classic salon (通算No.9)

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  作曲家年表
                classic  salon (別館)   
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クラシック サロン (別館)

モーツァルト 交響曲第40番ト短調 K.550
          交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
          ベーム指揮 ウィーン・フィル

ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調 OP.77
        Vn.ダヴィッド・オイストラフ
        ジョージ・セル指揮
        クリーヴランド管弦楽団

ロッシーニ 歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲
         トゥリオ・セラフィン指揮
         ローマ歌劇場管弦楽団

モーツァルト 交響曲第40番
26.6.19 試聴済み ワルター指揮 ウィーン・フィル
26.8.28、29.8.17 試聴済み ケルテス指揮 ウィーン・フィル
27.2.24、試聴済み フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル
27.8.20 試聴済み スゥイトナー指揮 シュターツカペレ・ドレスデン
29.6.6 試聴済み ジェフリー・テイト指揮 イギリス室内管弦楽団
31.1.24 試聴済み クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団
私のLP・・ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
   CD・・フィリップ・ギブソン指揮 ロンドン交響楽団
   CD・・ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮 チェコ・フィル

モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」
26.10.16、27.7.30 試聴済み 本日の盤に同じ
29.6.6 試聴済み ジェフリー・テイト指揮 イギリス室内管弦楽団
30.4.24 試聴済み ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
31.1.24 試聴済み クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団
2.2.11 試聴済み ベーム指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
私のLP・・ダヴィッド・ジョセフォ・ヴィッツ指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
   LP・・ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
   CD・・サヴァリッシュ指揮 チェコ・フィル

ブラームス ヴァイオリン協奏曲
27.6.18、28.2.2、28.9.29 試聴済み Vn.ジノ・フランチェスカッティ バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
私のLP.・・Vn.リカルド・オドノポゾフ  カール・バン・ベルガ指揮 フランクフルト・オペラ座管弦楽団
   CD・・Vn.ナージャ・サレルノ・ソレバーグ エド・デ・ワールド指揮 ミソネタ管弦楽団

ロッシーニ 「セヴィリアの理髪師」
ロッシーニは1810年(18歳)、最初のオペラ「結婚手形」でデビューして以来、37歳までの間に38のオペラ
を書きイタリアばかりでなくパリやウィーン、ロンドンでも名声を誇る作曲家であった。全盛期にはあのベ
ートーヴェンですらロッシーニの人気の陰に隠れてしまったという。然しながら、作品の方は「セヴィリアの
理髪師」以外は、その後ほとんど上演されず、「ウイリアム・テル」や「アルジェリアのイタリア女」などの
いくつかの序曲が独立して演奏されるだけであった。もっとも、近年になってイタリアでは相当の数の
作品が復活上演されているらしい。
今回久し振りに「セヴィリアの理髪師」の序曲を聴いたが、実に軽快で快適な響き、流暢で伸びやかな旋律
と躍動するリズムに聴き入った。いま、世界を覆う新型コロナ・ウィルス禍の中、鬱積した閉塞感に一陣の
風が吹き抜けた感じだった。
27.4.16、30.5.29 試聴済み 本日の盤に同じ
私のLP.・・歌劇「ウイリアム・テル」序曲 ピェール・ミッシェル・ル・コント指揮 フランクフルト放送管弦楽団
     CD・・ウイリアム・テル/ロッシーニ序曲集 シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団 

交響曲第2番
28.8.9 試聴済み スウィトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
31.4.30 試聴済み カラヤン指揮 ベルリン・フィル
私のCD・・フランス・ブリュッヘン指揮 18世紀オーケストラ(古楽器演奏集団)
交響曲第3番「英雄」
過去の試聴会でも本日のように第1番~第3番を通しで聴いたことはなく、初めての体験。また自宅でも無かった。第3番「英雄」がベートーヴェンの生涯で、いかに大きな飛躍を遂げた作品であるかを、再確認させられた次第。この「英雄」は、当時の英雄ナポレオンに捧げる目的で作られていたが、人類に平和と自由をもたらす英雄として尊敬していたところ、こともあろうに皇帝に即位した、というニュースを聞き、怒りのため即座に献呈をやめ「シンフォニア・エロイカ-ある英雄の思い出のために」と書き直している。このように、この曲は決してナポレオンを賛美するものではなく、イタリア語で“英雄的”と言う「エロイカ」が示すように、人類のあらゆる英雄的な行為や精神を表そうとしたものである。
当時のベートーヴェンは耳の病気の悪化から絶望のどん底にあり、2人の弟に宛てた有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」(1802年10月)を残している。その中には、不幸に耐えなお生きようとする強い決意をのぞかせている。恐らく、「遺書」を書くことによって絶望を克服したのだ。
この遺書ののち1803年から05年にかけて彼の音楽はスケールの大きなものになってゆく。その最初の記念碑がこの交響曲第3番「英雄」であり、ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」或いは第23番「熱情」であった。第1番1800年(30才)、第2番1802年(32才)に比べ第3番1804年(34才)は明らかに大きな飛躍が感じられる。ハイドンやモーツァルトから受けた感銘から脱皮したベートーヴェン自身の姿が見えるのだ。私が最も心に感じた曲は、第2楽章のドラマチックな葬送行進曲。オーボエが秘めやかに奏でる葬送の主題の鎮魂のアダージョは至上の世界へと導いてくれる。
26.5.27、1.6.25 試聴済み 本日の盤に同じ
26.10.23、27.12.15、28.12.8、30.11.8 試聴済み スクロヴァチェフスキー指揮 読売日本交響楽団
26.12.18、28.10.13 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
29.4.25 試聴済み ネヴィル・マリナー指揮 アカデミー室内管弦楽団
29.8.24 試聴済み スウィトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
29.10.17 試聴済み ブロムシュテット指揮 ドレスデン・シュターツカペレ
私のLP・・アンドレ・クリュイタンス指揮 ベルリン・フィル
   CD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル

バッハ 管弦楽組曲(全曲)
            第1番ハ長調 BWV.1066
            第2番ロ短調 BWV.1067
              第3番ニ長調 BWV.1068
            第4番ニ長調 BWV.1069
            コレギウム・アウレウム合奏団

     ブランデンブルク協奏曲第5番
                     ニ長調 BWV.1050
            ブリテン指揮
               イギリス室内管弦楽団

管弦楽組曲
30.5.29 試聴済み(第3番、第4番) ベイヌム指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ・オーケストラ
30.12.13 試聴済み(第2番、第3番) 本日の盤に同じ
1.5.16 試聴済み(第2番) モントゥー指揮 ロンドン交響楽団
2.7.7 試聴済み(全曲) 本日の盤に同じ
私のCD・・第2番(CD全集) ギブソン指揮 ロンドン交響楽団 
   CD・・第2番、第3番 カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団 
   CD・・第3番(バロックフェスティバル) スイスバッハ管弦楽団
ブランデンブルク協奏曲
この曲は第1番から第6番までの6曲からなり、各曲ごとに楽器の組み合わせが異なるバラエティーに富んだ合奏協奏曲集。全体で90分程度を要し、本日聴いた第5番(約20分)が最も人気のある曲だ。フルート、ヴァイオリン、チェンバロが独奏楽器として使われているが、チェンバロの美しさが特に印象深い。これまでチェンバロは、通奏低音楽器として伴奏的な役割しか与えられていなかったが、バッハのこの曲によって鍵盤楽器のための協奏曲第1号が生まれたのだ。
非常に親しみやすい曲で、バロック音楽に馴染みがない人でも気安く聴くことができる。
協奏曲というのは、普通は独奏楽器の華麗な技術を示すための楽曲だが、この合奏曲は全く趣が異なる。2組の楽器の組が対峙するもので、このブランデンブルクの場合には、弦楽器の主体に対してトランペット、オーボエ、フルート及びヴァイオリンの四重奏が相対して合奏している。いつ聴いても飽きの来ない曲で、バロック時代への郷愁を誘う名曲だ。
26.6.5 試聴済み(第2番、第5番、第6番) コレギウム・アウレウム合奏団
30.9.11 試聴済み(全曲 第1番~第6番) 本日の盤に同じ
1.9.5 試聴済み(全曲 第1番~第6番) シャルル・ミンシュ指揮 ボストン交響楽団
私のLP・・全曲(第1番~第6番) カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団
      第1番に日本人のオーボエ奏者・宮本文昭が出演している。
   LP・・第3番 ワルター・ゲール指揮 ウィンタートゥル交響楽団
   CD・・第3番~第6番 オットー・クレンペラー指揮  フィルハーモニア管弦楽団
   CD・・第3番、第5番 カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団

J.C.バッハ シンフォニア変ホ長調 OP.9-2

W.F.E.バッハ シンフォニアニ短調

C.P.E.バッハ フルート協奏曲ニ短調
         Fl.及び指揮 クルト・レーデル
         ミュンヘン・プロアルテ室内管弦楽団

ハイドン 交響曲第88番ト長調「V字」
      交響曲第98番変ロ長調
      オイゲン・ヨッフム ベルリン・フィル
J.C.バッハ
初試聴。J.C.バッハはJ.S.バッハ=ヨハン.セバスティアンの従兄。ドイツバロックの作曲家、オルガニスト。バロック特有の心地よいリズムが続き、気持ちよく聴いた。
W.F.E.バッハ
初試聴。W.F.E.バッハはJ.S.バッハの孫で、バッハ直径最後の作曲家。叔父や父親を通じて、モーツァルトやハイドンの影響を受けており、気軽に聴ける楽しい曲だった。
C.P.E.バッハ
初試聴。C.P.E.バッハは最初の妻の次男で作曲家、グラヴィーア奏者。余談ながらJ.S.バッハは大変な子福者で、最初の妻に7人、後妻に13人の子供をもうけている。しかし、10人は夭折している。弟のJ.C.(ヨハン・クリスティアン)がモーツァルトを教え導いたように、カール・フィリップの作風は、ハイドンやベートーヴェンに多大な影響を与え、生前は父のヨハン・セバスティアンよりも有名だったらしい。兄弟の中では最も世俗的な成功を収めた。フルートの音色も美しく、宮廷音楽の雰囲気を感ずるものがあった。

ハイドン 交響曲第88番
29.5.30、30.4.19、30.12.11 試聴済み ワルター指揮 コロンビア交響楽団
30.10.23 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
 
私のCD・・オイゲン・ヨッフム指揮 ベルリン・フィル
ハイドン 交響曲第98番
初試聴。1792年の作曲。ハイドンは作品の中に多くの民謡など俗謡を取り込んでいるが、この曲も第2楽章アダージョの初めに英国国歌 God save the King を使って、ロンドンの聴衆を喜ばせたらしい。また、1792年3月初演の前年1791年12月、親子ほどに仲の良かったモーツァルトが亡くなり、その哀悼の意を込めて作ったと言われる交響曲第41番「ジュピター」の第2楽章、さらに「戴冠式ミサ」の一部にも共通した部分がある。第1楽章の疾走感ある軽快なリズム、第2楽章の荘厳さに満ちたアダージョ
第3楽章は華やかなメヌエット、そして最終章はヴァイオリンの独奏、最後にチェンバロの独奏で終結。変化に富んだ内容で印象に残る曲だった。
私のCD・・オイゲン・ヨッフム指揮 ロンドン・フィル

フォーレ ヴァイオリン・ソナタ第1番
27.5.26、28.6.30 試聴済み Vn.ジャン・ジャック・カントロフ P.アラン・プラーネス
1.7.11 試聴済み Vn.フランチェスカッティ P.カサドシユ
私のCD・・Vn.小林美恵 P.アラン・ロジェ

ヘンデル ヴァイオリン・ソナタ第4番
26.7.10 試聴済み 本日の盤に同じ

ルクレール ヴァイオリン・ソナタ
初試聴。私にとってはあまり馴染みのない作曲家。手元の文献によれば次の通り。
ジャン=マリー・ルクレール(1697-1764年)はフランス・リヨン
生まれのバロック音楽の作曲家。18世紀フランスのヴァイオリン演奏の巨匠。1733年、ルイ15世の王室付き音楽師に任命されるが、意見の相違から1737年に辞任。その後はヘンデルの弟子で優れたクラブサン奏者に仕え楽長として活躍。1758年、結婚生活の破綻から人目を避けて貧民街に隠れ住み、数年後惨殺死体となって発見された。事の真相は不明だが、別れた妻がカギを握っている可能性がある、と言われている。この事件を扱ったミステリー小説「ジャン=マリー・ルクレール殺人事件」が有名らしい。
初めて聴いた音楽だが、ドイツバロックと異なりフランスバロックとでも言うのだろうか小気味よいテンポと明るいメロディは楽しいものだった。

ヴェラチーニ ヴァイオリン・ソナタ
H28('16)7.28彼の作品ソナタイ長調(作品1-7)を聴いているが、平素は殆ど聴く機会がない。
フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(1690-1768年)は、イタリア後期バロック時代の作曲家、ヴァイオリニスト。バロック音楽は私的にはヴィヴァルディ中心で馴染み深いものがあるが、ヴェラチーニの曲も聴きなれた感があり心地よい曲だった。

タルティーニ ヴァイオリン・ソナタ
初試聴。ヴェラチーニ同様あまり聴く機会のない作曲家。彼の作品はH28('16)7.28ソナタト長調「悪魔のトリル」を聴いている。ジュゼッペ・タルティーニ(1692-1770年)は、前述のヴェラチーニと同時代の人物で、作曲家・ヴァイオリニストで、最も有名な作品は上記の「悪魔のトリル」(詳細は28.7.28)。彼の作品はほぼ全てがヴァイオリン協奏曲とヴァイオリン・ソナタ(全部で30曲)である。ヴァイオリニストとして、超絶技巧の持ち主であっただけに内容的にも非常に難易度が高く250余も昔の曲とは信じ難いものだった。

モーツァルト ヴァイオリンとビオラのための二重奏曲
初試聴。以下Wikipediaによれば、1783年に2曲まとめて作曲されている。演奏・録音はそれほど多くないが、モーツァルトが弦楽四重奏曲の傑作「ハイドン・セット」(1782-1785)を作曲していた円熟期の名作であり、弦楽器による二重奏曲の分野では代表的な作品とされている。
モーツァルトの友人でありハイドンの弟であるミシェル・ハイドンのためにこの曲を書いている。これはミシェルが作曲するはずのものだったが、病気になり果たすことが出来なくなり、友情に厚いモーツァルトが代わって作ったもの。曲もいかにもハイドンらしく書かれている。弦楽器の兄弟ともいうべきヴァイオリンとビオラが、モーツァルトによって華やかなものとなっている。

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 OP.131
          弦楽四重奏曲第15番イ短調 OP.132
          弦楽四重奏曲第16番ヘ長調 OP.135

弦楽四重奏曲第14番
27.11.10、28.3.10 試聴済み ラサール弦楽四重奏団
30.8.21 試聴済み ブタベスト弦楽四重奏団
30.11.20   〃   本日の盤に同じ
私のCD・・バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル(弦楽合奏版)
   CD・・ラサール弦楽四重奏団
弦楽四重奏曲第15番
27.4.30、28.1.28 試聴済み ラサール弦楽四重奏団
30.10.25 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・ラサール弦楽四重奏団
弦楽四重奏曲第16番
ベートーヴェンは9つの交響曲を頂点として、16の弦楽四重奏曲、32のピアノソナタなど多くの分野で新しい世界を切り開いた音楽史上燦然と輝く、将に“楽聖”なのだ。その彼が、人生の最後に創ったのが弦楽四重奏曲第12番~第16番の5曲だが、それまでに彼が創ってきた音楽とはまるで趣が違う。彼が背負ってきた人生の苦悩から解放された穏やかな世界が広がっているのだ。象徴的なのが死の4ケ月前に書かれた第16番だ。全体を寂寥感が包み、軽く漂うような感じの第1楽章。第2楽章は哀切極まりない旋律が心に迫る。そして第3楽章は人生の余韻に浸るような世界が広がる。終楽章では不思議な音楽となる。冒頭の暗く不気味な旋律は、何かを問うているように聴こえる。自筆譜には彼自身の手で「そうであらねばならぬか?」と言う言葉が書かれている。そしてそれに答えるかのような明るい旋律に「そうであらねばならぬ」と書かれている。この二つの言葉の意味は不明である。運命と戦い続けた天才作曲家は、最後の曲で永遠に解き明かすことのできない謎を我々に残して世を去ったのだ。
この謎めいた言葉は、多くの研究者によって種々の説が発表されている。これまでの人生から見て「葛藤」から「決心」へと気持ちが切り変わり、開放感に至る心境が表現されていると思われる。心安らかに旅立ったのではないだろうか。私は、そう思う。
27.4.21、30.2.6 試聴済み ラサール弦楽四重奏団
30.10.25 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル(弦楽合奏版)
   CD・・ラサール弦楽四重奏団 

シベリウス ヴァイオリン協奏曲ニ短調 OP.47
       Vn.ヤッシャ・ハイフェッツ
       ワルター・ヘンドル指揮 シカゴ交響楽団 

       交響曲第4番イ短調 OP.63
       エルネスト・アンセルメ指揮
        スイス・ロマンド管弦楽団 

       交響曲第2番ニ長調 OP.43
       アンドレ・プレヴィン指揮
       ピッツバーグ交響楽団

ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリニストを志したこともあるシベリウスの唯一のヴァイオリン協奏曲。1903年完成、翌年に初演されたが、評判は芳しくなく大幅な改定を行い、現在演奏されているのは1905年完成の改訂版。
第1楽章は全曲の約半分を占める長大な楽章で17分弱を要する。全体に北欧的なムードに溢れ、シベリウスの愛したフィンランドの自然を彷彿とさせる幻想的で美しい旋律が多く使われている。特に第1楽章の独奏ヴァイオリンとオーケストラが激しく火花を散らす場面はすばらしい。
私の持っているCDは「五嶋みどり」の演奏するものだが、10代前半に天才少女として華々しく登場した彼女も今や49歳のベテランで、世界的ヴァイオリニストの一人だが、1986年(14才)バーンスタイン指揮ボストン響との共演で2度にわたり弦が切れるアクシデントに見舞われるも、即座に代わりの楽器で演奏を完遂したエピソードなど、つい最近のように思い出す。終了後、あのバーンスタインも脱帽、アメリカの教科書にも取り上げられ、世界的な話題となっている。その後、彼女は「みどり教育財団」を設立し、社会貢献や教育活動にも熱心で、また国連平和大使としても音楽家の枠を超えた活動をしており、日本人として大いに誇れる音楽家なのだ。
27.6.2、30.5.31、1.11.26 試聴済み Vn.チョン・キョンファ アンドレ・プレヴィン指揮 ロンドン交響楽団
27.9.17 試聴済み 本日の盤に同じ
28.6.30   〃    Vn.フランチェスカッティ バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
私のCD・・Vn.五嶋みどり ズービン・メータ指揮  イスラエル・フィルハーモニー

交響曲第4番
26.8.19、28.7.12 試聴済み 本日の盤に同じ

交響曲第2番
27.7.23、31.2.26 試聴済み 本日の盤に同じ
28.3.10 試聴済み ラトル指揮 バーミンガム市民交響楽団
私のCD・・ユッカ・ペッカ・サラステ指揮 フィンランド放送交響楽団 
 

ベートーヴェン 交響曲第4番変ロ長調 OP.60
          交響曲第6番ヘ長調 OP.68「田園」
            交響曲第5番ハ短調 OP.67「運命」
          ヴイルヘルム・フルトヴェングラ指揮
          ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

交響曲第4番
26.8.5 試聴済み クライバー指揮 バイエルン国立管弦楽団
26.10.23、27.12.15、28.12.8 試聴済み スクロヴァチェフスキ指揮
                         読売日本交響楽団
27.3.17 試聴済み 小澤征爾指揮 水戸室内管弦楽団
27.4.16、28.3.31 試聴済み スィートナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
27.7.2 試聴済み ベーム指揮 ウィーン・フィル
28.1.14、30.5.3 試聴済み カラヤン指揮 ベルリン・フィル
私のCD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル
交響曲第6番「田園」
これまでに交響曲第4番は10回、第5番「運命」は18回、第6番「田園」は5回試聴会で聴いている。その都度雑感を記しているが、今回は試聴回数最少の第6番「田園」について、少しメモしておきたい。
ベートーヴェンが第5番「運命」に続いて作曲したこの第6番「田園」は、自然の中に身を遊ばせた、穏やかな心和むゆったりした曲だ。それと言うのも、彼が静養のためにしばしば逗留したウィーン郊外のハイリゲンシュタットの田園風景が舞台となっているからだ。彼の伝記などでしばしば登場する、やや下向きで山野を散歩する些か暗く沈んだ姿は、このハイリゲンシュタットが舞台である。しかし、この地で過ごした彼の時間が平穏だったわけではない。むしろ最も苦しい時を過ごしたのがこの地であり、死を決した遺書も書いている。それを思い止まらさせたのがハイリゲンシュタットの自然の温かさだったのだ。そんな苦境と安らぎの時間の集積がこの「田園交響曲」に結実したのだろう。この曲は珍しくベートーヴェン自身が「田園交響曲」と標題をつけており、各章にもそれぞれ標題がある。第1楽章「田舎に着いた時の目覚めの喜び」、第2楽章「小川のほとりの情景」、第3楽章「田舎の人々の楽しい集い」、第4楽章「雷雲ー嵐」、第5楽章「牧人の歌、嵐の後の喜びと感謝」。曲全体の標題としても「田舎の生活の思い出」と題されている。いかに彼がこの曲へ特別の思い入れを持っていたかが窺がわれる。
特に印象深いのは第1楽章「田舎に着いた時の目覚めの喜び」の冒頭部分だが、オーストリアの田園地帯やモラヴィアの農村などに伝わっていた民謡のメロディをヒントにしているという。ベートーヴェンの他の曲にもこれらの旋律が度々出ており、その都度心の中で“ニヤッ”としている自分に気づくときがある。また、第2楽章にはホトトギスやウズラ、カッコウなどの鳴き声をフルート、オーボエ、クラリネットで聴かせる遊び心も見られる。嵐の情景が牧歌的な雰囲気を漂わせるベートーヴェンのもう一つの面が窺える優しい曲で、「英雄」、「運命」などの勇壮な曲と対極にある曲なのだ。
26.12.2 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル
28.1.14   〃    プロムシュテット指揮 ドレスデン・シュターツカペレ
              リスト編曲 P.シブリアン・カツァリス
28.6.7    〃    スイトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
29.1.24   〃    グシュルバウアー指揮 ニューヨーク・フィル
私のLP・・ワルター指揮 コロンビア交響楽団 ※天下の名盤と言われている
   CD・・本日の盤に同じ
   CD・・アーノンクール指揮 ヨーロッパ室内管弦楽団
交響曲第5番「運命」
26.8.7 試聴済み マゼール指揮 クリーヴランド管弦楽団
26.8.11、28.4.19、29.10.31 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル
26.9.4、27.7.14 試聴済み 小澤征爾指揮 ボストン交響楽団
26.10.23、27.12.25、28.12.8 試聴済み スクロヴァチェフスキ指揮 読売日本交響楽団
26.12.2、30.11.8 試聴済み 本日の盤に同じ
27.4.21 試聴済み スイトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
27.5.21   〃    スクロヴァチェフスキ指揮 NHK交響楽団
27.6.16、29.9.5 試聴済み  リスト編曲 P.グレン・グールド
27.8.20 試聴済み バーンスタイン指揮 バイエルン放送交響楽団
28.9.6、30.5.24 試聴済み ブーレーズ指揮 ニューヨーク・フィル
私のLP・・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
   LP・・ジョセフォヴィッツ指揮 ハンブルグ交響楽団
   CD・・リスト編曲 P.グレン・グールド
   CD・・フィリップ・ギブソン指揮 ロンドン交響楽団  

演奏するにはかなり難しい曲だが、国際指揮コンクールの課題曲の常連と言われている作品で、その世界では人気のある曲らしい。ハンガリー生まれのバルトークは、晩年の1940年(59歳)ナチスに追われアメリカへ亡命した。しかしアメリカでは殆ど知られていなかったこともあり生活は苦しく、その上命を奪うことになる白血病に冒されてしまう。この曲はそうした彼の窮状を救うために大指揮者クーセヴィツキーが依頼したもので、1943年クーセヴィツキーの指揮するボストン交響楽団によって初演された。「協奏曲」とはなっているが、通常の協奏曲とは異なり、バルトーク自身「様々な楽器を独創的、あるいは協奏的に扱おうとした」と述べているように、いろんな楽器の聴かせどころが多いのが特色らしい。
舞踏組曲
初試聴。1923年に作曲された管弦楽曲で舞踊組曲とも呼ばれる。演奏時間17分前後の比較的小品。祝祭向けに作られており華やかな部分が多く、ハンガリー風の旋律以外にもルーマニア風、アラブ風など民謡的な色彩に彩られている。初演当時から好評で、ヨーロッパ各地で多く演奏されたらしい。明るく楽しい曲だった。

ホルスト 「惑星」
初試聴。宇宙の音楽と言えば、SF映画「スター・ウォーズ」や「未知との遭遇」などに使われた映画音楽が有名だが、クラシック音楽ではこの組曲「惑星」が最もポピュラーだ。ホルストはこの曲で太陽系の地球を除く7つの惑星の占星術から見た性格を描いている。組曲は次の7曲からできている。
1.火星 戦争(戦いをもたらす者)
2.金星 平和をもたらす者
3.水星 翼のある使者
4.木星 快楽をもたらす者 組曲中最もポピュラー
5.土星 老いをもたらす者 ホルスト自身最も気に入っていた曲で、組曲中最長の曲
6.天王星 魔術師
7.海王星 神秘主義者
ヨーロッパでは昔から占星術が盛んだったが、人間が示す星への感情、空に輝く美しさと運行の不思議さなど宇宙の広大さ、神秘さを音楽で見事に表現している。身近なところでは、歌手の「平原綾香」がCDデビューで、この「惑星」の第4楽章、木星jupiterの旋律に日本語の歌詞をつけて歌い大ヒット、私たちにとって馴染み深い曲となっている。
私のLP・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル

ベートーヴェン 交響曲第8番ヘ長調 OP.93
          ヴイルヘルム・フルトヴェングラ指揮
          ストックホルム・フィルハーモニー
                          管弦楽団

          交響曲第9番「合唱」ニ短調 OP.125
          S.エリザベート・シュヴァルツコップ
          A.エリザベート・ヘンゲル
          T.ハンス・ホップ
          Bs.オットー・エーデルマン
          ウイルヘルム・フルトヴェングラ指揮
          バイロイト祝祭管弦楽団 合唱団
交響曲第8番
ベートーヴェンは耳の病気が悪化してから、いろいろな補聴器の厄介になっていた。彼のために補聴器を作った人の中にメトロノームの発明者でもあるメルツェという男がいた。彼が1812年ロンドンへ旅立つことになり送別パーティが開かれた。その席上ベートーヴェンはメルツェとメトロノームを歌い込んだユーモラスなカノン(輪唱)を作り皆で歌った。彼はその旋律を、その後まもなく着手したこの第8番の第2楽章の主題として用いたという。この曲は、随所に上機嫌なベートーヴェンが顔を出しているような無邪気な明るさに満ち、彼の全音楽の中でも珍しい笑いのある曲となっている。
私たちが知っている「英雄」や「運命」の勇壮で情熱的な作品と違って、この曲のように明るく穏やかな作品の方が、普段のベートーヴェンの気分に近いものだったのではないか・・・、と述べている音楽評論家もいる。本日久し振りに聴いて第2楽章の軽快でユーモラスなそして無邪気な曲調には大いに魅かれるものがあった。
26.7.31 試聴済み アバド指揮 ウィーン・フィル
27.4.30、27.12.10、28.3.17、29.12.28 試聴済み スイトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
私のCD・・プロムシュテット指揮 シュターツカペレ・ドレスデン
   CD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル
交響曲第9番
26.7.26、30.12.21 試聴済み ベーム指揮 ウィーン・フィル ウィーン国立歌劇場合唱連盟
26.8.11 試聴済み フルトヴェングラー指揮 バイロイト祝祭管弦楽団 合唱団
27.1.20   〃    ヨッフム指揮 ロンドン交響楽団 合唱団
28.8.9     〃    スゥイトナー指揮 シュターツカペレ・ドレスデン ドレスデン国立歌劇場合唱団
                                           ライプツィヒ放送合唱団
29.12.28   〃    ライナー指揮 シカゴ交響楽団 合唱団
私のLP・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル ウィーン楽友協会合唱団 
   

      私のCD 
     ブルックナー
交響曲第4番「ロマンティック」

R2('20)7.2

モーツァルト 交響曲第31番ニ長調 K.297「パリ」
         交響曲第38番ニ長調 K.504「プラハ」
         オットー・クレンペラー指揮
         ニューフィルハーモニア管弦楽団

ブルックナー 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
         ルドルフ・ケンペ指揮
         ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

モーツァルト 交響曲第31番「パリ」
31.1.22 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・ジェイムズ・レヴァイン指揮 ウィーン・フィル
   CD・・トレヴァー・ビノック指揮・チェンバロ イングリッシュ・コンサート(演奏集団)

モーツァルト 交響曲第38番「プラハ」
28.10.6 試聴済み ベーム指揮 ベルリン・フィル
1.10.3    〃   クーベリック指揮 シカゴ交響楽団
私のCD・・ジェイムズ・レヴァイン指揮 ウィーン・フィル

ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」
彼が残した9つの交響曲の中では最も有名な代表作で「ロマンティック」と言う標題は彼が付けたもの。ドイツの奥深い森で味わう神秘的な感情を表し、いわばブルックナーの“田園交響曲”と言ってもよい作品となっている。本日久し振りに聴いたが、他の名曲とは異なる世界が広がり、改めて彼に親しみを感じた。ブルックナーは澄明な音の世界、大教会に鳴り響くパイプオルガンの神々しさの中に、音楽の世界を見出している。
第1楽章は森の静かなささやきの中にホルンが響き、深い森の姿が出る。嵐が訪れ一瞬森はざわめくが、また元の姿に帰る。第2楽章は挽歌、悲しみの抒情が漂い標題の「ロマンティック」に最もふさわしい楽章だ。第3楽章はスケルツォ「狩りの主題」と記されており、狩人たちの前で演じられる舞曲。第4楽章フィナーレは「民衆の祭り」で各章の主題が表れ、渦を巻き溶け合い融合している。
ブルックナーが残した9つの交響曲の中で最も有名な曲、と言われているのも頷ける名曲だ。彼の作品らしく約70分の長大な作品だった。
27.1.8、29.5.23 試聴済み テンシュテット指揮 ベルリン・フィル
27.10.20 試聴済み テンシュテット指揮 ロンドン・フィル
28.1.28    〃    本日の盤に同じ
私のCD・・シノーボリ指揮 シュターツカペレ・ドレスデン
 

   

2/27以来の久しぶりの試聴会となった。新型コロナウィルスによるパンデミックにより世界的に各種イベント、集会が禁止・抑制されてきたが、少し収束の兆しが見えだした今、手探り状態で各地のイベントなどが開かれつつある。この試聴会も5/28より従前どおり週2回開かれるようになった。ただし、午前中のみ、定員も6名とソーシャルディスタンスを守る配慮がされている。

マーラー 交響曲第2番「復活」
「人が永遠に生きるためには、まず死ななければならない」と言う言葉を残したマーラーは、死後の世界に永遠の理想郷を見ていた。彼の作品にはそうした死の後に来る理想郷への切ない憧れを謳い上げたものが多い。本日聴いた「交響曲第2番」はその最も代表的なものと言われている。
1894年(34歳)マーラーが敬愛していた大指揮者ハンス・フォン・ビューローの葬儀に参列したとき、教会に鳴り響く詩人クロプシュトックの書いた詩「復活」を聴き、とっさにその時書きかけていたこの曲にそれを使おうと考えついたのである。全体で演奏時間80分を超える大曲で、彼自身が「葬送の儀式」と呼んだ第1楽章の劇的な展開も素晴らしいが、アルトとソプラノ、合唱の入る第5楽章も「復活」の名に相応しい荘重でスケールの大きな音楽だ。一般的な交響曲の4楽章編成ではなく、第5楽章迄ありしかもその第5楽章の演奏時間が全体の4割を占める。また、第3楽章から最終第5楽章まで切れ目なく演奏される。
余談ながら演奏時間はその時々で大きな差がある。速い演奏だとオットー・クレンペラー指揮の1950年、シドニー交響楽団のライブ録音で68分。遅い演奏だと同指揮者のニュー・フィルハーモニア管弦楽団の録音で99分と言うのが有名らしい。因みに、私のCDは79分52秒、本日の演奏も大体80分程度だった。
とかくマーラーは“曲が長い”という印象が付きまとうが、じっくり聴くと、心に響くものがあり他の作曲家にはない独創的な面の多さに気づくのだ。
27.1.27 試聴済み オットー・クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団、合唱団
私のCD・・ブルーノー・ワルター指揮 ニューヨーク・フィル ウエストミンスター合唱団 
注.指揮者ワルターはマーラーに直接教えを受けただけに、マーラーの本質を聴き手に訴えてくるようだ。私のお気に入りのCDの1枚。

モーツァルト モテット
初試聴。モテットと言うのは12世紀から近代にかけて行われた教会合唱音楽のことだが、独唱用、器楽伴奏用、世俗的なものなどがあるが明確な定義を下すことは難しい。モーツァルトのこの曲は聖女マリアを讃えたものでソプラノの独唱とオーケストラのために書かれたもの。3つの楽章からできており第3楽章のアレルヤが有名。これはハレルヤと同じで主を褒める言葉だが、ソプラノ歌手の技巧が発揮されるところで、宗教的な感激を示した楽章でもある。私の50代の頃、TVコマーシャルで人気を呼んだキャスリン・バトル(Sp.)のアルバムにも収められており、その伸びやかで清澄な声は記憶に残っている。

ビゼー   「アルルの女」第1組曲、第2組曲
グリーグ 「ペール・ギュント」第1組曲OP.46 第2組曲OP.55
      ユージン・オーマンディ指揮
      フィラデルフィア管弦楽団

グリーグ    ピアノ協奏曲イ短調 OP.16
シューマン ピアノ協奏曲イ短調 OP.54
        P.クリスチャン・ツィマーマン
        ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
        ベルリン・フィル

ビゼー 「アルルの女」
30.6.28 試聴済み 本日の盤に同じ
2.1.6 試聴済み ジャン・フルネ指揮 コンセール・ラムルー管弦楽団
私のCD・・ストコフスキー指揮 ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団

グリーグ 「ペール・ギュント」
イプセンの戯曲の主人公「ペール・ギュント」は、ノルウェー人気質の冒険心に富んだ放浪癖のある男。物語はソルヴェーグという純情な婚約者がいるにも拘らず、故郷を棄てたペールが世界各地で大冒険を繰り返し、ついにアメリカで大金持ちとなる。だが、故郷へ引き上げる途中嵐に遭遇、船は難破し無一文となって帰りついた。彼を待ち続けた白髪のソルヴェーグの暖かい胸に抱かれつつ、その波乱に富んだ破天荒の生涯を閉じる、と言うストーリーで劇音楽の中でも傑作と言われている。
グリーグは1875年(32歳)この名作のための劇音楽を23曲作った。その中から彼自身が4曲ずつ選び、2組の演奏会用組曲としたのが「ペール・ギュント」組曲なのだ。第2組曲の中にアラビアの舞踏曲があり、東洋の魅力に心を奪われるペールの心情が描かれている。また、終盤待ちわびたソルヴェーグが夢に破れ、老い衰え疲れ切ったペールを腕に抱きながら歌う「ソルヴェーグの歌」は涙を誘う。この部分は独唱曲として多くの歌手に愛唱されている。余談ながら「山の魔王の宮殿にて」(第1組曲の第4曲)の一部を原曲として、私が愛する阪神タイガースの応援歌に使われている。また、この文章を書いている今宵(2月21日)NHK-Eテレ9時の番組「ららら♪クラシック」で「ペール・ギュント」を取り上げ、楽しく解説していた。
30.6.28 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・リポル・ペザック指揮 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団
   CD・・アリ・ラシライネン指揮 ノルウェー放送管弦楽団

グリーグ ピアノ協奏曲
27.3.10、28.6.28、2.1.23 試聴済み P.ゲザ・アンダ クーベリック指揮 ベルリン・フィル
27.5.26、28.2.9 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・本日の盤に同じ

シューマン ピアノ協奏曲
27.3.10、28.6.28、2.1.23 試聴済み P.ゲザ・アンダ クーベリック指揮 ベルリン・フィル
27.5.26、28.2.9 試聴済み 本日の盤に同じ
27.10.29 試聴済み P.リヒテル マタチッチ指揮 モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団
私のCD・・P.クラウディオ・アラウ ディヴィス指揮 ボストン交響楽団
   CD・・P.クリスティアン・ツィマーマン カラヤン指揮 ベルリン・フィル

      

モーツァルト ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
        P.アルフレッド・ブレンデル
        ネヴィル・マリナー指揮
        アカデミー室内管弦楽団

        クラリネット協奏曲イ長調 K.622
        Cl.ジャック・ブライマー
        ネヴィル・マリナー指揮
        アカデミー室内管弦楽団

        弦楽四重奏曲第23番ヘ長調 K.590
        イタリア弦楽四重奏団

        自動オルガンのための幻想曲ヘ長調 K.608
        Org.ダニエル・コルゼンバ

        アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
        コリン・デイヴイス指揮 ロンドン交響楽団・合唱団

ピアノ協奏曲第27番
モーツァルト最後のピアノ協奏曲、1791年1月死と同年35歳の時の作品。別の資料によればピアノ協奏曲は30曲あるが、うち5曲は編集に近いもので、後世の研究家で整理され27曲となったものらしい。一般には「白鳥の歌」として讃えられている。死を予感したかのような澄み切った境地が現れており、しかも驚くばかりの明るさに溢れており、それだけに聴く者の胸を打つ。第2楽章のピアノとオーケストラの交わす淡々とした対話が素晴らしい。
26.12.23、28.2.25 試聴済み P.アリシア・デ・ラローチャ ショルティ指揮 ウィーン・フィル
29.10.31 試聴済み P.フリードリヒ・グルダ アバド指揮 ウィーン・フィル
30.10.18   〃    P.フリードリヒ・グルダ ケンペ指揮 ミューヘン・フィル

クラリネット協奏曲
モーツァルトの死の2ケ月前、1791年10月に作られた彼の最後の作品。先刻聴いたピアノ協奏曲第27番と心理面で強い関連があると思われる。即ち、前述の通り死の予感から人生に対する諦めの情感が漂い、淡々とした表情が感じられる。静かなクラリネットの旋律で始まる第2楽章アダージョは、劇的な対話がクラリネットとヴァイオリンの間で始まり抒情的で美しく、印象に残る。
30.8.2 試聴済み Cl.ハンス・ダインツアー コレギウム・アウレウム合奏団
私のCD・・Cl.アルフレート・プリンツ カール・ミュンヒンガー指揮 ウィーン・フィル

弦楽四重奏曲
初試聴。モーツァルトの弦楽四重奏曲は第14番~第19番「ハイドン・セット」(ジュリアード弦楽四重奏団)のCDを持っており、時々聴いているが、本日の第23番はあまり聴いていない。この曲は、1790年6月に作曲されており、彼の最後の弦楽四重奏曲。約25分程度の比較的短い曲だ。
本日はモーツァルトの死の直前に作られた異なる種類の3曲を続けて聴いた事になったが、この弦楽四重奏曲は前述のピアノ協奏曲、クラリネット協奏曲に比べ、死を予感させるようなものはあまり感じられず、以前から聴いている弦楽四重奏曲の延長線上のもので、特別な感慨はない。

自動オルガンのための幻想曲
1.12.24 試聴済み Org.カール・リヒター

アヴェ・ヴェルム・コルプス
初試聴。アヴェ・ヴェルム・コルプスは、カトリックで用いられる聖体讃美歌。1791年6月の作品で、彼の死の直前の作品。混声4部合唱。楽器の編成はVn. Va. Cb. Org.(通奏低音)。
この曲は、モーツァルトが妻のコンスタンツェの療養を世話した合唱指揮者アントン・シュトルのために作曲したもので、演奏時間約3分の小品だが絶妙な転調による静謐な雰囲気を持ち、モーツァルト晩年の傑作とされている。直前の「オルガンのための幻想曲」と続けて聴いていると、迫力あるオーディオに圧倒される中、教会のミサに参加し敬虔な祈りの世界に身をゆだねている感じになった。.

ベートーヴェン ピアノソナタ第30番ホ長調 OP.109
          ピアノソナタ第31番変イ長調 OP.110
          ピアノソナタ第32番ハ短調 OP.111
          P.イヴ・ナット

          ディアベリ変奏曲 OP.120
          P.ルドルフ・ゼルキン

ピアノソナタ
第30番、第31番
30.12.27 試聴済み P.ウィルヘルム・ケンプ
1.5.23     〃   P.マウリツィオ・ポリーニ
私のCD・・P.ルドルフ・ゼルキン
第32番
初試聴。ベートーヴェンは57年の生涯に全部で32曲のピアノソナタを書いている。この曲は彼の最後を飾る傑作で、たった2楽章しかない簡潔な構成となっているが、ベートーヴェンがそれまでの人生で経験したことのすべてがこの曲に凝縮され、晩年の彼が到達した枯淡の境地が余すところなく現れていて実に味わい深い音楽となっている。第1楽章はダイナミックで劇的、交響曲第5番「運命」と同じハ短調で、運命との激しい戦いが繰り広げられる。だが第2楽章では、打って変わって静かな癒しの曲となる。ベートーヴェンの晩年の心境なのか、深い慈愛に満ちた旋律なのだ。多くの交響曲に感じられる彼の激しい運命との葛藤、戦いがすっかり影を潜め、静かなまどろみの世界へと誘う感じだ。
私のCD・・P.ルドルフ・ゼルキン
ディアベリ変奏曲
初試聴。ベートーヴェンは51歳で最後のピアノソナタ第32番を作ってから、56歳で亡くなるまでピアノソナタは作っていない。しかしその後に本日聴いた「ディアベリ変奏曲」という演奏時間50分を超えるピアノ曲の大曲を一つだけ残している。ピアノソナタを卒業したとも言うべきベートーヴェンが何故こんな凄い曲を書いたのだろうか。それには次のような事情があった。ウィーンで楽譜出版を営むアントン・ディアベリが、当時ウィーンで活躍する著名な音楽家たち50名に1曲ずつ変奏曲を書いてもらい、長大な曲を作ろうと考えた。その中にはシューベルトや当時11歳だったリストも入っている。ベートーヴェンはあまり気乗りしなかったようだが、突然ギアが入り次々と変奏曲を書き続け、遂に33曲からなる長大な変奏曲を仕上げてしまった。人生の最晩年に、これまで培ってきた技法のすべてを注いで完成したのがこの「ディアベリ変奏曲」だったのだ。これはバッハの「ゴルトベルク変奏曲」に匹敵するクラシック史上に残る大傑作の変奏曲だ。それにしてはこれまでにあまり聴く機会も無く、私の手元の音楽本にも詳細な記載がない。本日試聴の機会を得たのは幸運だった。然しながら、ベートーヴェンの大傑作と評判が高くても、些か退屈な曲だった。何分にも50分を超える長大なピアノ曲で、全体として捉えどころがなく、この50分余は少々辛い。後半の中ほどにモーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」のアリアが採り入れられているらしい。次回聴く機会があれば心して聴きたいものだ。今後、根気よく聴き込めば新しく得られる感動もあることだろう。

ベートーヴェン 三重協奏曲ハ長調 OP.56
           Hf.パドゥラ・スコダ(Hf=ハンマーフリューゲル)
           Vn.F・J・マイヤー Vc.A・ビルスマ
           コレギウム・アウレウム合奏団

シューマン ピアノ協奏曲イ短調 OP.54
グリーグ   ピアノ協奏曲イ短調 OP.16
        P.ゲザ・アンダ
        ラファエル・クーベリック指揮
        ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団

ベートーヴェン 三重協奏曲
この曲はピアノとヴァイオリン、チェロを独奏楽器とした些か風変りな協奏曲。交響曲第3番が完成したのと同じ年1804年(34歳)に作られた。このような形式の協奏曲はバロック時代にもあったらしいが、ベートーヴェンの作品では近代の協奏曲の独奏楽器のパートを3つの楽器に振り分けたような形になっているところに特色がある。彼の協奏曲の中ではあまり人気がない作品だ。と言うのも、3人の優れた独奏者を揃えるのが至難で、演奏会で演ずるには制約が多すぎるのかもしれない。それもあってか最近ではレコード、CDの世界で取り上げられる機会が増えているらしい。全楽章にわたり独奏者が対等に腕を競い合う内容だが、チェロがお好みの私にとっては、その音色に関心が向く。
26.6.10、30.3.27、30.7.26 試聴済み P.ゲザ・アンダ Vn.シュナイダーハン
                         Vc.フルニエ フレンツ・フリッチャイ指揮
シューマン ピアノ協奏曲
27.3.10 試聴済み 本日の盤に同じ
27.5.26    〃   P.クリスティアン・ツィマーマン カラヤン指揮 ベルリン・フィル
27.10.29    〃 
   P.リヒテル マタチッチ指揮 モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団
私のLP.・・P.リリークラウス デザルツァンス指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
   CD・・P.クリスティアン・ツィマーマン カラヤン指揮 ベルリン・フィル

グリーグ ピアノ協奏曲
グリーグと大変仲の良かったチャイコフスキーは「グリーグの音楽はノルウェーのあの美しい風景をそのまま反映しているようだ」と言ったというが、そうしたグリーグの音楽の持つノルウェー的情緒が最もよく表れているのがこのピアノ協奏曲だ。グリーグは1867年(24歳)、いとこのソプラノ歌手ニーナ・ハーゲルップと結婚した。ニーナは大変魅力的な女性で、シューマンの妻クララのように終生夫の良き協力者となったのである。この曲は二人の新婚生活の中から生み出されたもので、青春の夢と希望、新婚の喜びに溢れ、甘く清澄な旋律が何とも言えない魅力となっている。また、グリーグは“北欧のショパン”と呼ばれただけに、特に第2楽章などはショパンのノクターンを思わせるかのような美しさに満ちている。私の持っているCD(右上のカット)は、彼が若いころドイツで学びそこで身に着けたドイツ音楽を下敷きにしてこの曲を作っており、P.ツィマーマン、指揮カラヤン、演奏ベルリン・フィルはそうした性格がよく表れており、若々しいロマンチックな表現には大いに魅力を感ずる。
一般的に、有名なピアノ協奏曲には次のものがあげられる。
チャイコフスキー第1番  ベートーヴェン第5番「皇帝」  ラフマニノフ第2番  グリーグ イ短調
私的には、本日聴いたグリーグが一番のお気に入り曲だ‼

27.3.10、28.6.28 試聴済み 本日の盤に同じ
27.5.26、28.2.9    〃    P.クリスティアン・ツィマーマン カラヤン指揮 ベルリン・フィル
27.10.29 試聴済み P.リヒテル マタチッチ指揮 モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団
私のCD・・P.クラウディオ・アラウ ティヴィス指揮 ボストン交響楽団
    CD・・P.クリスティアン・ツィマーマン カラヤン指揮 ベルリン・フィル
  

ベートーヴェン 32の変奏曲
作品番号WoO80となっているが、これは作品番号がなく死後の整理の際に附番されたもの。従ってこれらは作品番号外なのだが、日本では結構演奏されているらしい。学校関係の発表会などでしばしば演奏されている。
27.1.15、30.11.29 試聴済み P.クラウディオ・アラウ
アンダンテ
もともとはワルトシュタイン・ソナタ(ピアノ・ソナタ第21番)の中間楽章として書かれたが、冗長になるのを恐れ独立した楽曲にしたもの。1803年~1804年にかけて作曲された。「お気に入りのアンダンテ」という題名が付いており、ベートーヴェンが気に入った作品だった、と窺がえる。穏やかで優雅なロンド(異なる旋律を挟みながら同じ旋律を何度も繰り返す形式)で、楽しい曲だった。
バガテル
子供たちのピアノ練習曲とか、オルゴールのメロディーで大変懐かしい曲だ。バガテルとは、簡単な小品、短い文学的なピアノの小品曲のこと。ベートーヴェン40歳(1810年)の作品。軽く快い親しみ深い曲で、美しい歌曲調だ。一般にはエリーゼという可愛い子供のために書かれたものと思われているが、実はそうではないらしい。エリーゼ(Elise)とは一体誰なのか。ベートーヴェンの記録のどこにも登場しない名前であるため、長い間研究者を悩ませてきたタイトルだった。1923年、ある研究者がテレーゼ(Therese)を読み間違ったのではないか・・・と、推定してからはその説が、今では一般的になっている。テレーゼとはかつてベートーヴェンが恋した女性であったが、哀しいかな独り相撲。楽聖ベートーヴェンは多くの女性遍歴があるが、一つとして実を結ぶことは無く、結婚運はなかったようだ。
27.5.21 試聴済み P.アルフレート・ブレンデル
私のLP・・P.フィリップ・アントルモン
   CD・・ホームクラシック名曲集 P.ピーター・デゲンハート
6つのパガテル、エコセーズ
27.5.21 試聴済み P.アルフレート・ブレンデル

ピアノ三重奏曲第7番「大公」
久しぶりに聴いたが改めて聴き入った。チェロ好きの私には本日のクヌーシェヴィッキーよりも28.8.23に聴いたP.中村紘子、Vn.海野義雄、Vc.堤 剛の日本人トリオの演奏がお気に入りなのだ。ベートーヴェンは10曲を超えるピアノ三重奏曲を作っているが、この第7番は最も傑出しており、この種の室内楽曲の中でも王者の貫禄を持った傑作だ。1811年の作品だが、この頃は「交響曲第5番ー運命」や「第6番-田園」、「ヴァイオリン協奏曲」などの名作が相次いで生み出された時代だっただけに、この曲も交響曲的な雄大なスケールを持ち、ピアノ、ヴァイオリン、チェロの3つの楽器が渾然一体となった品格の高さが素晴らしい。副題に「大公」と付けられているのは、彼の最も有力な後援者の一人であったルドルフ大公に捧げられているからで、この曲の他にも「ピアノ協奏曲第5番ー皇帝」など多くの曲を捧げ、その熱い友情に応えている。冒頭ピアノにより第1主題が始まり、直ちにヴァイオリンで反復されチェロとピアノが伴奏する。優雅な柔らかい旋律がチェロによって演出されると、ピアノは優しく高音から低音へと走る。ピアノが歌う時ヴァイオリンとチェロは従い、チェロが語るときピアノとヴァイオリンは応答する。あたかも気の合った3人の友人が語り合うようである。まさに三重奏の醍醐味なのだ。余談ながら、今年はベートーヴェン生誕250周年で、多くの名曲が各地で演奏される賑やかな年になりそうだ。
26.8.5 試聴済み 本日の盤に同じ
28.8.23   〃   P.中村紘子 Vn.海野義雄 Vc.堤 剛
私のCD・・P.アシュケナージ Vn.パールマン Vc.ハレル

シューベルト ピアノ・ソナタ第18番
31.4.23 試聴済み 本日の盤に同じ 

モーツァルト ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
        ベルンハルト・バウムガルトナー指揮
        ウィーン交響楽団

        ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
        パウル・ザッヒャー指揮
        ウィーン交響楽団
        P.クララ・ハスキル

        歌劇「魔笛」 K.620(ハイライト)
        S.ピラール・ローレンガー
        S.クリスティーナ・ドイテコム
        T.スチュアート・バロウズ
        Br.ヘルマン・プライ Bs.マルッティ・タルベラ
        ゲオルク・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
        ウィーン国立歌劇場合唱団

ピアノ協奏曲第20番
27.9.8 試聴済み P.ハスキル バウムガルトナー指揮 ウィーン・シンフォニー・オーケストラ
29.6.6
       P.内田光子 ジェフリー・テイト指揮 イギリス室内管弦楽団
29.11.21   〃   P.フリードリッヒ・グルダ
 アバド指揮 ウィーン・フィル
私のCD・・P.ゼルキン アバド指揮 ロンドン交響楽団
   CD・・P.フリードリッヒ・グルダ アバド指揮 ウィーン・フィル
ピアノ協奏曲第23番
27.9.8 試聴済み P.ハスキル ザッハー指揮 ウィーン・シンフォニー・オーケストラ
1.9.12    〃   P.ポリーニ ベーム指揮 ウィーン・フィル
私のCD・・P.フィリップ・アントルモン ジャン・アントルモン指揮 フランクフルト交響楽団
歌劇「魔笛」
1791年、モーツァルト死の年に作曲された。物語は奇想天外なおとぎ話で、家族連れでも大いに楽しめるものだ。ベートーヴェンは「モーツァルトの最上のオペラ」と絶賛しているし、ワーグナーもまた「真のドイツオペラはこの魔笛から始まる」と、言ったという傑作なのだ。私も現役時代は友人の弟さんが二期会所属のBr歌手で、公演の都度出かけたものだ。オペラは二部構成で2時間を優に超す大作だが、本日のLPはハイライト版で約半分の時間、そのため序曲抜きの構成で、いきなり鳥刺しのパパゲーノの登場となる。オペラの上演ではこの序曲が神秘的で、これから展開する物語に期待感が盛り上がるのだが、ハイライト版ではそれは無理というもの。
いつ聴いても夜の女王(S)の歌う2つのアリアは感激ものだ。コロラトゥーラの超絶的なテクニックは素晴らしい。臨場感たっぷりの音響でモーツァルトのオペラを堪能した。(その他詳細は31.3.28試聴記参照)
31.3.28 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・ガラ・オペラコンサート全集
   CD・・序曲 レヴァイン指揮 ウィーン・フィル

「マニフィカト」
この曲はバッハが1723年(38歳)の時、クリスマス演奏用に作曲したもので、説教に続いて演奏されたもの。「マニフィカト」とはラテン語で「崇める」と言う意味で、これは聖母マリアに対する讃歌なのだ。多くの作曲家が作っているがそれらの中でもっともすぐれた作品と言われている。ラテン語を歌詞とする12曲の間にクリスマスの歌や、ドイツ語によるコラール(讃美歌)を4曲挿入している。合唱、独唱、オーケストラで構成されている。(詳細は下記試聴時に記載済み)
28.7.26、28.11.29 試聴済み テルツ少年合唱団 クルト・トーマス指揮 コレギウム・アウレム合奏団
私のLP・・本日の盤に同じ
カンタータ
初試聴。カンタータ(交声曲)と言うのは元来ルーテル派の礼拝の説教の前とか或いはその後に演奏されるもので、歌詞は当日朗読される聖典の使徒書簡や福音書などを説明するものが使われている。バッハはこのカンタータを実に200曲以上も作曲している。大規模な合唱で始まりアリア、レチタティーヴォ(語るように歌う声楽様式、叙唱)、重唱、合唱などが織り交ざりコラールで終わるのだが、バッハのカンタータは実に多様だ。このBWV110(1725年作曲)は、「われらの口を笑いで満たし」のタイトルがついている管弦楽組曲第4番BWV1069(30.5.29試聴済み)の第1楽章を転用したもの。

モーツァルト 幻想曲
初試聴。この曲は「オルガンのためのアレグロとアンダンテ」と表記されることもあるが、単に「幻想曲」とのみ表記されることが多いらしい。モーツァルトはオルガン曲も多く作曲しているが、そのほとんどが自動オルガンのための作品である。この小さい「自動オルガンのための幻想曲」は、1791年3月ウィーンで作曲され、依頼主は美術収集家ヨーゼフ・ダイム伯爵と言う人物で、伯爵は蝋人形館を開いて機械仕掛けの楽器コレクションを展示し楽器の自動演奏を聴かせていたと言う。4声のために書かれたこの作品は、現在でも演奏されることが多いらしい。演奏時間は約10分の小品。

ブラームス 前奏曲
初試聴。1896年の作品で全11曲の構成。最後の第11曲は「おお、この世よ、われ汝より去らねばならぬ」となっており、これはブラームスとシューマン夫人クララとの美しきロマンスが偲ばれる内容なのだ。シューマンはブラームスとの最初の出会いから彼の才能を見抜き、世に広く紹介したが、3人の関係は苦しみの始まりでもあって、シューマンは精神錯乱に陥り、ライン川での投身自殺未遂から、精神病院へ収容され2年半の後1856年この世を去った。ブラームスはシューマンの自殺未遂のあと、恩師の妻であり6人の子供ともう一人の子を宿すクララを慰め親身になって、一家の世話をし続けた。そのクララが1896年世を去った翌年ブラームスも世を去り、最後の作品が本日聴いたオルガンのための「11のコラール前奏曲」だった。こんな背景を知ると、オルガンの重厚な調べが身に染み、何となく悲しみに包まれるのだ。

リスト プレリュードとフーガ
本日はオルガン曲を聴いたがピアノ曲、吹奏楽編もありしばしば演奏されている。1855年~56年にかけオルガン版の初稿が書かれている。この時点では「前奏曲とフーガ」と題されている。1869年~70年にかけてピアノ版、オルガン版ともに改訂され現在ではこの第2稿が演奏されている。この作品は題名通りバッハの主題を扱い、またフーガも取り入れられていることからバッハへのオマージュなのだ。リストは以前からバッハの芸術に関心を示し1840年代はバッハのオルガン作品の編曲を行い、また1862年にはバッハの主題を用いたパッサカリア(スペインやイタリアの古い舞曲で緩やかな3拍子。シャコンヌと共にバロック音楽の一形式)である「バッハの主題による変奏曲」も書いている。
オルガン特有の重厚な低音がよく響き、荘厳さを伴って教会で聖歌に浸っている感じだった。

失って凍てつく冬の最中をさ迷い、その間に体験した様々なことを謳い上げたもので、どの曲にも失恋の悲しみ、苦しみが切なく悲痛に表れていて、心に食い入って来る素晴らしい作品だ。全編に漂う厳しい絶望的な暗さはあたかもシューベルトが自らの死を予感したかのように思われる。とりわけ第14曲「霜おく髪」や第15曲「カラス」、第20曲「道しるべ」、第24曲「辻音楽師」などにそれが強く感じられる。
私たちに一番なじみ深いのは第5曲「菩提樹」だ。小学校か中学の音楽で歌った記憶がある。しばしば単独でも歌われており有名な曲だ。
全体を通じて、死を前にしたシューベルトの深いため息が聞こえてくる感じなのだ。全体は24曲からなっているが、12曲ずつの2部に分かれている。冒頭に記した「三大歌曲」の中でもこの「冬の旅」がひときわ人気がある。それはこの歌曲の内容が、失恋の若者が街を棄てさすらいの旅を続けるというもので、当時の社会的背景、産業革命による人口の都市集中が始まり「社会からの疎外」という近代的意識を背にして、唯一の慰めである“死”を求めながらも旅を続ける若者の姿は、現代を生きる人々に強く訴えかけるものがある、からか・・・。
今生きているわれわれの意識に近いものが感じられる。1827年の作だから192年前と言うことになるが、時代を経ても人間の生きざまは変わらないものなのだ。
30.12.6 試聴済み 本日の盤に同じ
私のLP・・シューベルト歌曲集 Br.フィッシャー・ディスカウ P.ジェラルド・ムーア

の協奏曲や室内楽の優れた作品を残しているが、最も有名なのがこの変ロ長調の協奏曲。ところが、この曲は長い間、19世紀の名チェリスト、グリューツマッハの校訂した楽譜で演奏されてきたが、第2次大戦後発見された原曲の写本や作曲家の手紙の原稿などと照らし合わせた結果、何と全く別の2つの作品をつなぎ合わせロマン派風に改作されたものであることが分かった。美しい第2楽章のアダージョは実はポッケリーニの別の作品から借りたもので、残る楽章もいろいろとグリューツマッハの手が入っていた、というわけである。何とも驚いた話だがそうした改定が決して“改悪”となっていなかったのは、この作品にとって幸いなことであった。快適なテンポで心地よい音楽だった。

モーツァルト チェロ協奏曲
初試聴。手元の文献、net、レコードなど検索するもデータ皆無。
全体を通じて、モーツァルトらしい明るい曲調で、直感的に彼の作品だ、とわかる曲だった。

ドボルザーク チェロ協奏曲
私のお気に入りの一つで、何度聴いてもその都度感動を覚える。多くのチェロ協奏曲があるがスケール感が違う。天空から地上を俯瞰しているような感覚で聴いた。
29.4.6、R1.7.9 試聴済み 本日の盤に同じ
29.10.17 試聴済み Vc..ロストロポーヴィチ 小澤征爾指揮 ボストン交響楽団
31.2.5、R1.8.27 試聴済み Vc.ヤニグロ ディクソン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
私のLP、CD・・Vc.ピエール・フルニエ ジョージ・セル指揮 ベルリン・フィル

フォーレ エレジー
初試聴。フォーレが1880年に作曲したチェロとピアノのための楽曲。1890年に指揮者エドゥアール・コロンヌの要請によってオーケストレーションを施され、管弦楽に編成されている。本日聴いたのは管弦楽のバージョンで、当時の楽器の編成は次の通り。
Fl.2 Ob.2  Cl.2  Fg.2  Hrn.4  Vc.独奏
7分足らずの小品。物悲しく悲痛な開始部分と、恋の絶望を象徴するかのような重苦しい雰囲気に満ちた曲。題名通りの「エレジー」だった。

ハイドン チェロ協奏曲
29.4.18 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・Vc.ロストロポーヴィチ アカデミー室内管弦楽団

グリーグ    ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調OP.45
シューベルト ヴァイオリン・ソナタ第5番イ長調 OP.162
ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長OP.30-3
          Vn.フリッツ・クライスラー
          P.セルゲイ・ラフマニノフ

パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第1番 OP.6
        Vn.ヘルマン・クレバース
        W.V.オッテルロー指揮 ハーグ・フィル

        ヴァイオリン協奏曲第4番ニ短調
        Vn.アルトゥール・グリュミオー
        フランコ・ガリーニ指揮
        コンセール・ラムルー管弦楽団

グリーグ ヴァイオリン・ソナタ第3番
初試聴
グリーグはヴァイオリンとピアノのためのソナタを3つ作っているが、この曲はその3番目の曲で彼の個性が一番よく表れている、と言われている。詩的で雄大な構想、洗練された手法、豊富な民俗楽の導入などグリーグの郷土味ある趣きが醸成されている。初めて聴いたが第2楽章の美しい歌謡風の旋律とヴァイオリンの音色が印象に残った。

シューベルト ヴァイオリン・ソナタ第5番
初試聴。1817年(20歳)の時の作曲。少年時代の旺盛な創作力を見せていた時期で初期の意欲作となっている。彼の作品の中では、ヴァイオリン・ソナタに近いものは5曲しかなく、この作品が最後のもの。ピアノとヴァイオリンのこの2つの楽器が持つ美点を、あたかも対話のごとき手法で導き出している。聴いていて実に素直な作品で気持ち良い。第3楽章のアンダンティーノは、優雅な歌謡風の旋律をヴァイオリンが緩やかに奏するとピアノが控えめな伴奏を付ける、これが融合しお互いの美しさを発揮している。第4楽章のピチカートも印象に残った。

ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第8番
31.3.26 試聴済み Vn.フランチェスカッティ P.カサドシュ

パガニーニ  ヴァイオリン協奏曲第1番
初試聴。パガニーニの曲は、これまで1回しか聴いていない。H26.6.26常動曲OP.11でチョット変わった曲だった。常動曲(無窮動)とは、何回も何回も繰り返されるような終わりのない曲。ラベルの「ボレロ」に似た曲だ。“ヴァイオリンの魔神”とも呼ばれた名ヴァイオリニスト兼作曲家にしてはこれ迄この試聴会に殆ど登場しなかった。それが本日は2曲纏めて一挙に登場となった。彼はベートーヴェンより12年後の1782年に生まれている。19世紀になってピアノやヴァイオリンの名人たちが多く登場し「名人技巧主義の時代」と呼ばれているが、その先がけとなったのがこのパガニーニだったのである。とても人間業とは思えない程の超絶技巧を駆使した演奏と、悪魔的な風貌とが相まって当時のヨーロッパの聴衆は、彼の演奏に熱狂したという。パガニーニは自から演奏するためにいくつかのヴァイオリン曲を書いたが、その中でも最も親しまれているのがこの大曲だ。独奏ヴァイオリンは彼が生み出した演奏法が至るところに盛り込まれ、難しい技巧を必要とするが、全楽章が美しい旋律に彩られており魅力は尽きない。パガニーニが創った全演奏技巧を盛った曲で技巧性に富み絢爛豪華な作品なのだ。第1楽章では最初に管弦楽が軽歌劇の序曲のような華麗な祭り風の序奏が流れる。やがてヴァイオリンが鳴り始めるが、あらゆる演奏の技巧を示した絢爛なもの。第2楽章は劇的な演奏で始まり抒情的な旋律が続く。そして第3楽章は生き生きとした快速な調子で、踊り狂うような曲調が展開し夢幻的な魅力を発揮する。全体を通じてヴァイオリンの超絶技巧に魅入られる曲なのだ。
当時の音楽家たちは、パガニーニの演奏を聴いて次のような言葉を残している。
シューベルト・・「私は天使が歌うのを聴いた」
ベルリオーズ・・「空前無比のユニークさ」
私のCD・・Vn.アルトゥール・グリュミオー ピエロ・ベルージ指揮 モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団

パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第4番
初試聴。作曲年代は不明だが、友人にあてた手紙などから1830年2月ごろと推定されており、初演は1831年3月パリ・オペラ座。パガニーニの死後、楽譜は息子アキリーノの下に保管されたが、やがて処分されしまい、結局パルマの屑屋が買い取った紙束の中から発見されている。その後いくつかの変遷を経て1954.11.7本日聴いたアルトゥール・グリュミォーの独奏ヴァイオリン、カルリーニ指揮、ラムール管弦楽団によってパガニーニの死後、初めて演奏された。久しぶりに聴いて第2楽章のアダージョが心に残った。余談だが、この第2楽章が2013年のドイツ映画「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」の中で歌われたアリアの原曲となっている。導入部は葬送曲風で重く苦しい。第3楽章は陽気で楽しい。短調にも拘わらず軽快で威勢がいいのだ。曲のムードは軽いけれどヴァイオリン奏者に対する技巧上の要求は大変なもので、多彩さと超絶的な技巧が満喫できる。あのリストが初恋に破れ沈んでいるときにパガニーニのこの第4番を聴いて「僕はピアノのパガニーニになる」と奮起し、超絶技巧を磨いたという逸話もある。曲全体を通じて人々に自信と勇気を与える力を持っているのだろう。音楽を初め芸術とはしばしばそうゆうものなのだ、と思う。
私のCD・・VN.アルトゥール・グリュミオー ピエロ・ベルージ指揮 モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団

シューベルト 四つの即興曲 D.899 OP.90-1~4
          楽興の時 D.780 OP.94-1~6
          Hf.(ハンマーフリューゲル) 
         イエルク・デムス

         弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D.810
         「死と乙女」
         コレギウム・アウレウム四重奏団

四つの即興曲
29.5.9 試聴済み P.ウイルヘルム・ケンプ
私のLP(90-4変イ長調)・・P.ベンジャミン・オレン
   CD・・P.アルフレッド・ブレンデル
楽興の時
初試聴。全6曲からなるこの「楽興の時」も「即興曲集」と同じく、シューベルトのピアノ曲の中では特に親しまれている作品だ。ピアノ曲と言えばショパン、リストがまず頭に浮かぶが、某音楽愛好家によれば最も美しいピアノ曲を書いたのはシューベルトだ、と断言している。彼によれば、シューベルトのピアノ曲はまるで神が降りてきたかと思いたくなるような美しいメロディーを持ち、時に優美にまた時には激しく、また時にはすすり泣くような切なさを持っている。「即興曲」や「楽興の時」の小品では、その魅力が遺憾なく発揮されている、とベタ褒めなのだ。それはさておいて、「楽興の時」というのは即興曲よりも幾分規模が小さくて、かなり即興性の強い自由な形式の愛らしい作品のことを指している。原題は「モマン・ミュージュー」で、これはフランス語の「音楽的な瞬間」と言った意味で、こんこんと湧き出る音楽的なイメージを、小さな曲に纏めたのがこの曲集なのだ。各曲はいずれも6分足らずの短い曲だ。作られたのは「即興曲集」と同じくシューベルトが亡くなる1年ほど前と言われているがはっきりとは分かっていない。「楽興の時」という題名もシューベルト自身が付けたものかどうか分かっていないし、作曲の動機なども判然としていないらしい。6曲の中では「第3番」が最も有名で、私の古いLPの中にもこれが収録されている。シューベルトらしい抒情性に富んだ美しい旋律で書かれており、彼の得意としていた転調の妙味が存分に味わえる曲だ。
私のLP(94-3ヘ短調)・・P.ベンジャミン・オレン
   CD・・P.アルフレッド・ブレンデル

弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」
1824年作曲に着手するも病気などで手間取り1826年に完成している。四重奏曲の中で第14番目に当たり、シューベルトの晩年を飾る名曲だ。“微笑みと涙”これはシューベルト音楽の特徴と言われているが、その二つの要素がこの曲の中で魅力を発揮している。シューベルトは作品の中で自作の歌曲などで使った旋律をよく取り入れていて、この曲が「死と乙女」と名付けられているのは、第2楽章にシューベルトが20歳の時に作曲した歌曲「死と乙女」の前奏の部分に使われている陰鬱な動機を変奏主題として用いているためである。第2楽章の変奏曲は、変奏曲の手本と言われているらしい。曲はすべて短調で書かれ、シューベルト特有の暗い詩情と美しい旋律に満ちているが、主題は死神の出現を思わせるような不気味さがある。第3楽章はスケルツォ、前半の悲しみに対照してこの楽章は陽気で快活。最終章はプレスト、溌溂たる生気がみなぎっている感じ。偶然にもベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」の最終章の主題に似ていて、この力作を締めくくるのに相応しい迫力を持っている。
私のCD・・ウィーン・アルバン・ベルク四重奏団

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第1番ヘ長調 OP.18-1
          弦楽四重奏曲第2番ト長調 OP.18-2
          ブタペスト弦楽四重奏団

ハイドン 弦楽四重奏曲第77番ハ長調 OP.76-3「皇帝」

モーツァルト 弦楽四重奏曲第17番ロ短調 K.458「狩」
         アマデウス弦楽四重奏団

ボロディン   弦楽四重奏曲第2番ニ長調
          ブタペスト弦楽四重奏団

ベートーヴェン弦楽四重奏曲第1番、第2番
初試聴。これらの作品は1799年から1800年にかけて作られているから、交響曲第1番OP.21を作った時代に当たり、若々しいベートーヴェンの姿が見える。この時代はハイドン、モーツァルトの影響を受けており、所どころにそれらが窺がえるが、専門家に言わせれば曲の深さ、楽想などは遥かにハイドンを凌ぎ、緩やかな楽章ではベートーヴェンの特性が十分に強調されている。特徴のある主題に始まり、緩やかな第2楽章を作るに当たっては彼の頭の中には「ロメオとジュリエット」の最終場面を浮かべつつあった、と言う。第3楽章スケルツオは快活な気分に満ち、ベートーヴェンの反面を展示している。第2番は、第1主題の感じから一般に「挨拶」四重奏曲とも呼ばれているらしい。第1番に比べて著しく社交的な感じで、ハイドンの楽風を漂わせて豊麗・優美な曲だ。
これ迄に聴いている弦楽四重奏曲(彼の作曲したものは16曲ある)
ラサール弦楽四重奏団 第12番~第16番
ブタペスト弦楽四重奏団 第12番 第14番
アマデウス弦楽四重奏団 第12番~第16番
私のCD・・ナシ ただし、第12番~第16番 ラサール弦楽四重奏団
       第14番、第16番(弦楽合奏版) バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル

ハイドン 弦楽四重奏曲「皇帝」
晩年に訪れたイギリスで、イギリス国歌「ゴッド・セーブ・ザ・キング」を聴いて大いに感動したらしい。当時ハイドンの祖国オーストリアはフランスとの雲行きが怪しくなっていたので、こうした国難の時に国歌があれば、と考え詩人レオポルト・ハシュカの「神よ、皇帝を護り給え(皇帝賛歌)」に作曲したのである。この曲は、後にオーストリア国歌として採用され、長く愛唱されてきたが、第2次大戦でオーストリアがナチスに併合された際、歌詞を変えてドイツの国歌となり、戦後そのまま西ドイツの国歌となったのだ。その後も何度か歌詞を変えて歌い継がれ、現在はドイツ国歌となっている。第2楽章Paco adagio、cantabile の主題が転用されている。
私のCD・・イタリア弦楽四重奏団


モーツァルト 弦楽四重奏曲「狩」
生涯に20曲以上もの弦楽四重奏曲を作曲しているが、1782年(26才)から85年にかけて書かれた6曲の弦楽四重奏曲(第14番~第19番)が、ハイドンの作品を手本にし、ハイドンに捧げられたので俗に「ハイドン・セット」と呼ばれている。その中で有名なのが本日聴いた第17番「狩
と第19番「不協和音」の2曲。「狩」は第1楽章の冒頭の主題が軽快で生き生きとしており、狩の角笛に似ていることからその名がある。全体が変化に富み規模も大きく魅力的な音楽だ。モーツァルトとハイドンは親子ほども年齢が離れているが(24才)、お互いに相手の芸術に対する尊敬と理解によって結びついていた。それは、ハイドンがモーツァルトの父親レオポルトに向かって「神様にかけて誓いますが、あなたの息子さんは私の知っている誰よりも優れた作曲家です」と激賞した、と伝えられている。

ボロディン 弦楽四重奏曲第2番
初試聴。この曲は1881年の作曲で翌年初演されている。ボロディンが妻に愛を告白した20周年の記念として、エカテリーナ・ボロディナ(作曲家婦人)に献呈された。何ともロマンチックな話だ。ところがこれがなかなかの傑作で、ボロディンのそして19世紀ロシア帝国を代表する室内楽の一つとされている。本日の視聴会では第3楽章ノクターン(夜想曲、ノットゥルノ)のみ聴いた。全体は4楽章から構成されているが、本日聴いたように「夜想曲」として第3楽章のみ単独作品として演奏されることも多いらしい。愛する妻への献呈作品だけあって、星空に思いをはせるかのようにロマンチックで美しい曲だった。FMの夜の番組のテーマ曲としも昔から親しまれているらしい。

テレマン フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ 
      通奏低音のための四重奏曲イ長調

C.Ph.E バッハ フルート、ヴァイオリン
      通奏低音のためのトリオ・ソナタニ短調

J.S バッハ フルート、、ヴァイオリン
      通奏低音のためのトリオ・ソナタハ短調
      アムステルダム四重奏団

J.S バッハ イタリア協奏曲 BWV.971
      パルティータ BWV.825-830
      プレリュード、フーガとアレグロ BWV.998
      Cem.ダスタフ・レオンハルト

テレマン 四重奏曲
初試聴。テレマンの曲は、今年7月4日「フルートと弦楽のための組曲」を聴いている。後期バロック音楽を代表するドイツの作曲家で、バロック音楽史上最も多くの曲を作った作曲家として有名。86歳の生涯で作った作品は、現在3600曲が確認されているが、実際には4000曲を超えると言われている。正統派バロック音楽で馴染みやすく、フルートの音が心地よく聴けた。

C.Ph.Eバッハ(カール・フィリップ・エマニエル) フルート、ヴァイオリンのトリオ・ソナタ
J.Sバッハの最初の妻の次男でグラビーア奏者でもある。余談ながら、バッハは大変な子福者で最初の妻に7人、後妻に13人の子供をもうけている。しかし、10人は夭折している。弟のJ.C(ヨハン・クリスティアン)がモーツァルトを教え導いたように、カール・フィリップの作風はハイドンやベートーヴェンに多大な影響を与え、生前は父のヨハン・ゼバスティアンよりも有名だったらしい。兄弟の中では最も世俗的な成功を収めた。他のバッハ一族の作曲家と区別するため「ベルリンのバッハ」とか「ハンブルクのバッハ」などと呼ばれている。

J.Sバッハ(ヨハン・ゼバスティアン) フルート、ヴァイオリンのトリオ・ソナタ
「王の主題によるフルート、ヴァイオリン、通奏低音のためのソナタ」とも表記される場合がある。私のCDにはそのように記載してある。当時のプロシャ王フリードリヒ大王に献呈したものらしい。(詳細は30.4.5音楽の捧げものに記載済)フルートとヴァイオリンの音色が実に優しく心が休まるものだった。伸びやかなラルゴーから始まり、軽快なアレグロ、緩やかなアンダンテ、そして最後は再びラルゴーのゆったりとした中に豊かさを込めて終わる。約18分間の小品乍ら充実感を覚える曲だった。
30.4.5 試聴済み カール・リヒター指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団
私のLP・・Fl.オーレル・ニコレ ルツェルン弦楽合奏団
    CD・・ニコラウス・アーノンクール指揮 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

イタリア協奏曲
バッハは若いころからヴィヴァルディの作品を深く研究して、合奏協奏曲のスタイルを身に着けていたが、そのスタイルを踏まえてクラヴィーアのために書いたのがこのイタリア協奏曲だ。彼自身「イタリア趣味の協奏曲」と名付けているように、明るく華やかな曲だった。

パルティータ
これは、クラヴィーア練習組曲第1巻。クラヴィーアというのは鍵盤楽器の総称で、バッハの時代に用いられていたものは、大きく分けて2種類あり、弦を金属片で打って音を出すクラヴィコードとカラスの羽かなめし皮の小片を木片の先につけ、弦を引っ掻いて音を出すハープシコード(これは英語でイタリア語、フランス語ではチェンバロ)である。この第1巻は1722年(37才)に作られ、第2巻は20年後の1742年に完成している。現代のピアノでもよく演奏されている。19世紀の大指揮者ハンス・フォン・ビューローが、ベートーヴェンの32曲のピアノソナタに対して「ピアノの旧約聖書」と呼んだように、鍵盤楽器の音楽史上不滅の金字塔と言われている。

プレリュード、フーガとアレグロ
1740年~45年頃の作品。詳細は不明。バッハのプレリュード、からこの作品までダスタフ・レオンハルトがチェンバロを演奏しているが、私自身平素からあまり聴く機会のない楽器だけに、耳に馴染みがなく、些か金属音に近い響きが強く、あまり快適な気分にはなれなかった。

同じくハ長調の作品で、1780年(24才)の時に作曲されている。ちょうど2年前には母を失い、恋愛にも失敗したモーツァルトであったが、そうした憂鬱な影は微塵も感じられない作品だ。第1楽章のセレナード風の美しい旋律や第3楽章の歌劇のアリア風の旋律は、いかにもモーツァルトらしいもので、清澄で明るく美しさに満ちている。モーツアルトの交響曲には、このような歌劇のアリア風の旋律を多用したものが多いと思うが、それが交響曲を美しく飾っている。この曲は3楽章編成で、他の交響曲で第3楽章に用いられるメヌエット調がない形式となっている。
交響曲第38番「プラハ」

1786年(30才)の作品。同年12月ウィーンで作曲され翌年早々プラハで彼自身の指揮で初演された。その縁で標題「プラハ」が付けられたもの。歌劇「フィガロの結婚」がウィーンでの大成功に続き、ここプラハでも大人気となりプラハの音楽愛好家たちの招待によりプラハを訪れ、その時に発表したのがこの第38番だったのだ。もちろんプラハの聴衆からも熱狂的に迎えられ成功を収めている。前述の交響曲第34番と同じく3楽章編成で、モーツァルト独特のメヌエット調が除かれている。全体に曇りのない爽やかで端麗な曲だ。典雅な18世紀の貴族や宮廷の一面を代表するに相応しい傑作の一つと言われている。
28.10.6 試聴済み ベーム指揮 ベルリン・フィル
私のCD・・ジェイムズ・レヴァイン指揮 ウィーン・フィル

サン・サーンス ヴァイオリン協奏曲第3番
初試聴。彼の作品としては交響曲第3番と組曲「動物の謝肉祭」の中の「白鳥」は有名で、しばしば聴いているが、このヴァイオリン協奏曲はあまり聴いていない。この曲は1880年(40才)の作で、当時ヴァイオリンの鬼才と言われたサラサーテに捧げられ、翌年このサラサーテにより上演された。さすがに大ヴァイオリニスト、サラサーテのために作られただけあって、ヴァイオリンの調べが絶妙で素晴らしい。特に、第2楽章は舟歌風の抒情的で甘美な旋律で見事だ。私・個人的には彼のチェロ協奏曲第1番(OP.33)がお気に入りで良く聴くが、本日聴いたこのヴァイオリン協奏曲も「お気に入り」に加え今後しばしば聴くことになりそうだ。
私のCD・・ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集(CD2) ピェール・デルヴォ指揮 ニューヨーク・フィル
序奏とロンド・カプリチオーソ
前述のヴァイオリン協奏曲第3番と同じく、これらの曲は大ヴァイオリニスト、サラサーテのために作曲されたものでヴァイオリンの持ち味を示すための名曲だ。当時、サラサーテはヨーロッパに君臨したヴァイオリンの名手であっただけに他のヴァイオリニスト達も好んで演奏する名曲なのだ。些か憂鬱なイメージの序奏部で始まるが、やがて複雑なロンド(舞曲)に移り、美しい狂想曲形式(カプリチオ)が変化と光彩を放つ。演奏には高度な技巧を要する難しい曲だ。ヴァイオリンの名曲だけあって演奏会などでもよく取り上げられ、昔からよく聴いているお馴染みの曲だ。メロディーも独特で印象に残る。
26.5.29 試聴済み Vn.前橋汀子 小泉和裕指揮 東京都交響楽団
私のCD・・ホームクラシック・ヴァイオリン名品集 NO.6 Vn.マイケル・ダウス P.デゲンハート
   CD・・ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集(CD2) ピェール・デルヴォ指揮 ニューヨーク・フィル
ハバネラ
サン・サーンスは1885年、ヴァイオリニストのアルベルティーニと共に演奏旅行に出かけた時、雨に振り込まれホテルの赤々と燃える暖炉の前で、この作品を着想したという。その際、アルベルティーニがキューバー出身だったことが発想の源となった。作品は1887年に完成している。当初、ヴァイオリンとピアノのための作品として計画されたため、ピアノ伴奏版と管弦楽伴奏版は同時期に書かれた。ピアノ伴奏版も頻繁に演奏されている。演奏時間は5分程度の小品で、ハバネラのリズムによる3つの主題で構成。第1主題は甘美な民謡風の旋律で、続いてメランコリーに染まった第2主題が歌われる。第3主題は4/4拍子で詠嘆的。この3つの主題が種々変化しながら展開される。演奏者には高度な技術が要求されるかなりハードな曲だが、聴いている身にはずいぶん楽しい曲だ。
26.5.29 試聴済み Vn.前橋汀子 小泉和裕指揮 東京都交響楽団

私のCD・・ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集(CD2) ピェール・デルヴォ指揮 ニューヨーク・フィル

  ベルリオーズ
作品5 「レクイエム」

第9番)と呼ばれている最後の曲。当時オーストリア大使としてウィーンに駐在していたロシアの貴族・ラズモフスキーの委嘱によって作られたもので、1806年(36歳)の時の作品。全体を通じて幸福感に満ちており、美しい物語を想像させる晴れやかな曲だった。同時に、堂々とした曲想で室内楽を超え交響楽的な世界も感じられた。
ベートーヴェン 第10番 「ハープ」
初試聴。この曲は1809年(39歳)の作品。不朽の傑作ピアノ協奏曲第5番「皇帝」や、ピアノソナタ第26番「告別」などと同時に作られている。ハープという愛称は第1楽章にハープと同じような効果が、ピチカートにより美しい世界を描いているところから付けられたもの。次々と大作を書いたベートーヴェンは、ここで静かな心境の下に音楽を楽しんでいるかのようで、ロマン的な情緒や伸びやかな感情に溢れた曲だった。
ベートーヴェン 第11番「セリオーソ」
この標題「セリオーソ」はベートーヴェン自身が付けている。子供のころから教科書などでベートーヴェンのあの気難しいそうな肖像画を知っているが、彼は確かに豪気で、かつまたすこぶる生真面目な人物だったらしい。この「セリオーソ」は“まじめ”とか“厳粛に”と言う意味だが、そうしたベートーヴェンの特徴が実によく表れていると思う。1810年(40歳)の作品だが、全体に厳かな曲想をもち、内省的な気分に溢れている。ある人は他の作品に比較して哲学的な内容に富んでいる・・・と、言っているが、私の鑑賞能力ではその点は些か難解だ。だが、終結部の明るく軽快な曲趣には満足した。

      私のCD
      ハイドン
弦楽四重奏曲第77番「皇帝」

R2('20)9.1

ハイドン 弦楽四重奏曲第77番ハ長調「皇帝」

ベートーヴェン 
    弦楽四重奏曲第9番ハ長調OP.59-3
    弦楽四重奏曲第10番変ホ長調「ハープ」OP.74
    弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」OP.95
    アマデウス弦楽四重奏団

ハイドン「皇帝」
1.10.31 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・イタリア弦楽四重奏団

ベートーヴェン 第9番
初試聴。この第9番は俗に「ラズモフスキー四重奏曲」(第7番~
    

バルトーク 管弦楽のための協奏曲 Sz.116
        舞踏組曲 Sz.77
        ゲオルク・ショルティ指揮
        ロンドン交響楽団

ホルスト 組曲「惑星」 作品32
      ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
      ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

バルトーク 管弦楽のための協奏曲
初試聴。この曲は1943年に作曲され5楽章編成。バルトーク晩年の代表作で、最高傑作の一つにも数えられる。

     私のLP
ホルスト 組曲「惑星」

R2('20)7.16

 私のCD
ベートーヴェン
 交響曲第8番

R2('20)7.14

        私のLP 
      ベートーヴェン
     ピアノソナタ第8番

      R2('20)2.27

ハイドン チェロ協奏曲第1番ハ長調
      Vc.ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
      ベンジャミン・ブリテン指揮
      イギリス室内管弦楽団

ブルックナー 交響曲第5番変ロ調
         ルドルフ・ケンペ指揮
         ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

ハイドン チェロ協奏曲
この曲は平素CDでよく聴く私のお気に入りの一つ。比較的地味な作品の多い中、このチェロ協奏曲第1番は親しみやすくハイドン特有の明るいユーモアが感じられる曲だ。聴いていると、何となく

モーツァルト 交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
         カール・ベーム指揮
         アムステルダム・コンセルトヘボウ・
                           管弦楽団
ブラームス ピアノ協奏曲第1番ニ短調 OP.15
        P.ルドルフ・ゼルキン
        フリッツ・ライナー指揮 
        ビッツバーグ交響楽団

ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調 OP.92
          サー・エイドリアン・ボールト指揮
          ロンドン・フィルハーモニック・
                   プロムナード管弦楽団   
     

    私のLP
 シューベルト 歌曲集

R1('19)12.10

ポッケリーニ チェロ協奏曲
初試聴。ポッケリーニはハイドンと同時代に活躍したイタリアの作曲家で、またチェロの名手でもあった。10あまりのチェロのため

         私のCD
      サン・サーンス
   ヴァイオリン協奏曲第3番

R1('19)10.3

         私のCD
         フォーレ
ヴァイオリンソナタ第1番、第2番

R2('20)8.20

ベートーヴェン 
   ピアノソナタ第8番ハ短調 OP.13「悲愴」
   ピアノソナタ第17番ニ短調 OP.31-2「テンペスト」
   ピアノソナタ第26番変ホ長調 OP.81a「告別」
   P.ウィルヘルム・バックハウス
   (カーネギーホール・リサイタル)

   ピアノソナタ第31番変イ長調 OP.110
   ピアノソナタ第32番ハ短調 OP.111
   P.ウィルヘルム・ケンプ

ピアノソナタ第8番「悲愴」
26.6.12、29.8.8 試聴済み P.グレン・グールド

バッハ 無伴奏チェロ組曲
     第1番ト長調  BWV 1007
     第2番ニ短調 BWV 1008
     第3番ハ長調 BWV 1009
     第4番変ホ長調 BWV 1010
     第5番ハ短調 BWV 1011
     第6番ニ長調 BWV 1012
  
     Vc.パブロ・カザルス

バッハの時代にようやく独立性をもちだしたチェロ、美しく柔らかな音色に魅入られたバッハは、これを使って6つの組曲を作った。

ショパン ノクターン第5番嬰ヘ長調 OP.15-2  ノクターン第7番嬰ハ短調 OP.27-1
      ノクターン第8番変ニ長調 OP.27-2  ノクターン第19番ホ短調 OP.72-1
      P.ウラディーミル・ド・パハマン

カーネギーホール コンサート
これらの曲は比較的小品が多く、演奏会の時のアンコール曲として演奏されたものらしい。最も印象的だったのはリストの「巡礼の年1年・スイス」から、だった。高度の技術を要する難曲で、聴衆を魅了する部分が多い。20世紀最大のピアニストの一人と言われただけあって、会場のカーネギーホールは一曲終わるごとに聴衆の熱狂的な拍手に包まれその興奮がそのまま伝わって来た。
彼は1983年(80歳)初来日、NHKホールのコンサートはS席5万円にも拘わらずチケットは即日完売という超人気だった。80歳という高齢でもあり当時の評価は2分されている。高名な音楽評論家の「吉田秀和」は“ひびの入った骨董品”と酷評しているが、一方ある女性ピアニストはその技巧に満ちた音を賛辞している。その3年後、1986年再来日。年齢を超越した超絶技巧で「ピアノを歌わせる」と絶賛されている。初来日の時は体調面のこともあったのかもしれないが、少なくとも本日のライブ盤を聴く限り“ひびの入った骨董品”とは思えない。ピアノを自由自在に操るマジシャンの奏でる音に聴き入った。カーネギーホールの人々同様、拍手喝采!

29.9.12、30.7.5 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・モーツァルト ピアノソナタ第11番 P.ジョアオ・ピリス 
   CD・・ショパン ノクターン第19番P.エリーザベト・レオンスカ  マズルカ第25番P.ルーシ・パルハム

ショパン ノクターン
29.9.12 試聴済み(第19番) P.ホロヴィッツ 31.1.22(第5番-8番) P.ポリーニ 
私のLP・・第8番 P.ベンジャミン・オレン
    CD・・P.エリザベト・レオンスカヤ(ヒーリングクラシック全15枚の内NO.6ショパンノクターン集)

ベートーヴェン 
     創作主題による32の変奏曲ハ短調 WoO80
     アンダンテ・ファヴォリ ヘ長調 WoO57
     バガテル イ短調 WoO59 「エリーゼのために」
     6つのバガテル OP.126
     エコセーズ変ホ長調 WoO86
     P.アンドール・フォルデス

     ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調「大公」
     P.レフ・オボーリン
     Vn.ダヴィッド・オイストラフ
     Vc.スビャトスラフ・クヌーシェヴィッキー

シューベルト ピアノ・ソナタ第18番
         P.ピータ・ゼルキン
          

ドヴォルザーク チェロ協奏曲
29.4.6、1.7.9、1.12.3 試聴済み Vc.ヤーノシュ・シュタルケル ワルター・ジェスキントン指揮 フィルハーモニア管弦楽団
29.10.17 試聴済み Vc.ストロポーヴィチ 小澤征爾指揮 ボストン交響楽団
31.2.5、1.8.27 試聴済み 本日の盤に同じ
私のLP.CD・・Vc.ピェール・フルニエ ジョージ・セル指揮 ベルリン・フィル
ドヴォルザーク 交響曲第9番
1.8.27 試聴済み 本日の盤に同じ
私のLP、CD・・レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
   LP.・・ダヴィッド・ショセフォ・ヴィッツ指揮 ハンブルグ交響楽団
   CD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル

ハイドン チェロ協奏曲
この協奏曲は1765年~67年ころに作曲されたと言われている。彼の円熟期に書かれたチェロ協奏曲第2番ニ長調(Hob.Vllb-2)作品101とは違った味わいがあり、バロックの響きを残した明るく爽やかな音楽が印象的で、現存しているチェロ協奏曲はこれらの2曲のみ(第3番は紛失)。非常に親しみやすい曲で、ハイドン特有の明るさとユーモアが感じられ、24歳年下のモーツァルトの曲の明るさ、爽やかさの根源はここにあったのか・・・と勝手に納得している。第3楽章アレグロ・モルトの疾走感は実に快適だった。
この楽譜は長い間、図書館に眠っており作曲されてから200年近く過ぎた1961年プラハ国立博物館で発見された。そしてハイドンの作品目録と照らし合わせ、冒頭に記したように1765年~67年ころの作品として推定された。ハイドンの人生は、ハンガリーの大貴族エステルハージ家なしでは語れない。彼は1761年~70年までこのエステルハージ家の副楽長、楽長として仕えた。チェロ協奏曲第1番は、エステルハージ家に仕えて5年ほど経たころの作品だと考えられている。作品は、同じく同家に仕えていたチェリスト・ヨーゼフ・ヴァイグルのために書かれたものではないか、と現在の研究では推定されている。
29.4.18、1.12.3 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・Vc.と指揮 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ アカデミー室内管弦楽団
 

ハイドン 交響曲第98番変ロ長調
      オイゲン・ヨッフム指揮 
      ベルリン・フィル

ブルックナー 交響曲第5番変ロ長調
         オイゲン・ヨッフム指揮
         バイエルン放送交響楽団 

ハイドン 交響曲第98番
2.8.27 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・オイゲン・ヨッフム指揮 ロンドン・フィル

 

フォーレ ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調 OP.13
ヘンデル ヴァイオリン・ソナタ第4番 OP.1-4
ルクレール  ヴァイオリン・ソナタニ長調 OP.9-3
ヴェラチーニ ヴァイオリン・ソナタホ短調
タルティーニ  ヴァイオリン・ソナタ「捨てられたディド」
                             Br.g10
         Vn.ローラ・ボベスコ
         P.ジャック・ジェンティ

モーツァルト ヴァイオリンとビオラのための二重奏曲
         第1番ト長調 K.423
         第2番変ロ長調 K.424
         Vn.ローラ・ボベスコ Va.不詳

スカルラッティ チェンバロソナタ名曲集
           Cemb.ダスタフ・レオンハルト

ドビュッシー 前奏曲集第1巻
         P.モニク・アース

チェンバロソナタ
初試聴。ドメニコ・スカルラッティは私にとってはあまり馴染みのない音楽家だが、手元の本によれば次の通り有名な音楽家なのだ。1685年・イタリア・ナポリ生まれ、1757年・スペイン・マドリードで死亡。イタリア音楽界の名門に生まれ、ヘンデルと親交のあった大音楽家として、また作曲家としても多くの名
 

    私のCD マーラー
    交響曲第2番「復活」

R2('20)6.9

当時のチェロは現在のチェロとは異なり5弦で、合奏部の低音を担当していたが、バッハがこの楽器に主役の座を与えた。今ではこの曲は“チェロの聖書”と言われている。この名曲は技巧的にもあまりにも難しく、バッハの死後200年近くも埋もれたままであった。現在我々がこの名曲を味わうことができるのは、20世紀最大のチェリスト、パブロ・カザルスのおかげである。彼が14歳の1889年のある日、スペイン・バルセロナの古本屋の片隅で偶然、埃をかぶったこの曲の楽譜を発見した。少年はその後毎日その曲を練習し完全に自分のものとし、14年後にパリで公開演奏した。これを聴いた多くの聴衆は、チェロ一台で演奏された広大な世界に魅了されたのである。当時彼はこう述懐している「そんな曲があるとは知らなかったが、見た瞬間とてつもないものを見つけた、と直感した」。
このカザルスの演奏以降、バッハの無伴奏チェロ組曲は大変な傑作として世の人々に認められたのである。まさに、この曲はパブロ・カザルスと言う不世出のチェリストによって生命を蘇らせた。今では世界のチェリストが生涯かけて弾く曲と言われている。
この組曲は全6曲からなり、冒頭の前奏曲を除いてはすべて舞曲で、内容的にも深くどの曲も素晴らしい。ある人は「人類の遺産」とも言っている。また、その人はこの曲を概観し次のように表現している。
第1番は前奏曲の単純な旋律が続くが、これから始まる広大な世界に誘うような曲で、とても一台のチェロで演奏しているとは思えない。第2番は内省的で地味な曲。第3番は一転して明るく力強い曲で最も人気の高い曲。第4番はエキゾチックな感が強い。第5番は些か難解で哲学的。第6番はチェロの高音域が多用され、非常に華やかでスケールの大きい傑作だ、と。
自分的にも、この6番が最も好きな曲だ。
30.12.13、31.2.7 第1番、第3番、第4番、第6番 試聴済み Vc.ヤーノシュ・シュタルケル
私のLP・・第1番、第2番 Vc.イエルク・バウマン
    CD・・第1番~第6番 Vc.ヤーノシュ・シュタルケル

  私のCD
 プロコフィエフ
古典交響曲第1番

R2('20).1.16

ポッケリーニ チェロ協奏曲第9番変ロ長調 G.482
モーツァルト チェロ協奏曲変ホ長調(フィッシャー版)
         Vc.ヤーノシュ・シュタルケル
         マクシミリアン・ビルツァー指揮
         キャッスル・ヒル祝祭管弦楽団

ドボルザーク チェロ協奏曲ロ短調 OP.104
フォーレ エレジー ハ短調 OP.24
      Vc.ヤーノシュ・シュタルケル
      ワルター・ジュスキント指揮
      フィルハーモニア管弦楽団

ハイドン チェロ協奏曲ハ長調
      Vc.ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
      ベンジャミン・ブリテン指揮
      イギリス室内管弦楽団

     私のCD    
ハイドン
交響曲第98番

R2('20)9.29

       私のCD
        バッハ 
ブランデンブルグ協奏曲第5番

R2('20)9.8

     私のCD
ハイドン 交響曲第88番

R2('20)8.27

曲を残している。父・アレッサンドロはオペラの作曲家で、その父から音楽の手ほどきを受けた。スカルラッティはスペイン滞在中に女王に仕えその間、600曲余りのハープシコード曲を作っている。
ヴァイオリンのパガニーニは、イタリアの生んだ世紀のヴァイオリンの巨匠だが、このスカルラッティもそれと対比されるほどのハープシコードの演奏には画期的な改革をもたらしている。彼はかつてヘンデルと演奏の競演をやり、ヘンデルに劣らぬ評判をとったと伝えられている。このところの連日の猛暑を拒絶するような爽やかな音色のチェンバロと、そのリズムは心地よいものだった。
注.ハープシコード harpsichord
現在のグランドピアノに似た外形の鍵盤楽器。16世紀に考案、19世紀以降用いられなくなったが、20世紀に入り古楽演奏用に復活。イタリア語、ドイツ語ではチェンバロ、クラヴィチェンバロ、フランス語ではクラブサン。
27.11.17、29.4.18、1.9.10 試聴済み P.アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
28.9.27 試聴済み 本日の盤に同じ
31.3.14   〃    P.ベール・カサドシュ
1.7.11    〃    P.レーヌ・ジァノリ
私のCD・・P.アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ

        私のCD
シベリウス ヴァイオリン協奏曲

R2('20)8.4

ハイドン ピアノソナタ
ハイドンはピアノソナタをおよそ50曲ほど作っている。その創作の時期は28歳ごろからほぼすべての時期にわたり、交響曲(106曲)や弦楽四重奏曲(68曲、83曲の説もあり)に次ぐ重要な位置を占めている。これらの曲は厳密な意味で言うと“ピアノソナタ”ではなく“クラヴィーア”のためのソナタである。
このクラヴィーアは当時の鍵盤楽器の総称で、現在のピアノの原型である“ピアノフォルテ”がイタリア人のクリストフォリによって作られたのは1709年のことである。このピアノが、当時の一般的な鍵盤楽器であったハープシーコードを凌いで普及するには約50年かかっている。ハイドンはちょうどハープシコードからピアノへと移り変わっていった過渡期にこれらの作品を作曲している。wikipediaによると、大半の曲はモーツァルトやベートーヴェンのピアノソナタの陰に隠れ知名度が高くないが、近年ではピアニストのレパートリーとなっており、再評価が進んでいる。特に後期の作品第48番~52番は演奏も多いらしい。
本日4曲聴いたが、全体に明るく気軽に聴ける曲が多い。これまでに次の曲を聴いている。
27.1.8 第60番、第61番、第62番 P.グールド
29.9.12、30.7.5 第2番、第23番 P.ホロヴィッツ

チェロ協奏曲第1番
29.4.18、1.12.3、1.12.12、2.2.18 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・チェロと指揮 ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ アカデミー室内管弦楽団

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第4番
1.10.24 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・本日の盤に同じ

ラヴェル ピアノ協奏曲
1.10.24 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・本日の盤に同じ

ハイドン ピアノソナタ第46番 第40番 第20番 第31番
      P.キャスリーン・ロング

      チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.Vllb-1
      Vc.ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ
      ベンジャミン・ブリテン指揮
      イギリス室内管弦楽団

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第4番ト短調 OP.40
ラヴェル   ピアノ協奏曲ト長調
        P.アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
        エットレ・グラチス指揮
        フィルハーモニア管弦楽団

    私のCD
ハイドン チェロ協奏曲

 R2('20)7.28

      私のCD
ベートーヴェン 交響曲第4番

R2('20)7.21

管弦楽組曲
バッハは管弦楽のための組曲を4曲書いている。その内、第2番と第3番が有名で、特に第3番の第2曲「エア」は、ドイツの作曲家ウィルヘルミの編曲によって「G線上のアリア」としてポピュラーな曲となり広く親しまれている。また第2番では独奏フルートが活躍し「ポロネーズ」や「バディネリ」は、フルート奏者に愛奏され、単独でもよく演奏されている。
他の3曲は、明るく朗らかな調子の長調だが、この第2番のみが悲しげな雰囲気を持つ短調だ。多くの人々が抱える悲しみや憂鬱に共鳴して大変人気がある曲なのだ。全曲通しで聴いたのは初めてで、彼の多彩な才能に改めて感動した。
30.5.29 試聴済み 第3番、第4番 ベイヌム指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ・オーケストラ
30.12.13   〃    第2番、第3番
 本日の盤に同じ
1.5.16         第2番 モントゥー指揮 ロンドン交響楽団
私のCD・・第2番(CD全集) キブソン指揮 ロンドン交響楽団
       第3番(バロックフェスティバル) スイスバッハ管弦楽団
       第2番、第3番 Fl.ジャン・ピェール・ランバル 
                 カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団
マニフィカト
マニフィカトとはラテン語で「崇める」と言う意味で、聖母マリアへの讃歌。バッハが38歳(1723年)の作品で、クリスマスのために書かれラテン語を歌詞として12曲で構成されている。この中にはクリスマスの歌やドイツ語によるコラールが4曲あり、合唱、独唱、オーケストラで全体に崇高で宗教的な感情に満ちており、敬虔な気持ちに満たされる。
詳細は28.7.26記載済み。
28.7.26、28.11.29、1.12.24 試聴済み 本日の盤に同じ
私のLP・・S.ヴァルター・ガンペルト A.アンドレアス・シュタイン T.テオ・アルトマイヤー
      Bs.ジークムント・ニムスゲル テルツ少年合唱団 ゲルハルト・シュミット・ガーデン指揮
      コレギウム・アウレム合奏団

J.S.バッハ 管弦楽組曲(全曲)
        第1番ハ長調 BWV.1066
        第2番ロ短調 BWV.1067
        第3番ニ長調 BWV.1068
        第4番ニ長調 BWV.1069

       マニフィカト ニ長調BWV.243
       S.エリー・アメリンク A.モーリン・レハーン
       T.テオ・アルトマイヤー Bs.ローラント・ヘルマン
       テルツ少年合唱団 
       クルト・トーマス指揮
       コレギウム・アウレウム合奏団

      私のCD
      J Sバッハ
管弦楽組曲第2番、第3番

R2('20)7.7

の始まりが俗に“原始霧”と呼ばれているヴァイオリンのトレモロによるささやくような音に始まり、それが深い霧の中から何かが次第に姿を現して来るかのような手法が一つの特徴となっている。この第5番も例外ではない。
曲は1875年に着手し1878年に完成しているが、初演は何と完成から16年後の1894年であり、ブルックナーが生存中に演奏されたのはこの時の一度のみであった。さらに、ブルックナー自身は初演に立ち会っていない。即ち作曲者が一度も実際の演奏を耳にすることは無かった。
第2楽章のオーボエの哀愁を帯びた旋律は荘厳な雰囲気を醸し出す。交響曲ではなく交響詩を聴いている感じになる。最終章の長く続く大音響は、チューバを交響曲に使用した史上初の曲だけあって圧倒的な迫力で迫り、心底から感動を呼ぶ不思議なパワーに満ちている。ベートーヴェン、ブラームスなども最終章の盛り上げには凄い曲があるが、このブルックナーの曲は頭一つ抜きんでている感じ。
某音楽評論家の表現によれば「結尾部では宇宙的とすら言える圧倒的な世界が構築され頂点に達す」とある。納得 !
28.3.17 試聴済み チュリビダッケ指揮 ミュンヘン・フィル
28.9.27    〃   スクロヴァチェフスキ指揮 ロンドン・フィル
2.2.18     〃   本日の盤に同じ
私のCD・・ギュンター・ヴァント指揮 北ドイツ放送交響楽団

ヨハン・シュトラウス 「ウィーンの森の物語」
31.1.8 試聴済み クナパーツ・ブッシュ指揮 ウィーン・フィル
私のCD・・フィリップ・キブソン指揮 ロンドン交響楽団

ブルックナー 交響曲第5番
彼の曲は長い間、世間に認められなかった。それは、曲が余りにも長大で渋く親しみにくいからである。彼の交響曲は第1楽章

ブルックナー 交響曲第5番変ロ長調
         ルドルフ・ケンペ指揮
         ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

ヨハン・シュトラウス
         円舞曲「ウィーンの森の物語」OP.325
         そのほか(テープ録音)

マーラー 交響曲第2番ハ短調「復活」
      Sp.リー・ヴェノーラ
      Ms.ジェニー・トゥーレル 
      カレジュート合唱団
      レナード・バーンスタイン指揮
      ニューヨーク・フィル

モーツァルト モテット「エクスルターテ・ユピラーテ
        (踊れ、喜び、汝幸いなる魂よ)」K.165
 

27.1.27、30.5.10 試聴済み P.ウィルヘルム・ケンプ
私のLP・・P.ワルター・ギーゼキング
    CD・・P.ウラディーミル・アシュケナージ
   CD・・P.ヴィルヘルム・ケンプ

ピアノソナタ第17番「テンペスト」
初試聴。1802年の作品。この頃ベートーヴェンは2人の弟に「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いており、音楽家としては致命的な聴覚の衰えとそれから来る不安と恐怖を縷々述べ、一時は死を決意している。それでもこの不幸に耐え、なお生きようとする決意も覗かせている。おそらく「遺書」を書くことによって、絶望を克服しているのだ。現にこの「遺書」の後1803年から05年にかけてベートーヴェンの音楽は飛躍的にスケールの大きいものになって行く。その最初の記念碑が交響曲第3番「英雄」であり、ピアノソナタでは第21番「ワルトシュタイン」あるいは第23番「熱情」であった。そんな彼の人生の背景を知ると、この第17番「テンペスト」(嵐)を聴くと心に迫るものを感じる。第1楽章の強く訴えるような感じ、第2楽章の“運命の嵐”にも屈しなかった生命の輝き、第3楽章の光明、希望を求めて止まぬ心情など・・・。ベートーヴェンのその時の心を偲ぶ思いがする。
私のCD・・P.ウラディーミル・アシュケナージ

ピアノソナタ第26番「告別」
初試聴。ベートーヴェンはピアノソナタを32曲作っている。その中で彼自身が愛称を付けたのは、この第26番「告別」と第8番「悲愴」の2曲のみでそれだけに彼の思いがこもった作品だと思う。この曲はオーストリアのルドルフ大公に献呈されている。ルドルフ大公は16歳の時からベートーヴェンに師事し弟子の関係にあった。そうは言っても一方は貴族、他方は貧乏な音楽家。しかし2人の関係はそうした社会的な相違、年齢の差異を超越して不思議な友情が続けられた、と言うことである。大公は大音楽家としてのベートーヴェンを尊敬、心服しベートーヴェンもまた理解深き大公を親愛したのである。1809年ウィーンはナポレオン率いるフランス軍の攻囲を受けたが、皇室は戦禍を避けるため一時ウィーンから脱出した。ベートーヴェンはその時の哀惜の情をそのままに、このソナタの第1楽章を作曲し始めている。「告別」と呼称されているのはこの因縁からである。そして第3楽章は戦火が鎮まり、ルドルフ大公がウィーンに帰還された喜びを表現して「再会」の題名が付いている。因みに楽章別の題名は次の通り。
第1楽章「告別」、第2楽章「不在」、第3楽章「再会」。
私のCD・・P.ウラディーミル・アシュケナージ

ピアノソナタ 第31番
30.12.27 試聴済み P.ウイルヘルム・ケンプ
31.3.12、1.5.23 試聴済み P.マウリツィオ・ポリーニ
2.2.4 試聴済み P.イブ・ナット
私のCD・・P.ルドルフ・ゼルキン

ピアノソナタ第32番
2.2.4 試聴済み P.イブ・ナット
私のCD・・P.ルドルフ・ゼルキン

[特記事項]
3月中の「試聴会」中止。昨年12月上旬、中国で発生した「新型コロナウィルス」のため感染者が世界的に拡散「パンデミック」となっている。そのため日本政府も急遽3月1日から春休みまで全国の高校、中学、小学校の休校要請を発令した。加えて、集会、イベントなども自粛要請あり、練馬区もこれに応えて集会などの自粛が行われることとなったため。

        私のCD
  グリーグ 「ペール・ギュント」
     第1組曲、第2組曲

R2('20)2.20

      私のLP
     モーツァルト
交響曲第41番「ジュピター」

R2('20)2.11

      私のCD
    ベートーヴェン
ピアノソナタ第30番~第32番

   R2('20)2.4

     私のCD
バッハ 無伴奏チェロ組曲

  R2('20)1.30

ホロヴィッツ イン カーネギーホール コンサート(1966)

ハイドン ピアノ・ソナタ第23番ヘ長調
シューマン 花の曲ニ長調 OP.19
スクリャーピン ピアノ・ソナタ第10番 OP.70
ドビュッシー 喜びの島
モーツァルト ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331
         「トルコ行進曲付き」
ショパン ノクターン第19番ホ短調 OP.72-1
      マズルカ第25番変ロ長調 OP.33-4
リスト 「巡礼の年1年・スイス」から(オーベルマンの谷)
     P.ウラジミール・ホロヴィッツ

プロコフィエフ 古典交響曲第1番ニ長調 OP.25
ワインベルガー 歌劇「バグパイプ吹きのシュヴァンダ」
           より ポルカ、フーガ
ビゼー 交響曲第1番ハ長調
     ユージン・オーマンディ指揮
     フィラデルフィア管弦楽団

ビゼー 「アルルの女」第1、第2組曲
     ジャン・フルネ指揮 コンセール・ラムルー管弦楽団
ヤナーチェク シンフォニエッタ  狂詩曲「タラス・ブーリバ」
         カレル・アンチェル指揮 
         チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

プロコフィエフ 古典交響曲第1番
「小交響曲」を除くとあまり演奏の機会が少ないプロコフィエフは、全部で7つの交響曲を書いているが、その内で最も親しまれているのが「古典」という副題がついたこの「第1番」だ。この曲は1917年(26)才に作られたもので、それまで「ピアノ協奏曲第1番」、「スキタイ組曲」と言った前衛的な作品を書いていたプロコフィエフが、急に作風を変え古典形式にのっとった分かり易いこの曲を世に送り出し、世間を驚かせた。交響曲とはいっても演奏時間は15分ほどの短い曲だが、きりっと引き締まっており実に歯切れがよく、全体に生気に溢れた音楽となっている。形式は古典的なスタイルをとっているが、音の使い方や感覚は現代の音楽で、そこがこの曲の特徴であり面白さなのだろう。
プロコフィエフと言えば、バレー音楽「ロミオとジュリエット」とか管弦楽的おとぎ話とも言える「ピーターと狼」が有名で私の知っている音楽だった。余談ながら、1918年(27歳)彼がアメリカへ赴く途中日本に立ち寄り演奏会を催したが、当時はあまり名も知られていなかったため聴衆は少なく寂しいものだったらしい。
28.6.28 試聴済み エフレム・クルツ指揮 フィルハーモニア管弦楽団
私のCD・・オルフェウス室内管弦楽団

ワインベルガー歌劇「バグパイプ吹きのシュヴァンダ」より
初試聴。勉強中のクラシックファンとしては初めて聴いたが、プロコフィエフ、ガーシュインなどと同時期に活躍したチェコ出身の音楽家。スメタナやドヴォルザークを生んだボヘミヤの精神を持った個性的な音楽家で、米国の市民権を取得し引退後フロリダで自殺を遂げている。
この曲は5幕の民族歌劇でボヘミア民間伝説によるもの。1927年プラハで初演以来、5年間に2千回以上も上演された人気作品だったらしい。シュヴァンダと言う名のバグパイプ吹き、この男の陽気でユーモアに満ちた性格を内容とした明るく華麗なもの。聴いていて楽しいものだった。

ビゼー 交響曲第1番
初試聴。ビゼーと言えば歌劇「カルメン」がまず頭に浮かぶ。ヴェルディやワーグナーの如く多くの歌劇を作ってはいないが、ほかに「アルルの女」と「真珠採り」の3作品で彼の名は不朽だ。その彼は3つの交響曲を書いたと伝えられているが、現在あるのはこの第1番ハ長調だけで17歳の時の作品。彼がまだパリ音楽院の生徒だった時代のもので、規模は小さいがビゼー特有の美しい旋律が流れ、牧歌的な特に第3楽章アレグロ・ヴィヴァーチェは心地よい旋律だった。
私のCD・・オルフェウス室内管弦楽団
ビゼー アルルの女
30.6.28 試聴済み オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
私のCD・・ストコフスキー指揮 ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団

ヤナーチェク シンフォニエッタ
初試聴。シンフォニエッタとは「小交響曲」といったものらしい。あまり有名ではないがwebで検索していると高校、大学などの吹奏楽でよく演奏されており、ノーベル文学賞候補として話題にのぼった村上春樹の「IQ84」の中でこの曲がしばしば登場し、広く知られるようになったらしい。
5楽章編成で20~25分程度の比較的短い作品。もともと軍楽として構想されたため交響曲としての性格はない。冒頭と最終章では金管のファンファーレが威勢よく荘厳に響く。それもそのはず12人のトランペット奏者が演奏する編成らしい。各章には次のような描写的な副題が付けられており、解説を読みながら情景を想像し聴くと楽しい曲なのだ。
1.ファンファーレ        2.城塞(シュピルベルグ城)  3.修道院(ブルノ王妃の修道院)  
4.街路(古城に至る道)  5.市庁(ブルノ旧市庁舎)
狂詩曲「タラス・ブーリバ」
初試聴。ヤナーチェクが1918年に作曲した管弦楽曲。ゴーゴリの小説「タラス・ブーリバ(隊長ブーリバ)」に基づく標題音楽で、彼の最も表現力に富んだ作品に数えられている。3つの楽章から成りそれぞれ小説の登場人物とその死を描いている。
1.アンドレイの死  2.オスタップの死  3.タラス・ブーリバの予言と死
老人同士のロマンチックな情感をヴァイオリンが奏で、激しい戦闘場面は金管が吠え、捕虜、拷問、処刑、など戦場の人間味を欠いた非常さが、暗いトロンボーンの音色によって流され、ベルリオーズ・幻想交響曲の断頭台の場面を連想させる。陰鬱で暗雲垂れ込める曲、自分的には今後あまり聴きたくない曲の一つだった。これぞまさに“狂詩曲”だった。

      私のCD
    ベートーヴェン
ピアノ三重奏曲第7番「大公」

R2('20)1.9

        私のCD
モーツァルト ピアノ協奏曲第20番

R1('19)12.26

バッハ マニフィカト ニ長調 BWV243
     クリスマス・カンタータ BWV110
     S.ワルター・ガンベルト 
     S.ペーター・ヒンデルライター他
     テルツ少年合唱団
     G.シュミットガーデン指揮
     コレギウム・アウレム合奏団

モーツァルト 自動オルガンのための幻想曲ヘ短調 K.608
ブラームス   11のコラール前奏曲 OP.122
リスト      バッハの名前によるプレリュードとフーガ
         Org.カール・リヒター

    私のLP
バッハ 「マニフィカト」

R1('19)12.24

している。全体はキリストの生誕から受難、復活を描いたもので、美しいアリアや感動的なコーラスが数多く含まれているが、ヘンデルはこの大作を僅か24日間で仕上げてしまったという。全3部構成で約2時間半を要する大作だ。その中で第2部の最後を飾る大合唱「ハレルヤ」は、非常に有名で単独でもよく演奏されている。ヘブライ語で「主を讃えよ」と言う意味の「ハレルヤ」が、バリトン、テノール、アルト、ソプラノの各声域で繰り返され強く印象に残る。
現在では伝説に近いが、上演中この「ハレルヤ」に至ると聴衆が全員起立したという。これはロンドンでの初演時、この大合唱に感激した国王のジョージ二世が、感激のあまり思わず立ち上がってしまったというところから、以降習慣となっていったという。東京では毎年12月、東京芸大の教授、学生たちによって「メサイヤ」が上演され収益が慈善事業に使われている。私も現役時代数回鑑賞したが“起立”の習慣は皆無だった。今では伝説に近いエピソードになってしまったのだ。奇しくもこの「芸大メサイヤ」は、今宵12月19日上野・東京文化会館で開催される。
本日の視聴会は音響もよく臨場感たっぷりで、荘厳さと崇高さに満ち、各声域で繰り返されるソロと大合唱はまさに天に届くものだった。

ヘンデル メサイア(Messiah)
       T.ジョージ・マラン Bs.オーウェン・ブラニガン
       S.ジェニファー・ヴィヴィアン
       A.ノーマ・プロクター
       ボールド指揮
       ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 合唱団

初試聴。毎年クリスマスの時期になると各地で催される人気の曲が、このオラトリオ・メサイアだ。日本語では「聖譚曲」。これは主に聖書を題材として、語り手や独唱者、合唱、オーケストラによって演奏される宗教曲のことで、オペラとは異なり演技も舞台装置も一切ないのが大きな特色となっている。題名の「メサイア」とは、ヘブライ語で「聖油を注がれた者」といった意味で、イエス・キリストの事を指

   私のLPジャケット
    ドヴォルザーク
  チェロ協奏曲 作品104

R1('19)12.12

ドヴォルザーク チェロ協奏曲ロ短調 OP.104
          Vc.アントニオ・ヤニグロ
          ディーン・ディクソン指揮
          ウィーン国立歌劇場管弦楽団

          交響曲第9番ホ短調 OP.95「新世界より」
          ブルーノ・ワルター指揮
          コロンビア交響楽団

ハイドン チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIb-1
      Vc.ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
      ベンジャミン・ブリテン指揮
      イギリス室内管弦楽団

      私のCD
     パガニーニ
ヴァイオリン協奏曲第1番

R1('19)11.28

シベリウス 交響曲第1番ホ短調 OP.39
        組曲「カレリア」 OP.11
        間奏曲、バラード、行進曲風
        ロリン・マゼール指揮 ウィーン・フィル

シベリウス ヴァイオリン協奏曲 OP.47
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 OP.35
           Vn.チョン・キョンファ
           アンドレ・プレヴィン指揮
           ロンドン交響楽団

      私のCD
シベリウス 組曲「カレリア」

R1('19)11.26

      私のCD シューベルト
弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」

R1('19)11.19

約1年4ケ月ぶりに第1番~第6番通しで聴いた。約95分。久しぶりに聴いて新たな感銘を受けた。ヴァイオリン・ソナタと言えば、どちらかというとヴァイオリンを中心に展開してゆく音楽と思われるが、バッハのこの曲はヴァイオリンとピアノ(ハープシコード)がほとんど対等に活躍していて、実に和やかな対話のような作品となっている。バッハの音楽を深く研究したピアノの名手グレン・グールドとピアノのハイメ・ラレードのコンビは絶妙で、その織りなす音色は透明感があり素晴らしいものだった。一つには、ピアニストの際立つ二重奏曲ともいわれているが、ピアノとヴァイオリンを対等に扱った曲なのだ。共演者とトラブルの絶えなかった孤高のピアニスト、グールドが最後の共演者であるラレードと更なる共演を望みながら、病気のため実現しなかった、と言う逸話は印象深い。各曲とも4楽章の緩-急-緩-急の編成となっているが、第6番だけは5楽章編成で急-緩-急-緩-急となっている。いずれも、緩徐楽章の哀愁を帯びた旋律が身に染む。

       私のCD
ハイドン 弦楽四重奏曲「皇帝」

R1('19)10.31

        私のCD
    バッハ 音楽の捧げもの
トリオ・ソナタ(フルートとヴァイオリン)

R1('19)10.8

モーツァルト 交響曲第34番ハ長調 K.338
         交響曲第38番ニ長調 K.504「プラハ」
         ラファエル・クーベリック指揮
         シカゴ交響楽団

サン・サーンス ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調 OP.61
         序奏とロンド・カプリチオーソ OP.28
         ハバネラ OP.83
         Vn.アルテュール・グリューミオー
         ジャン・フルネ指揮
         コンセール・ラムルー管弦楽団

モーツァルト 交響曲第34番
初試聴。モーツァルトの最後の交響曲となった第41番「ジュピター」と

  作曲家年表                 classic  salon (本館)   
    1     2     3    4     5    6

モーツァルトの明るさ、爽やかさに通ずるものがある。年代的には24歳下のモーツァルトがハイドンから学んだと言うことになるが・・ ・。第3楽章アレグロ・モルトの疾走感は快適だ。余談ながらチェロ協奏曲第2番ニ長調は、更に華やかで美しい情緒が感じられる。私のCDは第1番と第2番がカップリングされており重宝している。
29.4.18、1.12.3、1.12.12 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・Vc.と指揮 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ イギリス室内管弦楽団

ブルックナー 交響曲第5番
ブルックナーの音楽は長い間世間に認められなかった。それは彼の交響曲のどれもがあまりにも長大で渋く、親しみにくいからであった。また、彼の交響曲は第1楽章の開始が俗に“原始霧”と呼ばれているヴァイオリンのトレモロによるささやくような音で始まり、それが深い霧の中から何かが次第に姿を現してくるかのような、特殊な手法を用いているのが大きな特徴となっている。この第5番も例外ではなく第1楽章の荘重な導入部から、印象的な主題が静かに始まり何度も繰り返され、早々にブルックナーの醍醐味が味わえる。第2楽章に入りオーボエの哀愁を帯びた旋律が広がり、荘厳な雰囲気を醸し出す。最終章は音の大伽藍ともいうべき巨大さが圧倒的スケールで迫ってきて、心の底から感動を呼ぶ不思議なパワーに満ちている。ブルックナーの持つ魔力なのだろうか。
28.3.17 試聴済み チェリビダッケ指揮 ミュンヘン・フィル
28.9.27   〃    スクロヴァチェフスキ指揮 ロンドン・フィル
私のCD・・ギュンターヴァント指揮 北ドイツ放送交響楽団

ブルックナー 交響曲第5番
28.3.17 試聴済み チュリビダッケ指揮 ミュンヘン・フィル
28.9.27 試聴済み スクロヴァチェフスキ指揮 ロンドン・フィル
2.2.18、2.6.23 試聴済み ルドルフ・ケンペ 指揮 ミュンヘン・フィル
私のCD・・ギュンター・ヴァント指揮 北ドイツ放送交響楽団

ベートーヴェン 交響曲第1番ハ長調 OP.21
           交響曲第2番ニ長調 OP.36
           交響曲第3番変ホ長調 OP.55「英雄」
           フルトヴェングラー指揮
           ウィーン・フィル

交響曲第1番
26.7.10、30.7.10、31.4.30 試聴済み カラヤン指揮 ベルリン・フィル
27.4.30、27.12.10 試聴済み スウィートナー指揮 
                   シュターツカペレ・ベルリン
30.10.4 試聴済み トスカニーニ指揮 NBC交響楽団
私のCD・・フランス・ブリュッヘン指揮 18世紀オーケストラ
(古楽器奏者集団)                       

   私のLP
 ベートーヴェン
交響曲第3番「英雄」

R2('20)9.15

       私のCD
     ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第12番~第16番

R2('20)8.18

      私のCD
ドビュッシー 前奏曲集第1巻

R2('20)8.6

R2('20)6.23

      私のCD
ブルックナー 交響曲第5番

   私のCD
  モーツァルト
クラリネット協奏曲

R2('20)2.13

モーツァルト「ジュピター」
26.10.16、27.7.30 試聴済み カール・ベーム指揮 ウィーンフィル
29.6.6 試聴済み ジェフリー・テイト指揮 イギリス室内管弦楽団
30.4.24   〃   ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
31.1.24   〃   クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団
私のLP・・ダヴィッド・ショセフォ・ヴィッツ指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
   LP・・ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
    CD・・サヴァリッシュ指揮 チェコ・フィル

ブラームス ピアノ協奏曲第1番
26.7.1、30.12.4 試聴済み P.ツィマーマン バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル
30.4.12 試聴済み P.ゼルキン ドラティ指揮 ピッツバーグ交響楽団
私のCD・・P.エレーヌ・グリモー クルト・ザンデルリング指揮 ベルリン・シュターツカペレ

ベートーヴェン 交響曲第7番
26.5.13 試聴済み フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィル
26.7.31   〃    アバド指揮 ウィーン・フィル
27.2.10、27.9.17、30.3.29 試聴済み イッセルシュテット指揮 ウィーン・フィル
27.3.17 試聴済み 小澤征爾指揮 水戸室内管弦楽団
27.7.2    〃    ベーム指揮 ウィーン・フィル 
27.9.8、27.11.17、30.5.3 試聴済み クリップス指揮 ロンドン交響楽団
30.2.6 試聴済み スウィトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
私のLP・・ワルター指揮 コロンビア交響楽団
   CD・・カラヤン指揮 ベルリン・フィル
   CD・・スゥイトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン

    私のCD
シューマン、グリーグ
   ピアノ協奏曲

R2('20)1.23

      私のCD
ショパン ノクターン集

R2('20)1.21

シューベルト 歌曲集「冬の旅」 全曲 D.911
         Br.フィッシャー・ディスカウ
         P.イエルク・デムス

シューベルトは僅か31年の生涯に実に1000曲以上もの作品を作ったが、その内歌曲は603曲に及んでいる。それらの中でまとまった歌曲として書かれたのが「美しき水車小屋の娘」と「冬の旅」そして彼の死の年に書かれた14曲からなる「白鳥の歌」、これらがシューベルトの「三大歌曲集」と呼ばれている。ベートーヴェンが世を去った翌年の1828年、シューベルトが死の床で行っていた最後の仕事がこの「冬の旅」の校正であった、と言う。この歌曲集は、恋に破れた青年が生きる望みを

シベリウス 交響曲第1番
初試聴。1899年、シベリウス34歳の作品。当時彼はチャイコフスキーを崇拝していたので、その影響を受けており、独自の作風がはっきりと表れていないが、フィンランドの民族的な情緒は随所に見られる。特に、第4楽章のフィンランドを讃えるような盛り上げは素晴らしい。シベリウスの生まれたフィンランドは、大古の神秘をたたえた黒い森と湖が広がる広大な国である。「シベリウスの音楽の中には人が一人もいない」と言った人もいるように、彼の音楽はそうした北欧の淋しい大自然の情感を非常によく表している。シベリウスは叙事詩「カレワラ」を題材とした作品を多く書きフィンランドの国民音楽を世界的なものとした。その功績により30歳半ばから国の終身年金を受けることになり作曲に専念、最初に送り出したのがこの大作なのだ。曲はクラリネットの静かなゆったりとした旋律から瞑想的に始まり、ヴァイオリンが精力的な主題を奏す。第2楽章ではヴァイオリンとチェロが甘美な熱情の籠った音を奏で、郷愁を誘う曲調はチャイコフスキーの面影が浮かぶ。第3楽章は、民族色の濃いスケルツォでドヴォルザークの新世界を連想さすものがあった。最終章では、第1楽章序奏のクラリネットが美しい旋律を奏でる。大きな起伏が山のようなうねりとなり、祖国フィンランドを讃える荘厳な管弦楽の音響に包まれる。
この曲は、彼の代表作「フィンランディア」と同じ年に作られたもので、当時のフィンランドはロシアの圧政下にあり、それだけにフィンランドの人々の心を大きく揺さぶったものと思われる。本日久し振りに聴いて私の心にも大きく伝わるものがあった。シベリウスの交響曲の中では第2番が有名だが、この第1番も捨てたものではない。

組曲「カレリア」
29.1.5 試聴済み サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレル管弦楽団
私のCD・・オッコ・カム指揮 ヘルシンキ・フィル


ヴァイオリン協奏曲
27.6.2、30.5.31 試聴済み 本日の盤に同じ
27.9.17 試聴済み Vn.ハイフェッツ ワルター指揮 シカゴ交響楽団
28.6.30   〃    Vn.フランチェスカッティ バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィル
私のCD・・Vn.五嶋みどり ズービン・メータ指揮 イスラエル・フィルハーモニー

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
26.6.12 試聴済み Vn.前橋汀子 エッシェンバッハ指揮 チューリッヒ・トーハレ・オーケストラ
27.6.2、30.5.31 試聴済み 本日の盤に同じ
27.8.4 試聴済み Vn.ヤッシャ・ハイフェッツ フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団
27.10.6  〃    Vn.ギドン・クレメル マゼール指揮 ベルリン・フィル

私のLP・・Vn.ダヴィド・オイストラフ ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮 モスクワ・フィル
   LP・・Vn.ジノ・フランチェスカッティ トマス・ショパーズ指揮 ニューヨーク・フィル

バッハ ヴァイオリン・ソナタ第1番ロ短調 BWV.1014
     ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 BWV.1015
     ヴァイオリン・ソナタ第3番ホ長調 BWV.1016
     ヴァイオリン・ソナタ第4番ハ短調 BWV.1017
     ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ短調 BWV.1018
     ヴァイオリン・ソナタ第6番 ト長調 BWV.1019
     Vn.ハイメ・ラレード
     P.グレン・グールド

26.6.3、28.7.12 第4番~第6番 試聴済み 本日の盤に同じ
29.8.29、30.7.26 第1番~第6番 試聴済み 本日の盤に同じ
28.7.7 第1番~第3番 試聴済み 本日の盤に同じ
私のCD・・本日の盤に同じ 

       私のCD
        バッハ
    ヴァイオリンソナタ
     第1番~第6番

R1('19)11.7

                  

                          シューマン ピアノ五重奏曲 ピアノ四重奏曲
                         27.2.24 試聴済み 本日の盤に同じ
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第4番
初試聴。ラフマニノフと言えばピアノ協奏曲第2番が、クラシック音楽の中でも最もポピュラーな名曲で、映画「逢引き」、「7年目の浮気」などで使われているが、本日聴いた第4番はあまり聴く機会がなかった。この曲はアメリカ各地を演奏旅行中の1924年に着手、フランス滞在中の1926年に完成している。初演後、曲が長すぎると判断した彼は第3楽章を中心に大幅な改定をし、1928年に出版したがそれでも納得がいかず、さらに1938年に大規模な改定を行い最終稿(いわゆる改訂版)は彼の死後の1944年に出版された。現在、演奏などで使用されているのはこの版である。私が知っているラフマニノフは、チャイコフスキー同様に甘美でロマンティックな旋律に溢れているが、この曲は全く異なる曲なのだ。序奏からしてピアノの重音で荘厳な雰囲気に満ち第2楽章でも突然に荒々しい楽想が顔を出す。第3楽章は、打楽器が多用され強烈な音が続き、フィナーレも華々しい。ラフマニノフに対する私のイメージを完全に覆すものだった。

ラヴェル ピアノ協奏曲
初試聴。第1楽章と第3楽章はジャズの雰囲気一杯で且つガーシュインの香りが漂う華やかでアップテンポな楽章。それから一転、第2楽章は透明感あふれる静謐なラヴェルの真骨頂ともいうべき旋律に彩られている。ピアノのソロだけが3分近く奏でられ、その背後から流れる木管と弦の軽やかな響きが素晴らしい。ピアノと木管楽器群が次々と旋律を奏でるこの楽章はモーツァルトのクラリネット五重奏曲に感化されたものと言われているが十分に納得できる。最後は第1楽章と同じくジャズぽい明るく華やかなテンポで終息し、ラヴェルの別の顔を見た思いだ。この曲は、本来の古典的スタイルにジャズの新しい手法を取り入れた革新性との融合に、彼の絶妙洒脱な才気が加えられており、一般に20世紀前半に書かれたピアノ協奏曲の傑作の一つとして評価されている。

私のCD・・本日の盤に同じ。
ラフマニノフとラヴェルのピアノ協奏曲は異色のカップリング。早速アマゾンから購入した。ピアニスト・アルトーロ・ベネデッティ・ミケランジェリは徹底した完璧主義者と言われているが、これらの曲は歯切れのよい演奏で気に入っている。

シューマン ピアノ五重奏曲 OP.44
         ピアノ四重奏曲 OP.47
         P.イエルグ・デムス バリリ弦楽四重奏団

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第4番ト短調 OP.40

ラヴェル   ピアノ協奏曲ト長調
        P.アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ 
        エットレ・グラチス指揮 
        フィルハーモニア管弦楽団
                   

 私のCD
 ラヴェル
ピアノ協奏曲

R1('19)10.24

   ヘンデル
 1685年~1759年
ドイツ~イギリス帰化

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R2('20)2.18

      私のCD
ブルックナー 交響曲第5番

    私のCD
ハイドン チェロ協奏曲

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      私のCD
      ロッシーニ
序曲集「セヴィリアの理髪師」

      私のLP 
    モーツァルト
交響曲第41番「ジュピター」

R2('20)9.17