ショパン 12の練習曲 OP.10 OP.25(全曲)
      P.マウリツィオ・ポリーニ

      ポロネーズ第6番変イ長調 OP.53「英雄」
      ポロネーズ第7番変イ長調 OP.61「幻想」
      序奏とロンド変ホ長調 OP.16
      練習曲第5番 OP.10-5「黒鍵」
      マズルカ第13番イ短調 OP.17-4
      ワルツ第3番イ短調 OP.34-2
      P.ウラジミール・ホロヴィツ

12の練習曲
初試聴。ショパンは「ピアノの詩人」と呼ばれるだけあって、様々な形式、美しい旋律などによりピアノの表現形式を拡大し、ピアノ音楽の新しい地平を切り開いている。本日聴いた練習曲(エチュード)と云うジャンル、その他ワルツ(円舞曲)、プレリュード(前奏曲)、ノクターン(夜想曲)、バラード(譚詩曲)、ポロネーズ、マズルカなども彼の創作したものである。練習曲と言うのは、本来あくまで演奏技術を磨くためのものだが、ショパンの「練習曲」は単にそれだけでなく、芸術的な深い内容を持ったもので、現代ではピアノ演奏家のバイブル的存在となっている。作品10-12の練習曲と作品25-12の練習曲、その他に作品番号の無い練習曲を3曲書いている。これらの中にはショパンの伝記映画のタイトルにもなった作品10-3「別れの曲」、10-5「黒鍵」、ロシア軍のポーランド侵攻を知り、祖国の同朋の身の上に思いを寄せながら書いた10-12「革命」がある。そして、25-1「牧童」、25-2「蜜蜂」、25-9「蝶々」、25-11「木枯らし」、25-12[大洋」と言った愛称を持った曲が多く広く親しまれている。本日聴いたP.ポリーニの演奏はやや冷たい肌触りの表現ながら、楽譜に極めて忠実なもので、世間で名演奏と言われているもので感慨深い。先日9/12彼の演奏でモーツァルトのピアノ協奏曲を2曲聴いており印象に残っている。
私のCD・・ショパン名曲集 P.ルーシ・パルハム
   CD・・華麗なるショパン P.アシュケナージ
ポロネーズ第6番
ショパンは20歳(1830)年
演奏旅行のためポーランドを離れ、その後祖国の土を踏むことはなかった。おりしもその1830年、ポーランドはロシアに侵攻されたが、友人の「祖国のため芸術で戦え」の言によりそのまま留まり作曲に励んだ。ポロネーズはマズルカと同じくポーランドの代表的な舞曲で、宮廷の儀式の中から生まれたもの。彼はピアノ用にポロネーズを16曲書いているが、その中で本日聴いたOP.53「英雄」やOP.40-1「軍隊」、OP.61「幻想」が有名。ポロネーズはマズルカに比して男性的な感じが強く、全部で13曲作っている。
28.8.23 試聴済み P.中村紘子
31.1.22   〃    P.マウリツィオ・ポリーニ
31.1.24   〃    P.ゲザ・アンダ
私のCD・・ショパン名曲集 P.ルーシ・パルハム
     CD・・華麗なるショパン P.アシュケナージ
    CD・・P.シューラ・チェルカスキー
ポロネーズ第7番
初試聴。1846年ショパン晩年の傑作。病気のため余命いくばくもないショパン幻想の世界か・・・。
私のCD・・P.シューラ・チェルカスキー
序奏とロンド
ショパンのロンドは全部で4つあり、ほかの3曲はいずれも10代の作品だがこの曲だけはパリに出てから作曲されたもので、ショパンとしては最後の作品。曲は華やかで外面的な演奏効果を狙ったもので、内容が乏しいと批判の対象とされるが、ショパンは変奏曲やロンドなどの古典的な形式はもともと苦手としており、以降この手の作品が書かれなかったことを考えると、生徒の教材として書かれたものと考えられる。
練習曲第5番
前記「12の練習曲」に記載の通り
マズルカ第13番
前記「ポロネーズ」に記載の通りマズルカは女性的な曲だ。シューマンは言っている。「マズルカもまたショパンが小さな芸術に磨き上げた分野で、どこかに詩が香り形式や表現などに新しいものが含まれている」。ショパンの作ったマズルカは全部で56曲あり、その内6曲には作品番号がない。今日聴いた第13番OP.17-4は「小さいユダヤ人」と称されているマズルカ中の大曲で、秋のポーランドの田舎の酒場で働く小さなユダヤ人を中心に、客と百姓たちの陽気なざわめき、泣き笑いの情景が偲ばれる、そんな一編の音楽的風俗画と言われている。

ワルツ第3番
30.7.12 試聴済み Pゲザ・アンダ
私のCD・・P.アシュケナージ

        私のCD
ショパン ポロネーズ第6番、7番

R1('19)9.19

モーツァルト ピアノ協奏曲第19番
彼自身がピアノの名手であったことから、自分で弾くためのピアノ協奏曲を27曲も書いている。これらの内、短調で書かれたものは第20番と第24番の2曲しかない。これは当時の協奏曲が、独奏者のテクニックを誇示するために明るく華やかな性格の長調で書かれることが多く、暗い感じの短調はあまり歓迎されなかった。それにしても大変な数の協奏曲だが、一時生活に追われた頃の生活費を稼ぐために催した予約演奏会用に作ったためらしい。その中でこの第19番は秀でた作品と言われている。聴いていてピアノと木管楽器のハーモニーは心地よい。
26.8.7 試聴済み P.ゼルキン アバド指揮 ロンドン交響楽団
ピアノ協奏曲第23番
30歳(1786年)の5月、モーツァルトの作品の中でも有名なオペラ「フィガロの結婚」がウィーンで初演されたが、その僅か1ケ月前の演奏会でこの23番と24番の2曲が初演されている。「フィガロの結婚」の上演のために忙殺された時期に良くもこれだけの大曲が書かれたものだと驚いてしまうが、この頃から死ぬまで生活の苦労から抜け出せない人生を送っているのだ。それはとも角、この音楽は第2楽章が素晴らしい。弱音が美しく哀愁に満ちた情感が伝わって来る。
27.9.8 試聴済み P.ハスキル ザッハー指揮 ウィーン・シンフォニー・オーケストラ
私のCD・・P.フィリップ・アントルモン ジャン・アントルモン指揮 フランクフルト交響楽団

ショパン 24の前奏曲
この作品はショパンの全作品を通じて最高峰とされている。全24曲がそれぞれ全部違う調性で書かれており、彼が敬愛していたバッハの「平均律クラヴィーア曲集」を参考にしながら作曲したものだろう、と言われている。24曲の中で最も有名なのが第15番「雨だれ」。左手によって絶え間なく同じ音が奏され、雨音を連想さすところからこう呼ばれており、右手の旋律の簡潔な美しさが親しみを増している。全体を通じて強弱の表現が激しく、鍵盤が壊れんばかりの力強いタッチは印象に残る。(詳細は31.1.24記載)
31.1.24 試聴済み P.ゲザ・アンダ
私のLP・・P.アダム・ハラシェヴィチ
    CD・・P.マルタ・アルゲリッチ(28-4 28-7 28-15.雨だれ 以上3曲収録 珠玉のピアノ名曲集全10巻)
    CD・・P.マウリツィオ・ポリーニ
ショパン 幻想即興曲
初試聴。彼が残した即興曲は4曲あるが、遺作となった第4番のこの曲が最も有名な作品。1834年(24才)に作曲され、ショパンの死後発見されたもので、ショパンは「自分の死後破棄してもらいたい」と遺言していたが死後、友人の手によって出版されその時「幻想」と名付けられ、今日ではもっとも名高い作品となった。嵐のような前半と後半部も素晴らしいが、中間部の魅惑的なやるせない悲しさと優しさを盛った旋律は実に美しい。
私のLP.・・ベンジャミン・オレン

ピアニスト マウリツィオ・ポリーニ(1942.1生まれ)(マイペディアより)
イタリア出身。現役では最も高い評価を受けているピアニストの一人。1960年、弱冠18歳にして第6回ショパンコンクールを満場一致で完全制覇し、その時審査委員長を務めていたアルトゥール・ルービンシュタインが彼を評して「技術的には私たちの誰よりも上手い」と絶賛した。1974年初来日、その後も数回来日、日本文化への関心も高く、奈良、京都の寺社を訪れている。紫式部の源氏物語ファンで、黒澤明の映画、武満徹の音楽を好んだ。

本日聴いた第4番は1796~97年にかけて作られたと推定されている。評論家によれば、第1番~第3番に比べて規模と内容の両面に破格の進歩がみられ、長さの面では全32曲のピアノソナタの中でも、第29番「ハンマークラヴィア」に次ぐ大作となっている。研究者の間では「熱情」と愛称で呼ばれるべきは第23番ではなく、このソナタではないか、と述べている人もいるらしい。この曲を献呈された女性との関係から「恋する乙女」のサブタイトルが使用されたこともあったらしい。初めて聴いて確かに、規模の大きさとベートーヴェンの個性が感じられる。第1楽章では激しいピアノの音が力強く強弱のメリハリが明確だ。第3、第4楽章はリズミカルで明るく弾むような旋律が多用され、ベートーヴェンの穏やかで平和な時代が窺える。私は、CDを持っていないが、仲道郁代が「ベートーヴェンソナタ全集 1-12」をリリースしている。

ドビュッシー 前奏曲集第1巻
前奏曲集は2巻あり、彼のピアノ音楽の最高傑作であるばかりでなく、近代音楽の最高峰の一つと言われている。19世紀から20世紀にかけてのヨーロッパでは、多くの音楽様式がドイツ・ロマン主義によって占められていたことに対する反発が強かった。ドビュッシーはそうした運動の先頭に立った天才で、フランス国内だけに止まらず音楽界に大きな影響を与えている。即ち、印象主義と呼ばれる独自の様式を開拓したのだ。当時、フランス印象主義の画家たちが、絵画の中で光を色で表そうとしたように、ドビュッシーは色彩を音で表そうとしたのである。簡単に言えば、旋律よりも音そのもの、つまりハーモニーや音色を大切にするやり方である。1889年に開催されたパリ万博で、カンボジアやジャワなどの音楽を聴いたドビュッシーは、形式の自由さやリズムの新鮮さ、打楽器の目覚ましい効果などに強い感銘を受けている。また、彼は日本の風物を好み、版画に憧れ部屋には広重や歌麿の絵を掛け、日本の陶器を置き、ガラスの器に金魚を飼っていたという。因みに、「海」の初版スコアーの表紙には広重のあの版画「神奈川沖浪裏の富士」が用いられている。本日改めてLPを聴いていると、当時としては「異端の音楽」だったことが容易に想像できる。私たちが馴染んできた「古典派」、「ロマン派」の音楽に比べればその違いが歴然としている。音楽理論とか作曲技法などはトント分からないが、確かにそうなのだ。
27.11.17、29.4.18 試聴済み 本日の盤に同じ
28.9.27 試聴済み P.モニク・アース
31.3.14、1.7.1 試聴済み P.ロベール・カサドシュ
私のCD・・本日の盤に同じ

ショパン 前奏曲第25番
30.9.20、31.1.10 試聴済み P.ボコレリチ
バラード第1番
30.4.26、30.10.11 試聴済み P.ルービンシュタイン
私のCD・・P.ルービンシュタイン
スケルツォ
28.8.23 試聴済み P.中村紘子

ピアニスト ミケランジェリに関して(マイペディアより)
本日の試聴会のように同一ピアニストのみの連続演奏は珍しい。よい企画だと思う。
彼はイタリアのピアニスト(1920-95)で、スイス・ジュネーブの国際音楽コンクールで優勝、孤高の演奏家と呼ばれた完璧主義者。透明な響きと振幅の大きな表現に特徴があり、国際的に多くのファンを獲得した。1965年以来5回来日している。門下生にP.ポリーニなど。

ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲、管弦楽のための協奏交響曲
協奏交響曲というのは、交響曲と合奏協奏曲とを折衷したようなスタイルをもち、いくつかの独奏楽器を伴ったもので、協奏曲というよりはむしろ交響曲に近い性格をもっている。18世紀半ばから19世紀の初めにかけて盛んとなったが、19世紀半ばには廃れてしまった。モーツァルトはこの種の曲を2曲書いている。その一つが本日聴いた曲で、もう一つの曲がオーボエやクラリネット、ホルン、ファゴットの管弦楽のための交響曲。特に「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」は、モーツァルトの作品の中でも十指に入る傑作と言われている。私もこの試聴会で数回聴いているが、特に第2楽章のアンダンテは素晴らしく、ヴァイオリンとヴィオラの奏でる一抹の哀愁を帯びた抒情的な旋律は素晴らしい。
30.6.14、31.3.19 試聴済み 本日の盤に同じ

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
久しぶりに聴いてこれまでとは異なった印象が残った。イギリス映画「逢びき」など恋愛映画で第2楽章アダージョを中心とした甘く切ないメロディが残像として頭の中にあったが、本日の曲は違った。始まって早々から目まぐるしい展開がありピアニスト泣かせの難曲が続く。全体として深い抒情性と野生的なダイナミズムと言おうか変化にとんだ曲なのだ。、ロシアの広大な大地を思わせる重厚な第1楽章と第3楽章。華やかで美しい旋律はクラシック初心者から愛好家まで万人に受け入れられる名曲なのだ・・・と。自宅で聴くチャッチイ機器と試聴会のセットでは雲泥の差があり、聴くときの振幅が大きい。
28.8.23 試聴済み Pf.中村紘子 渡辺暁雄指揮 東京都交響楽団
28.12.20  〃    Pf.クライバーン フリッツライナー指揮 ニューヨーク・フィル
私のLP・・Pf.フィリップ・アントルマン バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
    CD・・Pf.ホルヘ・ボレット シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団 

練習曲
珍しい曲でこれまでに耳にしたことがない。PCで検索の結果次のことが分かった。
「音の絵」として作品33、39の2巻があるらしい。「絵画的な小品集」として構想されたもの。
作品33 第1曲~第9曲 この内の第1曲はショパンの練習曲、作品25-4に似たところがあり、その他も本人のピアノ曲に取り入れたものも多い。
作品39 第1曲~第9曲
本日聴いたのは作品33だと思うが、これまでに聴いた事がある旋律が多かった。本人の他の作品の中に取り入れたものがあったからだろうか・・・。
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ドヴォルザーク チェロ協奏曲ロ短調 OP.104
          Vc.アントニオ・ヤニグロ
          ディーン・ディクソン指揮
          ウィーン国立歌劇場室内管弦楽団

          交響曲第9番ホ短調 OP.95「新世界より」
          ブルーノ・ワルター指揮
          コロンビア交響楽団

バッハ ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041
     Vn.グリュミオー グラー室内管弦楽団

ドヴォルザーク チェロ協奏曲
次の試聴時にコメント済みにつき今回は省略。
29.4.6、R1.7.9 試聴済み Vc.シュタルケル ジェスキント指揮 フィルハーモニア管弦楽団
29.10.17 試聴済み Vc.ロストロポーヴィチ 小澤征爾指揮 ボストン交響楽団
31.2.5     〃   本日の盤に同じ 

私のLP、CD・・Vc.ピェール・フルニエ ジョージ・セル指揮 ベルリン・フィル

交響曲第9番「新世界より」
初試聴。これ程の名曲を試聴会で初試聴とはあり得ない。多分、私が欠席の時に演奏されているに違いないと思う。
本日久し振りに聴いて、名曲の持つ力に改めて魅入られた。ドヴォルザークは51歳の時、アメリカに招かれてニューヨークに新設されたナショナル音楽院の院長に就任している。当時、彼はプラハ音楽院の教授に就任したばかりで、生まれ故郷を離れることに躊躇したが、熱心な要請を受け入れた。因みに、年俸はプラハ音楽院の25倍だったという。当時アメリカは新興国として素晴らしい発展をしていた。壮観な摩天楼に象徴される活気と、若々しいエネルギーにドヴォルザークは驚きの連続だった。そのような社会の中で、ドヴォルザークが感動したのはアメリカ民謡と黒人霊歌だった。当時のアメリカ社会では、黒人霊歌はあまり評価されていなかったが、それを最初に評価した作曲家がドヴォルザークだったのである。街や音楽から様々な刺激を受けて、新世界アメリカから故郷のボヘミヤへ向けての、望郷の念から生まれたのがこの第9番「新世界より」だったのだ。
1893年12月ニューヨークでの初演は拍手喝采を浴び、満場の婦人たちは第2楽章ラルゴーの旋律に感動して涙を流したらしい。イングリッシュホルンの哀愁漂うメロディは、多くの聴衆を悲しい思いに誘ったのだ。私たちもこの第2楽章は小・中学校の音楽を通じて記憶に残っている。この曲が日本人に人気なのは、ある音楽家の説によれば日本人のDNAに根ざした部分もあるからとか・・・。明治初期の西洋音楽が日本に入ってくるまでは、日本の音楽は5音階(ドレミソラ)が中心で、西洋音楽のような7音階(5音+ファ、シ)ではなかった。ところが、この「新世界より」は5音階で作られた曲だったので、私たち日本人の心に染み入りやすかったのではないか、と・・・。それは別として、全曲の締めくくりである最終章・第4楽章の終わりが力強い旋律で終了したかと思うと、やや間をおいて弱弱しい音で突然消えるように終わってしまう。聴くたびに不思議な思いのする曲でもある。
いずれにしても、この第9番はクラシック音楽有数の人気曲で、ベートーヴェンの第5番「運命」、シューベルトの第8番「未完成」を並べて「3大交響曲」と呼ばれることもある。
私のLP、CD・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
   LP・・ダヴィッド・ジョセフォヴィッツ指揮 ハンブルグ交響楽団
    CD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル

バッハ ヴァイオリン協奏曲
初試聴。バッハの書いたヴァイオリン協奏曲は3曲残っている。本日聴いた第1番イ短調、第2番ホ長調それに「二つのヴァイオリンのための協奏曲」ニ短調。バッハの作品の多くは、その死後約1世紀の間、顧みられなかった。イタリアのヴァイオリンの名手で、多くのヴァイオリンの名曲を書いたヴィヴァルディの影響を受けている。全体に華やかで生き生きとし、元気溢れる曲調だ。イタリア風の明るい抒情的な美しい曲だった。

ディヴェルトメント第15番
ディヴェルトメントは日本語で「喜遊曲」と訳されているが、本来はイタリア語で“遊び”を意味する言葉。音楽の世界では、18世紀中葉から後半にかけて流行した組曲風の多楽章の舞曲。貴族の誕生日やその他の祝日の食事の際や、夕べのサロンなどのムード作りのため作曲されたものが多い。平たく言えば、宴会などの余興用の曲で言わば現代のBGMなのだ。モーツァルトは20曲余のディヴェルティメントを作曲しているが、3楽章形式のものから本日聴いた第15番の6楽章のものもある。この曲は1776年ミュンヘンで彼自身がヴァイオリンを担当して演奏、好評を博したらしい。ヴァイオリンの技巧を盛り込んだ曲のため、当時のヴァイオリニスト達が好んで演奏し、今日に至るも広く知られる曲となっている。モーツァルトに対するイメージ通りの明るい心弾む曲だった。その他のディヴェルティメントではこれまでに次の曲を聴いている。

26.6.2630.8.22 K.136 秋山和慶指揮 桐朋学園 斎藤秀雄メモリアル・オーケストラ
R1.6.6 K.563 ケール三重奏団

交響曲第39番
モーツァルトの晩年を飾る「三大交響曲」の一つ。これらの3曲は彼の死の3年前、1788年(32才)の夏に一気に作曲されたもので、1曲当たりに費やした時間は約2週間という大変なスピードであった。さらに驚くことに、これらの交響曲の性格がそれぞれ異なっており、この39番は俗に「白鳥の歌」と言われているほど天国的な明るさを伴った曲だ。注、「白鳥の歌」とは、白鳥は普段はなかなか鳴かないが死ぬ時は美しく鳴く、と言われ、従って最後の美しい曲を「〇〇の白鳥の歌」と言う。
この曲は全体を通じて暖かく陽気で、幸福感に満ちており、生の楽しみを放散している。特に第3楽章のメヌエット(アレグロ)は、メヌエット中の傑作と言われているだけあって、舞曲風の音楽ではなく壮麗な祝典音楽の感じで、クラリネットの奏でる優美な旋律が印象に残る。
私のCD・・ジェイムズ・レヴァイン指揮 ウィーン・フィル

ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲の中でも最高峰と仰がれているこの曲は初演のあと長い間、陽の目を見ることがなかった。1806年(36才)初演の時、楽譜が上演間際まで出来上がらず、オーケストラは総練習をする時間がなく、練習不十分のまま上演したため初演の評判は芳しいものではなかったらしい。そんなことがあってか、1844年不出世の名ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムが取り上げるまで何と40年近くも眠っていたのである。ベートーヴェンが「交響曲第5番」や「交響曲第6番」を書く直前の、いわば彼の中期の絶頂期に書かれただけあって、男性的で情熱的な逞しさに溢れ、激しい気迫が感じられる曲だ。聴くたびに感じるのだが「交響曲第6番・田園」の第1楽章「田舎に着いた時の愉快な気分」の旋律が顔を出す。年代的には「ヴァイオリン協奏曲」が1806年、「田園」が1808年だから「田園」の中に先に作った「ヴァイオリン協奏曲」の旋律を一部取り込んだと言うことか・・・。
27.9.8 試聴済み Vn.メニューイン フルトヴェングラー指揮 フィルハーモニア・オーケストラ
28.5.19、28.10.4 試聴済み Vn.キドン・クレメル ネヴィル・マリナー指揮 アカデミー室内管弦楽団
30.4.10 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・Vn.アンネ・ゾフィー・ムター  クルト・マズア指揮 ニューヨーク・フィル

    R1('19)7.23
                   ヴィヴァルディ  
                        合奏協奏曲集「調和の霊感」 OP.3
                         第5,6,9,10,11,12番
                         Vn.ヤン・トマソウ 
                         Vn.ウィリー・ボスコフスキー
                         マリオ・ロッシ指揮 
                         ウィーン国立歌劇場室内管弦楽



    






ハイドン 交響曲第96番ニ長調「奇蹟」
      交響曲第102番変ロ長調
      ブルーノ・ワルター指揮 ニューヨーク・フィル

メンデルスゾーン 
      交響曲第3番イ短調 OP.56「スコットランド」
      交響曲第4番イ長調 OP.90「イタリア」
      E・ボールト指揮
      ロイヤルフィル・プロムナード管弦楽団

ハイドン 交響曲第96番「奇蹟」
30.8.14 試聴済み ベイヌム指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ
             管弦楽団

私のCD・・ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
交響曲第102番
31.2.5 試聴済み 本日の盤に同じ

メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」
メンデルスゾーンはイギリスをこよなく愛していた。特に、スコットランドは詩人のウォルター・スコットの詩や小説を読んで以来の憧れの地であったらしい。初めてスコットランドを訪れたのは20歳(1829年)の時である。かつてこの地の領主であったエリザベス一世の従妹メアリー・スチュアートの悲劇的な生涯に思いを馳せ、この曲の冒頭の暗く寂しい旋律を思いついたらしい。しかしこの曲が完成したのは、彼の交響曲の中では一番遅く、それから13年後の33歳の時のことであった。スコットランドの風物を標題音楽的に克明に描いたものではなく、その情感を美しい旋律で音楽的に表現したもので、第1楽章の哀切極まりない旋律は美しい。加えて、後の楽章ではバグバイプのような響きを表現しており、スコットランドらしい雰囲気が良く出ている。
30.4.24 試聴済み クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団
私のLP・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル
   CD・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル

交響曲第4番「イタリア」
メンデルスゾーンが21歳(1830年)の時から翌年にかけてイタリアに滞在したときに着手、1833年3月に完成。第3番「スコットランド」交響曲をしのぎ彼の交響曲の中で最高の作品と言われている。南欧の明るい空のもとイタリアの風物と物語、それらから受けた強い印象が曲に盛られている。「スコットランド」交響曲に比べると明るく躍動感があり、管弦楽の織り成す音色は実に芳醇だ。特に第1楽章と第4楽章はイタリアのあの紺碧の海や、抜けるような青空を思わせ、かつて訪れたコスタデルソルの記憶が蘇って来る。第2楽章のチョッピリ寂しげで抒情的な美しさも強く印象に残る。
27.9.29 試聴済み シノボリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団
27.10.22、28.3.31、29.12.26 試聴済み テンシュテット指揮 ベルリン・フィル
30.4.24 試聴済み  クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団
私のCD・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル

ドヴォルザーク チェロ協奏曲ロ短調 OP.104

フォーレ     チェロと管弦楽のためのエレジー OP.24
          Vc.ヤーノシュ・シュタルケル
          ワルター・ジェスキント指揮
          フィルハーモニア管弦楽団

ブラームス 交響曲第2番ニ長調 OP.73
        大学祝典序曲 OP.80
        ブルーノ・ワルター指揮
        ニューヨーク・フィル

ドヴォルザーク チェロ協奏曲
これまでの試聴会で記しているが、この曲は私の最大のお気に入り曲の一つなのです。チェロの独奏、管楽器のパートとも壮大なスケールでありながら、抒情的でメランコリーなメロディが次々と現れ私を魅了し、曲全体がボヘミヤの自然を彷彿とさせる。第3楽章後半で、ソロヴァイオリンとチェロの競演が素晴らしい。私の持っているLP、CDはVc.ピエール・フルニエ、指揮ジョージ・セル、ベルリン・フィル(1962年録音、グラモフォン盤)だが、大変気に入っている。フルニエは素晴らしいテクニックの持ち主ながら、それを少しもひけらかすところがなく、それていてスケールの大きさを感じさせる名演奏なのだ。セルの指揮するベルリン・フィルは、カラヤンに比べやや地味な感もするが私的にはその方がこの曲に合っているように思う。

29.4.6 試聴済み 本日の盤に同じ
29.10.17  〃   Vc.ロストロポーヴィチ 小澤征爾指揮 ボストン交響楽団
31.2.5    〃   Vc.ヤニグロ ディクソン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
私のLP、CD・・Vc.ピエール・フルニエ ジョージ・セル指揮 ベルリン・フィル

フォーレ エレジー
29.4.6 試聴済み 本日の盤に同じ

ブラームス 交響曲第2番
ブラームスは第1番交響曲を完成するのに約21年の歳月を要している。ところが、この第2番交響曲は第1番完成後の翌年に一気呵成に書き上げている。内容は実に明るく軽やかで、のんびりしたもので俗に「田園」と呼ばれている。ベートーヴェンの第6番交響曲「田園」のような標題的な意味や、描写的な内容を持っているわけではないが、曲ののんびりした明るさとほのぼのとした感じが「田園」情緒を醸し出しているからだ。それにしては最後の第4楽章フィナーレは、田園情緒も完全に吹っ飛ぶ爆発的大音響とその長さには些か閉口する。
38.11.8 試聴済み カール・ベーム指揮 ウィーン・フィル
29.4.27   〃    バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル
30.4.19   〃   ムラヴィンスキー指揮 レニングラード・フィル
私のCD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル

大学祝典序曲
29.4.27 試聴済み バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル
30.8.14   〃    本日の盤に同じ

 

ヴィヴアルディ「四季」
初試聴。超有名な曲だから当然に演奏されていると思うが、全会参加しているわけではないので、私としては初となる。この曲は、バロック音楽の代名詞的存在で、クラシックの世界へ誘う名曲だ。日本が戦後の復興期を脱した1950年代末から60年代前半にかけて明るく親しみやすいこのメロディが流れ込んできて、日本人の心を鷲づかみにしたのだ。本日の盤(ミュンヒンガー指揮)は、戦後発売されて一躍この曲を有名にし、多くのクラシックファンを生み出した。その後イタリアのイ・ムチジ合奏団により、南国的なみずみずしい躍動感に満ちた表現によりヴィヴァルディ「四季」=イ・ムチジ合奏団という図式ができて、ほぼ2年おきに来日、日本での一大ブームを作ったのだ。日本には春夏秋冬の四季が明確に分かれており、この音楽「四季」によって季節を肌で感じられることも人気の一因かも知れない。「四季」は全12曲からなる協奏曲集「和声と創造への試み」(作品8)の第1巻から第4番までのタイトルで、それぞれ急-緩-急の3楽章で書かれている。また、ヴィヴァルディはこの曲集で新しい試みを行っている。それはソネット(定型抒情詩=14行詩)に忠実に音楽を付けるという表題協奏曲を書くことだった。音楽に小鳥のさえずりや小川の流れの描写を取り入れ、多くの人々が親しみを抱けるようになったことも、この曲がヒットした要因の一つに違いない。後のロマン主義音楽の専売のようになった標題音楽の先駆的な作品なのだ。別の表現を借りると、ヴィヴァルディは大自然に対する愛と喜びを謳い上げた、いわば“田園協奏曲”とも言われている。
その概要は次の通り。
「春」 春がやってきた。小鳥たちが楽しく歌う中、雷鳴と稲妻が春の到来を告げる。嵐が去り羊飼いも農夫たちもく澄み切った青空の下で踊り出す。リズミカルな楽しい舞曲。いかにもイタリアらしい爽快な曲。
「夏」 焼けつくような太陽に人も家畜もうとうとしている。突然北風が吹き荒れる(イタリア独特の気候らしい)。激しい遠雷と稲妻。嵐の情景が長く描かれ、迫力のある楽章となっている。
「秋」 豊かな収穫を歓び歌や踊りの酒宴が開かれ、村人たちは酔いつぶれ寝込んでしまう。楽しい夢を見ているのか、平和な旋律が続く。夜が明け村人たちは犬を連れて出かけ、必死に逃げる獲物を追って、耳をつんざく銃声が響く。狩猟の情景が巧みに描写されている。
「冬」 第2楽章ラルゴ。全曲を通じて最も美しい楽章だ。独奏ヴァイオリンが、ピチカートの伴奏の上に優美で詩情豊かな旋律を広げる。第3楽章に入り、氷が割れ北風と南風が入れ交じり春の近いことを暗示しながら力強く曲が終わる。
日本の四季の風景に思いを馳せながら、音楽に没入できた幸せな45分間だった。
私のLP・・Vn.クリストファー・ハイロンズ クリストファー・ホグウッド指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団
   LP・・Vn.モニーク・フラスカ・コロンビエ ポール・ケンツ指揮 ポール・ケンツ室内管弦楽団
   LP・・Vn.と指揮 ピンカス・ズーカーマン イギリス室内管弦楽団
   LP・・Vn.ピーナ・カルミレッツリ イ・ムチジ合奏団
   CD・・Vn.フェデリコ・アゴスティーニ イ・ムチジ合奏団

テレマン フルートと弦楽のための組曲
初試聴。テレマン(1681年-1767年)は、後期バロック音楽を代表するドイツの作曲家。18世紀前半のヨーロッパにおいては、随一の人気と名声を誇り、クラシック音楽史上最も多くの曲を作った作曲家として知られている。ヘンデルはライプツィヒ大学時代の友人、またバッハとも親密な交友関係にあった。テレマンが86歳の生涯で作った作品は、現在3600曲が確認されているが、未発見のものも多く、実際の作品数は4000曲を超える、と言われており、クラシックの音楽分野で最大数の作曲家として「ギネス世界記録」でも正式に認定されている。因みに、ヴィヴァルディは約800曲、ヘンデル約600曲、バッハ約1100曲などと比較しても群を抜いている。初めて聴いたこの曲は正統派バロック音楽で、リズミカルで馴染みやすく、300年余の時空を超えて、フルートの奏する旋律に魅入られた。

モーツァルト フルートとハープのための協奏曲
初試聴。フルートとハープと言うまるで性格の違う楽器の珍しい組み合わせのこの協奏曲は、モーツァルトが1778年(22歳)バッハを訪れた時、彼のパトロンであるフルートの名手ド・ギーヌ公爵と、ハープの名手であったその令嬢のために書かれたもの。モーツァルト自身は気乗りしなかったらしいが、今では広く知られ愛好される名曲の一つとなっている。曲は、楽器の性格上、主旋律は主にフルートが吹きハープがそれを彩るという具合に、それぞれの楽器の性能が発揮されるように書かれている。第1楽章のフルートとハープの織りなす華やかさも見事だし、第2楽章も「典雅」と言う言葉をそのまま音楽で表したかのような楽章だ。第3楽章は一転してリズミカルで華麗なロンド楽章となっている。この曲がことさら典雅で生き生きした表情を持っているのは、ド・ギーヌ公の娘の結婚式の時に、父と娘が仲良く演奏するために作曲されたかららしい。当時の貴族だからできたものだが、それにしても羨ましい話ではある。
私のCD・・Hl.ヴェルナー・トリップ Hp.フーベルト・イェリネフ カール・ミュンヒンガー指揮 ウィーン・フィル

そしてウィーンに居を定めてからの17曲に分けて研究されている。その中でこの17曲が最も重要な位置を占め傑作が含まれている。本日聴いた第24番は、1786年に作曲されモーツァルト自身が初演したもので、短調で書かれたピアノ協奏曲の中では2つしかない曲の1つなのだ。モーツァルトのピアノ協奏曲を聴くなら、まずこの24番と第20番がお薦めらしい。曲は20番と同じく暗く、重く、深くそしてロマンチックな内容だった。暗いが劇的な気分に溢れた第1楽章、第2楽章の詩情にあふれたピアノと弦楽器の対話にも似た音色は素晴らしかった。

モーツァルト ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」
この曲は1790年(34才)10月、フランクフルトで行われたレオポルト2世の戴冠式直後の音楽会で初演されたことから俗に「戴冠式」と呼ばれている。ところが、実際に作曲されたのはそれよりも2年半も前の1788年2月のことで、レオポルト2世の戴冠式とは直接の関係があるわけではない。この曲は「戴冠式」というニックネームのおかげで、大きく得をしモーツァルトの協奏曲の中では特に愛好されている作品の1つになっている。全体を通じて華麗な中に祝典的な気分の盛り上げがあり、しかも気品と品格があり「戴冠式」に相応しい音楽になっている。第3楽章アレグレット、曲は一転し華やかな舞踊的旋律に満ち、絢爛な終幕へと進む。梅雨空を吹っ飛ばす気分晴朗な曲だった。
私のCD・・Pf.マリア・ジョアン・ピリス クラウディオ・アバド指揮 ウィーン・フィル

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
これまで10回聴いており、何回かコメントしているが、今一度記しておきたい。ベートーヴェンはこの曲「交響曲第3番」は、初めナポレオンに捧げるべく書いていた。ところが、人類に平和と自由をもたらす使徒として尊敬していたナポレオンが事もあろうに皇帝に即位した、というニュースを聞たとき、彼は怒りのあまり即座に献呈を取りやめ「シンフォニア・エロイカ」と題して出版したのであった。このようにこの曲は決してナポレオンその人の業績を描いたものではなく、イタリア語で「英雄的」という「エロイカ」が示すように、人類のあらゆる英雄的な行為や精神を表そうとしたものだったのだ。この曲は耳の病気の悪化から絶望のどん底に沈んだベートーヴェンが、不屈の闘志でそこから這いあがり、第2の人生を踏み出す出発点となった記念碑的な作品なのだ。専門家の意見では交響曲第1番、第2番はハイドンやモーツアルトの影響を大きく受けているが、この第3番交響曲に至って後の大作曲家・ベートーヴェンの姿が明示された作品となっている、と語る者も多い。また、ワーグナーはこの4つの楽章を活動、悲劇、寂境、愛とし、真のベートーヴェンの姿が出て来た、と評している。
聴いていて、第1楽章から実に大胆で心強い。第2楽章の葬送の調べは英雄の柩車が粛々として墓地に進み、万感胸に迫るものがある。第3楽章は、これまでの悲劇的な曲趣が一掃され活気、自由と歓喜の喜びが満る。そして最終章、華麗で雄渾な怒涛のごとき力強い管弦楽の響きは圧倒的な頂点を築き、深い感動へと誘う。何度聴いても満足できる曲なのだ。
26.5.27・・試聴済み 本日の盤に同じ
26.10.23、27.12.15、28.12.8、30.11.8 試聴済み スクロヴァチェフスキ指揮 読売日本交響楽団
26.12.18、28.10.13 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
29.4.25 試聴済み マリナー指揮 アカデミー室内管弦楽団
29.8.24 試聴済み スウィトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
29.10.17 試聴済み ブロムシュテット指揮 ドレスデン・シュターツカペレ
私のLP・・アンドレ・クリュイタンス指揮 ベルリン・フィル
    CD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル

モーツァルト ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
         ピアノ協奏曲第26番ニ長調 K.537「戴冠式」
         P.ロベール・カサドシュ
         ジョージ・セル指揮 コロンビア交響楽団

ベートーヴェン 交響曲第3番変ホ長調 OP.55「英雄」
          ウイルヘルム・フルトヴェングラー指揮
          ウイーン・フィル

モーツァルト ピアノ協奏曲第24番
この試聴会で初めて聴いた。彼のピアノ協奏曲は30曲あり、大体3つに分類されている。即ち11歳の時の4曲。17歳から21歳のザルツブルグで書かれた4曲。

 

この試聴会ではこれまでK.136を2回聴いているが、本日の作品は初めてだった。編成は弦楽三重奏(Vn.Va.Vc各1本)で、「弦楽三重奏のためのディヴェルティメント」と呼んだり、「ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのためのディヴェルティメント」と呼ぶこともある。モーツァルトはディヴェルティメントと題した曲を20曲以上作曲しているが、弦楽三重奏の形態をとるものはこの変ホ長調K.563のみである。
6つの楽章からなり、演奏時間も60分近い大作だ。彼の晩年の作品で、演奏技術的にも高いものが要求され、各楽器も時には協奏曲のような妙味もあり、他の弦楽四重奏曲などより難度は高い。モーツァルトの多くの作品に共通する、明るく軽快なテンポは聴いていて実に心地よい曲だった。
参考 ディヴェルティメントニ長調K.136
    26.6.26 試聴済み 斎藤和慶指揮 桐朋学園・斎藤秀雄メモリアル・オーケストラ
    30.8.28 試聴済み イ・ムジチ合奏団


アダージョとフーガ
wikipediaの「モーツァルト作品一覧」によれば、K404aは「6つの前奏曲とフーガ」1782年作曲、3弦楽奏のみで詳細不明。手持ちの他の資料にも記載なし。先行した「ディヴェルティメント」の続きと勘違いして、聞き逃してしまった。全く違和感がなく、似通った曲想だった。

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
久しぶりに聴いた。俗にブラームスなどの作品と並べて「4大ヴァイオリン協奏曲」と言われているが、ベートーヴェンの作品はスケールが違う感じがする。彼の唯一のヴァイオリン協奏曲であるこの曲は「田園交響曲」や「スプリング・ソナタ」と同じく、ベートーヴェンの明るい面がよく表れた美しい作品だ。彼が「交響曲第5番・運命」や「第6番・田園」を書く直前の、言わば絶頂期に当たる時期に書かれただけあって、男性的なたくましさと激しい気迫に包まれている。その中にあってフト和らぐメロディ、交響曲第6番「田園」によく似た牧歌的な旋律が繰り返し顔を出し、全体を通じての迫力を一層盛り上げ、雄大な作品になっている。
27.9.8 試聴済み Vn.メニューイン フルトヴェングラ指揮 フィルハーモニア・オーケストラ
28.5.19、28.10.4 試聴済み Vn.クレメル マリナー指揮 アカデミー室内管弦楽団
30.4.10 試聴済み Vn.シゲティ ドラティ指揮 ロンドン交響楽団
私のCD・・Vn.アンネ・ゾフィー・ムター クルト・マズア指揮 ニューヨーク・フィル
  

 H31('19)3.26

ベートーヴェン ピアノソナタ第5番ハ短調 OP.10-1
           ピアノソナタ第6番ヘ長調 OP.10-2
          ピアノソナタ第7番ニ長調 OP.10-3
          ピアノソナタ第18番変ホ長調 OP.31-3
          P.グレン・グールド

          ピアノソナタ第30番ホ長調 OP.109
          ピアノソナタ第31番変イ長調 OP.110
          P.マウリツィオ・ポリーニ

ピアノソナタ第5番、第6番
30.7.12 試聴済み 本日の盤に同じ
ピアノソナタ第7番、第18番 初試聴

バッハ ハープシコード協奏曲第1番ニ短調 BWV.1025
     ハープシコード協奏曲第4番イ長調 BWV.1055
     ハープシコード協奏曲第5番ヘ長調 BWV.1056
            Hd.フィン・ヴィデロ フリーショルム指揮 
      コレギウム・ムジクム管弦楽団

バッハ 管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV.1067
グルック 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ~精霊の踊り」
モーツァルト フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314
         Fl.クロード・モントゥー
         ピエール・モントゥー指揮 ロンドン交響楽団

バッハ ハープシコード協奏曲第1番、第4番、第5番
3曲とも初めて聴いた。尤も、毎回出席はしていないので、既に紹介済みかも知れない。ピアノの前身であるハープシコード(チェンバロ)は音量こそ小さいが、独奏楽器としては優れた機能を備えていた。しかし、バッハがハープシコードのための協奏曲を作曲するまでは誰もまともな作品を書いたことが無く、専ら合奏曲で低音の弦楽器と共にハーモニーを支える地味な役割に甘んじていた。そのハープシコードを主役の位置に引き上げ、後のピアノ協奏曲の土台を作ったのはバッハの偉大な業績の一つであると言われている。バッハは14曲のハープシコード協奏曲を残しているが、バッハ自身の作品やヴィヴァルディなどの作品を編曲したもので、初めからハープシコードのための協奏曲として書かれたものは一つもない。今回初めて聴いたが、華麗なカデンツアなどもあり全般にヴィヴァルディの雰囲気に包まれていた感じだった。

バッハ 管弦楽組曲第2番
バッハの管弦楽組曲は全部で4つある。私の知っているのは、あの「G線上のアリア」で、管弦楽組曲第3番に原曲があり人気がある。この第2番以外の曲は明るく朗らかな調子の長調だが、第2番のみが悲しげな雰囲気を持つ短調なのだ。にも拘らず、人気度一番なのは多くの人に共通する悲しみや憂鬱に共鳴する素晴らしい曲だからか・・・。特にフルートの高く清らかな音を主役に奏でるところがより一層人々の心に浸みわたるのかも知れない。

グルック オルフェオとエウリディーチェ
浅学の身にとってグルックとは初めての出会いとなった。1714年オーストリアの生まれ。時代としてはヘンデルとハイドンの中ごろに活躍している。1737年ミラノに出てイタリア歌劇に傾倒し、その改革に努め功績を残している。本日初めて聴いたこの曲は、1762年ウィーンで初演されている。「精霊の踊り」は第2幕に演奏され、今日では単独で演奏されることが多いらしい。魅力的な美しい旋律と甘美な曲調は印象に残った。

モーツァルト フルート協奏曲
モーツァルトはフルートを独奏楽器とする協奏曲を2曲書いている。いずれもフルート協奏曲の中の傑作として愛され親しまれているが、実はモーツァルト自身はフルートという楽器に少しの愛情も持っていなかったらしい。それには理由があった。当時、フルートは楽器として未完成なところがあり、音程が不安定で非音楽的な音に思われていたからである。にも拘わらず、この楽器の魅力を存分に発揮させた名曲を作ったモーツァルトは、やはり天才だったのだ。これらの2曲はいずれも金持ちのオランダ人ドゥ・ジャンの依頼で書かれたものだが、約束の期限に間に合わせるために「オーボエ協奏曲」を急遽編曲し、間に合わせたらしい。いわゆる「使い回し」だが、魅力溢れる傑作なのだから「恐れ入りました」なのだ。しかし、そんな経緯がバレたのか、依頼主ドゥ・ジャンからは初めに約束しただけのお金は貰えなかった、と言うエピソードが残っている。そんな俗事とは関係なく、フルートが持つ柔らかで清純な音色に堪能した。

 

最初に低音が広がる期待に満ちた出足は素晴らしい。もちろん、第4楽章最後の意気揚々とした旋律も記憶に残る。
26.7.10、30.7.10 試聴済み 本日の盤に同じ
27.4.30、27.12.10   〃   スウィトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
私のCD・・フランス・ブリュッヘン指揮 18世紀オーケストラ(古楽器奏者の集団)

交響曲第2番
1801年~02年、ベートーヴェン31~32歳のころ、ウィーン郊外ハイリゲンシュタットで作曲された。自分の聴覚に異常を感じ始めて既に数年経っており、種々の治療をしたものの効果なく、絶望の淵に陥っていた頃だ。当時二人の弟あてに手紙を書いている。あの有名なハイリゲンシュタットの遺書だ。この手紙の中で彼は、耳が聞こえない不安や絶望、屈辱を赤裸々に告白し、今の自分にとっては死はあまりにも早すぎる、しかし一方でこの屈辱的な苦労から解放されることを考えればそれも本望である、と言うような不安定な精神状態をもさらけ出している。このような精神的なダメージの大きい中にあったにも拘わらず、この作品が健康的な情熱や生命力に溢れた作風になっているのは、ベートーヴェンの不屈の精神力に、このころ経済的に安定した生活の見通しがついてきたことがその要因の一つと考えられる。即ち、リヒノスキー公爵から年金を受けられるようになったことや、楽譜の出版にも道が開けてきたことによる。また、女性関係も大きく影響している。ジュリエッタという女性に心をときめかせ、彼女に作品27ピアノ・ソナタ「月光」を捧げている。しかし、このような幸せは長くは続かなかった。遺書まで書くような惨憺たる状況にも拘わらず、健康的な明るさと喜びに溢れた作品を作ったのはベートーヴェンの不屈の精神の賜物だろう。敢えて生意気な意見を言えば、彼の交響曲第3番以降に感ずる人生との闘い、苦悩からの脱却、壮大で長大な作品に比べると、この第1番、第2番は些か物足りないものがある。
28.8.9 試聴済み スウィトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
私のCD・・フランス・ブリュッヘン指揮 18世紀オーケストラ(古楽器奏者の集団)


シューベルト交響曲第7(9)番
この曲は、制作の順序から見て交響曲第9番「ザ・グレート」と呼ばれたり、作品の出版元の目録から交響曲第7番と呼ばれたりして些かややこしい。そのため、本日のような表記になることもしばしばある。混乱はそれだけではない。この曲が発見されたのは、シューベルトの死後11年目に彼の兄の手元にあったものをシューマンが発見し、親友メンデルスゾーンの指揮で初演されている、当時の評判は芳しくなかったが、メンデルスゾーンの地道な努力により真価の紹介に努めた結果、大きな称賛を得るに至った。第1楽章がホルンの牧歌的な旋律に始まる長い序奏、第2楽章はゆったりとした美しい短調の楽想が紡がれてゆく。第3楽章ではスケールの大きい舞曲風の旋律が展開。最終章は雄大なフィナーレで、壮麗なクライマックスを築き上げている。聴き終えて満足のゆくシューベルトらしいロマンティシズムに満ちた曲だ。私のお気に入りの一つでもある。
26.10.9、27.8.6 試聴済み 本日の盤に同じ
27.1.20、28.10.18  〃   テンシュテット指揮 ベルリン・フィル
29.1.5 試聴済み グッシュルバウアー指揮 ニューヨーク・フィル
29.8.1、30.6.14 試聴済み ベーム指揮 ウィーン・フィル
私のCD・・フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
   CD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル

 

ブラームス ヴァイオリンソナタ第1番ト長調 OP78.「雨の歌」
        Vn.ゴールド・ベルク P.バルサム

シューベルト ピアノソナタ第18番ト長調 D.894
          P.ゼルキン

        ヴァイオリンとピアノのための幻想曲
                         ハ長調 D.934
        ヴァイオリンソナタイ長調 D.574
        Vn.ドルイアン P.シムズ

ブラームス ヴァイオリンソナタ
初試聴。ブラームスは彼の歌曲「雨の歌」から暗示を受けてこのソナタを作った。
ちょうどシューベルトが「死と乙女」や、「鱒」で弦楽四重奏曲や五重奏曲を作ったように・・・。従ってこのソナタは「雨の歌」と呼ばれている。
注.彼の歌曲についてはあまり知識がなかったが、実に300曲余りも残している。質量ともにシューベルトと肩を並べる歌曲作曲家なのだ。ブラームスはシューベルト、シューマン、ヴォルフと共にドイツ歌曲の四大作曲家の一人に数えられているのだ。
この曲は1880年ブラームス晩年の作品で、円熟境に達したときのものだから、彼としても会心の作品だ。和やかな親しみ、しみじみとした憂愁と深い瞑想的気分は曲の美しさと共に音楽ファンを魅了する。第1楽章では、しとしとと降る雨の曲想が表現され、ヴァイオリンとピアノによって優雅な調べを醸し出している。第2楽章は田園の風景を偲ばせ、葬送行進風の哀愁を感じさせる。これは、シューマンの訃報に接したときの暗示だと、言われている。第3楽章は風光絶佳の趣あり、自然の優しい雰囲気に包まれ安らかな気持ちに満たされ終わる。このヴァイオリンソナタを聴いて完全に魅了され早速CDを購入した。
私のCD・・Vn.アイザック・スターン P.イェフィム・ブロンフマン


シューベルト ピアノソナタ第18番
初試聴。初版譜に幻想曲と記されていたことから「幻想ソナタ」の通称で呼ばれている。シューベルト28歳(1826年)の作品で、この後ピアノソナタは3曲(第19番、第20番、第21番)しかない。完成された作風期に入り規模も充実し、内容も優雅で大作だ。同時代のベートーヴェン作品の影響を色濃く感ずるものが多い。専門家の指摘では、第1楽章のリズムはベートーヴェンの「熱情ソナタ」と同一らしい。また、第2主題もベートーヴェンの交響曲第7に似ている部分も見られる、との事。この曲の後2年余りで旅立っているが、聴いていて何となく寂寥感や死の影を見る思いが募る。この曲に続く前述の3つのピアノソナタは、彼が亡くなる僅か数週間前に一気呵成に書いたと言われているが、かつてモーツァルトが晩年最後の3つの交響曲(第39番~第41番)を一気に書き上げたことに通ずる。しかも、それらが全て傑作なのだ。そこに共通するのは「死」に直面した者の執念ではないだろうか・・・。第3楽章、第4楽章の荒々しいまでの強いタッチが印象に残る。

ヴァイオリンとピアノのための幻想曲
初めて聴いた。1827年~28年にかけて作曲。初演時は不評だったらしい。当時の聴衆は曲の長大さに耐えきれず、次々と席を立った、と伝えられている。現在では、シューベルトの傑作の一つに数えられているとの事だが、CDなども余り見かけないし、本日の試聴では格別の感慨なし。

ヴァイオリンソナタ
初めて聴く。1817年(19歳)の作品。4楽章構成で複雑な転調が多く、初期の意欲作らしく些か気負いの感じられる曲だった。普段あまり聴く機会が無く馴染みの少ない曲だった。

J.Sバッハ
3曲共に初試聴。ただし以前LPとかパイプオルガンの演奏会などで数回聴いたことはある。私の娘が大学時代パイプオルガンを弾いており、自宅にも小型のオルガンを持っていたためバッハのオルガン曲は良く聴いたものだ。本日聴いたのはオーマンディ編曲の管弦楽用でパイプオルガンの音楽とはかなり異質のものだった。バッハの宗教的な厳粛・荘厳さとは遠く、開始部分などはSF映画のオープニング音楽のような感じだった。音楽談義の本を読んでいると「トッカータとフーガ」の曲が、終戦後の戦犯を裁く東京裁判の様子を伝えるニュースの冒頭に鳴り、最後の審判みたいに響く曲としての印象が残った」と、あった。それほど重く且つ鋭く鳴り響く印象的な出足で、全体的に暗く重々しい雰囲気が漂う曲なのだ。そのため、ドラマや芝居などで衝撃的なシーンによく用いられており、聴く人の注意を引き付けるものに強い力を持っている。だから、前述のような東京裁判ニュースの冒頭にも用いられたものだろう。
この曲はバッハの作品の中だけでなく、あらゆるオルガン曲の中でも最も有名な曲の一つと言われている。全編を通じて感情を揺さぶる激しいメロディ、自由奔放さ、逞しさに深い感銘を覚える名曲だと思う。そのイメージが沁み込んでいるだけに、本日のオーマンディ編にはイマイチ馴染めない。バッハの宗教曲はやはりオルガンでなければ・・・。
私のLP・・バッハ・オルガン作品大全集 全6枚 Org.ヴァルター・クラフト
   LP・・Org.カール・リヒター(トッカータとフーガのみ)
   LP・・Ogr.ヴアージル・フォックス( 同 上 )
      CD・・Ogr.ヘルムート・ヴァルヒャ( 同 上)

J.Cバッハ
初試聴。J.CバッハはJ.Sバッハの従兄。ドイツ・バロックの作曲家、オルガニストだが、手元の本、Wikipediaなどにも参考項目がない。本日聴いたこの曲も前述のようにバッハ=オルガン曲の呪縛から、何となく聞き流してしまい印象に残らなかった。

メンデルスゾーン
27.8.4 試聴済み Vn.ハイフェッツ ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団
28.3.29、29.10.3 試聴済み Vn.シュロモ・ミンツ アバド指揮 シカゴ交響楽団
私のLP・・Vn.ジノ・フランチェスカッティ ジョージ・セル指揮 コロンビア交響楽団
   LP・・Vn.サッシコ・ガヴリロフ ダヴィッド・ジョセフォ・ヴィッツ指揮 ハンブルグ放送管弦楽団

ブルッフ
28.3.29、29.10.3、30.2.22 試聴済み Vn.シュロモ・ミンツ アバド指揮 シカゴ交響楽団
28.6.30 試聴済み Vn.フランチェスカッティ シッパース指揮 ニューヨーク・フィル
私のCD・・Vn.ナージャ・サレルノ・ソネンバーグ エド・デ・ワールト指揮 ミソネタ交響楽団  

J.Sバッハ オーマンディ編曲
       トッカータとフーガ ニ短調
       トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調
       バッサカリアとフーガ ハ短調

J.Cバッハ 2つのオーケストラのためのシンフォニア OP.18-1
       オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団   

メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調 OP.64
ブルッフ        ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 OP.26
            Vn.オレフスキー ルーデル指揮
            ウィーン国立歌劇場管弦楽団

モーツァルト ピアノソナタ第12番ヘ長調 K.332
          ピアノソナタ第13番変ロ長調 K.333
          ピアノソナタ第14番ハ短調 K.457
          ピアノソナタ第17番ニ長調 K.576
          Pf.ロベール・カサドシュ

シューベルト  ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調
                          OP.99 D.898
          ダヴィッド・オイストラフ・トリオ

ピアノソナタ第12番
1778年3月、モーツァルトは母と共にパリに着いたが、同年9月にパリを
出発するまでの6カ月間にピアノソナタを6曲書いている。その中で最
も有名なのが第11番「トルコ行進曲」だ。しかし、本日聴いたこの第12番は演奏がし易いところからピアノの練習用によく用いられており、その意味で第11番よりも広く知られているソナタだ。リズミカルで明るく親しみ易い曲だ。
27.8.27、29.11.21 試聴済み Pf.内田光子
ピアノソナタ第13番
1783年11月ごろリンツで作曲されたらしい。(当初は前述の第12番と同じく1778年夏にパリで作曲されたと考えられていた)この時期には有名な交響曲第36番「リンツ」が作曲されている。モーツァルトらしい明るく美しい音楽だ。聴いていて心が躍ってくる。
ピアノソナタ第14番
モーツァルトのピアノソナタの中では、短調はこの曲と第8番(イ短調)のみ。特にこの第14番は、激しく劇的な展開を見せており、初期のベートーヴェンに強い影響を与えたと言われている。
ピアノソナタ第17番
本日の視聴会での表示はピアノソナタ第17番となっているが、新モーツァルト全集では第18番で、彼の作曲した最後のピアノ曲。ピアノソナタの中では演奏が難しい作品と言われている。バロックの手法が活用されておりこれが一つの特徴らしい。弦楽四重奏曲同様モーツァルトの死後に遺作として出版されたが、自筆譜は現存していないそうだ。

シューベルト ピアノ三重奏曲第1番
ピアノ、ヴァイオリン、チェロの三重奏で哀愁味のある美しく繊細な曲だ。一般的に、あらゆる三重奏曲の中の第1位の作品とされている。序奏でヴァイオリンとチェロが1オクターブ離れて歌い出す。やがてピアノが加わりチェロがピチカートで追走する。この出足が素晴らしい。私のお気に入りのチェロが全編を通じ活躍するのがうれしい。第2楽章もチェロによるロマンチックな主題で始まり、やがてヴァイオリンが加わり両者が歌い出す。シューマンはこの楽章を非常に称賛したという。この曲は1827年に作曲されているが、この当時は有名な歌曲集「冬の旅」やピアノソナタ第19番、第20番、第21番が生み出さた時期でもある。初版譜は紛失しており、シューベルトの死後に出版されたため遺作とされている。
29.12.19 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・スーク・トリオ(本日で2回目の試聴だが大いに感激、早速CDを購入した)

                    モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」(ハイライト)
                             Br.フィッシャー・ディースカウ
                             S.ヤノヴィッツ S.マティス
                             Br.プライ    Ms.トロヤノス ほか
                             カール・ベーム指揮
                             ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団 合唱団

                             歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」(ハイライト)
                             S.ヤノヴィッツ Ms.ファスベンダー
                             Br.プライ    T.シュライアー
                             カール・ベーム指揮 ウィーン・フィル
                             ウィーン国立歌劇場合唱団
「フィガロの結婚」
原作はフランスの作家ボーマルシェの名作「フィガロの結婚」を歌劇化したものだが、フランスでは反体制的だと上演が禁止された問題作だった。と言うのも、戯曲「フィガロの結婚」は伯爵に象徴される上流階級を告発した作品だったのだ。伯爵家の召使フィガロのおかげで、美人のロジーナと結ばれた伯爵がロジーナだけでは飽きたらず、結婚式が近づいているフィガロの婚約者スザンナまで手を出そうとするがフィガロ、スザンナ、ロジーナ達に徹底的に懲らしめられる、と言う内容で見ていて飽きない。オペラの解説書によれば昔は「初夜権」というものがあったらしい。領民の娘の初夜を領主が頂戴するという権利で、現代から見れば荒唐無稽な話だが、これを復活してスザンナに近づこうとしたものなのだ。
このオペラはモーツァルトが30歳(1786年)、最も脂の乗り切った時に書かれたものだが、フランスの支配階級の腐敗堕落ぶりを猛烈にこき下ろしたもので、1784年パリで初演されたときは大変な騒ぎになったらしい。そしてこのオペラもまた1789年勃発したフランス革命に一役買うことになった、ともいえる。
現役時代、知り合いの弟さんが芸大出身のオペラ歌手(Br)で二期会に所属、公演の都度鑑賞したがこの「フィガロの結婚」はなかなかの傑作だった。有名なアリアが多く時間を忘れることしばしばだった。中でも「もう飛ぶまいぞこの蝶々」(Br)「恋とはどんなものかしら」(S)などが今でも心に残っている。
30.10.18 序曲のみ試聴済み スゥイトナー指揮 ベルリン・シュターツカペレ
私のCD・・序曲 サー・コリン・デイヴィス指揮 バイエルン放送交響楽団
   CD・・序曲 フィリップ・ギブソン指揮 ロンドン交響楽団

   CD・・オペラガラコンサート全集 有名なアリア8曲収録

「コジ・ファン・トゥッテ」 下記にコメント済みにつき今回省略
30.8.23 試聴済み サー・コリン・デイヴイス指揮 コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
30.10.18 序曲のみ試聴済み スゥイトナー指揮 ベルリン・シュターツカペレ
私のCD・・オペラガラコンサート全集 有名なアリア1曲(岩のように動かず(S))収録

モーツァルト 歌劇「ドン・ジョバンニ」 K.527(ハイライト)
        Br.フィッシャー・ディースカウ
        Bs.フラジェッロ Bs.タルヴェラ
        S.ニルソン ほか
        カール・ベーム指揮
        プラハ国立歌劇場管弦楽団 合唱団

        歌劇「魔笛」 K.620(ハイライト)
        Bs.タルヴェラ T.バロウズ
        S.ドイテコム S.ローレンガー ほか
        ゲオルク・ショルティ指揮
        ウィーン・フィル ウィーン国立歌劇場合唱団

「ドン・ジョバンニ」
主人公・ドンジョバンニはスペインの放蕩貴族。女を口説くのが生き甲斐で、これまでものにした女は、従者のレポレロの言葉を借りれば2000人以上。そのドンファンの破滅を描いた異色のオペラだから面白い。男性を主人公にしたオペラは多いが、大半が悩める男だ。苦悩する男の歌うアリアは心に訴えるものが多い。その悩みや苦悩とは無縁のドン・ジョバンニのアリアは「シャンパンの歌」だ。テンポよく颯爽と歌い上げており、享楽的で行動的な主人公の性格と生活ぶりがよく出ている名アリアだと思う。その他は次の試聴時にコメント済。
30.10.18・・序曲のみ試聴済み スゥイトナー指揮 ベルリン・シュターツカペレ
30.12.18 試聴済み
(第1幕、第2幕途中まで) フリッチャイ指揮 ベルリン放送交響楽団 RIAS室内合唱団
私のCD・・オペラ・ガラコンサート全集 有名なアリア8曲収録
   CD・・序曲 クーベリック指揮 バイエルン放送交響楽団
「魔笛」
今回初試聴。このオペラは、ドイツ・オーストリアで一番愛されている作品と言われている。長くて重いオペラが苦手な人でも、ストーリーがおとぎ話そのもので、このオペラだけは無条件に楽しめるのだ。夜の女王の娘パミーナが高僧ザラストロにより幽閉されているのを、エジプトの王子タミーノと鳥捕りパパゲーノが魔笛と魔鈴の力によって救い、幾多の試練を経てついに目出度く結婚する、というハッピーエンド物語なのだ。
原作は、ウィーラントの「魔笛ルルー」という小説。1791年10月初演後まもなくモーツァルトは極貧の内に永眠している。初演当時はあまり評判も良くなく、一時は失敗作とまで言われているが、次第に評判を得ている。今日の人気ぶりからは考えられない事態だったようだ。しかし、上演の時にはゲーテやベートーヴェンは称賛した、との記録が残っており、さすがに見る人が見れば・・と、感心させられる次第。
30.10.18 序曲のみ試聴済み スウィトナー指揮 ベルリン・シュターツカペレ
私のCD・・ガラ・オペラコンサート全集 有名なアリア6曲収録
   CD・・序曲 レヴァイン指揮 ウィーン・フィル 
  

 

モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための
               協奏交響曲変ホ長調 K.364
         Vn.ブランディス Va.カッポーネ

         管弦楽のための協奏交響曲 K.297b
         Ob.シュタインス Cl.ライスター
         Hr.ザイフェルト Fg.ピークス
         ベーム指揮 ベルリン・フィル

ベルリオーズ 幻想交響曲 OP.14
         カラヤン指揮 ベルリン・フィル

ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 管弦楽のための協奏交響曲
30.6.14 試聴済み 本日の盤に同じ

幻想交響曲
オペラを観ているようなドラマチックな曲だ。これまでも幾度となく聴いているが、最終章の大音響は心臓に悪い。しかし、ストーリーに富んだ楽しめる曲だ。彼は「近代オーケストレーションの父」と言われているだけあって、楽器とその音色を効果的に駆使しており、管弦楽は素晴らしく1時間近い大曲も短く感ずるほどだ。ベートーベンが亡くなった1827年、パリでは24歳のベルリオーズが公演に来ていたイギリスの劇団によるシェイクスピアの「ハムレット」や「ロメオとジュリエット」を観て、スター女優ハリエット・スミソンに熱烈な恋をしていた。しかし、貧乏で無名の青年音楽家に大女優が振り向くはずもなく、彼はその失恋の苦しみの中からこの「幻想交響曲」を生み出したのであった。彼自身が「失恋した若い芸術家が、苦しい眠りの中で恋人の幻想を見る・・・」という文を書いている。この曲は、標題音楽の先駆けをなすものとして交響曲史上大きな意義を持つ作品となった。
第1楽章は静かな心地よい旋律で始まり、終盤は燃え狂う嫉妬から速いテンポの大音響で終わる。その後の章で舞踏会の華やかな雰囲気と続き、心の落ち着きと安らぎを感ずる。第4楽章では一転して断頭台への行進曲となり、暗く凄まじい。そして、最終第5楽章は恐ろしい悪魔の群れの中であらゆる種類の幽霊や化け物が唸り笑い叫ぶ。狂わんばかりの大音響で終わる。この曲は、ベルリオーズの生涯を見たとき、彼の自伝的交響曲なのだと思う。
26.6.10 試聴済み アバド指揮 ウイーン・フィル
26.6.24   〃    アバド指揮 シカゴ交響楽団
27.2.19、28.7.26 試聴済み モントー指揮 ウィーン・フィル
28.8.2 試聴済み デュトワ指揮 モントリオール交響楽団
30.3.15   〃   ミンシュ指揮 パリ交響楽団

私のLP.・・プレースト指揮 シカゴ交響楽団

                   ドビュッシー 前奏曲集 第1巻
                           Pf.ロベール・カサドシュ

                           「6つの古代碑銘」 「白と黒で」
                           Pf.ロベール・カサドシュ
                           Pf.ギャビー・カサドシュ

                           映像 第1巻、第2巻
                           「版画」 「仮面」 「歓びの島」
                           Pf.ロベール・カサドシュ

                        前奏曲集第1巻
                        ドビュッシーはショパンやスクリアピンと同じく24曲の前奏曲を書き、
                        これを12曲ずつ2巻にまとめ、第1巻は1910年、第2巻は1913年に出版
されている。思い出と幻想と印象、感覚が取り込まれ彼のピアノ音楽の最高傑作であるばかりでなく、近代ピアノ音楽の最高峰の一つと称される。フランス印象主義の画家たちが絵の中で光を色で表現しようとしたようにドビュッシーは色彩を音で表そうとした。簡単に言えば、旋律よりも音そのもの、つまりハーモニーや音色を大切にするやり方で、彼が長期にわたり研究し続けたこの手法が余すところなく用いられている。1901年(48歳)に完成された第1巻の中の「亜麻色の髪の乙女」がヴァイオリンやチェロ曲にも編曲され有名になっている。余談ながら、彼は日本の風物を好み版画に憧れ関連する曲も残しているが、交響詩「海」の楽譜の表紙には北斎の「冨嶽三十六景~神奈川沖浪裏」を使っている。また、同時代の印象派の画家たちとも広く付き合いがあり“音楽界の印象派”としての称号にも納得出来る。
このクラシックサロンのシリーズ冒頭に書いているが、このLPレコード試聴会は、オーディオの神様「五味康祐」の遺贈によるものだが、彼の芥川賞受賞作品「喪神」は、この前奏曲集第7曲「西風の見たもの」から着想を得たとの事。西風が激しく吹き荒れる様子を大胆に表現した曲だが、是非小説も読んでみたいものだ。                 
27.11.7、29.4.18 試聴済み Pf.アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ

28.9.27   〃  Pf.モニク・アース
私のCD・・Pf.アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ


「6つの古代碑銘」
初試聴1897年から98年にかけてピエール・ルイスの散文詩「ピリティスの歌」から3篇を選んで歌曲を作曲した。1900年になりそれの付随音楽として12曲からなる楽曲を作っている。1914年になりこれをピアノ連弾のために改作し「6つの古代碑銘」と題名を付け、6曲からなるピアノ二重奏曲作品として残している。後に指揮者エルネスト・アンセルメによってオーケストラ用にも編曲されている。
第1曲.夏の風の神、パンに祈るために  第2曲.無名の墓のために
   第3曲.夜が幸いであるために
第4曲.クロタルを持つ舞姫のために     第5曲.エジプトの女のために 第6曲.朝の雨に感謝するために
第1曲「夏の風・・」で用いられているギリシア神話の牧神パンの吹く笛を思わせる旋律は、最終第6曲「朝の雨・・」の末尾にも使われ全曲を統一する要素の一つにもなっている。全体的にユッタリとしたテンポだが、演奏にはかなりの技巧を要する感じ。聴いていて心地よい。
私のLP・・Pf.ジュヌヴィエーブ・ジョワ Pf.ジャックリーヌ・ロバン・ボヌー

「白と黒で」
初試聴。1915年の作曲でピアノ二重奏の作品。題名「白と黒で」に関しては、彼が友人への手紙で「考えすぎないでほしい」と前置きしたうえで「ベラスケスの灰色のようなものだ」と語っており、曲全体について「ピアノの響きからその色彩感覚を引き出したものだ」とも言っている。15分程度の小品乍ら第1楽章は早くかつ目まぐるしく曲想が変化し、躍動感がある。総体にかなりダイナミックで難しい曲だと感じた。

映像第1巻、第2巻
30.4.26 試聴済み 本日の盤に同じ

「版画」 「仮面」 「歓びの島」
30.4.26 試聴済み 本日の盤に同じ
「歓びの島」のみ 29.9.12、30.7.5試聴済み Pf.ホロヴィッツ

私のLPジャケット
  ドビュッシー
「6つの古代碑銘」

H31('19)3.14

ベートーヴェン 
     ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 OP.19
     ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 OP.73「皇帝」
     Pf.ウィルヘルム・バックハウス
     イッセルシュテット指揮 ウィーン・フィル

     ピアノソナタ第30番ホ長調 OP.109
     ピアノソナタ第31番変イ長調 OP.110
     Pf.マウリツィオ・ポリーニ

ピアノ協奏曲第2番
29.8.24 試聴済み 本日の盤に同じ
30.5.3    〃   Pf.ギレリス セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
私のLP・・Pf.バックハウス ベーム指揮 ウィーン・フィル

ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
これまでの試聴会で7回聴いている人気曲。この協奏曲はベートーヴェンが完成した協奏曲の最後の作品だが、このように規模の大きい威厳に満ちた協奏曲はかつてなかったものだ。交響曲第3番「英雄」と双璧をなす勇壮で堂々たる作品だ。何回聴いても感銘を受ける。初めて聴いたとき、壮大で重厚なピアノとオーケストラのハーモニーの力強さに「ピアノ交響曲」と勝手に命名したが、後日読んだ音楽評論家の本の中に「ピアノ付きの交響曲」のようだ、との記事を見て誰しも感ずることは同じだ、と納得した次第。壮大・重厚な一方アダージョの第2楽章は、ロマンチックな美しいメロディで深く印象に残る。この曲はウィーンが動乱の最中で作曲されている。それはナポレオンがウィーンを占領(1809年)した頃だった。ウィーンの街は荒れ、ウィーンから逃れ出る人も多い中で、彼はウィーンに残っている。この戦争は半年ほど続き、終わると徐々に人々がウィーンに戻ってきた。そんな1809年~1810年の間に1年ほどかけて曲を完成している。この「皇帝」という名称はベートーヴェン自身が付けたものではなく、出版社が付けたもの。当時は楽譜を販売するため、販売する側が曲にキャッチコピーを付け売り上げ増大を図っていたらしい。誰が「皇帝」と命名したかは現在でも分かっていないが、今から見れば極めて適切なネーミングだったと言える。当時の皇帝と言えば「ナポレオン」を指すが、この「ピアノ協奏曲第5番」は、まさにナポレオンをイメージするような音楽に感ずることもできる。前述の如く作品の構想が大きく、感銘の崇高さからちょうど「皇帝」のようだ、と言うことで出版社が販売戦略からこの名称を付けたものだろう。この戦略は見事に成功している。
26.7.10、28.9.13、29.12.21、30.5.24 試聴済み Pf.グールド ストコフスキー指揮 アメリカン・シンフォニー
26.9.4、27.7.14、30.1.30 試聴済み Pf.ゼルキン 小澤征爾指揮 ボストン交響楽団
私のLP・・Pf.ベルミュテ ヴェッヒティンク指揮 ウィーン音楽祭管弦楽団
   LP・・Pf.ゼルキン バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
   CD・・Pf.アラウ ディヴィス指揮 ドレスデン・シュターツカペレ
   CD・・Pf.仲道郁代 ヤルヴィ指揮 ドイツ・カンマーフィルハーモニーブレーメン

ピアノソナタ第30番
30.12.27 試聴済み Pf.ウイルヘルム・ケンプ
私のCD・・Pf.ルドルフ・ゼルキン(1989年度レコードアカデミー賞受賞)

ピアノソナタ第31番
30.12.27 試聴済み Pf.ウイルヘルム・ケンプ
私のCD・・Pf.ルドルフ・ゼルキン(1989年度レコードアカデミー賞受賞)

ヘンデル 水上の音楽
この試聴会でハイドンは3回目の登場で極めて少なく、この有名な曲も初試聴だ。分類上古典派と称されるハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン(後期の音楽はロマン派に分類される)の中では極端に少ない。LPの遺贈者「五味康祐」の趣味とは少し距離があったのかも知れない。ヘンデルは1685年2月ドイツに生まれ、1759年4月イギリスで永眠している。75年の生涯の内、48年はイギリス、27年はドイツに居住していた。そして作品の大半はイギリス居住中に完成しており、我々もついヘンデルはイギリス人のように思いこんでしまう。
本日聴いた「水上の音楽」はもう一つの「王宮の花火の音楽」と双璧を成す彼の代表作だ。ステレオを購入しクラシックに魅入ったころ最初に購入したレコードの一つでもある。この「水上の音楽」は全部で27の楽章からなる組曲形式の大曲で演奏時間は優に60分を超す。今日ではその中からピックアップされいくつかの組曲が作られている。壮麗な序曲から始まり長閑な楽しい秋、舞曲、喜びのファンファーレなど夏の日の爽快な気分と楽しい空気を醸し、優雅な貴人の舟遊びに相応しい内容だ。実際に、当時の国王ジョージ1世の舟遊びの際演奏されたらしい。
私のLP・・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
   CD・・ジャン・クロード・マルゴリール指揮 ラ・グランド・エキュリー・エ・ラ・ジャンブル・デュ・ロワ

ハイドン  フルート協奏曲
初試聴。「フルートと弦楽のための協奏曲」という訳もある。この曲については、手元の音楽書には記載が無くwikipediaには作品のみ記載あるも詳細は不詳。その他netでも全く記載されていない。今後、図書館にでも出かけた際、検索してみたい。

ブラームス 交響曲第4番
26.8.5、30.4.5 試聴済み ケンペ指揮 ミュンヘン・フィル
28.7.21 試聴済み クライバー指揮 ウィーンフィル
30.6.5    〃   ワルター指揮 コロンビア交響楽団
私のLP・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル

ハイドン 交響曲第102番
ハイドンは生涯に108曲の交響曲を残しており、この試聴会でも44番「悲しみ」、88番、94番「驚愕」、95番、96番、97番、100番「軍隊」、101番「時計」の8曲を聴いているが、本日のこの102番は初試聴となる。
1794年ハイドンの2回目のイギリス滞在時に作られたもので、ハイドン最後の3つの交響曲の一つ。ベートーヴェンの師でもあっただけに大きな影響を与えた、と言われている。25分程度の短い曲だが、ゆったりとした序奏から始まり愁いを帯びた旋律が続き、第2楽章の独奏チェロとフルートの奏でるメロディは印象に残った。終盤のヴァイオリンも全体を盛り上げ緊張感を持って終わっている。ハイドンの交響曲の中でも優雅な趣があり、彼の特徴がよく出た曲だと思う。

ドヴォルザーク チェロ協奏曲
私のお気に入りの一つ。もともとチェロは好きな楽器だったが、このチェロ協奏曲に出会ってから決定的となった。以前にも書いているが、私の葬儀にはこの曲を流すようエンディングノートに明記している。静かに横たわる棺桶の中でこの曲を聴いている自分の姿を想像している。
ブラームスはドヴォルザークのチェロ協奏曲について、こう言ったそうだ。「こんな風にチェロ協奏曲が書けることにどうして気が付かなかったんだろう。気が付いていたら自分がとっくに書いていたのに・・・」と。もともとブラームスは8年後輩であるドヴォルザークの音楽を高く評価しており、彼に長期に亘る奨学金を与え目を掛けていた。この曲はドヴォルザークがアメリカ滞在時の最後の作品だけあって、アメリカ民謡から得た旋律のイメージを漂わせながらスラブの旋律と溶け合わせ、全体としては極めてスラブ的な音楽となっている。次々と繰り出されるメロディの豊かさには驚く。第1楽章のオーケストラの前奏部分が終わって独奏チェロが登場すると「待ってました!」と心の中で拍手する。また、第2楽章は全曲中の白眉で、独奏チェロの奏でる哀愁を帯びた旋律の美しさは陶酔境へと誘う。ノスタルジアに満ち溢れたセンチな情緒がチェロという楽器の持ち味である甘く情緒的な表現と直結して繰り広げられる。第3楽章のチェロの技術的で華やかな活躍もフィナーレに相応しく、私をメロメロにしてしまう魔力に満ちた名曲なのだ。
29.4.26 試聴済み Vc.シュタルケル ジェスキント指揮 フィルハーモニア管弦楽団
29.10.17   〃   Vc.ロストロポーヴィチ 小澤征爾指揮 ボストン交響楽団
私のLP、CD・・Vc.ピエール・フルニエ ジョージ・セル指揮 ベルリン・フィル

ブラームス 交響曲第3番
30.3.20、30.8.14 試聴済み ベーム指揮 ウイーン・フィル
私のCD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル

ドビュッシー 交響詩「海」
         牧神の午後への前奏曲

ラヴェル 「ダフニスとクロエ」第2組曲

リムスキー・コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」
               カラヤン指揮 ベルリン・フィル

交響詩「海」
27.8.11、30.4.17 試聴済み 本日の盤に同じ
27.8.18、28.1.26   〃    ブーレーズ指揮 ニューヨーク・フィル
30.3.15 試聴済み シャルル・ミンシュ指揮 パリ交響楽団
私のLP・・アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
牧神の午後への前奏曲
27.8.11、30.4.17 試聴済み 本日の盤に同じ
27.8.18、28.1.26   〃    ブーレーズ指揮 ニューヨーク・フィル
30.5.31 試聴済み オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
私のLP・・アンセルメ指揮 スイスロマンド管弦楽団

「ダフニスとクロエ」
27.8.11 試聴済み シャルル・ミンシュ指揮 パリ管弦楽団
            カラヤン指揮 ベルリン・フィル 同時に2曲試聴済み
29.4.6 試聴済み アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
30.5.31   〃   オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
私のLP・・ラヴェル名演奏集 Pf.サンソン・フランソワ

想曲と同じく音楽詩人としてのショパンの美しい詩情、強い情熱、艶やかな情緒に溢れた内容だ。1838年ショパンはジョルジュ・サンド(注.フランスの女流作家、男爵夫人。ショパンはリストの紹介で知り合い、その後の恋愛関係は有名)と共にマジョルカ島に渡り病気の静養をしていたが、その時にこの曲を完成させている。この前奏曲はショパンの全作品を通じての最高傑作とされている。全24曲からなり中でも第15番「雨だれ」(変ニ長調 OP.28-15)は有名だ。サンドは「僧院の屋根の上に落ちる雨だれの音を思わせる」と評したが、小暗い陰惨な妖怪のさ迷い歩くように思われる僧院。ショパンはマズルカ島の僧院にこんな感情を抱いていたと言われているから、この曲の背景にはそんな感情が漂っている感じがする。
余談ながら、第6番(ロ短調 OP.28-6)は悲愁な曲で、ショパンの葬式に演奏されている。
注.前奏曲=プレリュード
ルネサンス、バロック時代の音楽で、聖歌歌唱に先立って演奏される自由な形式のオルガン曲。さらに19世紀以降のピアノ曲で自由な形式の小品。ショパン、ドビュッシーの曲集が有名。
私のCD・・Pf.アダム・ハラシェヴィチ(前奏曲集 24曲)
   CD・・Pf.マルタ・アルゲリッチ(OP.28-4、28-7、28-15雨だれ、3曲収録) ( 珠玉のピアノ名曲集 全10巻)
ポロネーズ第6番「英雄」
28.8.23 試聴済み Pf.中村紘子
31.1.22   〃    Pf.マウリツィオ・ポリーニ
私のCD・・Pf.スタニスラフ・ブーニン(珠玉のピアノ名曲集 全10巻)

交響曲第40番
26.6.19 試聴済み ワルター指揮 ウィーン・フィル
26.8.28   〃    ケルテス指揮 ウィーン・フィル
27.2.24   〃   フルトヴェングラ指揮 ウィーン・フィル
27.8.20   〃    スゥイトナー指揮 シュターツカペレ・ドレスデン
29.6.6    〃   ジェフリー・テイト指揮 イギリス室内管弦楽団
私のLP・・ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
   CD・・フィリップ・キブソン指揮 ロンドン交響楽団
   CD・・ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮 チェコ・フィル
交響曲第41番「ジュピター」
26.10.16、27.7.30 試聴済み ベーム指揮 ウィーン・フィル
29.6.6 試聴済み ジェフリー・テイト指揮 イギリス室内管弦楽団
30.4.24  〃    ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
私のLP・・ダヴィッド・ジョセフォヴィッツ指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
   LP.・・ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
    CD・・サヴァリッシュ指揮 チェコ・フィル    

ショパン 24の前奏曲 OP.28
      ポロネーズ第6番変イ長調 OP.53「英雄」
      Pf.ゲザ・アンダ

モーツァルト 交響曲第40番 ト短調 K.550
          交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
          クレンペラー指揮
          フィルハーモニア管弦楽団

24の前奏曲
試聴会初登場。前奏曲と言う形式はショパンの独創になるもので夜

ショパン    ポロネーズ第5番嬰へ短調 OP.44
         ノクターン第7番嬰ハ短調 OP.27-1
         ノクターン第8番変ニ長調 OP.27-2
         バラード第1番ト短調 OP.23
         ノクターン第4番ヘ長調 OP.15-1
         ノクターン第5番嬰ヘ長調 OP.15-2
         ポロネーズ第6番変イ長調 OP.53「英雄」
         Pf.マウリツィオ・ポリーニ 

モーツァルト 交響曲第31番ニ長調 K.297「パリ」
          歌劇「魔笛」序曲 K.620
         「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 K.525
         フリーメーソンのための葬送音楽 K.477
         クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団

ショパン ポロネーズ第5番
ポロネーズは、16世紀後半にポーランドの宮廷を中心に起こった華麗な舞曲で、マズルカに比べ男性的な感じが強い。ショパンはこの舞曲形式を用いて独創的な名曲を完成している。彼の作ったポロネーズは全部で13曲あるが、有名なのは8曲あり、その中でも最大傑作と讃えられリストも激賞したのがこの第5番らしい。ただし、今日では難曲の故か演奏される機会が少なく、後述の第6番「英雄」の方が題名に相応しい名曲として定着している。
28.8.23 試聴済み 中村紘子
私のCD・・Pf.スタニスラフ・ブーニン(珠玉のピアノ名曲集 全10巻)
ノクターン第7番
30.10.11 試聴済み Pf.アルフレッド・コルトー
ノクターン第8番
今回初試聴。ノクターンは全部で20曲あり、第5番が最高傑作と言われている。この第8番は前述の第5番に次ぐ人気曲で、魅惑的なメロディーは実に優雅でもあった。これまでに聴いたノクターンは次の通り。
第2番、4番、5番、7番。
私のLP.・・Pf.ベンジャミン・オレン
バラード第1番
30.4.26、30.10.11 試聴済み Pf.ルービンスタイン
私のCD・・Pf.スタニスラフ・ブーニン(珠玉のピアノ名曲集 全10巻)
ノクターン第4番
30.10.11 試聴済み Pf.アルフレッド・コルトー
ノクターン第5番
28.8.23 試聴済み Pf.中村紘子
30.10.11  〃    Pf. アルフレッド・コルトー
ポロネーズ第6番
28.8.23 試聴済み Pf.中村紘子
私のLP・・Pf.ルーシ・パルハム(ホームクラシック名曲集 全12巻)

  CD・・Pf.スタニスラフ・ブーニン(珠玉のピアノ名曲集 全10巻)

モーツァルト 交響曲第31番「パリ」
初試聴。モーツァルトがパリ滞在中に作った唯一の交響曲。表題の「パリ」もそれに因んでつけられたもの。モーツァルトの子供時代は常に旅に明け暮れる日々であった。早くから神童としてその楽才を発揮したモーツァルトを、父親のレオポルトは広い世の中を見聞させ、才能を伸ばすべく演奏旅行をして回っていたからである。イタリア、ウィーン、パリ、ドイツ、イギリスなど・・・。
この第31番はモーツアルトが3年半ぶりに取り組んだ交響曲で、1778年(32才)に書かれたもの。華やかなパリを映してか内容的にも色彩感に溢れた感じの曲だった。珍しく3楽章編成の曲となっている。

私のCD・・ジェイムズ・レヴァイン指揮 ウィーン・フィル
    CD・・トレヴァー・ビノック指揮 イングリッシュ・コンサート(演奏集団)
歌劇「魔笛」序曲
30.10.18 試聴済み スウィトナー指揮 ベルリン・シュターツカペレ
私のCD・・ジェイムズ・レヴァイン指揮 ウィーン・フィル
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
初試聴。この曲は、正式には セレナード第13番ト長調 K.535
昔から良く耳にする曲で、この試聴会にしては遅い登場となった。モーツァルトは生涯に13曲のセレナードを残している。セレナードには、声楽と器楽曲がある。昔は恋人への思いを語る愛の歌で声楽曲のことだったが、ハイドンやモーツァルトの時代に入ると器楽曲となり、尊敬する人や富豪たちの祝日などに演奏されるようになった。モーツァルトの作った13曲の内でも最も有名なのがこの13番で1787年(31才)の作品。「アイネ・クライネ」とは「小さい」、「ナハトムジーク」とは「夜曲」と言った意味だが、この曲は他のセレナードとは異なり、弦5部で書かれているため、俗に「弦楽セレナード」とも呼ばれている。弦楽器の美しい流れが幻想的なメロディーを奏で聴いていて実に心地よい。
私のLP・・ダヴィッド・ジョセフォヴィッツ指揮 ウイーン音楽祭管弦楽団
   CD・・トン・コープマン指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団
フリーメーソンのための葬送音楽
初試聴。これまでに耳にしたことの無い曲だ。wikipediaによれば次の通り。
モーツァルトが秘密結社であるフリーメーソンに加入したのは1784年12月、以降亡くなるまでの7年間、会員だった。モーツアルト自身の作品目録に記録された言葉があり、それには「同志メクレンブルクとエステルハージの死去に際してのフリーメーソンの葬送音楽」と書かれている。この二人は共に貴族であり有力な結社員でもあった。モーツァルトは敬愛する二人の死を悼んで作曲、初演は二人の告別式11月17日に演奏されたと伝えられている。秘密結社というと些か穏やかでないが、自由・友愛を求め18世紀の初頭より結成された国際的な親善団体らしい。個人主義的な倫理を信条とする中産階級、特に知識人が構成メンバーの中心。曲は僅か8分程度の小曲だったが、葬送曲らしく悲痛なムードに満ちており、後の作品「レクイエム」に通じるものを感じた。

バッハ 
ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV.1046
ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV.1047 
ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調 BWV.1048
ブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調 BWV.1049
ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV.1050
ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV.1051
シャルル・ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団

ブランデンブルクと言えば、第2次世界大戦後、冷戦体制の象徴であった「ベルリンの壁」を思い出す。当時ドイツの首都ベルリンは、このブランデンブルク門を境に高い石の壁によって西と東に分断されていた。

R1('19)6.13
バルトーク 弦楽四重奏曲第5番    ベートーヴェン 弦楽三重奏曲第2番ト長調OP.9-1
        弦楽四重奏曲第6番               弦楽三重奏曲第4番ハ短調OP.9-3
        ジュリアード弦楽四重奏団          Vn.ハイフェッツ Va.プリムローズ
                                    Vc.ピアティゴルスキー
バルトーク
バルトークはこの試聴会ではあまり登場しない作曲家だ。30.8.21に彼の弦楽四重奏曲第1番、第2番(ヴェーグ弦楽四重奏団)を聴いている。本日の第5番、第6番は初の試聴となる。バルトークは弦楽四重奏曲を6曲書いているが、中でも第4番と第6番が名高い。この分野におけるベートーヴェン以降の最高傑作と称賛されている。バルトークは農民の間に埋もれていた古い民謡を1万種も蒐集し、その研究の成果により独自の作品を作ったのである。本日聴いた2曲もベートーヴェンやシューベルトなどの作品とは全く異なる極めて斬新なものだった。俗に言われる“バルトーク風のピツィカート”と言った特異なピツィカートが多用され、技術的にもすこぶる至難な作品ではないかと思う。私にとっては、なんとも難解な曲だった。ただし第6番の民謡情緒豊かな響きと色濃い憂愁の気分は深く心に残った。

ベートーヴェン
彼は5曲の弦楽三重奏曲を書いているが、いずれも20歳代に書いておりその後は書いていない。また同じ時期に弦楽五重奏曲を1曲書いており、この分野では30代、40代でも書いているが僅かに4曲に留まっている。一方、弦楽四重奏曲は死の前年まで書き続け32の作品を残している。私の頭の中にあるベートーヴェンの印象から見て、弦楽三重奏曲は弦楽四重奏曲を作る前の習作なのかと思うくらい“若い”作品なのだ。とにかく気楽に聴けるベートーヴェンだった。
ところで、弦楽三重奏曲は普段ほとんど聴くことがないが、それもそのはず現在では絶滅したジャンルなのだ。ある本によればは次のように解説されていた。例えば、これより歴史的に古い合奏協奏曲とか、教会ソナタとか言ったものは、近代になって復活したり、或いは形を変えて発展するなどしたが、はっきり「絶滅」といえるのがこの弦楽三重奏曲というジャンルである。その絶滅の原因は、弦楽四重奏曲の完璧さにある。弦楽三重奏がVn. Va. Vc.の3艇の楽器を使うのに対し、弦楽四重奏はそれにVn.を1本加えただけのものである。しかもそれは、最も美しい和声と音色の調和が得られ、しかも技巧と変化に富み、器楽合奏の最高の形式として全合奏曲中重要な地位を占めるものであった。そのため、すぐ近くを周回していた“小惑星”三重奏曲は、またたくまに弦楽四重奏曲の引力に引かれ、吸収されてしまったのである。何とも不運なジャンルだったのである。

      私のCD 
ショパン ワルツ集

ワルツ集
これまでの試聴会でコメント済みにつき今回は省略。ただし、子供たちにもなじみ深い次の曲が含まれており、聴いていて心地よい。
第4番 猫のワルツ 第6番 子犬のワルツ 第9番 別れのワルツ
30.7.12 試聴済み Pf.ゲーザ・アンダ
30.9.20   〃    Pf.クリスティアン・ツィメルマン
私のCD・・Piano Forte 「珠玉のピアノ名曲集」 Pf.マルタ・ルイサダ
   CD・・ホーム名曲集の内「華麗なるショパン」 Pf.ルーシ・パルハム
   CD・・ワルツ集(全19曲) Pf.ウラディーミル・アシュケナージ
ピアノソナタ第2番 OP.35
この曲は「葬送行進曲」の標題がついているだけあって、第3楽章の無限の慟哭が惻々として胸を打つ。これこそはショパンが亡きポーランドへ捧げた挽歌なのだ。ショパンはモーツァルトの音楽を愛しており、自分の葬儀にはモーツァルトの「レクイエム」を希望していた。1849年39歳で死亡したとき、このピアノソナタ第2番第3楽章も管弦楽の編曲で演奏されている。
30.10.11 試聴済み Pf.アルトゥール・ルービンシュタイン
私のCD・・Pf.マウリツィオ・ポリーニ
前奏曲 OP.45
30.9.20 試聴済み Pf.イーヴォ・ポゴレリチ
スケルツォ OP.39
30.9.20 試聴済み Pf.イーヴォ・ポゴレリチ
夜想曲第16番 OP.55-2
この曲は初試聴。
ただし、30.10.11 第2.4.5.7番試聴済み 29.9.12 第19番試聴済み
夜想曲(ノクターン)ほどショパンの特性の表れたものは無いと思う。限りなき魅惑、嫋やかな情緒の流れには陶酔せずにはいられない。深夜静かに本をめくり乍ら耳を傾けるには最高の音楽だ。一般には第2番、第8番、ノクターン中最も美しいと言われている第5番(嬰ハ短調 OP.15-2)が有名らしい。
30.9.20 試聴済み Pf.イーヴォ・ポゴレリチ 
私のCD・・Pf.エリーザベト・レオンスカヤ(Healing Classic NO.6ショパン夜想曲)
12の練習曲 OP.10-8  10-10  OP.25-6
練習曲と言うとつい安易に聞き流してしまいそうだが、ショパンの練習曲は単に練習のためだけではなく、芸術的にも深い内容を持ったものが多い。本日聴いたOP.10-8は、右手の激しい動きを求めるもの。また、OP.10-10はこの曲を完全に弾きこなせるものはピアノ演奏者として最高位に達したものとして評価される難易度の高い曲なのだ。練習曲の中で良く知られている曲に次のものがある。
別れの曲OP.10-3 黒鍵OP.10-5 革命OP.10-12 牧童OP.25-1 蜜蜂OP.25-2 木枯しOP.25-11
ショパンの練習曲は全部で27曲ある。即ち、作品10と作品25(各12曲、計24曲)+3つの新練習曲。
彼の作品をジャンル別に見ると次の通り。
エチュード(練習曲) 27曲
プレリュード(前奏曲) 26曲
ノクターン(夜想曲) 21曲
バラード(譚詩曲) 4曲
ポロネーズ(ポーランド系の3拍子の舞曲、男性的) 13曲 
マズルカ(同上 女性的) 56曲
これらの形式はいずれもショパンによって開拓、洗練され発展したもの。
30.9.20 試聴済み Pf.イーヴォ・ポブレッチ 

モーツァルト ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459
          ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
          P.マウリツィオ・ポリーニ
          カール・ベーム指揮 ウィーン・フィル

ショパン 24の前奏曲 OP.28
      P.マウリツィオ・ポリーニ

      幻想即興曲嬰ハ短調 OP.66
      P.アルトゥール・ルービンシュタイン

     私のCD
ショパン 24の前奏曲

R1('19)9.12

   私のLPジャケット
バッハ ブランデンブルク
    協奏曲(全曲)

R1('19)9.5

  私のCD
 ベートーウベン
チェロソナタ 全集

R1('19)9.3

ベートーヴェン チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 OP.5-1
          チェロ・ソナタ第3番イ長調 OP.69
          チェロ・ソナタ第4番ハ長調 OP.102-1
          チェロ・ソナタ第5番ニ長調 OP.102-2
          Vn.パブロ・カザルス
          P.ルドルフ・ゼルキン

初試聴。ベートーヴェンは5つのチェロ・ソナタを残している。バッハの「無伴奏チェロのための組曲」が“チェロの旧約聖書”に例えられるのに対してベートーヴェンの5曲のチェロ・ソナタは“新約聖書”に例えられている。5曲の中で最も有名なのが第3番イ長調作品69で、ベートーヴェンの創作意欲が燃え盛っていた1808年(38歳)に作曲されている。

     私のCD
   ドヴォルザーク
交響曲第9番「新世界より」

R1('19)8.27

初試聴。ヴィヴァルディは生涯に約650曲の作品を書いている。この内450曲余りが各種の独奏楽器のための協奏曲。彼自身がヴァイオリンの名手だっただけに、弦楽器のために書かれた協奏曲が主流となっているがまさに“協奏曲の王”と呼ばれるのにふさわしい数である。ある作曲家は「ヴィヴアルディは600余の作品を書いたのではなく、一つの作品を600余回書き換えた

モーツァルト ディヴェルティメント第15番変ロ長調 K.287
         交響曲第39番変ホ長調 K.543
         アルトゥーロ・トスカニーニ 指揮
         NBC交響楽団

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲ニ長調 OP.61
          Vn.ヨーゼフ・シゲティ
          アンタル・ドラティ指揮
          ロンドン交響楽団

ことから見ても、バッハがいかにこの曲を高く評価していたかがよく分かる。合奏曲集は全12曲からなっており、それぞれ違った独奏楽器と管弦楽の合奏形式とるものである。これら12曲の楽器編成などについては28.7.5試聴時に記載済み。 
28.7.5 試聴済み(第1番~第12番) クリストファー・ホグウッド指揮 
                       アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック
31.2.7 試聴済み(第7番、第8番) 本日の盤に同じ
私のCD・・「調和の霊感」OP.3 第2番 ト短調RV578 ラ・ストラヴァガンツァ東京 合奏団

R1('19)7.9

   私のLPジャケット
    ドヴォルザーク
  チェロ協奏曲 作品104

      私のCD
     モーツァルト
ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」

R1('19)6.25

ブラームスの悲しみは大きく、その時かねて作曲を進めていたレクイエムの完成を急がせることになった。実際には約10年の歳月をかけ1868年に完成し、翌年初演されている。この曲は必ず「ドイツ・レクイエム」と「ドイツ」を付けて呼ばれている。それは、通常のレクイエムがラテン語の歌詞を用いているのに対して、この曲ではドイツ語の聖書からとられた歌詞をつけ、純然たるドイツ的なものを作ろうとしたのであった。即ち、ブラームスはルーテルの訳したドイツ語の新・旧約聖書から歌詞を作り、新教的な内容を盛ったのである。この曲は全7楽章からなり、演奏には約90分を要する大作だ。その中で第2楽章の沈鬱な曲想は、母親を失ったブラームスの悲しみの深さがひしひしと伝わってくる感じがする。この試聴会(30.10.2)ではヴェルディのレクイエムを聞いた。また、私の持っているフォーレ、モーツァルトのレクイエムと比較して、本日聴いたブラームスのレクイエムは最も荘厳さに満ち感激すべきものだった。早速CDを購入した。
私のCD・・本日聴いたLPのCD版

ハイドンの主題による変奏曲
初試聴。この曲は「ハイドンの変奏曲」の略称や「聖アントニウスのコラールによる変奏曲」の別称もある。1873年に作曲された。先に2台のピアノ版が完成し、これが作品56-bとされた。一般には、管弦楽版の56-aが有名。8つの変奏曲からなる20分前後の小品。木管中心の伸びやかでゆったりとしたメロディが多く心が落ち着く。オーボエ、フルートの音色が印象に残った。

     私のCD
     ブルッフ 
ヴァイオリン協奏曲第1番

H31('19)4.16

ベートーヴェンはヴァイオリンソナタを10曲残している。中でもとくに有名なのが本日聴いた第5番「春」と第9番「クロイツェル」だ。ヴァイオリンソナタはベートーヴェンの作品群の中で、他のジャンルとは異なった特別な世界を形づくっている、と指摘されている。それは、ヴァイオリンソナタに共通する平和で柔和な表情のことだ。ほかの作品にみられるベートーヴェンの心髄とも言える運命とか高い理想に対峙する不屈の強い意思表示が極めて少なく(第9番・クロイツェルは例外)殆ど清楚で穏やかなものだからだ。本日聴いた5曲の中では、やはり第5番「春」が一番印象に残った。1800年(30歳)から翌年にかけて作られたものらしい。この時代のベートーヴェンはハイドンやモーツアルトの影響から脱して“傑作の森”の時代に入りかけたころで、彼の個性が作品の上に明確に表れ始めている、と言われている。この「春」という題名は、後の人によって付けられたもので、この曲の内容がいかにも春の到来を思わせるかのような明るさと幸福感に満ち溢れているからである。特に第1楽章の冒頭ピアノに乗って独奏ヴァイオリンの奏する伸びやかな旋律は実に美しい。第6番田園交響曲や第8番交響曲の一部に似ているとの指摘も頷けるものがある。
偶然ながら今日はベートーヴェンの命日(1770.12.17-1827.3.26)だった。
ヴァイオリンソナタ第5番「春」 
私のLP・・Vn.ピンチャース・ズッカーマン Pf.ダニエル・バレンボイム

     私のLPジャケット
   ドビュッシー 交響詩「海」

     私のCD
ヨハン・シュトラウス2世
    ワルツ集Vol.3

  作曲家年表                 classic  salon (本館)   
    1     2     3    4     5    6
        私のLPジャケット
          R.コルサコフ
 交響組曲「シェエラザード」

classic salon (通算No.8)

  私のCD
 ドビュッシー
前奏曲集第1巻

R1('19)9.10

ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集
         「ラ・チェートラ」 OP.9(全12曲)
         Vn.パウル・マカノヴィツキー
         ウラジミール・ゴルシュマン指揮
         ウィーン国立歌劇場室内管弦楽団

R1('19)8.22

        私のCD 
      ヴィヴァルディ
ヴァイオリン協奏曲集「ラ・チェートラ」

ヴィヴアルディと言えばあの有名な「四季」が頭に浮かぶが、この「調和の霊感」は内容の豊かさ、多彩さ、新鮮さで「四季」を含む「和声と創意への試み」に勝るとも劣らない傑作だ。若き日のバッハがヴィヴァルディの作品を熱心に研究したことは有名だが、この曲の大半をハープシコードやオルガンのための協奏曲に編曲している

 私のCD
ヴィヴァルディ
「調和の霊感」

   私のLPジャケット
   メンデルスゾーン
交響曲第3番「スコットランド」

R1('19)7.18

フォーレ ピアノ四重奏曲第2番ト短調 OP.45
      フェスティバル・カルテット
      Vn.ゴールドベルク Va.プリムローズ
      Vc.グランダン    P.バビン

       ヴァイオリンソナタ第1番イ長調 OP.13
       ヴァイオリンソナタ第2番ホ短調 OP.108
       Vn.フランチェスカッティ
       P.カサドシュ

ドビュッシー 前奏曲集第1巻
         P.レーヌ・ジァノリ  

  私のCD
 ベートーヴェン
ヴァイオリン協奏曲

R1('19)6.6

   私のLPジャケット
    ベートーヴェン
ヴァイオリンソナタ第5番「春」

ブラームス ドイツ・レクイエム OP.45
        ハイドンの主題による変奏曲 OP.56-a
        S.グンドラ・ヤノヴィッツ
        Br.エーベルハルト・ヴェヒター
        カラヤン指揮 ベルリン・フィル
        ウィーン楽友協会合唱団

ドイツ・レクイエム
今回初試聴。このレクイエムの作曲の動機については「恩師シューマンの死を悼むため」とか、「プロシャ・オーストリア戦争の戦死者を弔うため」などと、いろいろ言われている。しかし、直接の動機は彼の母親の死であった。ブラームスは大変母親思いの人だったが、彼がやっと世に認められたころの1865年(32歳)に急死した。

   私のCD
   ブラームス
  ドイツ・レクイエム

R1('19)5.28

  私のCD
   バッハ
管弦楽組曲第2番

令和1('19)5.16

   私のCD
   シューベルト
ピアノ三重奏曲第1番

H31('19)4.11

         私のCD
 歌劇序曲集「フィガロの結婚」

H31('19)4.2

     私のCD
オペラ ガラコンサート全集

 H31('19)3.28

 ベートーヴェン 
      ヴァイオリンソナタ第1番ニ長調 OP.12-1
      ヴァイオリンソナタ第4番イ短調 OP.23
      ヴァイオリンソナタ第5番ヘ長調 OP.24「春」
      Vn.グルュミオー Pf.ハスキル

      ヴァイオリンソナタ第7番ハ短調 OP.30-2
      ヴァイオリンソナタ第8番ト長調 OP.30-3
      Vn.フランチェスカッティ 
      Pf.ギャビー・カサドシュ

 第5番「春」のみ試聴済み。26.7.26 本日の盤に同じ。
 それ以外は本日初試聴。
 
 

   私のLPジャケット
    ベートーヴェン
ピアノ協奏曲第2番、第3番

H31('19)3.12

ボレロ
27.11.12 試聴済み カラヤン指揮 ベルリン・フィル
私のLP・・ラヴェル名演奏集 Pf.フランソワ
   CD・・ボレロ、スペイン狂詩曲 マゼール指揮 フランス国立管弦楽団
ボレロ、亡き王女のためのパヴァーヌ、スペイン狂詩曲
27.8.11、28.5.10、30.5.10 試聴済み 本日の盤に同じ
「ダフニスとクロエ」
27.8.11、28.5.10、30.5.10 試聴済み カラヤン指揮 ベルリン・フィル  
29.4.6 試聴済み アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
30.5.31   〃    オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
31.1.31   〃    カラヤン指揮 ベルリン・フィル
ワルツ集
28.2.25 試聴済み クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団

シベリウス 交響曲第2番
シベリウスと言えば、交響詩「フィンランディア」が浮かぶが、交響曲も7曲残している。4年前の2015年12月、彼の生誕150年で演奏会などで多くの曲が演奏された。その時聴いたヴァイオリン協奏曲ニ短調OP.47も素晴らしく、印象に残っている。本日聴いた交響曲第2番も評価は高い。イギリスの音楽評論家セシル・グレイは「シベリウスはベートーヴェン以降における最大の交響曲作曲家である」と言って絶賛している。やはりシベリウスは20世紀最高の交響曲作曲家の一人なのだ。彼の7つの交響曲の中では第1番、第5番、第7番も人気が高いが最も親しまれているのはこの第2番だ。この曲は第1番に見られたロシア音楽の影響を脱し、いかにもシベリウスらしい音楽となっている。特に、管楽器群をフルに活躍させた第3、第4楽章は素晴らしい盛り上がりで圧巻だ。また、北欧情緒がタップリの第2楽章も捨てたものではない。フィンランドの深い霧に包まれた湖の情景が目に浮かんでくるようだ。全曲を通じてフィンランドの民謡や舞曲を多く取り入れているため、田園的な感じが深くシベリウスの「田園交響曲」とも言われている。
27.7.23 試聴済み 本日の盤に同じ
28.3.10   〃    ラトル指揮 バーミンガム市民交響楽団
私のCD・・ユッカ・ペッカ・サラステ指揮 フィンランド放送交響楽団 (余談ながら第5番、第7番カラヤン指揮 ベルリン・フィル) 

 私のLPジャケット
ヘンデル 水上の音楽

H31('19)2.14

ヘンデル 水上の音楽
        ボイド・ニール指揮
        ボイド・ニール管弦楽団

ハイドン フルート協奏曲ニ長調
       Fl.クルトレーデル
       ハンス・スタッドルマイアー指揮
       ミュニック室内管弦楽団

ブラームス 交響曲第4番ホ短調 OP.98
        ブルーノ・ワルター指揮
        ニューヨーク・フィル

    

ヴィヴァルディ 「調和の霊感」 OP.3 第7・8番
         Vn.トマソー、ボスコフスキー
         マリオ・ロッシ指揮
         ウィーン国立歌劇場室内合奏団

バッハ 無伴奏チェロ組曲 第1・4・3・6番
     Vc.ヤーノシュ・シュタルケル

ヴィヴァルディ「調和の霊感」
ヴィヴァルディと言うと即座に「四季」が思い浮かぶが、本日聴いた「調和の霊感」(「調和の幻想」とも訳されている場合もある)は、その内容の豊かさ、多彩さで「四季」に匹敵する傑作なのだ。
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     私のCD
ブラームス 交響曲第3番

     私のCD
  ドヴォルザーク
チェロ協奏曲 作品104

H31('19)2.5

ハイドン 交響曲第102番変ロ長調
      ワルター指揮 ニューヨーク・フィル

ドヴォルザーク チェロ協奏曲ロ短調 作品104番
           Vc.ヤニグロ
           ディクソン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団

ブラームス 交響曲第3番ヘ長調 OP.90
        ワルター指揮 ニューヨーク・フィル

    私のCD
   モーツァルト 
交響曲第31番「パリ」

H31('19)1.22

ショパン ワルツ集 
      第4、5、6、9、7、11、10、14、3、8、12、13、1、2番
      Pf.ディーヌ・リバッティ

ショパン ピアノソナタ第2番変ロ短調 OP.35「葬送行進曲」
      前奏曲嬰ハ短調 OP.45
      スケルツォ第3番嬰ハ短調 OP.39
      夜想曲第16番変ホ長調 OP.55-2
      12の練習曲第8番ヘ長調 OP.10-8     
         第10番変イ長調 OP.10-10
         第18番嬰ト短調 OP.25-6
      Pf.イーヴォ・ポゴレリチ

          モーツァルト
 レクイエム ニ短調 K.626

  本 館
  作曲家年表
                classic  salon (別館)   
    7    8    9  10    

ぺートーヴェン ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 OP.7
ドビュッシー   前奏曲集第1巻
ショパン      前奏曲第25番嬰ハ短調 OP.45
           バラード第1番ト短調 OP.23
           スケルツォ第2番変ロ短調 OP.31
          P.アルトゥーロ・ベネデッティ・
                        ミケランジェリ

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第4番
初試聴。ベートーウベンはピアノソナタを32曲作っている。有名な“4大ソナタ”第8番「悲愴」、第14番「月光」、第21番「ワルトシュタイン」、第23番「熱情」とか、最後のソナタである第29番~第32番はこれ迄数回聴いている。

    

かつてベルリンは、ブランデンブルク公国の首都であったが、この曲はその公国のクリスティアン・ルートヴィヒに捧げられたもの。だが、そのために新たに作曲されたものではなく、それまでの曲の中から優れた作品を集めたものである。6曲ともすべて異なった組み合わせの独奏楽器のための協奏曲となっており、それぞれの曲が変化に富み極めて魅力的である。協奏曲とはいってもピアノとか、ヴァイオリンが単独で協奏するのではなく、各曲ごとに楽器の組み合わせが異なる合奏協奏曲となっている。
第1番ヘ長調
ヴァイオリン、ピッコロ(小型のヴァイオリン)がメイン楽器で、ホルン、オーボエ、ファゴットと一群の弦楽器が参加している。バッハの威厳に満ちた重々しい感じの深い曲だ。
第2番ヘ長調
トランペット、フリュート、オーボエの3管楽器とヴァイオリンを独奏楽器とする大協奏曲で贅沢極まりない。
第3番ト長調
ヴァイオリン、ヴィオラ、ヴィオローネとチェンバロといった弦楽器群ばかりの構成が描き出す世界は緻密で複雑、精巧を極めている感じ。
第4番ト長調
端的に言うとヴァイオリンと2つのフリュートのための協奏曲。然しながら、第1楽章と第3楽章では最もヴァイオリンが活躍するからヴァイオリン協奏曲に近い。全体的にヴィヴアルデイの作風に似通っている感じ。全体の中ではこの4番が私のお好みに合っている。
第5番ニ長調
チェンバロが一番働いている。バッハの作ったチェンバロ曲の中で最高の作品。技巧の極致か・・。
第6番変ロ長調
ヴィオラ、チェロ、ダブルバスを使用した曲で、曲趣が奥深い。

一般に、第2番、第3番、第5番が人気があるようだ。本日、約1年振りに全6曲通しで聴いたが、いろいろな楽器の音色が楽しめ、変化に富んだ内容で楽しめた。
26.6.5 試聴済み 第2番、第5番、第6番 コレギウム・アウレム合奏団
30.9.11   〃   第1番~第6番(全曲) ブリテン指揮 イギリス室内管弦楽団
私のLP・・第1番~第6番(全曲) カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団
                     第1番に日本人オーボエ奏者・宮本文昭が参加している。

  LP・・第3番 ワルター・ゲール指揮 ウィーンタートゥル交響楽団
   CD・・第1番~第6番(全曲) オットー・クレンペラー指揮 フィルハーモニアー管弦楽団
   CD・・第3番、第5番 カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団

モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための
               協奏交響曲変ホ長調 K.364
         Vn.ブランディス Va.カッポーネ
        管弦楽のための協奏交響曲 K.297b
        上記Vn.Vaに加えて
        Ob.シュタインス Cl.ライスター                   Hr.ザイフェルト Fg.ピークス
        カール・ベーム指揮 ベルリン・フィル

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調 OP.18
        練習曲集第1,2,5番
        P.ウラジミール・アシュケナージ
        キリル・コンドラシン指揮 モスクワ・フィル

      私のCD
モーツァルト 交響曲第39番

R1('19)8.20

ピアノ四重奏曲第2番
27.1.15、29.5.23 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・ヴィア・ノヴァ四重奏団 P.ジャン・ユボー Vn.レイモン・ガロワ・モンブラン Va.コレット・ルキアン
                      Vc.アンドレ・ナヴァラ
ヴァイオリンソナタ第1番、第2番
27.5.26、28.6.30 試聴済み Vn.ジャン・ジャック・カントロフ P.アラン・ブラーネス 
私のCD・・Vn.小林美恵 P.アラン・ロジェ

ドビュッシー 前奏曲集
27.11.17、29.4.18 試聴済み P.アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
28.9.27 試聴済み P.モニク・アース
31.3.14   〃    P.ロベール・カサドシュ
私のCD・・Pアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ

ベートーヴェン 交響曲第1番ハ長調 OP.21
           交響曲第2番ニ長調 OP.36
           カラヤン指揮 ベルリン・フィル

シューベルト 交響曲第7(9)番ハ長調 OP.944
         ベーム指揮 ベルリン・フィル

ベートーヴェン交響曲第1番
ベートーヴェンはこの曲を発表する前までに、ピアノや弦楽器などの作品を書きそれぞれの楽器の特性を十分に研究していた。そして1800年(30歳)に作曲されたこの第1番は、さすがに満を持して書かれただけあって記念すべき曲となった。

H31('19)4.30

        私のCD
ベートーヴェン交響曲第1番、2番

    私のLPジャケット
 ベルリオーズ 幻想交響曲

 H31('19)3.19

若き日のバッハがヴィヴァルディの作品を熱心に研究したのは有名だが、この曲の大半をハープシコードやオルガンのための協奏曲に編曲している。バッハがいかにこの曲を高く評価していたかがよく分かる。(その他詳細は28.7.5記載済み)
28.7.5 試聴済み 合奏協奏曲「調和の幻想」 作品3 第1番~第12番
            クリストファー・ホグウッド指揮 アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック

バッハ無伴奏チェロ組曲
バッハの時代にようやく独立性を持ちだしたチェロ、美しく柔らかな音色に魅入られたバッハは、これを使って6つの組曲を作った。当時のチェロは現在のチェロとは異なり5弦で、合奏部の低音を担当していたが、バッハがこの楽器に主役の座を与えた。今ではこの曲は“チェロの聖書”に例えられている。私も本日聴いたシュタルケルの奏するCDを持っておりしばしば聴くが、彼の演奏は深淵で躍動感もあり大いに気に入っている。チェロの音色を満喫するにはこの曲に限る。
30.12.13 試聴済み 本日の盤に同じ
私のLP・・無伴奏チェロソナタ組曲 第1番、第2番 Vc.イェルク・バウマン
   CD・・    同 上   第1番~第6番 Vc.ヤーノシュ・シュタルケル  

シェエラザード
この曲を聴くのは本日で6回目となるが、何回聴いても楽しくて飽きることがない。子供の頃熱中して読んだ「アラビアン・ナイト」の妃シェエラザードが主人公の冒険あり、お色気ありに加えてスリルに満ちた物語で、その雰囲気を音楽としたものだけあって楽しい事この上もない。「船乗りシンドバットの冒険」や「アリババと40人の盗賊」など、この歳になっても記憶に鮮明だ。R.コルサコフは「近代オーケストレーションの大御所」と言われているが、オリエンタルな旋律も多用し、彼のその持ち味が存分に生かされている。特に全楽章で繰り返されるヴァイオリンの奏でるシェエラザードの美しい主題は印象に残る。第3楽章「若き王子と若き女王」の抒情的な民謡風の二つの主題が互いにもつれ合いながら展開するのは二人が交わす愛の言葉だろうか・・・。甘美なクラリネットの旋律はそれを連想するに十分なもので、喜びに溢れた愛のメロディーなのだ。「アラビアン・ナイト」の雰囲気が全曲を包み一度耳にしたら忘れられない曲の一つだ。
27.3.10、28.5.31 試聴済み 本日の盤に同じ
28.2.2、28.7.7     〃    アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
29.5.30 試聴済み ストコフスキー指揮 ロンドン交響楽団
私のLP・・本日の盤に同じ

     私のCD
ショパン 24の前奏曲集

H31('19)1.24

H31('19)1.10

新春コンサートに相応しいプログラムだった。例年ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでおなじみの曲も多く、再度正月気分に浸った。個々の曲、演奏順を離れてシュトラウスについて記しておきたい。
ヨハン・シュトラウス1世(1804-1849年、オーストリア)
子供の頃にヴァイオリンをもらったことがきっかけで、音楽に興味を持ち、ワルツの発展に尽力し、後に「ワルツの父」と呼ばれた。1825年、アンナ・シュトライムと結婚、6人の子供に恵まれた。その中の一人が「ワルツ王」と呼ばれるヨハン・シュトラウス2世。子供が自分と同じ音楽へ進むことに反対だったらしい。このことについては後述する。
ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの定番曲「ラデッキー行進曲」は、新年の幕開けを祝うに相応しい軽やかで、華々しいマーチだ。然し、曲の裏側には単純に新年を祝えない背景がある。即ち、この曲はウィーン革命の真っ最中である1848年に作曲されている。曲名のラデッキーとは将軍の名前で、革命中に活躍した彼の凱旋祝賀会を盛り上げるための行進曲だった。もともとヨハン・シュトラウス1世は生まれ育った家庭も庶民的で、大衆音楽家として人気があり、当然革命側を支持するかのように思われていた。然しフランス国王から称賛されたり、上流社会との交流も豊富だったため結局は政府側についてしまったのだ。その結果、反革命と言うレッテルを貼られウィーンに住んでいられなくなり、ロンドンに逃げ出してしまった。このように大衆からは「裏切者」と思われようともその功績は大きい。生涯で150曲近いワルツを作曲し、ウィーンのワルツ形式を確立している。今こそワルツは優雅で上品なイメージだが、もともとは庶民的な音楽だった。それを彼が洗練された音楽に作り変えたのだ。
ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899年、オーストリア)
「ワルツ王」と呼ばれる2世は、幼いころは父親の強い反対から音楽教育を受けられなかった。父親の音楽界での成功を見て憧れを抱いており、父親には内緒でヴァイオリンを習ったらしい。6歳で既にワルツを作曲している。そして19歳で楽団を結成、その後次第に実力を発揮していった。本日聴いた「美しく青きドナウ」は、第2の国歌とも言われ大変人気の高い曲だ。それには次のような背景がある。1866年、オーストリアはドイツ連邦の主導権をロシアと争っていたが、イタリアからも攻められ、完敗に近い状況で終戦。オーストリア軍は約10万人の兵士を亡くし、国全体が深い悲しみに沈んでいた。そんな時、シュトラウス2世はウィーンに流れる川や、大きく聳え立ち変わらぬ山々に目を向ける。そして人間の世界では日々目まぐるしい変化が繰り広げられていようとも、自然はいつもと変わらぬ美しさで見守ってくれていることに気づいたのだ。そこで彼はウィーンの自然を歌った「美しく青きドナウ」を作曲した。曲を聴いていると、いかにも楽しく嬉しくなるようなイメージを抱くが、実際は真逆だったのだ。辛く悲しい混乱の中でふと気づいた、ささやかながら実は一番有難い自然の恵みを実感し、その喜びから誕生したのだ。だから軽快ではあるが深い悲しみの籠った曲なのだ。ふと、シベリウスの「フィンランディア」が頭をよぎった。ロシアの圧政下にあったフィンランドで愛国心を喚起した「フィンランディア」が第2の国家として歌われていることを・・・。

ウィーン市民
作曲はK.M.ツィーラー。初めて耳にする作曲家だ。Wikipediaによれば次の通り。軍楽隊の隊長を経て1908年ウィーンの宮廷舞踏音楽監督に就任。ウィーンナーワルツ最後の大家で、22のオペレッタのほか、約600曲の行進曲と舞曲を残している。「ワルツ王」のヨハン・シュトラウスの「市民舞踏会」と言うワルツに対し、ツィーラーは「ウィーン市民」と言うワルツで対抗した。人々が軍配を上げたのは「ウィーン市民」の方で、その評判は「ワルツ王」の作品を凌いだと言う。本日、初めて聴いたが市民が歓喜しそうな明るい曲だった。

今回初試聴 
シュトラウス1世 ラデッキー行進曲(前述の通り)
以下はコメント省略
シュトラウス2世 アンネン・ポルカ 加速度ワルツ 喜歌劇「ジプシー男爵」序曲 うわさ心 ウィーンの森の物語
以下はこれまでに試聴済みのものでそれぞれコメント済み。
26.10.16 喜歌劇「こうもり」 皇帝円舞曲 トリッチ・トラッチ・ポルカ  ベーム指揮 ウィーン・フィル
27.6.25、27.7.2 「美しく青きドナウ」」 トリッチ・トラッチ・ポルカ  ベーム指揮 ウィーン・フィル
私のLP・・シュトラウス2世 「春の声」 ピチカート・ポルカ 
ハンス・スワロフスキー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
   CD・・シュトラウス2世 ワルツ集VOL.3 ボスコフスキー指揮 ウィーン・フィル
   

H31('19)1.8
ヨハン・シュトラウス2世 喜歌劇「こうもり」序曲
          アンネン・ポルカ 「美しく青きドナウ」
          喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
          トリッチ・トラッチ・ポルカ 皇帝円舞曲
          カラヤン指揮 ベルリン・フィル

ヨハン・シュトラウス1世 ラデッキー行進曲 
ヨハン・シュトラウス2世 トリッチ・トラッチ・ポルカ うわき心
          加速度ワルツ ウィーンの森の物語
K.M.ツィーラー ウィーン市民 
          クナパーツ・ブッシュ指揮 ウイーン・フィル              

 

全体に規模が大きく、逞しい。チェロとピアノが対等にぶつかり合い、緊張感に満ちている。この第3番第2楽章スケルツォの旋律は、別の曲で聴いた事があり印象に残っているが、果たして何の曲だったのか思い出せない。
私のCD・・チェロ・ソナタ全集(第1番~第5番) Vc.ピェール・フルニエ P.ルドルフ・ゼルキン

クラシック サロン (別館)

のだ」と言っているが、確かにヴィヴァルディの音楽を数曲続けて聴いていると、そのような感じがしないでもない。しかし「調和の霊感」や「四季」を含む「和声と創意への試み」など聴いてみれば、一曲ごとに趣向を変え、伴奏などの書き方も変えている。本日聴いた「「ラ・チェートラ」は全12曲2時間近い長大な作品だったが、ハイテンポで躍動感のある明快なリズムが繰り返されかと思うと、美しい哀愁を帯びた旋律がヴァイオリンで高く歌われ聴いていて飽きることがない。
私のCD・・Vn. 曲ごとにソリスト交替                  
      イタリア合奏団 ミラノスカラ座を始めとするイタリア有数のオーケストラ首席奏者からなる合奏団
      で、ヴィヴァルディ演奏の最高峰ともいわれている。 
 
本日久し振りに全曲通しで聴き大いに感激した。ほぼ300年もの昔に創られたヴィヴァルデイの音楽が、今の時代に聴いても心に深くしみいるのはなぜだろうか。同様に、200年以上も経てベートーウベン、モーツァルトなども広く人類に愛され聴き継がれている。ある日本人の作曲家は「聴き減りのしない音楽」それが“クラシックの音楽だ”と言っている。現在、私たちの周辺にはいろいろなジャンルの音楽が洪水のように氾濫している。果たしてこれらの中から200年~300年後に残っている作品はあるのだろうか。或いは今、私たちが聴いているベートーヴェンやモーツァルトはどんな存在になっているのか・・・。想像ができない。     

ヴィヴァルディ 合奏協奏曲「四季」
          カール・ミュンヒンガー指揮
          シュトゥットガルト室内管弦楽団

テレマン フルートと弦楽のための組曲

モーツァルト フルートとハープのための協奏曲K.299
         Fl.エレーヌ・シェーファー
         Hp.マリリン・コステロ
         ユーディ・メニューイン指揮
         フィルハーモニア管弦楽団

 

モーツァルト ディヴェルティメント変ホ長調 K.563
          アダージョとフーガヘ短調 K.404a
          ケール三重奏団

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲ニ長調 OP.61
          Vn.メニューイン フルトヴェングラ指揮
           ルツェルン祝祭管弦楽団

ディヴェルティメント変ホ長調
「ディヴェルティメント」は、日本語では「喜遊曲」と訳されているが、もともとは「気晴らし」「楽しみ」と言う意味のラテン語からきているらしい。貴族たちの社交生活のいろいろな機会に用いられた娯楽のための音楽なのだ。現代流に言えば「BG音楽」だろうか・・・。

ピアノソナタ第30番、31番 試聴済み 30.12.27 P.ウイルヘルム・ケンプ  
       〃         試聴済み 31.3.12 本日の盤に同じ
私のCD(第30番~第32番) P.ルドルフ・ゼルキン(1989年度レコードアカデミー賞受賞)

これまでの試聴会で、本日のようにベートーヴェンのピアノソナタを6曲纏めて聴いたことはなかった。しかも、作られた年代順で、ベートーヴェンの心の変化も窺がわれ、さらに特徴のある2人の名ピアニストの競演だから印象に残るコンサートとなった。ベートーヴェンにとってはピアノソナタは特別な曲だと思う。生涯で交響曲、協奏曲、ピアノソナタ、弦楽四重奏曲、オペラ、声楽曲、ヴァイオリンソナタなどあらゆるジャンルの曲を書き、それらすべてのジャンルで傑作を残した稀代の大作曲家だが、生涯にわたり愛し書き続けたジャンルがピアノソナタなのだ。もともと、ベートーヴェンはピアニスト志望だった。生まれ故郷のボンからウィーンに出てきた16歳の頃は、優れたテクニックで聴衆を熱狂させている。当時はピアニストの公開対決なるものが、行われており彼はそれにも連戦連勝、無敵のピアニストだったらしい。ところが耳疾に襲われピアニストとしては致命的な事態となり一時、自殺まで考えるが不屈の闘志で思いとどまり、以降の人生は作曲家として生きてゆくことを決意した。その結果が今日の多くの傑作に繋がっているのだ。
標題があり有名なピアノソナタは次の通り。
第8番「悲愴」  第12番「葬送行進曲」  第14番「月光」  第15番「田園」  第17番「テンペスト」
第21番「ワルトシュタイン」  第23番「熱情」  第24番「テレーゼ」  第26番「告別」  第29番「ハンマーグラヴィーア」

     私のCD
    ブラームス
ヴァイオリンソナタ第1番

H31('19)4.23

ラヴェル ボレロ
      亡き王女のためのパヴァーヌ
      スペイン狂詩曲
      「ダフニスとクロエ」第2組曲
      シャルル・ミンシュ指揮 パリ管弦楽団

      ワルツ集「高雅で感傷的なワルツ」
      クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団

シベリウス 交響曲第2番ニ長調 OP.43
        アンドレ・プレヴィン指揮
         ピッツバーグ交響楽団
    

     私のCD
バッハ 無伴奏チェロ組曲

 H31('19)2.7

H31('19)1.31

       私のCD
 シベリウス 交響曲第2番

H31('19)2.26

      私のCD
    ベートーヴェン
ピアノソナタ第30番~第32番

 R1('19)5.23

        私のCD
 ヴィヴァルディ合奏協奏曲「四季」

R1('19)7.4

   私のLPジャケット
    ドヴォルザーク
  チェロ協奏曲 作品104

      私のCD
     ラフマニノフ
    ピアノ協奏曲第2番

R1('19)8.29

        私のCD
        フォーレ
ヴァイオリンソナタ第1番、第2番

R1('19)7.11