲OP.72b
     コラリオン序曲OP.62
     シャルル・ミンシュ指揮 ボストン交響楽団

ベートーヴェンの書いた序曲は全部で11曲あるが、そのうちの4曲はオペラ「フィデリオ」のために作曲されたものである。彼の唯一のオペラ「フィデリオ」は、貞女レオノーレとその夫フロレスタンとの熱烈な夫婦愛をテーマにしたもので、1805年(35才)に初演された時には「レオノーレ」という題であった。

女」を演じており、強い印象が残っている。フランスの文豪アルフォンス・ドーデが書いた「風車小屋だより」と言う短編小説を自身が脚色したもので、南フランス・プロヴァンス地方のアルルの町に近い農村を舞台に、妖艶なアルルの女に思い焦がれた純真な青年フレデリが失恋の果て自殺するという悲劇だった。この戯曲が1872年の秋上演された時支配人の依頼でビゼーは27曲の付随音楽を作曲した。不幸にして劇の評判は芳しくなかったが自信を持っていた彼は中から4曲を選んで、演奏会用組曲とした。これが第1組曲でその後彼の死後、友人のエルネスト・ギローが4曲を選んでまとめたのが第2組曲となっている。ただし、第2組曲の美しいフルートの独奏で有名な「メヌエット」はビゼーのオペラ「美しいパースの娘」から転用したもの。両曲とも随所にサキソフォンが登場しておりサキソフォンを使用した最初期の管弦楽曲としても特筆される。全体に軽やかなリズムと華麗な色彩で南欧情緒が横溢している。戯曲の悲しい結末は微塵も感じられない音楽となっている。
私のCD・・「カルメン」組曲第1番、第2番 「アルルの女」組曲第1番、第2番
       レオポルド・ストコフスキー指揮 ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団

ストコフスキー・スペクタキュラー・サウンド
        レオポルト・ストコフスキー指揮 ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
        シャブリエ   狂詩曲「スペイン」
        ベルリオーズ ラコツィ行進曲
        ブラームス   ハンガリー舞曲集
        サン・サーンス 交響詩「死の舞踊」

何ともゴチャマゼ感のあるLPだった。指揮者のストコフスキーは好きな一人なのだが、これほどの音楽を続けて聴くと些か辛い。やはり、名曲は一曲ずつゆっくり聴くのに限る。五味さんの蒐集したLPとしては異色の存在だと思う。

       私のCD
 シューベルト交響曲第9番
      「ザ・クレート」

H30('18)6.14

モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K.364
          管弦楽のための協奏交響曲 k.297-b

シューベルト 交響曲第9番「ザ・グレート」ハ長調 D.944
         カール・ベーム指揮
         ベルリン・フィル 

モーツァルト協奏交響曲
2曲とも初試聴。協奏交響曲というのは交響曲と合奏協奏曲とを折衷したようなスタイルをもち、いくつかの独奏楽器を伴ったもので、協奏曲と言うよりはむしろ交響曲に近い性格をもっている。このようなスタイルは18世紀半ばころから19世紀の初めにかけて盛んとなったが19世紀半ばにはすたれてしまった。モーツァルトはこの種の曲を2曲書いている。

        私のCD
 ワーグナー序曲・前奏曲集
    トリスタンとイゾルデ
     第1幕の前奏曲

 H30('18)6.12

ブラームス 交響曲第4番ホ短調 OP.98
         ブルーノ・ワルター指揮
         コロンビア交響楽団


この曲は、ブラームス最後の交響曲で、死の床で「自分の最も好きな曲だ・・」と言ったと伝えられている。彼は生涯独身を通し家庭は持たなかった。この曲を完成した52歳のころは大作曲家として栄光に包まれていたが、親しい友人たちとの別離や死別が続き“人生の秋”を味わっていた。この曲はそうした孤独感や諦観が強く反映されている。
26.8.5、30.4.5 試聴済み ケンプ指揮 ミュンヘン・フィル
28.7.21 試聴済み クライバー指揮 ウィーン・フィル
私のLP・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル

H30('18)6.5

26.6.12、29.8.8 上記3曲試聴済み Pf.グレン・グールド
27.1.27 試聴済み 本日の盤に同じ
26.9.9、27.1.15 第23番試聴済み Pf.クラウディオ・アラウ
私のLP・・第8番、第14番 Pf.ワルター・ギーゼキング 第14番 Pf.フィリップ・アンドルモン 
   CD・・第8番、第14番、第23番 Pf.ウラディーミル・アシュケナージ 第23番 Pf.仲道郁代

ラベル 「ボレロ」 「スペイン狂詩曲」 「亡き王女のためのパヴァーヌ」
      「ダフニスとクロエ第2組曲」
     シャルル・ミンシュ指揮 パリ管弦楽団

過去にコメント済みにつき今回は省略。
27.8.11、28.5.10、30.5.10 4曲とも試聴済み 本日の盤に同じ
27.8.11 試聴済み「ダフニスとクロエ」 カラヤン指揮 ベルリン・フィル
27.11.12   〃    「ボレロ」 カラヤン指揮 ベルリン・フィル
29.4.6     〃  「ダフニスとクロエ」 アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
私のLP・・ラベル名演奏集 Pf.サンソン・フランソワ
   CD・・「ボレロ」 「スペイン狂詩曲」 ロリン・マゼール指揮 フランス国立管弦楽団
   

ベートーヴェン ピアノソナタ第8番ハ短調 OP.13「悲愴」
          ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 OP.27-2「月光」
          ピアノソナタ第23番ヘ短調 OP.57「熱情」
                         Pf.ウィルヘルム・ケンプ

彼の代表的なピアノソナタ3曲。総体的に、私が抱いてるベートーヴェンの雄大さ、迫力とは異なる哀歓を湛えたメロディに満ちている。特に、「悲愴」の第2楽章はピアノソナタの中では最高の作品と言われているが、これは大いに納得できる。
「月光」も静かな湖上に蒼白い月光の煌く幻想が漂う。「熱情」の最終章は激烈な熱情が弾けベートーヴェンの真顔が現れる。何回聴いても感動する曲だ。これまで多くのピアニストによる演奏を聴いてきたが、その特徴、違いは正直言ってよく分からない。

   ベートーヴェン 交響曲第7番 
  ワルター指揮 コロンビア交響楽団

  本 館
  作曲家年表
                classic  salon (別館)   
    7    8    9  10    
バッハ マタイ受難曲 BWV.244(抜粋)
     1-10曲 33-41曲 42-53曲 73-78曲
     T.ヘフリガー Bs.エンゲン S.ファーベルク
     Bs.プレプスト S.ゼーフリート A.テッパー
     Bs.フィッシャーディースカウ

     カール・リヒター指揮
     ミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団

26.7.26 試聴済み、但し冒頭部分のみ
            ヨッフム指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ

まさに破天荒な作曲家なのだ。その彼が人生の最後に書いた5曲の弦楽四重奏曲(第12番~第16番)は、それまでに彼が書いてきた音楽とはまるで違う。何故ならば、苦悩の人生を背負ってきた作曲家としてのイメージは全く感じさせないからだ。苦悩も無ければ闘争もなく勝利の雄たけびも喜びもない。穏やかな世界が広がっているのだ。象徴的なのが死の4ケ月前に書かれたこの第16番だ。終楽章において不思議な曲となる。冒頭の暗く不気味な旋律は、何かを問うている。自筆譜にはベートーヴェン自身の手で「かくあらねばならぬか?」と書かれている。そしてそれに答えるかのように明るい旋律に「かくあらねばならぬ」と書かれている。この言葉の意味は不明であるが、運命と戦い続けてきた天才作曲家は最後の曲で、永遠に解き明かすことのできない謎を残して世を去ったのだ。曲の最後は「かくあらねばならぬ」と書かれた主題で終わっている。
27.4.21、30.2.6 試聴済み ラサール弦楽四重奏団
私のCD・・バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル
第15番
27.4.30、28.1.28 試聴済み ラサール弦楽四重奏団

     私のLPジャケット
スメタナ 交響詩「モルダウ」

H30('18)10.23

スメタナ 交響詩「モルダウ」
      セル指揮 ニューヨーク・フィル

ハイドン 交響曲第88番ト長調
シューマン 交響曲第4番ニ短調 OP.120
       フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番ト長調 OP.58
       Pf.バックハウス
       クラウス指揮 ウィーン・フィル

「モルダウ」
視聴会初登場。大昔ステレオ装置を購入時このLPを求めよく聴いた曲の一つで大変懐かしく聴いた。

 注.未完部分は弟子のジュッスマイヤーが完成させ1793.12.4ウィーンで演奏された。
それに反し今日聴いたヴェルディの曲は、壮大なオペラの合唱曲のように華麗で規模の大きなものだった。第1章から第7章で構成されており約90分を要する長大なもの。各章は独唱、重唱、合唱で編まれ美しい旋律とヴェルディ独特の劇的効果によって陶酔境に誘うものだった。この二人に加えフォーレの作品が「三大レクイエム」と言われている。
ヴェルディと言えばオペラが有名で「リゴレット」、「椿姫」、「アイーダ」などの作品もあり私もその多くを観ている。従って彼の作品レクイエムが、オペラの印象を与えることはごく自然なことなのだ。参考までに前記三大レクイエムのほかにベルリオーズ、ブラームスも作品を残しているが、いずれも荘厳で重々しく深刻な悲しみに満ちた曲だ。
私のCD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル ウィーン楽友協会合唱団
   LP・・モーツァルト ゲルハルト・シュミット・ガーデン指揮 コレギウム・アウレウム合唱団
      フォーレ ミシェル・コルボ指揮 ベルン交響楽団 聖ピエール・オ・リアン・ド・ビュール聖歌隊
      

ハイドン 交響曲第95番ハ短調
      ヘルマン・シェルヘン指揮
      ウィーン交響楽団

この曲はベートーヴェンの第5番「運命」と同じハ短調で序奏もなく悲劇的に始まっている。しかしすぐに明るい曲調に転調し、全体としては極めて明るい内容だ。モーツァルトはハイドンに多大の影響を受けており、この第95番第3楽章メヌエットは、モーツアルトの第40番ト短調に似ていると言われている。また、第4楽章フィナーレも第41番「ジュピター」を連想させ心地よく聴いた。ハイドンは「交響曲の父」と言われているだけあって、108曲の交響曲を残しているが、これまてに聴いた曲は次の通り。

   私のLPジャケット
バッハ ブランデンブルク
    協奏曲(全曲)

H30('18)9.11

H30('18)8.21

30.4.3 試聴済み Pf.ギレリス セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
私のLP・・Pf.ベルミュテ ヴェッヒティンク指揮 ウィーン音楽祭管弦楽団
   LP・・Pf.ゼルキン バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
    CD・・Pf.アラウ ディヴィス指揮 ドレスデン・シュターツカペレ
   CD・・Pf.仲道郁代 ヤルヴィ指揮 ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン

「運命」 コメント省略
26.8.7 試聴済み マゼール指揮 クリーヴランド管弦楽団
26.8.11、 28.4.19 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
26.9.4 、27.7.14    〃    小澤征爾指揮 ボストン交響楽団
26.10.23、27.12.15、28.12.8 試聴済み スクロヴアチェフスキー指揮 読売日本交響楽団
26.12.2 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル
27.4.21   〃    スィートナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
27.5.21   〃    スクロヴァチェフスキ指揮 NHK交響楽団
27.6.16   〃    Pf.グレン・グールド リスト編曲
27.8.20   〃    バーンスタイン指揮 バイエルン放送交響楽団
28.9.6    〃    本日の盤に同じ
私のLP・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
   LP・・ジョセフォヴィッツ指揮 ハンブルグ管弦楽団
      CD・・リスト編曲 Pf.グレン・グールド


   H30('18)5.29

 私のCD ロッシーニ序曲集
    

ベートーヴェン ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 OP.27-2「月光」
           エリーゼのために
          Pf.イヴァン・モラヴェッツ
ピアノソナタ「月光」

26.6.12、29.8.8 試聴済み Pf.グールド
27.1.27、30.5.10   〃   Pf.ケンプ
私のLP・・Pf.ギーゼキング 他の1枚Pf.アントルモン
   CD・・珠玉のピアノ名曲集 Pf.アシュケナージ
エリーゼのために
27.5.21 試聴済み Pf.ブレンデル
私のLP・・Pf.アントルモン
   CD・・ホームクラシック名曲集 Pf.デゲンハート.

これらの曲は比較的小品が多く、演奏会の時アンコール曲として演奏されたものらしい。曲のコメントは抜きにして、ホロヴイッツについて記しておきたい。
ウクライナ生まれのアメリカのピアニスト。1928年ニューヨーク・フィルとの共演によりアメリカでデビューし1944年アメリカに帰化。1953年カーネギーホールでのアメリカデビュー25周年記念演奏会ののち、病弱のため引退したが1965年同ホールでカムバックリサイタルを催し絶賛された。繊細な感覚により現代最高のピアニストとして評価を得た。1983年初来日、NHKホールで2回コンサート、S席5万円にも拘わらず即日売り切れ、と言う超人気ぶりだった由。オペラならいざ知らず単独公演での高価格には驚くばかり。80歳という高齢でもあり当時の評価は2分されている。高名な音楽評論家「吉田秀和」は“ひびの入った骨董品”と酷評しているが、一方ある女流ピアニストは、その技巧に満ちた音を賛辞している。それらの批評を踏まえたうえで、彼は1986年再来日、年齢を超越した技巧で「ピアノを歌わせる」と絶賛された。ショパン、シューマン、リストなどロマン派の作品を得意としている。名指揮者トスカニーニとベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を共演し、その縁もあってか彼の娘ワンダと結婚している。

  ホロヴイッツ イン コンサート
 カーネギーホール リサイタル
  1966年 amazonより転載

H30('18)7.5

ホロヴイッツ イン コンサート 
   (カーネギー・ホール リサイタル 1966年)
   Pf.ウラジミール・ホロヴイッツ

    ハイドン ピアノソナタ第2番ヘ長調
    シューマン 花の曲ニ長調 作品19
    スクリャービン ピアノソナタ第10番 作品70
    ドビュッシー 喜びの島 作品106
    モーツァルト ピアノソナタ第11番イ長調「トルコ行進曲付き」
    ショパン 第19番ノクターンホ長調 作品72-1
          第33番マズルカロ短調 作品33-4
     リスト 巡礼の年

        

その一つがヴァイオリンとヴィオラのための曲で、もう一つがオーボエやクラリネット、ホルン、ファゴットの管弦楽のための協奏交響曲。特に「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」は、モーツァルトの作品中でも十指に入る傑作と言われている。私も本日初めて聴いたが、特に第2楽章のアンダンテは素晴らしく、ヴァイオリンとヴィオラの奏でる一抹の哀愁を帯びた抒情的な旋律は格別に美しいものだった。

シューベルト 交響曲第9番
彼の死後11年目に彼の兄の手元にあったものをシューマンが発見し、親友メンデルスゾーンの指揮で初演された。当時の評判は芳しくなかったが、メンデルスゾーンの地道な努力によりその後大きな称賛を得るに至った。作品の出版元の目録では第7番目の交響曲となり、一般的には第7番交響曲とされている。ただし、一部では制作の順序から見て第9番交響曲と呼ばれており些かややこしい。第1楽章冒頭のホルンから引き込まれる。第2楽章のチェロの奏でる旋律も素晴らしい。第3楽章、第4楽章とベートーヴェンを感じさせる生気と精力があり、特に弦の音がハチの大群に襲われるような不安を煽り、印象に残る幕引きとなっている。
26.10.9、27.8.6、29.8.1 試聴済み 本日の盤に同じ
27.1.20、28.10.18 試聴済み テンシュテット指揮 ベルリン・フィル
29.1.5 試聴済み グシュルバウアー指揮 ニューヨーク・フィル
私のCD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル

                                    

    
何分にも長大なため通しで聴く機会は少なく、本日のLPのように序曲や前奏曲を聴く機会が多い。弦楽の低音部が素晴らしく、怒涛の如く押し寄せる音の迫力に圧倒された。大型のオーデイオ装置の効果で臨場感十分だった。
27.8.18、27.12.3 試聴済み クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団
26.11.18、26.12.18  〃   フルトヴェングラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団     
私のCD 序曲、前奏曲集 ベーム指揮 ウィーン・フィル


シューベルト 幻想曲ト長調 OP.159
          ヴァイオリン・ソナタ イ長調 OP.162
          Vn.ラファエル・ドルイアン Pf.ジョン・シムズ

幻想曲 今回初試聴
1826年、29歳の時の作品。ヴァイオリンとピアノの奏でるゆったりとしたメロディ、繊細かつ荘重で絶妙。歓喜と軽妙なシューベルトの味がよく出ていると思う。
ヴァイオリン・ソナタ 初試聴
全体を通して旋律が甘く美しい。特に最終章第4楽章の快活で生気に満ちた旋律は心に残る。
 

本日の曲は抜粋ながらLP4枚の長編だった。全体の演奏では約3時間を要する大作なのだ。
宗教音楽にはミサ曲のように、礼拝と直接関係のあるものと、受難曲やオラトリオのように演奏会形式のものがある。受難曲は聖書の福音書によるキリストの十字架上の物語を描いた音楽劇。本日のこの曲は、バッハの死後100年近くも忘れられていたが、1829年弱冠20歳のメンデルスゾーンによって取り上げられ蘇ったと言われている。当時、人々は感激しバッハの残した最高の芸術に酔いしれたらしい。私も本日聴いて言葉はわからなくても、テノール、バスの素晴らしい声でキリストの受難を歌い上げており、崇高な美しさが心に沁みた。私はキリスト教徒ではなく信仰を持った人々のようには深く理解できない。さらに、言葉が分からないので正しくは理解不能だが、深い感動を受けたことは確かだ。人間の心のドラマとして、普遍的な真実を宿しているからだろうか・・・。マタイ受難曲とは、手元の文献によると次のように記載されていた。新約聖書の中のマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4人の使徒による福音書(イエスの生涯と教えの記録)の内、マタイによる記述からイエスが弟子であるユダの裏切りによって十字架にかけられ、墓に葬られるまでの物語を音楽化した、言わば宗教音楽から発展したもの。

   バッハ マタイ受難曲 

H30('18)7.19

    私のLPジャケット
 バッハ 無伴奏チェロソナタ

H30('18)12.13

バッハ 無伴奏チェロソナタ組曲第1番.第4番
     無伴奏チェロソナタ組曲第3番.第6番
     Vc.ヤーノシュ・シュタルケル

     管弦楽組曲第2番.第3番
     コレギウム・アウレム合奏団

無伴奏チェロソナタ 
初試聴。バッハの時代にようやく姿を現して独立性を持ちだしたチェロという新しい楽器、その美しくやわらかな音色に着目したバッハがこれを使って6つの組曲を作った。当時のチェロは現在のチェロとは異
 

有名な作品としてはベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」ニ長調作品123がある。然しベートーヴェンには宗教曲としての大作はほとんど無く、極端に言えばこのミサ曲が唯一のもの。
余談だが、彼の当時の宗教観は次の挿話から想像できる。1819年ころ彼は「結局、キリストだって十字架にかけられたユダヤ人に過ぎない」と高声に言ったため警官に尾行されるようになったらしい。当時の腐敗した宗教に強い反感と義憤、革新的な考えを抱いていたことが分かる。
横道にそれたが、バッハの「ミサ曲ロ短調」は彼の亡くなる前年に書き上げられた大作で、演奏に2時間10分程度も要する長大なもの。バッハの作品では「マタイ受難曲」、「ヨハネ受難曲」と並ぶ音楽の集大成とも呼ぶものだが、人によっては本日聴いた「ミサ曲ロ短調」をバッハの最高傑作と呼ぶ人も少なくない。終わりに近い合唱団の歌声を聴いていると、大聖堂の中でミサに参列しているかのような厳かな雰囲気となり、異教徒ながら敬虔なクリスチャンになり切ってしまう不思議な魔力を感じてしまう。
全体は5部27曲で構成されている。
第1部 キリエ(3曲) 主よ、憐れみたまえ   第2部 グローリア(9曲) 栄光
第3部 クレド(9曲) 我は信んず                   第4部 サンクトゥス(1曲) 聖なるかな
第5部 アグヌス・デイ(5曲) 神の子羊-十字架を背負う神の子-
私のLP.ウィーンアカデミー合唱団 ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団

ワーグナー 
   楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
モーツァルト
   ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
 ケンペ指揮 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
 Pf.フリードリヒ・グルダ
 (ミュンヘン・フィル ライブ・イン・デュッセルドルフ)

モーツァルト 歌劇序曲集
 「にせの花づくり女」 「イドメネオ」 「後宮からの誘拐」
 「劇場支配人」 「フィガロの結婚」 「ドン・ジョバンニ」
 「コシ・アァン・トゥッテ」 「魔笛」 「皇帝ティトゥスの慈悲」
 オトマール・スウィトナー指揮
 ベルリン・シュターツカペレ

       私のCD
  ワーグナー 序曲・前奏曲集
ニュルンベルクのマイスタージンガー

H30('18)10.18

ショパン 即興曲集 第1番~第4番
      ピアノソナタ 第2番 作品35「葬送行進曲付き」
      三つの新しい練習曲 第1番~第3番
      夜想曲集 第2.4.5.7番
      Pf.アルフレッド・コルトー

      バラード 第1番~第4番
      Pf.アルトゥール・ルービンシュタイン
 

S30('18)8.14

ハイドン  交響曲第96番ニ長調「奇跡」
       交響曲第97番ハ長調
       エドゥワルト・ファン・ベイヌム指揮
       アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

交響曲第96番
この試聴会で初めて聴いた。1791年第1回渡英の際に作曲、上演された。当時、指揮者であり、興業マネージャーであったザロモンから招かれて英国に渡り、最初の渡英で6曲、第2回の渡英時に6曲、計12曲作曲しており、これらが「ザロモン・セット」と称されているものだ。この第96番はザロモン・セットの第6番に当たる。比較的小規模のものだが全体の構成が充実している。豊かな色彩とその表現は素晴らしい

バッハ 管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV 1068
     管弦楽組曲第4番ニ長調 BWV 1069
     エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム指揮
     アムステルダム・コンセルトヘボウ・オーケストラ

バッハは管弦楽のための組曲を4曲書いている。舞曲を集めた組曲という形式は、当時人気があったらしい。第3番の第2曲「アリア」はヴァイオリニストのアウグスト・ヴィルヘルミが、ピアノ伴奏付きのヴァイオリン独奏のため編曲した「G線上のアリア」として超有名。
私のCD・・ホームクラシック名曲集(G線上のアリア) Vn.ロズウィタ・ランダシャー Pf.カルロス・リベラ

H30('18)5.24

ハイドン 交響曲第44番ホ短調「悲しみ」
      ダニエル・バレンボイム指揮
      イギリス室内管弦楽団

今回初登場。ハイドンは実に多くの交響曲を作っている。正確には104曲+4曲、即ち第1番ニ長調から第104番「ロンドン」までの作品と、協奏交響曲(第105番)から交響曲B変ロ長調(第108番)までの4曲。有名なもので私が知っているのは第83番「雌鶏」、第94番「驚愕」、第100番「軍隊」、第101番「時計」などがある。初めて聴いたこの第44番「悲しみ」は、自筆楽譜が消失しているため、正確な作曲年は不詳だが1771年もしくは1772年に作曲されたと考えられている。ハイドンはこの曲の第3楽章アダージョを自分の葬儀の際に演奏してほしいと述べていた。そして実際1809年のハイドンの追悼記念行事に演奏されたと言う。約28分ほどの明るい感じの曲。ただ前述のように第3楽章アダージョは葬送の曲としても十分に使える旋律だ。


                私のCD
  ベートーヴェン 交響曲第7番
   カラヤン指揮 ベルリン・フィル

  作曲家年表                 classic  salon (本館)   
    1     2     3    4     5    6

H30('18)5.3
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 OP.19
           Pf.エミール・ギレリス
           ジョージ・セル指揮 ク リーヴランド管弦楽団

                    
  交響曲第4番変ロ長調 OP.60
                       カラヤン指揮 ベルリン・フィル

          交響曲第7番イ長調 OP.92
          ヨーゼフ・クリップス指揮 ロンドン交響楽団

ピアノ協奏曲第2番 今回コメント省略

    私のLPジャケット
     ベートーヴェン
 ピアノソナタ第8番、第14番

      H30('18)5.10

    私のCD
ハイドン 交響曲第95番

 H30('18)9.27

H30('18)11.8

             私のCD
            モーツァルト
   交響曲第36番「リンツ」

           私のLPジャケット
ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」

        私のLP
       ドビュッシー
   牧神の午後への前奏曲

H30('18)5.31

    私のCD
ヴェルディ レクイエム
  

H30('18)10.2

       私のCD
        バッハ
    ヴァイオリンソナタ
     第1番~第6番

H30('18)7.26